ブランクワールド・オンライン   作:東條九音

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逃走、そして帰還

「人を盾にしたのか。全くしぶとい奴よ。リーン!」

 

防いだ方法に嫌悪感を覚えつつも、すぐさまリーンに指示を出すディアーチェ。

指示を受けたリーンは、一直線に敵へと向かって行き、呼び出した大剣を振りかぶった。

そして斬り付けようとした瞬間、リーンは足を掴まれてその場にこけてしまう。

 

「なっ!」

 

「ざーんねーん、惜しかったね~」

 

リーンの足を掴んだもの、それはクロムウェルたちの周りに転がっていた、死体たちだった。

 

「む、ローブの男は死霊術師か!」

 

「いや、あれは傀」

 

「傀儡術ですよ。まあ()()()()()()存在しない技なので、見間違うのは仕方ないでしょうけど」

 

ディアーチェの死霊術発言を、マキナが訂正しようとすると、ローブの男が先に応える。

 

「初めまして、第二世界の管理代行者さん。俺はマーク・スフィア。クロムウェルさんの同胞さ」

 

ローブの男は、軽薄な笑みを口に浮かべ、傀儡に捕まっているリーンを見る。

 

「今回は負けを認めて、逃げさせてもらうよ。でもその前に、キミの腕も一本、貰っておこうか」

 

マークが指を鳴らすと、傀儡たちがリーンの左腕に群がって行く。

 

「不味い、マキナよ!どうにかならぬか。我は傀儡の術については知らん。これでは手が出せん!」

 

「はいはいっと。今回もページが埋まったし、お前さんに恨まれるのはかなわんからね」

 

そう言うとマキナは、リーンに群がっている傀儡たちに近づくと、懐から取り出した扇で、傀儡たちの頭を叩きつけていく。

 

「傀儡化した奴らは痛みを感じない。だから半永久的に動き続ける。けど、核を的確に叩いてやればこの通り」

 

そこには動きを止めた傀儡たちが転がっていた。

 

「大丈夫かい、えぇっと、リーンさん?」

 

「…リーンでいい。私もマキナと呼ぶ」

 

マキナはリーンに手を差し出す。

 

リーンはその手を取り、起き上がる。

 

「にしても、逃げられたのは良かったのか?」

 

起き上がったリーンは、服に付いた土を叩き落とす。途中マキナが差し出したタオルを受け取り、傀儡たちが群がっていた左腕を念入りに拭く。

 

マキナはその様子を苦笑いしながら見届け、ディアーチェにたずねる。

 

「よくはない、良くはないが仕方あるまい。向こうから逃げたのだ。下手に深追いしないに越した事は無いであろう」

 

「まーそれもそうか。ん、じゃあ終わり次第、学園集合って連絡しておくか」

 

「うむ、既にハヤテが宴の準備を始めているだろう。リーンよ、石板の宝玉を回収しておくのだ」

 

「はい、王さま」

 

改めてこの場を去る準備を始める。

マキナは仲間に連絡をし、全員の無事を確認すると、学園に向かうように指示を出した。

 

「マキナ、あなたは何故傀儡の核の位置が分かったの?」

 

指示も終わり、ディアーチェの準備が終えるのを待っていると、宝玉を回収し終えたリーンがマキナに声を掛けた。

 

「ん~、企業秘密って事で」

 

「……分かった。そう言う事にしておく」

 

マキナの回答に若干不満そうな顔をしたが、すぐにいつものフラットな顔に戻った。

 

「よし、準備が出来たぞ。うぬら、学園に戻るぞ」

 

こうして第二世界のキークエストは、終わりを告げるのであった。

 

 

 




と言う訳で、第二章はこれにて終了です
皆さん、如何でしたでしょうか?
魔法世界、と言っておきながら魔法感ほぼ無かったかな~と、思っていたりします。
でもまぁ、楽しんでもらえているなら、それはとても励みになります。


という訳で第三章の頭では、リクエストされていたクエストから始めていきたいと思います!

つきましですが、第二章世界のキャラかプレイヤー(ジーク以外)で、このキャラを参加させて欲しい!と言うのを聞きたいと思います。

多くて二人か三人ですが、上がったキャラを登場させたいと思います。
回答の方は、リクエストの方へお願いします。


それでは皆さん、今後ともよろしくお願いいたします。

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