頭が性感帯のショタがオラリオで撫でくりまわされるのは間違いだろうか   作:キャラメリゼ

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野獣の眼光

 

 

 

「んっ……ふぁあ」

 

 朝の静けさとともに目を開ける、教会の地下にあたるこの部屋に窓は付いていないため、朝日や鳥のさえずりは残念ながら聞こえて来ない。

 僕は染み付いた時間の感覚で5時ピッタリに起きることが多い、これは密かな自慢でもある。

 そしてさっきから無視しているが実は神様が僕に覆い被さっている、さほど背丈の変わらない神様が僕の上に乗っかると顔の横にちょうど神様の顔があるが、ほっぺどうしが擦れあってくすぐったい。

 抱き心地はすこぶる良いけど「むにっ」と圧潰する神様の胸にドキリと心臓が鳴る。

 僕だって立派な男の娘だ。キャラメリゼのチロルが起きるのを感じ顔を赤くしながら体を反転させる。

 

(あぶないよ……ぼく……)

 

 そそくさとギルドから支給された装備を着込み、「行って来ます」と小声で言いながら大きな音を立てないようにドアを閉める

 

「チロル君の意気地なし……むぅ」   

 

 しっかりと聞こえた神様の独り言を無視して。

 

 

 

 

 朝の匂いと言うと少しおかしいような気もするが、肌寒いような暖かいような空気にその小さな胸で一杯に深呼吸してしまうような気持ちのよさだ。

 いつも様々な亜人(デミヒューマン)であふれかえるこの大通りも、今ばかりは広く感じる

 

「おなかすいたぁ……」

 

 くぅーと可愛く自己主張するお腹をさすりながら、とぼとぼとダンジョンを目指す。いや流石に何か食べ物を売り出すのを待とうか迷っていると感じる

 

「……っ!?」

 

 思わず頭を両手で守るように押さえて周囲を見回す。

 あの目線だ、道端の猫をって感じの女の目線、お腹が空いて力の出ない今の状態で頭を撫でられたら一貫の終わりだ。

 相手が飽きるか、僕が気絶するまで蹂躙されるに決まってる、神様も言っていたこの町の女の人は皆狼のように僕の事を襲ってぺろりと食べられてしまうって……ぶるりっ

 神経を張り巡らせ動くものに一つずつ焦点を合わせていく、店の準備をする小人族(パルゥム)、花に水をやるヒューマン、何処を見てもそんなそぶりを見せる人は居ない

 

「あの……」

 

「わぁっ」

 

 いきなり尻尾を踏まれた猫のように飛び退き構えるが、目の前に居るのは僕と同じのヒューマンの少女だ。

 ウエイトレスの格好をしている銀髪を後ろでお団子にしてそこからぴょんと生える尻尾にポニーテールの亜種の様な髪型の普通の店員さんにこの反応は失礼とすぐにあやまる。

 

「ご、ごめんなさい……ちょっとおどろいちゃって」

 

「うんん……私が急に話しかけちゃったから」

 

「あの僕になにか?」

 

「あ……はい、あめ玉を落としたみたいだから」

 

 あめ玉?と記憶を探るとそういえば昨日帰りに露店のおばちゃんから貰ったのをポケットに入れていたような気がする……。

 実は、ヘスティアがこっそり食べたのを知らないチロルはそれだっと当たりをつけ素直にあめ玉を受け取る。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「うん、いいよ……こんな早くからお使いかな?えらいねー」

 

 頭を撫でようとしてくる店員さんの手を真剣白刃取りの様に受け止めながら、子供扱いしてくる店員さんにむぅとすこし頬を膨らましながら事実を話す

 

「僕、冒険者ですっ……ちなみにもう今年で15歳になりますっ」

 

「へぇー…………えッ!ご、ごめんねっじゃなくてごめんなさい!」

 

「いいです、いまさら敬語に直されると逆に馬鹿にされているような気がします」

 

 完全にむっすりしながら腕を組む僕に、すこしの間店員さんはあたふたしていたが、あっと気づいたようにポケットからあめ玉を取り出す。

 

「もういっこあげるから許してっ」

 

「………………許しますッ!」

 

 店員さんから渡されたあめ玉をすぐに口に放り込みむぐむぐと味わう……なんか騙されている様な気がする。なんて考えはあめ玉の甘さで吹っ飛び思わず笑顔になってしまう。

 あめ玉に刺激された僕のお腹が、またくぅーくるくると可愛く鳴くのはすぐだった

 

「「…………」」

 

 きょとんと目を丸くしながら僕を見つめる店員さん、頭から煙を噴く僕。ふくくっと堪えながら笑われ、もう一度撫でようとしてくる手を払い俯きながら全身を赤く色づかせていく。

 

「うふふっ、お腹空いてるの?」

 

「…………はぃ」

 

「もしかして、朝ごはん食べてないとか?」

 

 形勢を逆転され、下を向きながら小さく頷く

 

「ちょっとまっててね?」

 

 えっという声は届かず小走りで店に戻っていく店員さんのゆれるポニーテールに目がいきながら、言われたように大人しく待つ

 もどって来た店員さんの手にはこじんまりとしたバスケットが握られていた。

 

「これ、まかないじゃないから味は保障できないけど……」

 

「わるいですよっ……これあなたの朝ごはんですよね」

 

「このままキミにダンジョンに行かれたら、心配でお仕事に支障がでちゃうからっ……ね?」

 

 店員さんも恥ずかしがりながら、つきだすバスケット

 

「ず、ずるい……」

 

 あめ玉とはレベルの違うものに、流石に僕も悩んでしまう。

 そんな僕をみて店員さんは少しの間考えるように目をつむり、次に目を開けたときには意地悪な笑みを浮べながら人差し指を立てる。

 

「これは利害の一致だよ……ここで私がお弁当を渡す代わりにキミは、夜私のお店でご飯を食べて貰わないといけません」

 

 どう?っと顔を赤く染めながらはにかむ店員さんに僕も思わず顔にひまわりのような笑顔を咲かせる

 

「うんっわかった!それなら夜にまた来ますっ」

 

「ッ……う、うん……待ってるよ」

 

 パッと笑顔を咲かせる僕の顔をボーと見惚けながらもう一度撫でようとしてくる手を今度はサッと避け、お弁当を受け取る

 

「お弁当ほんとにありがとうっじゃあまたっ」

 

「あっ……私、シル・フローヴァって言います、キミは?」

 

「チロル・キャラメリゼだよっ!じゃあまた夜に」

 

 手を振りながら恥ずかしくなって逃げるようにシルさんのもとから駆け出す。

 

「…………本当に可愛いね」

 

 そんな呟きを知らずに。

 

 

 




 思わずもういっことか言っちゃうシルたんかわいす、それに気づかないチロルたんかわいす。ちなみにシルたんはチロルのこと何回撫でようとしたか分かるかな?
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