頭が性感帯のショタがオラリオで撫でくりまわされるのは間違いだろうか 作:キャラメリゼ
憧れは狼
僕は英雄になりたい訳ではない、ダンジョンに出会いを求めている訳でもない、お金持ちにはちょっとなりたいが別に豪遊をしたい訳ではない。
僕がダンジョンに潜っているのは生活の為だ、町で働く人達と同じで生活費を稼げればそれで良い。
今日は少しの欲が出て、5階層まで降りてきたことを死ぬほど後悔している、いや死に直面している、の方が正しい。
僕は思う、こんな中途半端な気持ちでダンジョンに潜るのは間違っている
『ショタマツンゴォォォオオォ』
「いやだぁああぁぁぁぁああぁあぁ」
ダンジョン内に響くソプラノトーン、その容姿より少し高めの声を響かせながら逃走を図っているがおよそ半月前に冒険者になったばかりの僕の足では、Lv2にカテゴライズされる【ミノタウロス】にすぐに追いつかれてしまう。
ミノタウロスの見舞った一撃が奇跡的にそれ地面に波紋を作る、砕けた地面の石に揉まれながらその衝撃で僕の軽い体が飛ぶ。
行き止まりだ
「はっ……はぁっ、おね……お願い……やめてくださぃいぃ」
『フゥー、フゥー……ショタンゴォ』
モンスターに通じる筈の無い言葉を発しながら臀部を地面に擦り付けながら後ずさる、死んだいやもう死ぬだろう、奥歯がカチカチと音を立て目尻に涙が浮かび今までの人生の走馬灯が見える。ああ僕はここで死んでしまうのか
次の瞬間、モンスターの体が半分に千切れる。
『ンゴ?』
ミノタウロスの千切れた上側の口から情けない声を発する。
『ンゴゴゴゴゴゴォォォォオォォ』
ミノタウロスの気持ち悪い断末魔に震え、下半身からシャワーの様に吹き出している血を見ながら僕は呆然と固まり、無くなった上半身から覗く狼人に目を見開く
鉄色の髪にニョキリと生える尖った耳
細身でありながらその引き締まった筋肉で弱々しさは感じられない
目に走る稲妻の模様、鋭い眼光は如何なる者にもいまにも喰らいつきそうな獲物を狙う目だ
みんなからいつも女っぽいだの女々しいだの言われている僕は、不良、ヤンキー、ワルといった非社会人に少しの憧れを持っていた。
いや過去形だ今はもう憧れている、この荒々しい狼のようになりたい
「ちっ雑魚が……怖がって泣くくらいならここに来んじゃねーよ」
そんな言葉でさえ僕にはもうカッコ良く見えてしまっている
「ベートさん、言いすぎです……大丈夫ですか?…………ッ!!」
僕を見た金髪金眼の美しい少女の目が見開かれる。
来る……僕には分かる何時も体験しているからだ、例えるなら道端に寝転んでいる猫を見つけ「可愛いー!」と言いながら撫でようとする女の目だ。
ヤバイと全身がそう言っている、逃げようと体に力を入れるが腰が抜けてしまっている。そうこうしてる間に目の前まで来た金髪金眼の少女はおもむろに僕の頭に手を伸ばす
「あっ駄目ですっぼく!……ひゃうっ」
「…………?」
「あっ……んぅっ、はぅ……やめっうぅ」
怖がって震えていると勘違いしているのか、やさしく撫で続けて来る少女の手に全身をビクつかせているが、違う
僕はその……頭が弱いのだ、これも違う頭が悪い訳ではない、いやその……この際正直に言おう
僕は頭をなでられると気持ちよくなってしまうのだっ
「ごめんなさいぃぃいぃいぃぃ」
自然と出てしまう恥ずかしい声を聞かれまいと両手で口を押さえるが、足りない、全身を真っ赤にしながら抜けたはずの腰も忘れ走り出す。
結論
やっぱり僕は頭が弱い
「……もうっチロル君は私が教えたこと何にも分かってないじゃないっ、君は不用意に下の階層には行かないと思ってたんだけど私の勘違いだったみたいだね……」
「違うんです!今日はちょっと魔が差したというか欲が出たというか……」
「何も違わないじゃない、君にはもう一度ダンジョンの恐ろしさを体で覚えさしたほうがいいのかな……?」
「ひっ……」
「私としてはそれでも全然かまわないっていうか、むしろ嬉しいくらいだよ」
冗談半分、半分本気で手をワキワキさせながらふふふと笑うエイナさんに、思わずサッと両手で頭を押さえる、最初の頃を思い出し少し顔が赤くなっていくのが自分でも分かるが今回の件は僕が悪い
「その……ごめんなさい」
ひまわりの種を盗られたハムスターのように縮こまるチロルに、胸をきゅんきゅんさせこのまま押さえつけて頭を撫で回したい衝動に駆られるエイナだがグッと理性で抑える
「う、うん……分かってくれたならいいよ、でも次は本当にヤるから覚悟しておいてね」
「うぅはい……あっ聞いてください、僕実はダンジョンに目標が出来たんです!」
かねてから言っていた、僕の曖昧な目標、生活費を稼ぐなんてことを聞いていたエイナさんは素直に喜んでくれる
「へぇーいいじゃない、どんな目標なの?」
「ベート・ローガさんみたいなワルになることですッ!」
「「「ぶっ」」」
エイナとチロルのほほえましい会話を聞いていたエイナを含めた受付嬢や周りの冒険者たちもこれには思わず吹き出してしまう
似合わなすぎる、一同が思ったことだ。
「な、なんで笑うんですかっ…………やっぱり僕には無理ですよね……換金所に行ってきます」
ガクッと音が出るくらい肩を落としたチロルに、流石にやり過ぎたかなと心配する目線を送る
換金を済ませた後もいまだに笑われてしまったことに肩を落とすチロル君に耐え切れずに話す
「ごめんね、チロル君馬鹿にしたわけではないんだよ?」
「はい……わかってます」
「チロル君、今はまだだめだめでもしっかりとコツコツ経験を積んで行けば君の目標にも必ず追いつけるよ……私は君のアドバイザーで見方だからね」
無茶だけはしちゃ駄目だよ?と微笑むエイナさんの言葉にたまらず嬉しくなり笑顔になってしまう
「うん!ありがとうエイナさん……ひゃんっ……って、なんで撫でたんですかッ」
「いや、可愛かったからつい……やっぱり君には笑顔が似合うよ」
もうっと形だけの文句を言いそれでもまだ笑ってしまう
「じゃあ帰ります……そのッ……エイナさん大好きぃー」
「……えうっ」
去り際に、走り出しながら仕返しを成功させニヤつく頬を押さえながら、思う
(今日の晩御飯は何かなぁー)
タイトルあんまりすぎるだろって突っ込みは置いといて、チロル君をテクノブレイクするまで撫で回していきます