円卓闘争:セイバー&ランサー陣営
「おいおいおいおい!アーサー!?あのエクスカリバーの!?って、何持ってるか見えねえぞ?」
「おや、
ランスロットの問いかけにロイドは首を傾げた。
「お前はわかんのかよ?」
「ええ、あの槍はその光を失った聖剣に変わり、『卑王』と呼ばれた者を貫いた槍。名をロンゴミニアドといいます」
「槍?そうなのか?それなら奴はランサーか?いや、しかしライダーという可能性も…」
「いえ、十中八九ランサーでしょうね。あの馬はそれほど有名な逸話を生んだ馬ではありませんから」
そこで、相対するその不可視の武器を構えた騎士は口を開く。
「貴方は…本当にサー・ランスロットなのですね?」
「ええ、私です。ところで我が王よ。貴方に問いたい事が…いえ、問わなければならない事があります」
「なんでしょう……?私に…問わなければいけない事?」
「ええ、そうです。私はそれだけは尋ねなければいけない」
そして、セイバーは自らの持つその疑念をかつての自らの王にぶつける。
「貴方は、あの理想を…今、どう思っていますか?」
「私は……あの願いは間違いだと気づかされました。私が真に心を開き背中を預ける事の出来たマスターのお陰で…」
「そうですか…それは良かった…それなら私も、全力でこの剣を振るう事ができます!」
そこに一人の男性が割り込んできた。
「おい、何勝手に盛り上がってんだよ?」
「ん?あんたは?」
「俺はこいつのマスターだ」
「へえ。こいつはいい、隠れずに出てくるとは勇気があるなアンタ。まあコソコソしてるよりはマシだな」
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side master
辺り一体に銃声が響き渡る。地形を利用しようと森に誘いこんだのは良いが、相手が魔術では無く銃火器を使うとは尚嗣も予想していなかっただろう。
「クッ!不味いな。木なんかじゃ、銃弾なんて止められないぞ?」
「おらおら!出てこいよ!そんなんじゃいつまでたっても俺に攻撃出来ないぜ!」
強化の魔術で今はなんとか凌いでいる尚嗣だが、強化もいつまでもは持たない。それが焦りとなり、尚嗣を襲う。
「くぅ!それなら!そらいけ!」
尚嗣は宝石に魔力を籠め、さらにそれを強化した状態で飛ばす。
「ほう?どうやら宝石魔術の様だな?だがそれでどうなるってんだ!」
「こうすんのさ!」
直線的に飛んでいた宝石が急に向きを変え、ロイドに襲いかかる。
「フン!そんなもの!予測済みだ!」
ロイドはそれを容易く撃ち落とす。
「くそ!これでもダメか!?ならこれだ!」
尚嗣はもう一度、宝石に魔力を籠める。今度は、すぐにでもその魔力が爆発してしまいそうな程に。
「弾け飛べぇ!」
その宝石を再びロイドに向かい投げつける。
「だから!何回同じことしても無駄…」
そこまでロイドが言い放った時だった。宝石が溢れんばかりの光を放ち、爆発した。
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side servant
鉄と鉄のぶつかり合いから、火花が飛び散る。
「くっ!流石ですね我が王よ!」
「貴方こそ!この力…どうやらあの時よりもさらに強くなっているようだ!これが貴方の力か!」
どちらも一歩も譲らぬ打ち合い。
どちらかが一撃を与えることは無く、強力な攻撃を繰り出す気もない。
何故ならお互いが、それを出したところで全く意味が無いことを知っているから。
(彼は強い。でもだからと言って、対応する事ができない事は無い)
お互いに全く同じ事を考える。
(ここで焦って、自分の強力なカードを切った所で恐らく貴女には通用しないのでしょう。ならばここで、自らの手の内を明かすより相手の体力を削る事を考えるのが優先!)
不用意に手を明かせば負けるのは自分だと言うのに気づいているのだろう。
「ハッ!」
セイバーが放った一撃をランサーが防ぎ、そのまま攻撃に転ずる。
「甘い!」
さらにランサーの攻撃を凌いだセイバーが再び攻撃を行う。
この繰り返しが延々と続いていた。
(このままでは消費しあっていくだけ。そして消耗した状態で戦ってしまえば、私よりも高い実力を誇る彼の方が有利…ならば!ここで打って出る!)
ランサーは、己と相対している相手との実力の差を考えた結果、突撃を選んだ。
「ハァ!
「ッ!これは!風か!?」
セイバーの体は、ランサーの宝具によって吹き飛ばされた。しかし、そのダメージは対魔力のスキルによって無効化されてしまう。
「フン!この程度の攻撃ーーー!」
「今だ!我が槍の一撃…!」
槍の表面を魔力が覆い、膜となりそれと同時に槍が回転を始める。
ランサーの主要な攻撃手段、魔力解放だ。
「この魔力の量…!流石は竜の因子を所有している者!」
「ハァ!駆けろ!ドゥン・スタリオンよ!」
セイバーに向かい、その聖槍のエネルギーを放とうとした瞬間だった。
風と共に【それ】は運ばれてきた。
ゾワッ!という恐怖心と共に全身を駆け巡る悪寒が、
「なっ!?なんだ!?今のは!?」
「これは……マスターのいる方向から!?」
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side master
「痛ってぇ…くそっ!あいつは!?」
いない。何処を見渡してもロイドの姿を発見する事は出来ない。
(何処だ?あんだけわかりやすい攻撃だったんだ。当たって死んだってのはまず考えられない)
尚嗣は思考を巡らせるがそれでも答えには行き着かない。すると…
カランという音が足元でなった。
「ん?なんの音だ?」
見るとそこにはーーーーー、
ピンの抜けた手榴弾が転がっていた。
「不味い!これってーーー」
その瞬間、二度目の爆発が起きた。
爆破された場所から吹き飛ばされた尚嗣は、その苦痛に顔を歪める。
「ガァァァァア!いってぇ!くそ!左足が吹っ飛ばされたか!?」
その光景を見たロイドは言葉を失った。
何故なら、尚嗣は爆発した手榴弾から殆ど距離を置いていない筈だった。その証拠に、左足が千切れてなくなったのだ。
しかし、彼の体は次の瞬間には無傷になっていたのだ。
「おい!テメェどういう事だ!?何故吹き飛ばした左の足が治ってやがる!?テメェはバケモンか!?」
立ち上がりながら尚嗣はロイドの問いに答える。
「ああん?俺の体にはとある聖遺物があるんだよ。それがある限り俺は死ぬ事はねえ!」
そう、尚嗣の体にある
「なんだよそれ…もう魔法クラスの物じゃねえのかよそれ…?」
「ん?あれ?ヤッベ!宝石無くなってる!まさかさっきので!?」
目の前で焦っている魔術師が、魔法にも匹敵するレベルの聖遺物を持っているという事実がロイドを戦慄させる。
(こいつ…なんなんだ?戦闘経験も無いような素人魔術師だ。それなのに、トップクラスの魔術師が喉から手が出る程欲しがるような代物を何故こんな奴が…)
「くそ!これからどう戦えば良いんだ!?宝石が無いなんて!?」
「ふん!まあそんなのどうでも良い。お前は今ここで運が尽きて死ぬんだからな!あれでダメなら脳を破壊するまでだ!」
「くっ!こうなったら…」
やけくそと言わんばかりに尚嗣は落ちていた木の幹を手に持ち、それに強化の魔術を施す。
「えーっと、
尚嗣は師から譲り受けたその詠唱を口にし、幹を強化していく。
「
「はあ?強化の魔術か?そんなもん!役に立つかっての!」
「うお!危ねえ!やっぱ木なんかじゃダメなのか!?」
銃弾を1発受けただけで、木の幹は砕けてしまった。
ロイドは尚嗣の眉間に向かい、銃を構えた。
「これで終わりだよ。じゃあな」
銃声が鳴り響き、放たれた弾は尚嗣の額の辺りを貫くーーーー、
ーーーーー筈だった。
しかし、実際にはロイドの放った弾丸は、尚嗣の手に握られていた【それ】によって、粉々になってしまった。
それと同時にロイドはある感情を尚嗣の手に収まっている【それ】に抱いてしまう。
「ッ!なん…だ…?今の…?」
それは恐怖。尚嗣の手にしている
【それ】はあまりにも冷たく、暗くあまりにも恐ろしかった。恐らくあれを見て、恐怖を感じないのは危機管理能力が皆無の者くらいだろう。
「なんだ…?これ?剣の…柄?」
「またデタラメな物を…!おい!そりゃ一体なんだ!?」
尚嗣の手には、一振りの剣の柄が握られていた。しかし、その柄には無い筈が無い物がついていなかった。
そう、【刀身だけ】が砕け散っていたのだ。
「これは…一体?」
しかし、その柄も次の瞬間に光の粒子となって消えていた。
今回は戦闘回だったのですが、あまり戦闘描写が上手では無いのでわかりにくいかも知れません。不明な点は、脳内補完でお願いします。