ビル街の狩人ロビンフッド:アーチャー陣営
「あれは違う。あれも、あれも違う。あの人は…違うな」
今、樹崎幸助は使い魔の鳩を介してマスターと思わしき人間を捜索していた。
「う〜ん、取り敢えず探しては見るけど見つかるわけもない…か」
サーヴァントであるロビンフッドにも手伝っては貰っているが、それでも見つからない。
「(おい、ロビン。見つかったか?)」
念話を通して、ロビンフッドに話しかける。
「(いや、見つからねえ。やっぱり敵さんもマスターと同じ考えしてんじゃねえか?)」
「(ああ、そうかもな。よし、そろそろ帰ってきていいぞ)」
「(了解っと。ん?なんだあいつ?なあマスター)」
「(ん?なんだロビン?)」
「(なんか花屋でバイトしてるサーヴァント見つけたんだが…)」
「(はあ!?花屋だぁ!?何考えてんだそいつ!?ちょっと待ってろ!今使い魔そっちに飛ばすから!)」
そう、バイトだ。サーヴァントがバイト。これ程異常な光景はなかなか見れないだろう。サーヴァントがバイトしているという事は、自分の姿を他のマスターに知らしめる事とほぼ変わりないと言ってもいいだろう。
「(よし、着いたぞ。どいつだ?)」
「(あの、青髪の奴だ)」
使い魔を通して見ても、その男は屈強な戦士というのがわかった。引き締まった身体に、無駄の無い動きだけで理解するには充分だ。
「(ステータスはっと……ッ!?)」
「(どうした?マスター?)」
「(………逃げろロビン!その場から今すぐに!)」
「(おいおい!どうしたんだよ!?イキナリ!?)」
その男のステータスは、ロビンフッドが相手にするには有り余る程の実力だった。逃げるのが正しいと幸助は判断したのだ。
「(あいつのステータス、かなり高い。お前じゃ見られた瞬間ヤバイ。逃げようとしても恐らく令呪使わなきゃ逃げられない。)」
「(そういうことね…そいじゃ俺はバレる前にドロンさせていただきますか)」
「(あんなんと戦っても勝てる気しないんだけど…他の陣営に任せたいところだね)」
「(ふーん、そんなに強いのあいつ?)」
「(逆にお前があいつと戦っても、勝算を見つける方が困難なレベル)」
「(それってどういう理由で?)」
いつもならそれで食いさがる筈のロビンフッドが今日は何故か、その理由についてかなり掘り下げてくる。
「(いろいろだよ。まずあいつ、敏捷がAとかある。それに矢避けの加護まで持ってやがる)」
「(はは!そりゃ確かに俺じゃ無理ですわ!矢が当たらねえんじゃもうどうしようもねえ!)」
幸助は幸いにも、堅実的な性格だった。ここでいきなり「よし!じゃあ戦って来い!」なんて言う馬鹿な人間では無い。もっと、作戦を綿密に計画し、確実性を増した戦法をとるタイプの人間だ。
「(取りあえず今日は帰って来い。それと次からはその花屋のところは避けて通ってくれよ?)」
「(わかってますよ。俺はマスターと同じで、計画的に戦う人間なんでね。無鉄砲に突っ込んだりはしませんよ)」
やれやれ、と首を振りながら幸助は明日からの作戦を考えるのだった。
彼の導入で描かれていたバイトと言うのは花屋です。経験を生かしてやっています。よくよく考えるとホロウとかのバイトしてるサーヴァントって結構変な光景ですよね。もし貴方の身の周りにある店でサーヴァントがバイトしてたらどうします?僕は腰抜かしそうです。