CLANNAD ~汐風の物語~   作:ドラグニル

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汐と風太と雅樹

「じゃあパパ、ママ!行ってきます!」

 

「「行ってらっしゃい」」

 

パパとママの二人の声を聞いて私は元気よく自分の家を出る。

私はついに念願の私立光坂高校に入学することができた。

高校一年生になって私は少しでも体の弱い自分を治そうと少しずつ運動をした。

その結果、今ではこの通り元気に育つことができた!

教室に入るとそこにうるさいのが一人いた。

 

「あ、汐ー!!2日ぶり!」

 

「げ…春原…」

 

「げって何よ!」

 

そう言いながら私に不機嫌そうに見てくる彼女、春原潮は私の数少ない友達である。

見た目は茶髪のロングで前髪を左にヘアピンでしている。

流石にあの人の娘なのだからスタイルも良いと思ってたんだけど…この子は胸が…うん…まぁ小さくても悪くはないしね…

でもやっぱりこの子…おれい○のあの主人公の京介の妹にしか見えない…

 

「ってそうじゃなくて…アンタさなんで毎回ウチの寮に来るわけ?なんなの好きなの?」

 

「そんなに嫌ならもう行かないよ?」

 

「ゴメンナサイ!!来てください!!むさい男ばっかりで嫌なの!!」

この通り…ちょっとアレだけどまあ悪いやつじゃない。

私とコイツが友達になった理由はこうだ…

 

『ねえねえ…消しゴム落ちたよ?』

 

『ありがとう!きみ…名前は?』

 

『……春原潮』

 

『春原塩?変な名前』

 

『字が違ーう!!潮だよ潮!!満潮の潮の方!!』

 

『あっそっちね…てっきりなんかの宣伝かと…』

 

『アンタ私の事なんだと思ってんの?』

 

『…バカ?』

 

これが私と春原の出会いである。

なんか思い出したら笑えてきた…パパ曰く春原のおじさんに娘がいたことに驚きだったらしい。

春原のおじさんは『え?知らなかったの?だって聞かれなかったしなぁー』と言っていたらしくパパも知らなかったらしい。

 

「でさー、汐って好きな人はいないの?」

 

「うーん今はまだいないかなー」

 

「えーいてるでしょ?一人や二人(笑)」

 

「うるさい便座カバー」

 

「ちょっ!!それはヤメテー!!」

 

 

何故彼女がここまで否定するのかと言うのはまた別の機会に話そう…

 

 

「あ!二人ともおはよー」

 

「おはよう吉野くん」

 

「おはよう風ちゃん!!」

 

「わぁっ!!」

 

私の駄親友は風ちゃんと呼ぶ彼を見ると直ぐに抱きつく。

彼は吉野風太くん、正直言って友達?というか女友達に近い男の娘だ。…間違えた、男の子だ。

彼は母親に似てるらしくとても女の子らしい顔付きであまり背も高くない。

けど吉野くんのお母さんが言うにはやるときは凄い頼りになるらしい。

 

 

「ちょっと…吉野くん嫌がっているでしょ?」

 

「えー?とか言って本当はアンタも抱きつきたいんじゃないの?」

 

「え!?そうなんですか!?…ってかいい加減離れてくださいよ!」

 

「えー、でもぅ…」

 

「でもじゃない、離れなよ春原…」

 

「ちぇー」

 

全く!気を許すとこれなんだから…べ、別に吉野くんが嫌がっているから仕方なくであって…て、なに心の中で一人で喋ってるんだろう…

 

 

「はーい!皆席についてー」

 

「きりーつ、礼、ちゃくせーき!」

 

「それじゃあ今日は皆に転校生を発表する…」

 

転校生?てかまだこの学校来て一ヶ月しか経ってないんだけど…

 

 

「はいってー」

 

「日坂花です!みんなどーぞ宜しくお願いします‼」

 

そこにいたのはとても顔の整ったスタイルの良い女子がいた。私は見た瞬間、綺麗な人というのはこういう人の事なんだろうと思った。

長い黒髪に、スッとした綺麗な足、そして何より形のいいおっ……危ない危ない…、まぁとにかく綺麗な人である。

どうやら席が私の前だったらしく、顔を会わせることになった。

 

「よろしくね汐さん」

 

「へ?あ、あぁよろしく日坂さん」

 

「アタシの名前は春原潮!!右斜め後ろだけどよろしく!」

 

「よろしく春原さん」

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

四時限目の授業のチャイムが鳴り終えると私はある場所に行った。

そこは演劇部、人数こそ少ないが皆私の友達であり、部活メンバーだ。

 

「遅いわよ三人ともー」

 

「ごめんねー、吉野くんが居眠りしてて」

 

「風ちゃん…また居眠りしてたんだよー"授業中”に」

 

「ちょ…春原さん!!…よ、陽菜さん?」

 

「あ、アンタは何回注意したら気がすむんじゃーい!!」

 

そう言うと陽菜は吉野くんに裸絞めをする。

陽菜…立川陽菜は緑髪のポニーテールでクラスでも色々とクラブに誘われていたりする。

彼女曰く『運動部も文芸部もどちらか一個するのは嫌だ、だからその両方みたいな演劇部が一番良い』と訳の分からない事を言って数々のクラブ勧誘を蹴ってここに来たらしい。

そして何より彼女は学年で…

 

 

 

一番の"巨乳”である

 

 

 

え?しょうもない?嫌々見たら分かると思うよ…だって…アレを見たら多分女子はショックを受けると思う。

あの貧乳とか言っても動じないあの春原が「私、当分牛乳を主食にする』とか言うぐらいだよ?

……ごめん、いつものことだった。

 

 

「あ、あの陽菜さん!!あ、当たっています!!」

 

「何がよ!」

 

「そうだよー当たってるよー」

 

「汐までなに?ってか何が当たってんのよ!」

 

 

こ、こいつ…折角吉野くんが言いずらそうにしてるから私がヒント与えてんのに。

 

「あらあら…そろそろ遊びはやめましょうね…陽菜さん」

 

「何言ってるんですか!宮沢先輩コイツは一回…」

 

「やめなさい」

 

「は、はい…」

 

流石は私達の部長でありリーダ格の人だ。

宮沢叶先輩はあの陽菜も一瞬で黙らすほどの力を持っている。

なんでも昔この学校にケンカをしに来た十数名の所謂ヤンキー?という人達を一人で倒したらしい。

そして何より普段こそ優しい先輩ではあるが、怒らせると止められるものは誰もいない。

見た目はお母さん似らしい…それと、叶という一文字で"かなえ”と呼ぶらしい。

 

 

「いい加減昼食を食べましょう?」

 

『はい』

 

これ以上誰も叶先輩に反論する人はいなかった。

 

 

◆◆◆◆

 

「そういえばさー今日C組で転校生いたんでしょう?」

 

「そういえばそのようなこと言ってましたね」

 

「あ、はい、確か名前は…」

 

「日坂花でしたね」

 

「そうそう!!アタシさー演劇部に誘ってみたんだけど断られちゃった」

 

 

そう…私達は日坂さんに演劇部に来ないかと誘ってみたのだがそれを聞いた瞬間、彼女は『それだけは絶対嫌です』と頑なに断られたのである。

その時の彼女はとても嫌な、というより悲しそうな顔をしていた。

 

「うーん…ヤバイですね…私達は今年で二年生です…まだ余裕はありますがあと一人か二人一年生で欲しいところなのですが…」

 

「あー確かにそうですねー…」

 

 

叶先輩と陽菜は悩んでいるとバカがバカっぽく一人でバカな発言をする。

 

 

「だったらあと一人か二人誘えばいいんじゃないっすか?」

 

『………』

 

「ちょっ!なんで皆そんな可哀想な目で見るの!?」

 

「春原…アンタはよく頑張って考えた…だから後は保健室に行って寝かせてもらいなさい」

 

「それどういう意味よ汐!!」

 

 

コイツはよく頑張った…バカなりに…大体もう入学式から一ヶ月だ一年生の皆はもう入りたいクラブに入っている。

だからその案は絶対にない。それに、帰宅部の人だってバイトとかただ単にクラブに入りたくないって人だっている。

それを分かってるから皆悩んでんのに…コイツは…

 

 

「ま、まぁこの話はまた放課後にしましょう」

 

「そ、そうですね、じゃあ私達はこれで…」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

―――ここは何処だろう?今目の前にいるこの男の人は誰だろう?笑っている

そして何故あなたはそんなにも嬉しそうに私に手を差しのべるのだろう?

『―――――』男の人が何かを言っている。声は聞こえず顔もよく分からない…けれども何故か彼の言っている言葉が理解できる。

 

 

『一緒に演劇やってみないかい?』

 

 

そんな風に聞こえる。

多分私はこの人のおかげで演劇を――

 

 

 

「…お…、きな…」

 

「う、…うーん…」

 

「汐!!もう放課後だよ?起きなよ」

 

「ご、ごめん、寝てた」

 

「珍しいですね岡崎さんが寝てるなんて」

 

「だよねー?なんの夢見てたの?」

 

「…なんだっけ?」

 

「アタシに聞いてどうすんのよ…」

 

…なんの夢見てたっけ?…まあいいや、早く演劇部の所にいこーっと…

でもそういえば私っていつから演劇が大好きになったんだっけ?

確か昔は見るのは好きだけどそんなにやりたいとまでは思わなかったと思うんだよねー…

 

 

「さっさと行くよ汐」

 

「いこっ!岡崎さん!!」

 

「うん!!」

 

 

◆◆◆◆

 

 

「「……」」

 

あれって…

 

 

「おーい叶せんぱーい!陽菜!」

 

「きゃあ!」

 

「うひゃあ!」

 

え?なんでこんなに驚かれなきゃいけないの?声かけただけだよね?私

 

「な、なんだー汐さん達でしたか…」

 

「び、びっくりするじゃないの!」

 

「いやいや、ビックリしたのはこっちだから…」

 

「叶さんに陽菜いったいどうしたん?」

 

「そうですよ!どうしたんですか?」

 

 

春原と吉野くんが二人に聞くとその二人の指を指す方には…一人の男の人がいた。

それはもう多分イケメンの部類に入るであろう男子学生が…

 

 

「貴方は…この今の場所が好きか?私は好きだ…何故ならどんなに風景や、場所が変わっていてもそこに自分の居場所があるのだから…」

 

…あれ?なんだろう…この感じ…知ってる、確かこの後は…

 

 

「街が変わっているのなら自分も変わればいい」

 

風景が変わっているのなら馴染むように自分も変われば良い…

 

 

「一番嫌なのは自分の――」

 

「居場所が無くなることなのだから…」

 

 

…あ、ついつい教室に入っちゃった。

 

「驚いたな…君この物語を知っているのか?」

 

「うーん知ってるって言うよりここだけ何故かさっき思い出したって感じだけどね」

 

「君はもしかして――」

 

「ちょっとアンタ!!人の部室で何やってんのよ!!演劇したいなら演劇部に入りな!」

 

「え?ここは演劇部じゃないのか?」

 

「そうだよ!!だから……演劇していいのか…ゴメン」

 

 

…陽菜もたまにバカな気がする…ていうかこの男の人入部希望者かな?

それなら嬉しいかも!!よし善は急げ、だね!!

 

 

「ねえ君もしかして演劇部に入りたいの?」

 

「当たり前じゃないか」

 

「名前は?」

 

「風谷雅樹だ、よろしくな」

 

 

これが私と雅樹の出会いであった。

私は知らない、これより少し先にとてつもない出来事が起こることを…

私は知らない、本当の悲しみを…

 




ということで終わりました!!いやー、なんていうか色々とぶちこみましたねー…なんていうかやはり岡崎の所に春原ありじゃないと駄目な気がして、結構自分なりにオリジナルにしたつもりなのでよろしくお願いします!!
あ!それと感想とか挿絵とかじゃんじゃんきて下さいね‼

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