俺のヒーローアカデミア?   作:マスカット

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ハイペースなのも今のうちだけ
さぁ創作意欲がいつまで保つのやら


第2話 入学!

 実技試験を無事に終え、内容もそこまで悪くなかったと分析(ぶんせき)する時短だったが、新たな壁に差し掛かっていた。

 

(鞄忘れたことをすっかり忘れてた)

 

 試験会場の受験番号に基づいた席に腰かけ、時計の針を凝視(ぎょうし)する。テストまであと十分。それまでになんとしてでも、鉛筆だけでも確保せねばならない。

 実技試験から筆記試験までは結構な時間が空いていた。実技で負傷した生徒の治癒(ちゆ)などの都合でそうなっていた訳だが、その時間帯に近くのコンビニでも走っておけば良かったと時短は悔やむ。すっぽりと頭から抜けていた時短はトイレに行ったり、先の実技試験の内容を思い出したりで、気づいた時には致命的な時間帯まで来ていた。詰めが甘いというか、どこか抜けている性格が(うら)めしい。

 最早手段を選んでいる余裕もない。時短は決心すると、隣の席にいた生徒に声をかける。

 

「なぁ、俺筆記用具忘れちゃってさ、良かったら鉛筆一本でも貸してくれね?」

「えっ!?・・・ご、ごめん!え~っとほら、僕も鉛筆一つしかないから」

 

 じゃあなんだよその筆箱のふくらみは。そんな思いを込めたジト目で見つめるが、そそくさと視線を逸らされ取り付く島もない。

 

「ちょいと鉛筆・・・」

「あ、ヤバい!トイレ行っておかなきゃ!」

 

 ならばと逆側の席へと切り替えたが、こちらは逃げるように時短の言葉を無視する。

 さっと振り返ってみれば、殆どの生徒が時短から顔を背けた。はらわたが煮えくり返りそうな時短だったが、悪いのは自分。彼らは将来をかけてここにいるのだ、ライバルは少ない方が断然良い。

 

(くそ、絶対ラッキーって思われてるな。どうする?試験管にでも懇願(こんがん)してみるか?)

 

 言ったところで相手にされないだろうことは目に見えているが。

 刻々(こくこく)と時間だけが過ぎていく。テストの間何をするわけでもなく、静かに席に座っているだけとは残酷(ざんこく)だ。何としてでもヒーローになりたいなんて時短は思わないが、自分の寿命を削ってまで頑張ったのだ。ここまで来たら受かりたい。

 ダメもとで試験管に声をかけようと立ち上がり、教室の中を移動していた時、不意に声をかけられる。

 

「おっ、お前実技ん時の。確か・・・時短!!」

 

 そういって席を立ちあがってきた男子生徒に、時短は心当たりがあった。

 

「ん?・・・カチカチ・・・?」

 

 実技の時に敵から助けた内の一人だった。その中でも、個性と名前を唯一教えてくれた人物。

 

「同じ教室だったんだな。結構縁があるぜ俺ら・・ってどうした?」

「ああ、鞄忘れてテスト受けれそうにねぇーんだ」

 

 だから試験管にでも交渉してくる。そう言い残し後を立とうとする時短を切島は呼び止めた。

 

「待てよ。それなら俺が貸してやるぜ。あー・・・つっても俺も鉛筆一本しか持ってきてなかったな。仕方ねぇ」

 

 切島は自分の鉛筆を左手で持つと、右手をじゃんけんでいうチョキの形にして、半分ほどの長さのところを挟み込む。そして指先を個性で硬化することで、即興(そっきょう)(はさみ)を作り出し寸断する。

 

「ほら半分やるよ」

 

 おまけに個性で鉛筆を削り、使えるようにまでしてくれた。

 

「そんな消しゴム分けてくれるみたいなノリで・・・。カチカチ男らしいぜ!」

「だろ!?俺は男のなかのお―――「ありがとな」って聞けよ!!」

 

 鉛筆を貰うやいなや、そそくさと自分の席へと戻っていく時短。こうしてギリギリでテストを望めるようになった。

 因みに、テストは普通の必須科目である。

 

 

 

 

 テストを終えて一週間が経過した。この日は入試合否判定の結果が届く日である。

 昼過ぎになっても未だ自室のベットで横になっている時短は、部屋の外から聞こえる足音によって意識が覚醒(かくせい)し出す。

 

「タクミー。まだ寝てるのあんた。通知きてんよ」

「・・ん?ああ後で見るから置いといて」

 

 ノックもせずに入ってきたのは、ツインテールのタンクトップ姿の美少女。どことなく気だるげな印象が時短に似通っている。

 名前を時短美羽(じたん みう)。時短の二つ年上の姉だった。時短は美羽の方にまだ重たい瞳を向けると、一つあくびをしながら答えた。

 

「もうちょっと反応があっても良くないあんた。普通焦るなりするでしょーに。んじゃここ置いとくからね」

 

 溜息をつきながら手に持っていたものを、入り口近くの机の上に置くと、それ以上は用がないのかすぐに部屋を後にする。

 と、何かを思い出したのか美羽は、また眠ろうとする時短に向かって一言残していった。

 

「あ、あんた合格してたよ」

「・・・いや、なんで俺より先に見てんだ」

 

 姉の思わぬ一言に、意識が完全に覚醒する。

 

「美羽のやつ、俺が個性で同い年程度になってから、ちょっかいばっかかけてきやがって。はぁ、俺だってホントは結構緊張してたってのに」

 

 時短は机の上に置かれた雄英高等学校からの通知を手に取り、見ずにして内容を知ってしまったからか、開けようかどうかに悩んでしまう。

 

(もし実技での俺の予感が外れてたとか、筆記の回答がずれていたとか思ってたの、超杞憂(きゆう)じゃねーか)

 

 不合格じゃなかっただけ良かったけど。そう考えを改め、合格だと分かり切った一切怖くなんてない通知を開く。美羽が言っていた通り、一度開けた形跡(けいせき)があった。

 封筒に入っていたのは、書類と映像が投映されている機械。

 

『私が投映された!!』

「うおッ?オールマイト!?何で雄英の通知に映ってんの?」

 

 プロヒーローナンバーワンである筈のオールマイトが、いきなりドアップで現れたら誰だって驚くだろう。時短も流石に驚く。というか、ちょっと引いた。

 

『実は今年から私も雄英の教師として働くことになった。時短少年!単刀直入に言おう!君の入試の結果は、筆記は取れてたが、ギリギリで実技が不合格だった』

 

 一瞬何を言われたのか分からなかった。不合格?

 さっき美羽が合格と言っていたのは嘘だったのか。今まで数々のちょっかいを出してはきてたが、こんなにも傷つけるようなことは初めてだった。時短への気遣いとしたなら、逆にその優しさは非情(ひじょう)だ。

 やはり時短の読みが違ったのか。それならば、普通に無理をしてでもポイント稼ぎをしていれば。色々な感情が時短の中で渦巻く。

 

(いや、何を後悔してんだ俺。だめだったそんだけの話だろ。違う金になる職業を探せばいいだけのことだ)

 

 だというのに、この気持ちは何なのか。

 もういい、もう一度寝よう。そう思いかけた時短を、映像の中にいるオールマイトが呼び止める。

 

『普通ならば、だけどね!』

「・・・は?」

『君も気付いていたとは思うが、先の入試!敵P(ヴィランポイント)だけが判断基準ではない!!ヒーローとは本来、命をかけて人々を救ける仕事!!』

 

 ドクン。時短の鼓動(こどう)が知らずして高まっていく。雲掛かった心に、一筋の光が見えてくる。

 

救助活動P(レスキューポイント)!!それも審査制!!我々雄英が見てたもう一つの基礎能力!!時短拓未40ポイント・・・合格だ!』

「はッ・・・んだそんなの。・・・知ってたつーの」

『まぁ最初は狙ってやってるのが見え見えで、あんましポイントは高くなかったんだけどね。審査制だから』

「うっ・・・」

 

 あからさま過ぎたか。演技とか苦手なんだよ。

 そんな悪態(あくたい)をつくものの、時短の心は晴れ渡っていた。

 

『最後に0Pに立ち向かっていったのが勝因だね。それはともかく・・・ようこそ雄英へ!!これから三年間、私たちはいくつもの試練を与えていくぞ!!』

 

 そう映像は締めくくられる。

 時短は無意識のうちに拳を握りしめていた。さっきまでの考えなどどこ吹く風で、喜びを噛みしめる。

 

「だから合格だっていったでしょーに」

 

 そんな姿をこっそりと扉越しに見ていた美羽は、今日は時短の好きな料理でも作ってやるかと、案外弟思いな姉であった。

 

 

 

 春。それは別れの季節であり出会いの季節。

 中学卒業という別れから、高校入学という出会いが始まるのだ。

 

「じゃ、行ってくる」

「ん、気を付けなさいよ」

 

 玄関で美羽に手を振り、将来への一歩を踏み出す時短。

 毎年300を超える倍率の正体は、一般入試の定員が36名。一クラス18人ずつで二クラスしかないためだ。それを勝ち取った時短は、言わば勝ち組。だが、残りの全員も勝ち組のエリートたちということだ。気を抜いていたら置いてかれる。

 

「つーか、やっぱでけぇーな雄英」

 

 教室に辿り着くまでどれだけかかることやら。

 入学案内パンフレットを見ながら目的地までの教室を探すが、敷地が広すぎて絶賛(ぜっさん)迷子中だった。どこかで道を間違えたのだろうか。この階であっているはずなので、もう一回階段のところに戻ってからスタートしようと決めた時短は、歩んでいた足を止めてもと来た道を引き返そうと振り向く。

 

「わっ!?あぶ・・!!?」

「うっ!!いてぇ」

 

 瞬間、走ってきた少年と正面衝突することになった。衝撃で尻餅(しりもち)をついた時短は、今しがた突撃(とつげき)を決行してきた少年の方に視線を移す。

 地味めのもじゃもじゃ頭のそばかす。第一印象としてはそんなものだった。多分彼も今年受かった新入生なのだと時短は予測し、自分がいきなり振り返ったことでぶつかったのだと予想する。

 

「あっごめん!大丈夫・・・?」

「いや、俺の方も悪い。・・・ん?てかお前、入試の時に眼鏡クンに注意されてたやつ」

 

 受かったのか。そんな余計なひと言を時短は口走る。時短からしてみれば、よく受かったものだと感心しただけだったが、少年の方からしてみれば少し小馬鹿にされていると受け取っても可笑しくはない。慌てて失言だったかと気づく時短だが、少年の方はそれが当たり前なのか、そこまで気にした様子はなかった。

 

「はは、あ・・・っと僕緑谷っていうんだ。よろしく」

「俺は時短。ところで君は教室までの道のりを知っているかね」

 

 差し出された手を握りしめ立ち上がる時短は、緑谷と名乗った少年に教室まで案内して貰おうと質問する。

 

「君も新入生・・・?ってか・・入試の時のこと知ってるんだから当たり前だよね。一応教室までは分かるよ・・」

 

 期待してた通りの返答をした緑谷に、時短は案内を頼んだ。緑谷はすぐに了承(りょうしょう)すると、二人は隣だって歩き出す。

 案内を任せたはいいものを、二人は沈黙(ちんもく)だった。時短はめんどくさがり屋な気質があるが、美羽というなかなか手を焼く姉がいる分、社交的な面はそれなりにある。が、緑谷が何やらブツブツ独り言を初めて、今までに類を見ないタイプでどうしようか困ったための沈黙だった。

 だがその沈黙も、何やら意を決した緑谷によって終わることになる。

 

「時短くんはなにクラしゅ!!」

 

 変わりに緑谷が盛大に噛んだことによって、気まずさだけが流れた。

 とはいえ、またも沈黙に移るのは精神的にあれなので、とっさに時短も対応する。

 

「お、俺は1-Bだけど?」

「そ、それは残念・・・。僕はAクラスだから、あ!でも教室は隣だから場所は分かるよ!」

「そりゃ良かった。クラスは違えどよろしくな注意くん」

「あの・・・できればそのあだ名止めてほしいんだけど・・・」

「そっか、注意くんじゃなんか注意しまくるやつみてーだもんな。おし!噛み噛みで」

「忘れて!!どっちもお願いだから忘れて!!」

 

 そんな無駄話を展開するころには、目的の教室までたどり着いていた。

 

「じゃーな緑谷。助かったぜ」

「ほっ。ちゃんと名前で呼んでくれた」

「クラスでまた噛まないようにな」

「それは忘れてよおおお!!」

 

 わちゃわちゃと恥ずかしがる緑谷に、頑張れと言い残して時短は巨大な教室のドアを開く。校内を迷っていたためか、どうやら時短が一番最後の到着らしく、皆席に座っていた。

 

(俺の席は空いているあの席か)

 

 一つだけ空いている真ん中辺りの席が時短の席なのであろう。

 やはりというか、教室内の視線を一手に集めていた。全員が気になっているのだ。最難関のヒーロー科に受かった人間が、どういった人物なのかを。それだけが理由ではなく、ただ同じクラスの顔をいち早く覚えたいって理由もあるかもしれないが。

 

(入試の時に一緒になった奴がちらほら。後は全く知らねぇ奴ばっかだ。当然だけど。カチカチは・・・いねぇのか。落ちたか?それともAクラスの方か?もう一度お礼言っときたかったんだけどな)

 

 あいつが居なきゃここには来れなかった。せめて心の中だけでもお礼を言っておこう。と、時短は入試で世話になった切島へと念を送る。届いているかは知らないが。

 とりあえず席に着くかと、クラスの視線を気にしない素振りで教室を横断する。

 

「ようようお前ェよぅ!!入試ん時あの巨大ロボ行動不能にしたらしいじゃねーか!俺は鉄哲徹鐵(てつてつ てつてつ)って言うんだけどよぅ!!お前には負けねーぜオイ!!」

「ヨウヨウチェケヨ!!お前誰だよ、知らねーよ」

 

 席に辿りついた時短は、何やら勢いよく喰らいついてきた男子から、突然の宣戦布告(せんせんふこく)をされた。その独特(どくとく)な喋り方に、時短の持ち前の反射神経が変な形で発揮(はっき)したのか、男子生徒の口調をマネりながらラップ風に言葉を返す。

 売り言葉に買い言葉だが、時短からしてみればめんどくさい相手と関わりたくないだけで、他意はない。

 だが、バカにされた鉄哲は時短の胸ぐらを鷲掴(わしづか)みにする。周りの生徒もこれは流石に止めに入ったほうがいいんじゃないかと思い始めた。

 

「なんだとコラ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!」

「お前、初っ端からそんなんだと嫌われっぞ。とりあえず俺確定な」

「ッ・・!??おーし、そんなに潰されたいのか。その顔面へし折ってやる!!」

 

 時短の方も熱が入ったのか、どんどん苛烈(かれつ)に二人はヒートアップしていく。

 

「あんたら入学早々退学にでもなりたいのか?雄英の教育方針は自由が売りだけど、暴力沙汰(ぼうりょくざた)なんていくら何でも見過ごしてくれるとは思わないけど?」

「・・・ちっ!今回は見逃してやる!」

「・・・そりゃどーも」

 

 何とか衝突(しょうとつ)はクラスメートの判断で避けられた。

 鉄哲に掴まれたせいで緩んだネクタイを締めながら、時短は席に深く腰を落とす。入学早々嫌な気分になりながらも、あえて何事もなかったかのような顔をしてみせた。

 

「あんた受かってたんだね」

「ん・・・。あ、入試ん時のサイドテール」

「なにその覚え方」

 

 時短の右隣に座っていたのは、入試の時一緒だった拳藤一佳(けんどう いつか)だった。今しがた二人の喧嘩を止めたのも彼女の機転(きてん)である。

 机に右ひじを立て、そこに(あご)を乗せた姿勢で時短を凝視しては、「訳わかんないやつ」と漏らした。

 

「拳藤一佳だよ。あんたの名前は?」

「時短拓未。まぁたっくんとでも呼んでくれ!」

「うん。絶対やだ」

 

 きっぱりと断られた時短は、ズーンと落ち込んだ。時短は自分でも呼ばれるとは考えていなかったが、はっきりと即決(そっけつ)されたのはショックだった。

 

 バン!!

 

 いきなり教室のドアが勢いよく開かれたことにより、教室内の全員がびくりと反応する。そこから登場してきたのは、筋肉隆々(りゅうりゅう)とした肉体をヒーロースーツで身を包んだ厳つい男。

 

「ブラッドヒーローブラドギン!?」

 

 時短は知らなかったが、他生徒が入場してきた男のことを知っていたらしい。どうやらそれなりに凄そうなことだけは、時短も肌で感じ取った。

 

「よぉお前ら。俺がこのクラスの担任となったブラドギンだ」

「うおっほんとにプロのヒーローが先生なんだ!?」

「早速で悪いが、お前ら体操服に着替えてグラウンド集合な」

 

 担任と自己紹介したブラドギンは、持っていた袋の中から人数分の体操服を取り出すと、生徒に向かってそう言い放った。

 

「入学式とかないんですか先生!?」

 

 生徒の一人が疑問を口にすると、ブラドギンは笑いながらそれに答える。動作がいかにもといった感じで豪快(ごうかい)だ。

 

「雄英は自由が売りだ。それは我々教師陣もな。本来ならば自己紹介からでも始めようかと思ってたが、そこの二人がいがみ合ってたからな。それでお互い憂さ晴らしの機会を与えようって先生考えたわけだ」

 

(((いや、見てたんなら止めろよ先生ぇ・・・・)))

 

 ガハハハハと笑うブラドギン。生徒の大半が呆れるなか、当の時短と鉄哲は盛大にメンチを切っていた。

 

(とりあえず・・・)

(絶対にあいつは・・・)

((潰す!!))

 

 バチバチバチと聞こえそうなほど、二人の間には稲妻(いなずま)が走っていた。

 

 

 

「よーしお前ら準備はいいか!」

 

 グラウンドに集まった1-Bの面々は、全員体操服に着替えて今から何が始まるか緊張していた。

 

「よしテストやるぞ」

「テストォ!!?いきなり!!?」

 

 入学一日目でテストと言われて、皆一様にざわめく。まだ何も教わっていないのに、テストなんてどうすればいいのか、そんな疑問をブラドギンが一蹴(いっしゅう)した。

 

「テストと言っても個性把握テストだ。皆もこれまでやってきただろ?個性禁止の体力テスト。それの個性使ったバージョンだ。おし、んじゃデモンストレーションでもしてみようか。塩崎(しおざき)、中学の時のソフトボール投げ何mだった?」

「18mですけど?」

「それじゃ、個性を使ってやってみてくれ。その円からでなければ何をしてもいいぞ」

「・・・では」

 

 塩崎と言う女生徒がボールを持って、地面に描かれた円の中に入る。入学初めて、他生徒の個性を目の当たりにする機会だ。真剣に皆が見つめるなか塩崎は、(つる)のような髪を操りまとめ上げ、巨大な腕を作り出した。

 

「行きます」

 

 そして、髪でボールを掴むと、勢いよく放った。剛腕(ごうわん)と言っていいのかは分からないが、彼女の髪の毛は見た目よりもパワーがあるらしく、女性では信じられないほどボールが遠くへ飛んでいく。

 ブラドギンは端末型の機械を生徒らに向けると、画面には数字が映し出される。結果は85,7m。

 

「自分の個性は何が得意で何が不得手なのか。それを判断する基礎材料を集める為の手段。さぁお前ら存分に力を試せよ!これが雄英高校のヒーロー科だ!!」

 

 ブラドギンの言葉に生徒たちは震えだす。

 

「確かにこれなら、どっちが優れているのか明確に判るな」

「別に彼ら二人の勝負って訳でもないよね。あの二人より結果を出したら、こっちが上ってわけだ」

「はぁー。男ってめんどくさい生き物だと思わない?」

「ん」

 

 概要(がいよう)を聞き終えた生徒達は、それぞれ違う感想を述べている。

 時短はチラリと横目で鉄哲の方を一瞥した。あちらも時短を横目で睨みつけている。

 

(ほんとはやりたきゃねーが、負けて馬鹿にされんのも(しゃく)だ。代償(だいしょう)はあんが本気でやるぞ)

「これでデモンストレーションは終わりだ。こっからが本番だぜ」

 

 そうして戦いの火蓋(ひぶた)はきって落とされた。




オリキャラ二人目は主人公の姉の美羽!
Bクラスって原作で活躍してるの少ないし、喋り方とかわけわかめ
まぁだからこそオリジナル要素入れやすいんだけどね
何気に出てた原作主人公のデクくん。ここの主人公とどう絡ませようか迷いますね
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