頭が性感帯のショタがオラリオで撫でくりまわされるのは間違いだろうか 作:キャラメリゼ
朝を少し過ぎ、太陽がさんさんと照らす大通り、様々な亜人たちが動き出し、ダンジョンに行く者、仕事に行く者の間を縫うように早足で歩く。
時々歩く衝撃で痛む膝、6階層【ウォーシャドウ】にもらった傷はまだ完治せず常に浅い痛みを発している。
無理はしない、僕にも追いつきたい目標が出来たんだ、でもその前にやる事がある……一昨日の店が見えてきた。
【豊穣の女主人】が近づくにつれ、早足だった歩幅もだんだんと小さく遅くなって行くのが分かる
(行きたくないなぁ……)
お金を払わず出て行った事に加え、僕の憧れベート・ローガにあんな大見得を切った事も当然聞かれているに決まってる……「closed」の札がかかっているドアを唸りながら見つめ考える。チョコレート……これが済んだら、いっぱいのチョコレートを食べよう、うん僕にだってやれるさっ
自分で自分の背中を押すようにドアをゆっくりと開けると、カランカランとベルの良い音が響き渡る
「お客様。すいませんまだ準備中ですので、時間を置いてからまたお越し……」
「まだやってないのニャー」
「ああああの、シルさんと女将さんをよんで貰えませんかっ」
せっせとイスやテーブルを運ぶキャットピープルの店員に、テーブルクロスをかけるエルフの店員、対照的な二人は同じように可愛い。
僕のかみかみな言葉を聞いて二人は目線を改める。
「ああぁ!あん時お得意様に喧嘩売った、クソ餓鬼ニャ!!」
「少し黙りなさい」
「ごニャっ」
少しお待ちください、と言いながらキャットピープルを引きずっていくエルフの店員の撃った一撃が見えなかった、自然と冷や汗が額に滲む……僕もああなるのかな。
ドタドタと階段を下りてきて顔を覗かせたのは、まだしっかりと髪を結べてないシルさんだ。
「チロルちゃん!!」
そのままの勢いで走ってきて抱きしめられる、むぐっと胸に挟まりながら、怒っていない様子を見て安堵する。
「あの……お金も払わずに。勝手に……ごめんなさい」
「うんん。こうしてちゃんと戻ってきてくれたから、許してあげる」
「シルさぁんっ」
「坊主が来てるって?」
厨房の置くからぬぅっと顔を出す女将さんにシルさんとの感動のシーンも吹っ飛び、その威圧感に思わず後ずさる……ミアさんにとったら僕なんか豆粒くらいしかないんじゃないだろうか。
別に睨んでいるわけではないその大きな顔をズイっと寄せられ、泡を食ったように話し出す
「こ、この間は急に飛び出していってすすすいませんでしたっ……これその時のお金です!もし足りないって言うなら僕何でもしますからっ」
「ふっ…………あっはっはっは、子供が気を使ってるんじゃないよ。金さえしっかり払えば文句はないねぇ」
それを聞いたミアさんが、豪快じゃなく豪傑に笑い声を上げる。
「あの子にはお礼を言っときな、アレが説得しなかったら今頃は池の底だよ」
「…………」
「あのエルフのリューなんか、真剣持って出て行こうとするのを止めるのは一苦労したもんさ」
一つも笑えない、本当に返しに来てよかった、やっぱりリューさんはちょっと怖い人なんだろう……。
「……坊主」
「は、はい」
「冒険者なんてもんはカッコつけても碌な事にはなんないよ、最初の内はもがいて生きることに必死になりゃいい」
最初の印象の怖い女将さんの顔も、この時ばかりは少しやさしく見える
「んで、必死になって帰ってきたやつに、アタシが酒を振舞う……どうだい、勝ち組だろ?」
僕の掌の2倍ぐらいはあるんじゃないかと言う大きな手で頭を二、三回ガシガシと叩かれ、んっんっと声が漏れる……ミア、お母さんっ!
「そんな気持ちの悪い顔をしてんじゃないよ、そら、邪魔になるからさっさと行きな」
「はいっありがとうございました!」
お礼を言って回れ右をし、まだ痛む足を庇いながら店を出ようとする、今思うとこれがいけなかった。
「………………待ちな坊主、足はどうしたんだい?」
「ああ、あの後ちょっとダンジョンで怪我しちゃって」
「今からダンジョンに行くんだろ?」
あっと気づくがもう遅い
「ナンノコトデショウカ」
「はぁ……なんも分かってないじゃないか…………リュー」
短くそう呼ばれたエルフのリューさんは、「分かりました」と理由も聞かずに頷き、小太刀を抜く……違うただのトレーだ。しかし立ち振る舞いと気迫であたかも小太刀を抜いている様にしか見えない。
リューさんが一歩踏み出すと反射的に僕も一歩後ろに下がる、リューさんの顔を見て戦慄する、不気味に笑みを浮べている。まるで草食動物を狩る虎が牙を見せ付けるように……怖いよっ怖すぎです。
当の本人は怖がらせないように微笑んでいるつもりなのだが、まったくの逆効果である。
「大丈夫です……ちょっと痛いことするだけですから」
……なにも大丈夫じゃないよね?一撃ってことかな、一撃で殺すってことかなぁ
もう後は壁、逃げようとドアの方に目線を送るとドンっと顔の横に手をつかれ股の間に膝を入れられ逃げられない、近づいてくる顔にもう駄目だと目を瞑ると足に激痛が走る。
「いたっ」
「駄目ですね、これじゃあダンジョンには行かせられないです。あと2日はみた方がいいです」
開放され、涙が出そうになるのもほっておいて、シルさんの所までダッシュして、ぎゅっと背中に隠れ顔を押し付ける
「ち、ちろるちゃん!?」
「やっぱりそうかい……ううん、どうしたもんかね」
おそらく、坊主はほっておいたら内緒でダンジョンに潜って行くだろう。リューも同じことを考えているのかその細い顎に手を当て眉間にシワを寄せている。
「ここで働かせればいいニャー、うち達はいつもてんてこ舞いニャ人手はあっても困らニャいニャ」
「「「…………!!」」」
「アーニャ、たまには良い事言うじゃないか」
「母ちゃん、たまには余分ニャ!!」
僕を置いてどんどん進んでいく話、まずい方向に進んで居る事はシルさんの後ろに隠れている僕でも理解できる、そっと握っているシルさんの制服を離し、忍び足で出口をめざす。シルさんがそんな僕を意地悪な笑顔で見ていることも知らずに……。
「ひゃんっ……んんっ……シルさんッ!!」
喘ぎ声にミアさんを含めた店員の全員が僕に注目し、例のあの目線を僕に向ける
「「「「なんでもするって言ったよね?」」」」
おそらくこの後酷いことをされる……そんなことは僕じゃなくても理解できる。
ん?なんでもするって言ったよね?ぐふふふっ