ルカ視点
僕達は全員オーディンと対峙する
アレン
「全員俺より前に出ないようにな、摂理たる終焉(エンドレスバニッシュ)の巻き添えになりかねない」
グランベリア
「だがどうすればいい?それでは奴に攻撃を仕掛けられんぞ?」
アレン
「大丈夫だ、策なら動いてからでも考えられる」
動いてからって…
オーディン
「言っておくが、私はまだルカを諦めた訳ではない」
オーディン
「抗うな、お前の家族の命は必ず返してやる」
ルカ
「何度も言わせないでくれないか?僕はお前を信じる気はないんだ!」
ルカ
「だから、お前のことも認めない!」
こいつがどれだけ正義じみたことを並べ立てていてもやっていることは紛れもない悪だ!
ミカエラ
「いい加減御託を並べていないでかかって来たらどうですか?」
オーディン
「…………」
ルシフィナ
「私たちなど眼中にないと言った表情ですね、ならばこちらから…」
グランベリア
「行かせてもらうぞ!!」
挿入歌 fortissimo EXAより 『Fata Morgana』
先にグランベリアと母さんがオーディンに向かって斬りかかる!
グランベリア
「屠龍撃!!」
ルシフィナ
「裂空堕天斬!!」
二人の息の合った剣撃が無防備なオーディンに向かって襲いかかる!
オーディン
「無駄だ」
しかし格闘術を極めたオーディンはそれを拳で流して威力を殺してしまう
グランベリア
「まだだ!」
無論グランベリアも母さんもそんなことは読めていた
だからこそ二人は乾坤一擲の好機を作り出すためにオーディンの気をこちらに引き寄せる!
グランベリア
「屠り尽くす焔の剣(レヴァインテイン)!!!」
オーディン
「っ!?」
見たことのない剣術にオーディンも一瞬警戒する
オーディン
「フンッ!」
グランベリアの一撃に対してオーディンは魔力を乗せた拳で対抗する
ルシフィナ
「そこです!」
オーディンの意識がどちらかに逸れた瞬間もう片方が攻撃を仕掛ける!
オーディン
「その程度の浅知恵など無駄だ」
しかしオーディンも歴戦の猛者
複数の相手にさえ臨機応変に対応していく
オーディン
「ハァッ!」
グランベリア
「くっ!?」
ルシフィナ
「っ!」
オーディンは魔力を解放する余波で母さんとグランベリアを吹き飛ばす
二人は僕たちのいる位置まで飛ばされオーディンとの距離は振り出しに戻ってしまう
オーディン
「お前が世界を名を馳せる魔剣士グランベリアか」
グランベリア
「だったら何だ?」
吹き飛ばされながらもグランベリアは気丈に答える
オーディン
「お前の剣術だけなら、最早私の武術すら上回っている」
グランベリア
「ほう?」
オーディン
「驚いたな、1000年もの時を生きている私の格闘術が20数年の鍛錬によって生まれた剣術に負けるとは」
オーディン
「素晴らしい才気だ、グランベリア」
グランベリア
「それは褒め言葉と受け取っておく」
視点change
グランベリア視点
私の剣術はオーディンの武術を上回っている
これまでの対峙で奴はハッタリを言う人間ではないと分かった
しかもアレンやルカの言うことが本当なら奴は魔力の大半を封じて戦っているようだ
しかし先ほど私ごとルカの母上を吹き飛ばした魔力の解放は伊達じゃない
だが待てよ?
今まで私は師匠であるサラマンダーに何を教わってきた?
力?炎の剣術?明鏡止水?
いや違う
冷静になって考えてみろ
ルカだってマホウという力に目覚め、強大な神話魔術(いちげき)を放つことができた
グランベリア
(ならば私にも同じようなことができるんじゃないか?)
グランベリア
「ハアァァァ!!」
私はもう一度オーディンに斬りかかる!
今度は技を使わない真っ向勝負で!
オーディン
「策も無しに飛び込んでくるか」
アレン
「あいつ、気付き始めてるな、自分の可能性に」
ルカ
「まさか…!?」
ミカエラ
「神話魔術級の技ですね」
グランベリア
「ハァッ!」
突き、唐竹割り、薙ぎ払い、時には峰打ちも含めた様々な剣術をオーディンに叩き込む!
オーディン
「重心が悪いな、それでは踏み込みの力を剣に伝えきれんぞ!」
グランベリア
「ぐァッ!!」
オーディンが振るった拳が私の腹部を撃ち抜く
かろうじて鎧に守られた部分に当たったものの頭部に当たったら即死していた傷だった
オーディン
「理解したか?拳は使いようによっては剣術をも超えるのだ」
オーディン
「先ほど言ったようにお前の剣術は確かに私の究極複合武術(アルティメットアーツ)を超えている」
オーディン
「ならば私は戦いの中でさらにその上を行くだけだ」
ルシフィナ
「まさか、オーディンはあれだけの力を持ちながら戦いの中で成長している!?」
イリアス
(あれこそ私が彼を殺せなかった理由の一つ、異常すぎる成長性の高さ…)
ならば私もお前の想像を超えてやる!
その意気と共に立ち上がり剣に力を込める
そう、あの時のルカが放った技のように!
グランベリア
「シルフ…!」
オーディン
「それは…魔王城の戦いの」
グランベリア
「ノーム…!」
素早く二つの精霊を召喚し、剣に込める
ルカの場合は技に慣れておらずかなりの時間を有する技だったが私は密かに鍛錬していた
いずれまたルカと剣を交える時のために!
オーディン
「させんぞ!」
オーディンの素早い拳が私を捉える!
グランベリア
「ウンディーネ…!」
オーディンの攻撃を明鏡止水の動作で回避する
正直今のは運が良かった
ウンディーネを召喚した直後だからこそ明鏡止水の動きが可能でありオーディンの攻撃を回避できた
もしシルフやノームの時に攻撃されていたら回避するどころか拳の直撃を受けてただでは済まなかっただろう
ルシフィナ
「九重の羅刹!」
ミカエラ
「受けよ!天軍を束ねし聖なる剣!!」
ルカ
「乱刃・気炎万丈!!」
他の三人も大技でオーディンの注意を引きつけてくれている
オーディン
「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)」
好機は今しかない!
グランベリア
「サラマンダー…!」
これでカドラプル・ギガの準備は整った
だがまだだ
オーディンを倒すにはこれだけでは足りない
グランベリア
「ルカ、お前の技借りさせてもらうぞ!」
ルカ達の攻撃はオーディンの謎の能力によって停止してしまう
ならばそれさえも超える一撃でオーディンの防御を突破してみせる!
オーディン
「ならば私も見せよう、その精霊達に恥じぬ一撃をな!」
一方オーディンもルカ達の技を停止させた状態からスッと拳を構える
オーディン
「第三夜『Goetterdaemmerung』(神々の黄昏)
オーディン
「私の覚悟の神話魔術(いちげき)、受けてみるがいい!」
アレン
「ヤバい…!みんな離れろ!!」
アレンの叫びと共にルカ達は全員オーディンの直線上から離れる
オーディン
「『天地創造の神槍』(グングニル)!!!」
それは今までルカ達に見せてきた威力を遥かに上回る一撃
全力の半分の力といえどたった4体の精霊に負けるような一撃ではない!
グランベリア
「『精霊を束ねし剣狼の龍槍』(カドラプル・ヴォルフ)!!!」
対するはルカの技である閃殺、カドラプル・ギガ、神討つ剣狼の蒼槍(フェンリスヴォルフ)を組み合わせたあらゆる空間を超える神話魔術(いちげき)
魔王城での戦い、そして今のルカの戦いを見たグランベリアが生み出した最大の一撃
グランベリア
「ウオォォォォ!!!」
オーディン
「っ!!!」
それは何とオーディンの天地創造の神槍(グングニル)を超え、打ち消してしまう!
そしてグランベリアの一撃は天地創造の神槍(グングニル)を放ち、無防備な状態のオーディンに直撃する!
グランベリア
「ハァッ…ハァッ…」
消費が激しく肩で息をする
私の神話魔術は確実にオーディンを完全消滅させたはず!
バンッ!
挿入BGM fortissimo EXAより Conversation ondeath
オーディン
「…………」
グランベリア
「なっ!?」
しかし私は信じられないものを目にした
何と完全消滅させたはずのオーディンがまるで何事も無かったかのように私の前に現れたのだ!
アレン
「退け!グランベリア!!」
グランベリア
「っ!」
アレンの言葉で私はその場から離れる
アレン
「『摂理たる終焉』(エンドレスバニッシュ)!!」
アレンが持ち前の能力でオーディンの存在もろともその先の空間さえも消し去ってしまう
しかし
オーディン
「無駄だ」
バンッ!
再びオーディンはその姿を現す
オーディン
「よもや私の一撃を退けるとはな、いくら魔力を半減しているとはいえ驚きを隠せぬぞ」
ルカ
「何て奴だ…」
グランベリア
「どういうことだ?確かにお前は消滅したはず…!?」
そうだ
確かに私の神話魔術(いちげき)はオーディンを塵一つ残さず完全消滅させたはず!
オーディン
「その通り、確かに私はお前の手によって一度消滅させられた」
オーディン
「そしてアレン、お前の技でもな」
アレン
「テメェ…!本当に不死身になってやがるのか…!!」
不死身?
何のことだ?
聞いてないぞ…アレン
オーディン
「そうか、お前にはまだ教えていなかったな」
オーディン
「序夜『Das Rheingold』(ラインの黄金)」
オーディン
「この能力によって、私は1000年前自分自身に永遠を作り出したのだ、この能力は私が死なない限り解除させることはない」
永遠を作り出した?
じゃあまさか…
グランベリア
「どんなことをしても、お前の不死の能力は解除されないというのか!?」
オーディン
「その通り、序夜『Das Rheingold』(ラインの黄金)は確かに私が死ねば解除される」
オーディン
「しかし皮肉なことに、私自身を永遠にしてしまったことでこの能力は最早解除不可能な能力と化してしまった」
何て事だ…
じゃあ私やみんなの苦労は…
全て無駄だったと!?
オーディン
「どうした?まさか手の内を1から1000まで潰したくらいで万策尽きた訳ではあるまい?」
アレン
「悪いけど、完全にチェックメイト(詰み)だよ…オーディン」
オーディン
「そうか」
視点change
ルカ視点
オーディンの言葉でグランベリアは完全に戦意を失っている
オーディン
「安心しろ、今その絶望から解放してやろう」
挿入BGM fortissimo EXAより 天地創造の神槍
ルカ
「あれは…!!」
そう
それは以前の戦いで僕達を圧倒したオーディンの大技
世界の色を一瞬よりも早く真紅に染め、僕達ごとイリアスをも滅ぼそうと狙っている!
アレン
「マズい…!」
グランベリア
「ぁ……」
いけない!
戦意を失ったグランベリアがあの場にいるのは危険すぎる!
アレン
「退け!グランベリア!!」
アレンは僕達のいる位置までグランベリアを突き飛ばす
僕は戦意を失ったグランベリアを背負う
アレン
「『摂理たる終焉』(エンドレスバニッシュ)!!」
そして摂理たる終焉(エンドレスバニッシュで空間に穴を開ける
アレン
「早く行け!みんな死んじまうぞ!!!」
ルカ
「でもお前は!」
アレン
「俺まで一緒に行ったら全員共倒れだ!」
でも!
挿入歌 fortissimo EXAより 柔らかな桜光
グランベリア
「ア…レン…?」
アレン
「ごめんな…グランベリア…」
そう言ってアレンはブローチを僕に投げた
炎の柄が入った綺麗なブローチだ
アレン
「そいつを、グランベリアに渡しといてくれ」
ルシフィナ
「行きましょう、ルカ」
ルカ
「でも母さん!」
僕は彼の覚悟に涙さえ流していた
大切な人と僕達を守るために、自分の命を…
ミカエラ
「行きましょう、彼の覚悟を無駄にしないためにも…」
ルカ
「くっ!!」
グランベリア
「待って…行かないでくれ…アレン…!」
アレン
「やれやれ…本当にままならないぜ…」
グランベリア
「降ろせルカ!アレンを、アレンを置いて行かないでくれ!」
背中でグランベリアが降ろせと暴れる
アレン
「俺のこと、忘れないでくれよ?グランベリア…」
アレン
「愛してるぜ!」
少しキザなウインクをして「早く行け」と目配せする
グランベリア
「イヤだ…イヤだァ!!アレン!!!」
あのグランベリアが涙を流すなんて初めて見た…
でも今は…!
ルカ
「行こうグランベリア!僕達まで死んでしまったら意味がないんだ!必ず生きてあいつを…!」
グランベリア
「アレン…!私も…」
グランベリア
「私も愛してるぞ!!!」
アレン
「…ああ、死ぬなよ…!」
その言葉を交わしたのを最後にルカ達はアレンが開けた空間の穴に逃げ込む
どうやらイリアス達も逃げたらしくその場に残ったのはオーディンとアレンだけ
視点change
アレン視点
アレン
「随分と待ってくれたな、あいつらが逃げるのを」
オーディン
「…………」
二人のやり取りを禍を引きおこすもの(ベルヴェルク)の構えを取りながらもただ見ていたオーディン
その胸中には一体どんな思いがあったのか
オーディン
「心配するな、あの龍人の女もいずれ葬ってやる」
アレン
「やらせねえよ、俺じゃお前には勝てなかったけど…未来への希望はまだ失われちゃいねぇ!!」
オーディン
「あの少年か」
アレン
「俺は、あいつの底知れない可能性を見せてもらった」
アレン
「本当にお前とそっくりだ、流石『血は争えない』みたいだな」
オーディン
「…………」
オーディン
「『禍を引きおこすもの』(ベルヴェルク)!!!」
アレン一人を消し去るには十分すぎるほどの魔力球が天から降り立つ
アレン
(後は、後は任せたぞ…ルカ…)
アレンがそう思って不敵な笑みを浮かべるのと
魔力球に飲み込まれるのはほぼ同時だった
オーディン
「さらばだ、かつての相棒よ…」
アレン消滅…
続く
今回でアレン消滅です、意外と出番少なかった!?グランベリアが涙するところを何度も想像してみたんですが、やっぱりこういうことでもないと涙は流さないでしょうね、今回初めて挿入歌やBGM挿入説明をしてみました、原作を知ってる方は是非聞きながら見てみてはいかがでしょうか?