いないいないばぁ。   作:Gasshow

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締めの話です。



有るか無きかのすずろごと


「ーーーーって言う話でした。どう?中々に良い話でしょ?」

 

ちゃぶ台を囲んで座っている四人と、ちゃぶ台の上にいる一人にそう言って、博麗の巫女である霊夢は得意気な顔でそう言った。

 

「まぁ霊夢さんにしてはまともでしたね」

 

「霊夢にしてはな」

 

「霊夢にしてはね」

 

早苗、魔理沙、咲夜の三人はそう言って霊夢を見る。

 

「ちょっと、私にしてはってどう言うことよ!」

 

お前たちは普段、どんな目で私を見ているんだと、憤怒する霊夢。

 

「わ、私は良い話だと思いました!」

 

「そうよね!私の味方は針妙丸だけよ~!」

 

そう言って霊夢は針妙丸を掬い上げて、頬擦りをする。体格さ故に、針妙丸が若干苦しそうな顔をしているが、霊夢からは全く見えていなかった。

 

「でも皆さん、よく即興でこんな話を作れますね」

 

 霊夢によってふらふらにされながらも 針妙丸は一つの質問をした。彼女は自分だけが話をしていないので、そんな疑問が浮かんだのだろう。しかし返ってきた答は予想外のものだった。

 

「作ったと言うよりは、元々知ってる話を知り合いに当てはめてるだけですよ。皆もそうですよね?」

 

妖夢の返答に四人はコクりと一斉に頷く。そう言うことかと、針妙丸は納得したように唸った。

 

「まぁこんな事になったのは霊夢のせいだよな。始めは怖い話をしてたのに、いきなりこっちの方面に持ってくからさ」

 

「幻想郷で怖い話なんかしても面白くないでしょ?しかもこの面子で」

 

そう言われればそうだなと、魔理沙は苦笑いをした。

 

「でもこれって本当にあった話も混じってるんですよね?」

 

「あぁ、私が話した話なんてそうだな」

 

魔理沙は自分が話した、アリスについての話を言葉で指し示した。しかしそこで、話を打ち切るようにして早苗が咲夜に食ってかかった。

 

「そう言えば咲夜さん!何で私があんなに頭おかしい子になっちゃってるんですか!?私が外の世界にいた頃は、髪を染めてましたし、それに皆とも仲良くしてましたよ!」

 

「それは貴方が紅魔館を悪く言ったからでしょ?たとえお嬢様の為と言っても、パチュリー様は妹様を手にかけたりなんかしないわ」

 

バチバチと二人の間に火花が散る。そんな二人の間に入るようにして、霊夢は彼女たちの顔を手で押し退けた。

 

「まぁまぁ、ただの暇潰しだったんだからいいじゃない。それにもう遅いわ。今日はもう帰りなさい」

 

外から見える太陽は沈みかけ、辺りは薄暗く変化していた。

 

「そうね。もうすぐお嬢様様が起きてしまうわ」

 

「じゃあ、解散しましょうか」

 

早苗の一言が合図で彼女たちは一斉にそれぞれの場所へと帰っていった。しかし魔理沙だけはそこに(とど)まり霊夢の側で座っていた?

 

「どうしたのよ?魔理沙」

 

それを不審に思った霊夢は、ふと魔理沙にそう尋ねる。

 

「…………なぁ霊夢。久々に二人で人里に食べに行かないか?ここから夕飯の準備をするのも面倒だろ?」

 

「…………そうね。たまにはこう言うのも悪くないわね」

 

霊夢はにっこりと笑ってそう言う。魔理沙もそれに対し嬉しそうな笑みで返した。それから二人は共に外へと向かった。

 

「で?どこに行くのよ?」

 

「そうだな……うどん屋なんてどうだ?目玉焼きうどんが久しぶりに食べたいなと思って」

 

「うわ!本当にあったのね、それ」

 

こうして二人は沈む太陽に向かい消えていった。

 

それはこれからも、彼女たちが紡ぐすずろごと。

 

 

 

 

 

 




まとめの後書きは活動報告で。

解説あります。

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