1度目は街並み。他の世界から転移門を抜けてやって来た先には、今までの世界とは違い荒廃した街が広がっていた。
2度目は壁に囲まれた街の外。壁の外側に道が無かったのだ。この街は空に浮いており、街の周囲には他にも大小様々な島が存在していた。
3度目は第三世界にやって来ると届く、メッセージ。
そこに書かれている内容は、意図がよく分からない以下のようなもの。
『 よく来たな。
我はこの世界を統べし者、アブソリュート・サタナー‼
この第三世界にやって来たプレイヤーたちよ!
率直に言おう。
この世界の人は、いやこの第三世界自体が、ごく少数を除いて、全てが滅んでしまった。
このままでは残ったものも、いずれ完全に滅びてしまうであろう。
そこでだ!諸君らの力を借りたい!
具体的にどうやってを話す前に、第三世界について話しておこう。
本来の第三世界は空に浮かぶ大陸、「浮島」の冒険がテーマである。
首都大陸を中心に、大小さまざまな島やダンジョンを冒険し、隠されたカギとゲートを見つけ、次の第四世界への扉が開くはずだった。
今ではご覧のとおり、かつて栄華を誇っていた首都大陸は荒廃し、人どころか動物やモンスターですら、存在していない。
生き残った我らは、この世界を救いたいと思った。
しかし我らは訳ありて、この場から出る事が出来ん。
そこで先程の、力を貸して欲しいという話だ!
プレイヤーらには、神の名がつきし十の遺跡を攻略してもらいたい。
遺跡の最奥部に存在する、守護者を討伐する事により、遺跡は崩壊し世界は救われる。
遺跡の名は、「神の頭脳」「神の眼」「神の右腕」「神の左腕」「神の脚」「神の天秤」「女神の加護」「神々の呪い」「神々の書庫」「神々の武器庫」
プレイヤーたちよ……どうか世界を救ってくれ 』
このメッセージから分かるのは、この世界に存在する10のダンジョンを攻略する、ということ。
ダンジョン攻略ならそれだけを言えばよいものの、アブソリュート・サタナーと名乗る人物が語る、第三世界の設定。
「しょーじき、胡散臭いよね~」
「まったくだわ。と言うより、私たちはそのNPCを調べるために、
「分かってるよ、ルル。それにしても、ナナ姉さまが私たちを現地に出すって……」
「相当不味い状況らしいわね……じゃあお互い、手分けして探るわよ」
「うん、何かわかったら合流して」
「現地のマスターに報告。じゃあキキ、気よ付けるのよ」
「ルルも、気を付けてね」