もんむす・くえすと!・イクサ   作:ヴァンス

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今回は早めの投稿です、オーディン目線が割と多め、今回オーディンにあの蒼穹の一撃を使わせます(笑)というかオーディンって天地創造の神槍(グングニル)と禍を引き起こすもの(ベルヴェルク)の他に技ないのかな?


第三夜 ルシフィナ・ミカエラ・ルカvsオーディン

ルカ視点

 

ルカ

「エンリカに?」

 

オーディン

「ああ、どうやら何者かが天使の襲撃の中転送術式を発動させたようだ」

 

ラナエルとの戦闘後村の死者があまりにも少ないことに気付いた僕たちはその原因を探っていた

 

どうやらオーディンは魔術知識にかなり長けているらしく、意外と簡単に特定できた

 

そして今はガルダの背中

 

オーディン

「これが神鳥ガルダか」

 

アリス

「しかし、つくづくお前の正体が気になるところだな、あれだけの戦闘能力に魔術知識の広さ、まず人間ではないだろう」

 

オーディン

「先ほども言っただろう?私は最高神だと」

 

アリス

「そういうことにしておく」

 

そうしている内にエンリカが見えてくる

 

ルカ

「大変だ!エンリカも襲撃されているぞ!」

 

ガルダの背中から眼下を見下ろすと多数のキメラモンスターがエンリカのあちこちにいる

 

それぞれ応戦してはいるが突破も時間の問題だ!

 

ルカ

「二人ともいけそうかい?」

 

アリス

「無論だ」

 

オーディン

「誰にものを言っている?」

 

三人はガルダから飛び降り、戦っているエルフ達に加勢する

 

アリス

「余は裏側に回る!二人は正面を頼む!」

 

ルカ

「よし!」

 

一旦アリスと別れ、オーディンと二人で正面側に加勢しに行く

 

エルフA

「くっ!何て強さなの!」

 

キメラタン

「無駄よ、私の体にそんな攻撃が効くわけないわ」

 

エルフの鋭い斬撃はことごとくキメラタンの体に跳ね返される

 

ルカ

「僕も加勢します!」

 

エルフA

「人間の援軍?誰でもいいから手を貸して!」

 

すると同時に神聖なオーラと共に大型天使と複数の天使兵が現れる

 

オーディン

「少々数が多いな」

 

ルカ

「オーディン、天使の相手を任せてもいいかい?こいつと戦いながらだとさすがに手が出せないから」

 

オーディン

「分かった、現れた天使全員この拳で屠ってみせよう」

 

ナガエル

「ほう、誰かと思えばイリアス様に仇なした愚か者ではありませんか」

 

オーディン

「ナガエルか、大した力も持たない天使が私に何の用だ?」

 

ナガエル

「イリアス様に代わってあなたに極刑を下しに来ました」

 

オーディン

「たかが女神如きが最高神であるこの私に極刑とは、笑止」

 

オーディン

「我が望みを成就させるため、お前たちの命も貰い受けよう」

 

天使兵A

「大罪人が!鞭打ちの刑にしてやる!」

 

天使兵の一人が勢いよく手に持った鞭を振るう

 

オーディン

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)」

 

アリエルやラナエルの時と同じく天使兵の攻撃もその場に静止してしまう

 

天使兵A

「なっ!?どうなっているだこれは!?」

 

オーディン

「無駄だ、その程度の攻撃、私の前では児戯に等しい」

 

オーディンも魔力を解放し、臨戦態勢に入る

 

その魔力は大地に亀裂を穿ち、天使兵達の足場を確実に奪う!

 

天使兵B

「うわっ!」

 

天使兵C

「な、何ですかこれ!?」

 

天使兵D

「これが、イリアス様でさえ殺しきれなかった最高神の力…!」

 

天使兵全員が体制を崩される

 

オーディン

「私の邪魔をしないでもらおうか」

 

オーディン

「天地創造の神槍(グングニル)!!!」

 

今度は力を付加させない最高神の一撃

 

しかしそれでも天使兵4人如きを消し去るには十分すぎる一撃だった

 

ナガエル

「くっ!ノーマレン!!」

 

高位天使のナガエルはプロメスティンに授かった擬似精霊で天地創造の神槍(グングニル)を耐えきる

 

オーディン

「その紛い物の精霊、やはり高位天使にも渡っているようだな」

 

ナガエル

「ノーマレンの防御があれば、あなたの一撃でも耐えることができます」

 

ナガエル

「今の出力制限を課したあなたなら私でも打倒できる規模なのですよ」

 

オーディン

「………………」

 

それでもオーディンは表情を崩さない

 

ナガエル

「行け!」

 

ナガエルはオーディンに向けて自らが飼っている蛇をけしかける

 

オーディン

「無駄だ」

 

オーディン

「ハァッ!」

 

オーディンはただの格闘術だけで向かってくる蛇を叩き落とす

 

ナガエル

「ほう、その体捌きはかなりのものですね」

 

ナガエル

「ですがノーマレンの防御がある私にあなたの一撃は通用しませんよ」

 

オーディン

「それは私も同じだ、こんな体捌きを使わずともお前程度の攻撃は容易く防げる」

 

オーディン

「だが私にも叶えるべき望みがある、無駄な魔力の消費は避けさせてもらうぞ」

 

するとオーディンの周囲に雷のようなものが多数出現する

 

オーディン

「よもや戦闘でこの力を使うことになるとは」

 

そして髪が金色に光り輝く

 

オーディン

「疾風迅雷(タービュランス)!!」

 

その瞬間オーディンの姿が消える

 

ナガエル

「なっ!?」

 

否、消えているのではなく光速で移動しているのだ

 

そして隙を縫いナガエルに拳を数発打ち込む

 

ナガエル

「がぁっ!」

 

光速の拳を受け、ナガエルは吐血する

 

いくら天使といえど光の速度には反応できないようだ

 

オーディン

「随分と弱いものだ、こんな程度でよく断罪人などと語れるな」

 

ナガエル

「痴れ言を…!!」

 

オーディン

「あいにく時間をかけていられないのでな、これで終わりにさせてもらおう」

 

オーディン

「九つの世界(ノートゥング)」

 

その瞬間オーディンの拳に九つの雷槍が出現する

 

ナガエル

「なっ、その力は…!」

 

オーディン

「1000年前私と相対した時はこの力を使わなかったからな、お前が知らないのも無理はないだろう」

 

オーディン

「触れた瞬間に私の望む未来を手繰り寄せる能力、本来別の目的に使うつもりだったが、余計な魔力消費を抑えるためにはこれが一番確実な方法だ」

 

ナガエル

「ノーマレン!」

 

ナガエル

「無駄です!あなたがいかなる一撃を放とうと大地の守りは突破できません」

 

ナガエルの体には大地の息吹が根付き、絶対の防御となっている

 

対するは光速の拳

 

この勝負は万に一つも逃れようもなく3億分の7秒で決する

 

オーディン

「その過信こそが最大の過ちであると知れ」

 

オーディン

「総てを超越せし九つの雷光(トールハンマー・フルアクセス)!!!!」

 

最高神から放たれし光速を超えた一撃

 

それは光速の9倍のさらに9倍もの疾さ

 

243億分の7秒で放たれた一撃は無慈悲にナガエルを捉える!

 

オーディン

「終わりか」

 

雷光の一撃を受けて消滅したナガエルに向けてオーディンは手向けの言葉を送る

 

ルカ

「そっちも片付いたみたいだね」

 

オーディン

「お前の方も終わったようだな」

 

全ての敵を追い返し、僕たちは安堵する

 

????

「ルカ?何故その男と一緒にいるのです?」

 

ルカ

「あなたは、ミカエラさん!」

 

そこに現れたのは以前ここに来た時に会った不思議な女性

 

ミカエラ

「オーディン、あなたこそ何故ルカと一緒に…?」

 

オーディン

「久しぶりだな、ミカエラ」

 

オーディン

「私がルカと一緒にいることに目的はない、イリアスを討つという利害の一致だけだ」

 

ルカ

「ミカエラさん、この人を知っているんですか?」

 

ミカエラ

「知っているも何も、この男は天使を何千と殺し続けた男…」

 

ミカエラ

「ルカ、オーディンから離れなさい」

 

ルカ

「え?」

 

ミカエラ

「いいから早く!」

 

あの冷静なミカエラさんの焦りに驚き、僕はすぐにオーディンから離れ、ミカエラさんの横に着いた

 

オーディン

「ミカエラ、お前が転送術式を発動させたのなら、ルシフィナもこの村にいるのだろう?」

 

ミカエラ

「全てお見通しということですか」

 

オーディン

「私が究極魔法を発動させるためには膨大な量の聖素が必要だ」

 

オーディン

「今は戦闘で消費した以上の魔力を供給できてはいるが、高位天使もそう多くは残っていない」

 

オーディン

「お前達姉妹とイリアスの持つ聖素があればそれで十分究極魔法を発動できる」

 

ルカ

「究極魔法?」

 

さっきからオーディンの言っていることについていけない

 

究極魔法?お前達姉妹?

 

一体何を言っているんだ?

 

ミカエラ

「そのためにルカさえも巻き込むつもりですか?」

 

オーディン

「1000年前にも言っただろう?私はもう『決断』しているんだ、例えどんなものを失ってでも私の望む日常と過去を取り戻すとな」

 

ミカエラ

「ルカ、下がっていて」

 

ルカ

「ミカエラさん、どうするの?」

 

ミカエラ

「あの男を止めます!」

 

?????

「待って姉さん」

 

ミカエラ

「なっ!?」

 

後ろから現れたのは母さんだった

 

ルカ

「母さん、無事だったんだね!」

 

ルシフィナ

「ごめんねルカ、今は再開を喜べる時じゃないみたい」

 

ミカエラ

「ルシフィナ!あなたはまだ体が…」

 

ルシフィナ

「だからといって、大切な息子を放ってはおけません」

 

オーディン

「………」

 

オーディン

「お前達姉妹が犠牲にならなくとも、ルカの命があれば私の望みを叶えるのに十分な聖素が手に入る」

 

オーディン

「そして誰もが望む平和に邪魔なイリアスは私が始末しよう」

 

ミカエラ

「ふざけないで!そんなことを私たちが選ぶと思いますか!?」

 

ルシフィナ

「ルカの命はあなたには渡しません!」

 

ルカ

「ちょっと、どういうことなの?」

 

オーディン

「そうだな、ここまで踏み込んだからにはお前にも教えておかねばならんな」

 

オーディン

「お前の母の命、私に預けろと言っているんだ」

 

ルカ

「なに…?」

 

その言葉の意味がよく分からなかった

 

命を預ける?

 

それは命を寄越せと言っているのと変わりないんじゃないのか?

 

オーディン

「『決断』しろルカ、私に未来を託し自分か母の命を預けるか」

 

オーディン

「私とイリアスに挑み、見返りなき修羅の道を歩むか」

 

オーディン

「だが、私の究極魔法をもう一つの能力でさらに強化すればお前の望む人間と魔物が共存する未来も創り出すことができる」

 

オーディン

「他にも望む未来があるなら聞こう、あらゆる業と未来をこの身に背負ってみせよう」

 

その言葉に偽りはなかった

 

この男にはそれだけの能力があり、僕の望む未来も叶えると言っているのだ

 

しかし僕は

 

ルカ

「………けるな」

 

オーディン

「何?」

 

ルカ

「ふざけるな!!」

 

その誘いを拒否していた

 

ルカ

「母さんたちの命を差し出して叶う未来なんて、僕はそんなもの見たくない!!」

 

ルカ

「未来っていうのは誰かに与えられるものじゃない!自分の手で切り開くものなんだ!」

 

オーディン

「相容れぬか、それも仕方あるまい」

 

オーディン

「ならば来い、我が望みを成就させるため、お前達を葬ってみせよう」

 

オーディンがルカに対し初めて構えを取る

 

ルシフィナ

「まさか私にこの指輪を外させるとは…」

 

ルカ

「母さん?」

 

すると母さんは僕と同じ指輪を外し

 

何と天使の姿になった!

 

ルカ

「そうか、僕が天使の力を使えるってことは母さんは…」

 

ルシフィナ

「ごめんね、ルカにはこの姿を見せたくなかったけど…」

 

ミカエラ

「………!」

 

するとミカエラさんも天使の姿になり、オーディンと対峙する

 

ミカエラ

「さあ、空間を作りなさい、ここだと私達もまともに戦えません」

 

オーディン

「いいだろう」

 

オーディン

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)」

 

オーディンから緑色の光が現れると共に僕たちは神秘的な空間に転移していた

 

ミカエラ

「なるほど、ここで戦おうというわけですか」

 

ルカ

「すごい空間だ、これがオーディンの世界なのか?」

 

ルシフィナ

「ルカ、巻き込まれないようにね」

 

ルカ

「うん…」

 

と言ってもあのオーディンの一撃は相当なものだ

 

例え受け流しても遥か後方にあるものすら木っ端微塵にしてしまう

 

ミカエラ

「ハアァァァ!!」

 

まず駆け出したのはミカエラ

 

手に持った剣で一気に勝負を決めようとする

 

オーディン

「無駄だ」

 

オーディン

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)

第三夜『Goetterdaemmerang(神々の黄昏)」

 

なんとオーディンは自分の能力で剣を錬成し、ミカエラの攻撃を受け止めた

 

ミカエラ

「なるほど、あなたの能力は創造でしたね!」

 

素早く距離を取り、構え直す

 

オーディン

「そうだ、私の天地創造の神槍(グングニル)の能力を応用して創り出した神々の武器だ」

 

オーディン

「炎の鬼神ローゲが扱っていたアビシオン、お前たちはこれで相手をしよう」

 

ルシフィナ

「九重の羅刹!!」

 

素早くルシフィナも無数の斬撃をオーディンに向けて放つ

 

オーディン

「そんな攻撃など、何千撃とうと私には傷一つ付けられん」

 

しかしオーディンは避ける必要もないように魔力を解放する余波だけで全ての攻撃を防ぎきっている

 

ミカエラ

「ならこれは受けきれますか!?」

 

ミカエラ

「受けよ!天軍を束ねし聖なる剣!!!」

 

ミカエラが渾身の一撃を放つ

 

それはあらゆるものを斬り裂き、戦争を終結に導くまさに天軍の剣だった

 

オーディン

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)

 

しかしそれもオーディンの能力で止められてしまう

 

ルカ

(こんなの…見ていられない!)

 

ルカ

「ハアァァァ!!!」

 

僕は見ていられず駆け出した

 

戦える力があるのに母さんやミカエラさんの足手纏いになんてなりたくない!

 

オーディン

「考えなしに私に向かって来るか」

 

するとオーディンは天地創造の神槍(グングニル)の構えになる

 

オーディン

「ならば、消えろ」

 

オーディン

「天地創造の神槍(グングニル)!!!」

 

オーディンの放つただの右ストレート

 

しかしそれはこの星どころか銀河そのものを消し去る一撃だと本能で理解させられる

 

ルカ

「堕天舞踏!!」

 

ルカは堕天舞踏の生み出す残像でオーディンの天地創造の神槍(グングニル)を辛うじて回避する

 

オーディン

「やるな、今の一撃を躱すとは」

 

ルカ

「閃殺!!」

 

間髪入れずにオーディンに向けて斬撃を放つ!

 

オーディン

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)」

 

ルカ

「そんなもの、無駄だ!」

 

僕の放った斬撃はオーディンの能力によって静止する

 

はずだった

 

オーディン

「な……に…!?」

 

なんと斬撃はオーディンの堅牢な防御を突破し、本体に命中した!

 

時空さえも斬り裂く斬撃を受けたオーディンは瓦礫の中に倒れる

 

ミカエラ

「まさか………」

 

ルシフィナ

「少し見ない間に強くなったわね、ルカ」

 

ルカ

「でも、何で僕の斬撃がオーディンに通ったんだろう?」

 

今までの攻撃は全てオーディンに容易く防がれたのに

 

ミカエラ

「第一夜『Die Walkuere』(ワルキューレ)は空間を創り出す能力」

 

ミカエラ

「時空を斬り裂くルカの斬撃はオーディンの創り出した無限の空間をも斬り裂いて本体に届いたんですよ」

 

ルカ

「そうだったんだ…」

 

そう考えると今までの不思議な能力にも納得がいく

 

オーディンが魔王城やイリアスヴィルで見せた数々の能力

 

オーディン

「………………」

 

瓦礫の中からオーディンは立ち上がり、受けた傷を完全に再生させる

 

オーディン

「よもや私に一撃を浴びせるとはな、いくら魔力を制限しているとはいえ驚きを隠せぬぞ」

 

ミカエラ

「今の一撃で倒れるとは思いませんでしたが、まさかこれほどとは」

 

オーディン

「封印の中で魔力を蓄えてきたのだ、出力制限をしていようと今の私は1000年前の私と大差ない」

 

ルカ

「そうか、20%だったな」

 

ルシフィナ

「まさか、本来の魔力があの頃の5倍を有しているとは…」

 

ミカエラ

「ルカ、ルシフィナ、もう一度さっきの技を繰り出してください」

 

ルカ

「閃殺を?」

 

ミカエラ

「命中した刹那、私がトドメを刺します」

 

ルシフィナ

「死なないで、姉さん!」

 

ミカエラ

「大丈夫、この戦いが終わったら3人でイリアスに立ち向かいましょう」

 

オーディン

「どうした?まだ万策尽きたわけではあるまい?」

 

ミカエラ

「無論です、あなたこそ私たちを甘く見過ぎている」

 

オーディン

「ならば、お前達にも全力で戦えるようこの空間のルールを塗り替えよう」

 

オーディン

「第二夜『Siegfried』(ジークフリート)」

 

その瞬間ルカ達の体に力が満ちる

 

オーディン

「今私がこの空間に追加したルールは、私以外の者は最大限まで力を発揮でき、体の毒素を消し去る」

 

オーディン

「これでお前達姉妹も思う存分力を発揮できる」

 

ミカエラ

「その慢心、後悔しますよ」

 

ミカエラ

「ハアァァァ!!!」

 

オーディン

「ハァッ!」

 

ミカエラとオーディンは至近距離で剣撃を打ち合う

 

ルシフィナ

「ルカ、まさか母さんと並んで戦えるまでになるなんて思わなかった…」

 

ルカ

「母さん…」

 

ルシフィナ

「今こそ決着をつけましょう、そしてイリアスからこの世界を救ってあなたの理想の世界を作りましょう」

 

ルカ

「そうだね、僕たちがやらないと…!」

 

僕と母さんは二人とも閃殺の構えになる

 

オーディン

「遅い!」

 

ミカエラ

「くっ!!」

 

ミカエラが避けるより早くオーディンの斬撃がミカエラの肩を掠める

 

ルシフィナ

「姉さん!避けて!!」

 

ミカエラ

「………!」

 

オーディン

「そんなもの、二度も私に通用すると思うな」

 

オーディン

「第三夜『Goetterdaemmerang(神々の黄昏)」

 

ルシフィナ

(来る!)

 

ルカは別の場所からオーディンに攻撃を仕掛ける

 

オーディンはまだそれに気付いていない

 

オーディン

「天地創造の神槍(グングニル)!!!」

 

オーディンの拳からルシフィナに向けて真紅の一撃が放たれる

 

いくら時空を断つ一撃といえど斬り裂けるほど容易い一撃足り得ない!

 

ルシフィナ

「明けの明星!!」

 

しかし敗北を告げるその一撃はルシフィナの前で静止する

 

オーディン

「何…!?」

 

自分の一撃を止められたことにオーディンも最大の警戒をする

 

ルシフィナ

「眩き星は冥府に堕ちる!!」

 

オーディンの放った魔力をそのまま吸収し、さらに自分の魔力を上乗せして解き放つ!

 

ルカ

「閃殺!!」

 

そう

 

わざわざオーディンの前で作戦を言ったのは全てこのための布石に過ぎない

 

オーディン

「くっ!!」

 

ルカの不意打ちをまともに受けたオーディンにルシフィナのカウンターが直撃する!

 

そしてそこに

 

ミカエラ

「受けよ!天軍を束ねし聖なる剣!!!」

 

ミカエラの渾身の一撃が叩き込まれる

 

その全ての攻撃を受け、オーディンは完全に消滅する

 

ルカ

「や、やった!!」

 

僕は安堵のあまりその場に座り込む

 

ルシフィナ

「終わりましたね、姉さん」

 

ミカエラ

「ええ、これで…」

 

そこでルカはある異変に気付く

 

ルカ

「ねえ、この空間存在したままだよ?」

 

ミカエラ・ルシフィナ

「え?」

 

二人とも空を見上げるとこの異空間は解除されておらず、相変わらずそこに存在し続けた

 

ミカエラ

「まさか、オーディンを倒してもこの空間は存在し続けるというの!?」

 

ミカエラの中に最悪のシチュエーションが浮かぶ

 

例えオーディンを倒しても自分達はこの空間に幽閉されるのではないかと

 

?????

「見事だ、まさか私を消滅させられるほどの存在がこの世界にいようとはな」

 

ルシフィナ

「なっ!!?」

 

しかしそれは想像していたよりもさらに最悪のシチュエーション

 

消滅させたはずの男はまるで何事もなかったかのように再び三人の前に姿を現した

 

ルカ

「そ、そんな…!!」

 

オーディン

「嬉しいぞ、本気ではなかったとはいえ、私を消滅させたのはお前達が初めてだ」

 

ミカエラ

「馬鹿な…何故存在することができるのですか!?今あなたは確かに消滅したはず…」

 

そう

 

三人の一撃は確かにオーディンを完全に消滅させた

 

しかしただそれだけ

 

オーディンにとって肉体の消滅は恐れるような事態ではない

 

オーディン

「序夜『Das Rheingold』(ラインの黄金)」

 

オーディン

「永遠を創り出した私の身にはいかなる破滅をも意味を成さない」

 

ルカ

「永遠だって!?」

 

オーディン

「そうだな、分かりやすく言うなら、不老不死と言ったところか」

 

オーディン

「お前達が何度私を消し去ろうとも、この力がある限り私は永遠に蘇り続けるのだ」

 

オーディン

「そして私の力の源である戦略破壊魔術兵器(マホウ)も永遠となっている」

 

オーディン

「この意味が理解できぬわけはないだろう?」

 

ミカエラ

「まさか、イリアスがあなたを殺せなかったのは…」

 

オーディン

「そうだ、イリアスは私を殺さなかったのではない、殺せなかったのだ」

 

オーディン

「最早私自身にも、私を滅ぼすことなどできないのだよ…」

 

それはオーディンが自分で創り出した呪いのような能力

 

そして永遠に続く生の中で彼が見出したものは一つだけだった

 

オーディン

「次は私の番だ、天使姉妹」

 

オーディン

「悪いが一撃で終わらせてもらう」

 

ルカ

「くっ!」

 

何度殺しても無限に再生し続ける事実への絶望を必死に押し殺し、三人は構える

 

オーディン

「散り際に見せてやろう、真の『決断』が生み出す純然たる究極の一撃をな」

 

するとオーディンは膨大な魔力をさらに解放し、真紅の空間を創り出す

 

オーディン

「これこそ、イリアス達が恐れた我が魔力の真髄だ」

 

ミカエラ

「なっ!!」

 

オーディン

「第三夜『Goetterdaemmerang(神々の黄昏)」

 

オーディン

「いかなる戦略をも打ち砕く神の鉄槌を前に逃れる術など存在しない」

 

オーディン

「終わりだ、天使姉妹とその息子よ」

 

完全にあり得ない光景だった

 

周囲の景色さえも塗り替えてしまう真紅の魔力

 

それは今まで見てきたどんな魔力よりも強大で孤独な力

 

天使、否神にすら恐怖を抱かせるほどの膨大な力の塊

 

本能がそれを直視するなと訴えかける

 

しかしルカはそれを押し殺し、現実を見てしまった

 

オーディン

「世界を染めし真紅の魔力(ルーン)、その身に刻め」

 

ルシフィナ・ミカエラ・ルカ

「なっ!!!?」

 

それは圧倒的な死の塊

 

オーディンが生み出した魔力球はこの星はおろか宇宙そのものを消し去るものだと理解させられる

 

ミカエラ

「あ………」

 

ルシフィナ・ルカ

「あああああああ!!!!」

 

それでも万に一つの勝利への可能性に賭け、闘志を燃やす

 

二人の咆哮と共にオーディンに負けじと巨大な魔力が生まれる

 

オーディン

「我が蒼穹の一撃、受けてみるがいい」

 

ミカエラ

「受けよ!天軍を束ねし…」

 

オーディン

「禍を引きおこすもの(ベルヴェルク)!!!!」

 

ミカエラが放つより一瞬早くオーディンの渾身の一撃が天空から放たれる

 

ルカ

「九重の羅刹!!!」

 

ルシフィナ

「裂空堕天斬!!!」

 

ミカエラ

「聖なる剣!!!」

 

三人とも持ち得る最強の技でオーディンの蒼穹を迎え撃つ

 

しかしそれは最高神の振り下ろした鉄槌の前には無意味なものだった

 

オーディン

「さらばだ、ルカ、そして天使姉妹」

 

続く




今回は戦闘パートでかなり長くなりました、ちなみに今のところルカ達がオーディンに勝つ可能性は0です、不死身なので(笑)次回から原作をかなり離れます
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