とある約束の終着地点   作:ゆきひな

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『思惑』 ep2

 『ブロック』の鉄網が言っていた座標移動とは結標淡希という女らしい。

 

 書庫のデータから漁った結果、出た回答に那須亮太は難色を示した。結標淡希は今回の仕事では学園都市の反乱因子を制圧する側の暗部『グループ』に所属している。謂わば、味方だ。那須亮太と同じ組織である天江空也は同じ目的を持つ『アイテム』を潰すつもりでいるらしいが、あくまで暗部としての仕事を優先させる那須亮太にとってその選択肢はありえないの一言に尽きるのだった。

 

 彼にとっての敵は『ブロック』と『スクール』であり、『グループ』と『アイテム』は味方だ。『メンバー』はほぼ壊滅と言っていたからカウントはしていない。

 

 しかし、ここで問題は発生した。今、那須亮太は第十学区の少年院地下に来ているのだが、ここには座標移動の脅迫材料である少年たちが多数収容されている。当初の予定では、結標淡希が暗部と全く関係のない人間だったら、即刻、ここにいる少年たちを始末しておくつもりだった。彼女には悪いが最悪の被害を避けるためには仕方のないことである。だが、それが暗部の、それも味方である『グループ』に属しているのなら、彼女の機嫌を損ねることなく、今回の一件を無事に終わらせることが最重要事項だろう。

 

「となると、『ブロック』を倒す...は現実的ではないのであります。傭兵を500人を一人で相手取るなんて無茶。それに『ブロック』の中に能力者がいて俺と相性が悪いって可能性も捨て去れない」

 それに先程からこめかみのあたりに痛みが走っている。おそらくAIMジャマーが作動しているのだろう。この状況下で下手に能力を使用すれば、暴走する危険性が伴うことを意味していた。

 

「ここはおとなしく外に出て、AIMジャマーの影響外で迎え撃ったほうが良さげでありますな」

 急いで、ここから離れようと出口へ向かう。出口のドアから飛び出そうとしたとき、一発の銃声が響き渡った。那須亮太は反射的に壁際に身を隠す。その後、数発の銃弾のやり取りがあり、それが鳴りやんだかと思うと複数の足跡が聞こえてきた。それも、素人ではなく訓練された歩き方を思わせるものだ。

 

 ドアから少し顔を覗かせれば、大柄な男とその隣に鍛え上げられた筋肉質の女性がいた。大男は傭兵たちに指示を出しているから、おそらく彼が『ブロック』のリーダーだろう。ただ、鉄網からもらった情報とは違って傭兵の数は100人程度と少なくなっているがとてもじゃないが一人では相手にできない。せいぜい那須亮太が使える武器はリボルバー式の拳銃と、二発の爆風効果などにより狭い範囲へのみ殺傷効果をもたらす攻撃手榴弾、一発の煙玉ぐらいだ。

 

 能力が暴走するのを覚悟で行使するか、という危険な賭けが彼の脳裏に浮かぶ。能力が暴走すれば自分の手足が吹き飛ぶかもしれない。手ならまだ逃げきれるが足ならゲームオーバーだ。出来ることなら使いたくはない、と改めて却下する。

 

 そんな思考の海に溺れようとしていると、不意に外が騒がしくなった。何が起こっているんだ、と彼は再び悲鳴のする方を覗き見た。

 

「...なっ!?」

 那須亮太は何が起きているか一瞬理解できなかった。傭兵たちが次から次へと自殺し始めたのだ。ある者はこめかみを拳銃で打ち、ある者はショットガンで頭部を吹き飛ばす。またある者はナイフで自分の喉を切り裂いて行き、あたりは血の海が広がっていく。その中心におそらく今回の現象を引き起こした張本人がいた。

 

 どこかの学校の制服を着た、小柄な少女。ただその瞳には獰猛な獣が宿っていた。その少女を精神系の能力者かと考えたが、彼女もまたAIMジャマーを受けて、暴走の危険を伴っているはずだ。あんなに何の怯えや不安を抱くことなく能力を行使出来るとは思えない。

 

 突然の事態に混乱した傭兵たちを『ブロック』は統制できずにいる。叩くなら今だと思った那須亮太はこの機会を逃すまいと手に持った手榴弾の安全ピンを引っこ抜いた。正体不明の力を使うあの少女が何者かは知らないが、歯向かうようなら纏めて排除すればいい。

 

 手榴弾は安全レバーが解放されて、約4秒後に爆発するようになっている。那須亮太は安全レバーを解放して、1秒持ったあと敵陣のど真ん中に投げ込む、次いでもう一発の手榴弾、そして煙玉を投げ、駆け出した。辺り一帯に起こる爆風と煙で視界を遮りつつ、彼は急ぎ出口へ向かう。

 

 ただ、那須亮太は油断していた。その少女は科学ではない別の領域であるということを知らないでいた。故に彼は突然目の前に現れた巨大な刀剣に対応しきれなかった。その刀剣の名をマクアフティルと言う。

 

「しまっ」

 左右のどちら側にも、サバイバルナイフの背にあるような鋭い凹凸が付けられた白い玉髄の刀剣が彼の体を袈裟懸けに引き切る。溢れ出る鮮血を前に、那須亮太は賭けに出た。暴走を覚悟で能力を行使する。

 

 『熱気変換』。熱を吸収し、圧縮して冷気を生み出す。それを自分の傷口に纏わせ、出血多量で気絶しないように止血する。その作業をわずか数秒、ただ、彼にとってはイチかバチかの博打だった。

 

 無我夢中で出口へと駆け抜けた。そして、敷地外に転がり出た彼は自分の体を確認した。そこには、傷口から今だ滴り落ちる赤い液体が地面を汚していく。失敗したのだ。そう認識してしまったとき、那須亮太は急激な眠気と、歪んでいく視界に意識を飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 浜面仕上は『アイテム』の隠れ家にいた。 第三学区の高層ビルの一角であるそこはスポーツジムやプールなどの屋内レジャーを集めた施設だ。利用者のほとんどが上流階級と呼ばれる人々で、入室する際に会員証の提示を求められる。

 

 浜面達がいるのはVIP用のサロンで、その部屋は軽く3LDKを超える広さだ。その室内にあるソファに麦野沈利は体を沈めていた。

 

「フレンダと絹旗はどうした?」

「絹旗はこっちに来てる。フレンダは消えた」

 浜面の問いかけに麦野は淡白に返した。

 

「死んだのか、捕まってんのか、助かったのか。どっちにしても確認のしようがないし、他の人間を補充する暇もない。いずれにしても『アイテム』はこれから合流する絹旗と三人でやっていくしかない。『スクール』も三人だから問題ないでしょ。こっちには滝壺もいるしね」

 話の話題に上がった滝壺理后は、ポケットから白い粉末の入ったケースを取り出していた。

 

「で、私は誰を検索すればいい?」

「『スクール』の連中に痛い目合わせてやりたいけど、まずはあいつらよ。素粒子工学研究所で横ヤリ入れてきた奴。先にこっちを潰して、後方の安全を確保しようって訳。滝壺、あいつのAIM拡散力場を記憶してるわよね?」

 麦野の提案にこくりと滝壺は頷き、その白い粉末をぺろりと舐めた。『体晶』と呼ばれるその粉は、能力を無理やり暴走状態へとする効果がある。

 

 滝壺の気だるげな目に光が宿り、ピンと背筋が伸びた。

 

「AIM拡散力場による検索を開始。近似・類似するAIM拡散力場のピックアップは停止。該当する単一のAIM拡散力場のみを結果報告するものとする」

 機械のように放たれる声。滝壺理后の能力『能力追跡(AIMストーカー)』は一度記憶したAIM拡散力場を元に、特定の能力者の位置情報を検索できる。例え、その能力者が地球の外、大気圏へ逃げようとも追いかけられるほどの効果範囲を持っている。

 

「検索終了まで残り5秒」

 そして、答えが返ってきた。

 

「結論、『終着地点』は、この建物の中にいる」

 刹那、滝壺理后の真上の天井が崩れ落ちた。咄嗟に浜面仕上は、滝壺ごと押し倒し瓦礫の下敷きになるのを回避する。

 

「...空也。...あの女の人は...第2位を追うのに必要。...殺しちゃダメ」

「あぁそうだったな。危うく殺すとこだったぜ」

 落っこちてきた瓦礫の上には、二人の人影があった。その一人、天江空也の姿を見て麦野沈利は苦虫を噛み潰したような表情で言う。

 

「浜面、滝壺を連れてこっから逃げな」

 麦野沈利の言葉に浜面仕上は、狼狽える。お前はどうすんだ、という浜面の言葉を麦野は次の言葉で一刀両断した。

 

「いいか。敵の狙いは滝壺だ。滝壺の能力は『原子崩し』の私より価値がある。滝壺がいるかいないかじゃ、圧倒的に差が開いちまうんだよ。その代わりそいつがこっちにいればいくらでも巻き返しができる。だから早く、滝壺を連れていけ、浜面!!」

 

「おいおい、何言ってんだ、コラ。そこの男、その女を置いていけば、お前は生かしてやるよ。もともと俺らの狙いは麦野沈利とそこの『能力追跡』だけだ。お前は何も知らなかった。それで良いんじゃねぇのか?」

 麦野沈利と天江空也の言葉に、浜面仕上はどうにでもなれと、滝壺理后の手を掴み、出口のドアへと駆け出す。

 

「へぇ、なかなか肝の座った男じゃねぇか。だがよ、そういうのは強者にしかできねぇもんなんだよ」

 天江空也が浜面仕上に牙を向こうとしたその眼前を、まばゆい真っ白な光線が通過した。その光線は壁にぶち当たり、瓦礫を作り出していく。それを放った麦野を背に浜面達が部屋から飛び出していくのを彼は確認した。

 

「チッ...。まぁいいか。取りあえずは麦野沈利、まずはお前だ。アレイスターとの直接交渉をするには人質は多いほうがいいしな。大人しく投降してくれっとありがてぇが、反抗するなら死なない程度に半殺しだ」

「あぁ、ムカつくんだよ。その上から目線。アレイスターとの交渉権? お前みたいな『第二候補』にボコられてた奴が何、はしゃいでんのさ」

 二人の間で火花が散るのを横目に、聖望琉は安全圏へと避難する。これから行われるのはレベル5同士の殺し合いだ。ただの喧嘩ではなく、一人で軍隊並みの戦闘力を持つ者同士の戦争が行われようとしている。

 

「生憎、垣根帝督のあれは、俺の『終着地点』の対象外だからどうしようもねぇよ。この世に存在しない物質なんて分解出来るか分かんねぇし、そもそも、朽ち果てるものなのかさえ演算のしようがないからな」

 

「言い訳なんてみっともねぇぞ、『終着地点』!!」

 麦野は一枚のカードのようなものを取り出す。三角形のパネルが複数組み合わさったそれは『拡散支援半導体(シリコンバーン)』と呼ばれるものだ。それを宙に放り投げ、そこに『原子崩し』ぶつける。

 

 すると、『原子崩し』が当たった面とは逆の面から、拡散した『原子崩し』が飛び出す。数十の光線へと増えたそれがあらゆる角度から天江空也に襲いかかる。攻撃範囲が広すぎるそれは、一瞬で彼の逃げ場を塞いでいった。

 

「ここには土もないから、あの怪しげな植物も使えないでしょ。それにこの量の『原子崩し』から無傷で逃げるなんて難しいんじゃないの? 物を分解、腐らせるだけが取り柄のアンタの能力じゃ、打つ手無し、ってか」

 勝ち誇った表情で麦野は勝利の笑みを浮かべる。あんな訳の分からない奴に一度はやられかけたかと思うと内心、苛立つがこの際、良しとしよう。

 

「なーんか、勘違いしてねぇか? 誰が俺の能力が腐らせるだけだって。俺の能力は『終着地点』って名前なんだぜ。名前はその能力を最も的確に表すもんだって知らねぇのか、『原子崩し』」

 ニヤリと天江空也は笑う。まるで余裕ぶったその態度に麦野沈利は抑えかけていた苛立ちが再び溢れ用としたのを感じるが、次の瞬間、その顔色が驚愕へと変わった。

 

 天江空也の肌に『原子崩し』が触れる直前、それは起きた。

 

 消滅したのだ。『原子崩し』が。数十のそれは全て同じように消滅したのだ。

 

「お前の能力は電子を粒子と波形の中間の性質、いわば曖昧な状態に固定することで、壁を作り出している。それを押し付けることで、圧倒的な破壊力を生み出してんだろ。ようは曖昧な状態だからそういう現象が起きるんだ。だったら、その曖昧な状態をはっきりとした粒子と波形に分解してやればいいってわけだ。それをした、というのが科学的な回答だが、実際は俺にも原理は分からねぇよ」

 一拍おいて、彼は次の言葉を続けた。

 

「『終着地点』...。簡単に言えば、すべての現象・物事を一番最後の状態へとする能力。人は最後は放置すればミイラになるし、金属は酸化してボロボロになる。建物は老朽化して崩れるし、『原子崩し』だってやがて威力はなくなる」

 今までのはその過程で能力を制限してたから起こったに過ぎないと、天江空也は話す。

 

「んなもん、反則じゃねぇか。そんなもんレベル5でもなきゃ...まさか、お前...第6位か!?」

「...さぁな。知らなくてもいいことだ。麦野沈利、お前はもう終わったんだ。お前の攻撃はもう二度と俺には当たらない」

 圧倒的な力の前に、麦野沈利は学園都市の本当の闇を見た気がした。

 

 

 

 

 

 

 浜面仕上と滝壺理后は一度、階段を下りて二十四階のエレベーターホールまで走っていた。ビルは信じられないほど静かすぎて、それが麦野沈利の勝利なのか、麦野沈利の敗北を意味しているのかは分からない。ただ、なるべく浜面はこのビルから遠ざかりたかった。

 

 エレベータの壁のスイッチを操作すると、四十八階に止まっていた表示が、高速でこの二十四階へと下がってくる。その間に浜面仕上はポケットの中の開錠用ツールに触れて確かめた。まずは地下に行き、駐車場にある自動車を確保する。

 

 ふと浜面は隣にいる滝壺理后を見た。こんな不安で押しつぶされそうなのに、この少女は確固たる信念を持って凛としていた。いつもは気怠げで弱々しいイメージなのに、今は男の浜面よりも落ち着いている。

 

「なぁ、滝壺、お前は何で暗部なんかに入ちまったんだ。俺はさ、スキルアウトで悪さやってそのツケが回ってきたんじゃねぇかって思ってる。勿論、納得はしてないが、少なくとも面と向かって否定することはできない。けどさ、お前は...」

 浜面の言葉はエレベーターの金属製のドアが左右に開く電子音に遮られた。と、同時、

 

「いたいた。ずいぶん探したんだぜ。サーチ能力者はその女でいいんだよな?」

 浜面はその声を聞いて、絶望的な表情を浮かべた。ただでさえ、マズイ状況なのにもう一人、『スクール』のリーダー、垣根帝督が通路の向こうからこちらへ歩いてくる。そして、その手には機械でできた爪が装着されていた。

 

「その女が『アイテム』の核なんだろ。お前らに目の前を彷徨かれるのは俺にとって邪魔だったからさ、もう逃げられねぇよな、そこまで追い詰めれば」

 垣根帝督はゆっくりと近づいてくる。その一歩一歩が命を削るカウントダウンのように浜面は感じながら、袖の中の拳銃を意識していた。

 

「で、どうすんだ?お前、その女を置いて逃げるか、それとも刃向かうか。前者なら見逃す、後者なら殺す。選べ、なんなら別れの挨拶の時間も用意してやる」

 垣根帝督の足が止まり、余裕の笑みを向ける。彼にとってその範囲は既に射程圏内であり、いつでも殺せるというシグナルでもあった。圧倒的な戦力差を前に浜面仕上は震える手を握り締め、ひとつの決意をする。

 

「逃げろ、滝壺」

 ポンと軽い音が響いた。滝壺の小さな体をはじき飛ばした浜面仕上だったが、逆に滝壺に手を捕まれ、まるで社交ダンスのように互いの位置が入れ替わる。そして、尻餅を付いた彼がエレベータの中に入っているのを気づいたときには既に扉は閉まりきろうとしていた。

 

「大丈夫。私は大能力者だから。無能力者のはまづらを、きっと守ってみせる」

 左右から閉じていく扉の向こう、目だけがうっすらと笑っている滝壺理后は浜面を見ていた。そして、完全に閉まりきると同時、浜面仕上はどうしようもない虚無感を感じた。ゆっくりと降下していくエレベーターは地下一階を目指していく。

 

 危険を脱して安心した自分と何か大事なものを失ってしまったような胸騒ぎが彼の心を掻き乱す。床に座り込んだまま、彼は天井を見上げた。自分には何の価値もないと思っていた。無能力者の俺はちっぽけな存在で能力者である彼らはそんな俺たちを、どうでもいい存在だと思っていると決め付けていた。それなのに、

 

「何であいつは助けたのかな」

 誰に聞かれることもない声だった。下部組織の俺はいつでも替えの効く代用品だ。俺が死んでも誰も悲しまないし、それで誰かの人生が変わるわけでもない。いてもいなくても変わらない。

 

「...ちくしょう」

 浜面は小さく呟く。俺たちスキルアウトは能力者に無能力者の価値を気付いて欲しかったから、抗っていたのかもしれない。ポロポロと彼の目から涙がこぼれた。

 

 あいつは、少なくとも滝壺理后という少女は無能力者である浜面仕上を人として見てくれた。

 

「...ちくしょう」

 嬉しかった。それが例え、嘘だったとしても嬉しかった。ただ、とにかく言えることは一つ。

 

 滝壺理后は、無能力者の浜面を助けるために、たった一人で学園都市の第2位に立ち塞がったということだ。

 

「ふざけやがって!!」

 彼の目に熱い何かが戻った気がした。ドンと壁を殴りつける。痛む拳に彼は笑った。痛い、生きてる。俺はまだ生きてるんだ。

 

 浜面仕上はエレベーターの停止ボタンを押す。この先、何が待ってるかは分からない。ただ、あそこには垣根帝督がいて、下部組織の人間がいて、もしかしたらあの『終着地点』もいるかもしれない。だが、あそこには滝壺理后がいる。

 

 無能力者の俺でも守りたいと思えた少女がいる。

 

「だったら行くしかねぇよな」

 垣根帝督という強大な人間を前に何ができるか分からない。ただ、以前断崖大学のデータベースで出会った自分とは全く違った無能力者のように、何かをやり遂げようとは思える。

 

 浜面仕上は滝壺と別れた二十四階のボタンを押し、再び扉を占める。

 

「やってやるよ、クソッたれ」

 彼は再び化け物の巣食う戦場へと戻っていく。守りたい人と、明日を掴み取るために。

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