と言っても、古詠が生徒会を始めたきっかけなので言うほど過去じゃないですね。
本当の初めに書いた物なので、いつもより至らない点や誤字脱字が多いですが、それでも良ければどうぞ。
四月、それは皆が新しい生活に、心躍らせていることだろう。
だが俺は、そんな気分には一向に慣れそうになかった。
「溜息を吐いていると、幸せが逃げていきそうだから止めなよ?」
現実逃避の為に、読み始めた本の内容も全く入ってこない。
その為無意識のうちに、溜息を吐いていたのだろう。
その事を、忠告してくる者がいた。クラスメイトであり、図書委員会代表の、鷺ノ宮千里だ。
現状を一度、整理してみよう。
この場所は、図書室の隣にある司書室。
日も暮れ始め、他の者たちは、部活動を終え帰宅し始める頃だ。
この場に残っているのは、代表である鷺ノ宮千里と、副代表の自分だけだ。
「ンなこと言ったってね」
自然と出た溜息の原因、それは目の前に書類の山があることに他ならない。
「まぁそれは一週間近く、仕事をしなかった事が原因でしょ?」
「いやいや、あんたの仕事だろ」
「でも、ミー君の仕事でもあるよね」
「その通りではあるが、減るどころかむしろ増えている所が気になるのだが」
実際一週間ほど前に見た時は、新書の要望や備品申請書などの精々十五枚ほどだった。
だが今では、ざっと十倍位に増えていた。
「まあ本音を言うと、生徒会と委員会の委員長だけが使える寮が在るよね」
「あるな。だけどあそこは、行事準備の時や書類整理の時しか使わないだろうって、暁先生が…」
「そうだね、そろそろ私が何考えているか分かるよね」
つまり鷺ノ宮は、書類整理を理由に例の寮に泊まりたいという事だろう。
非常に面倒な事になった。
この寮はペアでないと、委員会としては使う事が出来ない事に為っている。
書類に至っては持ち出し厳禁、つまりは泊りで処理する必要がある。
どうやら、計算し尽されたものであるらしい。
「ハァ~、一ついいか」
「何かな」
「ペアという事は、俺も泊まるという事に為るのだが」
「ミー君だったら大丈夫でしょ」
如何やら拒否権なしその上に、えらく信用?されているらしい。こうなったら、従うほかないだろう。
「分かった、それじゃあ暁先生に言ってくるわ」
「やった!それじゃあ準備しておくね」
「準備が終わったら、少しでも書類進めとけよ」
「分かった~、ミー君も早く許可とってきてよね」
分かったと返事をし、目的の先生を探すために司書室を出た。
その時ふと、去年の生徒会選挙に参加するきっかけとなる出来事を思い出したのだった。
「えっと~では最後に、もう直ぐ生徒会選挙が在りますが、立候補者がいないので、皆さん是非、挑戦してみてくださいね」
ホームルームにて、天王寺先生が、連絡事を話していた。
内容は、一ヶ月後に迫った、生徒会選挙の話だった。
正直、あまり関係無いだろうから、本を読みながら聞いていた。
「恵美先生、それってすると、いいことあるの?」
その質問に、大半の生徒たちがうなずいていた。
ここの生徒会は、少し特殊な特権が存在しているらしい。
しかし、一般生徒には一切の情報が公開されておらず、役員たちも一切その事について話さない。
よってその事は、一種の七不思議的なものとして、色々な憶測がされている。
「そうそう、よく聞くのは、一部の授業をさぼっていいって聞くけど、実際の所はどうなっているわけ?」
ゆえに、全員が気になる所なのだろう。
「どんな噂があるか知らないけど、授業を休めるって言うのは、嘘だね。それは執行部が、準備の為に抜けって行っただけだと思うよ」
「なんだ~、そんな事か」
「そんな事だと、私は思っていたけどね」
「「嘘だ~」」
「ちょっと誰よ、私は本当に思ったんだからね」
「「「またまた~」」」
「さらに増えた⁉」
そんなやり取りをしていると、ホームルーム終了の鐘が鳴った。
「は~い、そこまでね。じゃあ日直さん、よろしく」
「起立、礼」
ホームルームを終え皆、各々部活や帰宅談笑といった具合にばらけだした。
「夜海、ホームルーム終わったぞ」
「うん」
俺は、数少ない友人に声を掛けられ、本を読むのをやめた。
「よし、それじゃ行こうぜ、夜海」
「タスク、今日はどっちに出るわけ?」
「そうだな、今日はゲー研かな」
輔は、吹奏楽部所属兼ゲーム研究部部長をしており、その他の部活の助太刀をしていることで有名だ。
しかも、学業・家事に至っても高スペックである。
「ふぅ~ん、まあ良いや。それで今年は何で、立候補者が居ないんだろうな?」
「聞いておきながら、軽いな。」
しかし、高スペックだからと言って人望が有るかと言うとそうでもない。
周りの印象は、雑に扱っていい人と言うものだ。
「で、立候補者がいない理由だっけ。それは、進んでやりたがる様な、やる気のある奴が居ないからだろ」
「ふぅん~、女子は立候補しそうなのに」
一方で周りの夜海印象はと言うと、読書家・自分からは話さない。
だが話しかけると、割と話しやすい人、と言ったものらしい。
「だろうね。要は、男子の候補者がいないのだろうよ。しかし、男子だったら、藤堂とか俊あたりがしそうなものを」
「いや、二人ともしないだろ。」
実際二人とも優秀だ。
ゆえに、いつも大変そうにしているのを見かける。
「相変わらず、変な事の情報が早いな。まあ俺は、余裕があればやろうか。そう言う夜海は、どうするわけ?」
「俺?そうだね~、必要とされたら考えようかな」
別に進んでやりたい訳でもない。今までどおり、頼まれたら考えよう。
「まあ、無いでしょ?こんな変わり者に声がかかる事なんて」
「そう言うな、もしかしたらあるかもしれないだろ」
いや、いったい誰からかかるのだろう。知り合い以外と話すのは、ただでさえ苦手で自分からは余り話さないのに。
「じゃあ、ゲー研に出て来るから、また明日な」
話しをしている内に、パソコン室近くまで来ていたらしい。
「お~、じゃあまぁ、頑張れよ~」
そういってこの日は、帰路に着いた。
だが事件はそんな話をしていた翌日に起きるのであった。
「古詠、昼休憩にパソコン室に、来るように」
「はぁ、分かりました」
三時間目終了前、国語担当の前田先生から呼び出しをくらった。
「珍しいな、ミー君が呼び出しくらうなんて」
「そうそう、俺たちみたく、目立った事はしない奴が」
周りが騒がしい。
そもそも目立つ事が嫌いなだけなのだが、そのせいで今は余計に目立ってしまった。
しかし何で、呼び出しをくらったんだ?
「そろそろ終わりたいから、静かにしろ、お前たち」
前田先生の一言で、周りはやっと静かになり、授業を終える事が出来た。
その後、四時間目を終え、問題の昼休憩になった。
「失礼します。二年A組の古詠です」
「来たか、それじゃあ、そこに座ってくれ」
なぜ、電気を付けていないのだろう。
そしてまた、対面式で面接みたいだな。
でも、イス一個分の距離もないって、どうなんだ?
「悪いな、昼休憩に呼び出して」
「いえ、それで話は?」
「ああ、実は古詠に頼みたい事があって、呼び出したんだ」
「頼みたい事、と言いますと?」
というか、いくら昼間だからと言っても、部屋が暗すぎる。
これは、嫌な予感しかしないな。
「なぁ古詠、お前、生徒会をしてみないか?」
「……今なんと?」
「生徒会をしてみないかと、言ったんだ。古詠は、真面目で周りをよく見て、行動しているだろ?」
聞き間違い、ではないようだ。
「待って下さい。そんな、自分に生徒会は無理ですよ」
「謙遜しすぎだ。お前には、人や物事を上手くまとめとる。だがお前頑張りは、人の陰に隠れていて目立っとらん」
それは、ただ人前に立つのが苦手だからであり、考えをそれとなく他の人に言わせる方が、操っているみたいで、面白いから好きなのだが…。
そして何より、疲れることが嫌なのだ。
「ほかに、候補がいないんだ、頼む」
「たす…高垣君はどうですか?自分より、優秀だと思うのですが」
「確かにそうだろう。しかしな、お前は今まで、目立たなかった。だからこそ、お前には目立ってもらいたいと思っとる」
まさか今までの行動が、裏目に出るとは考えもしなかった。
「入ってくれたら勿論、サポートはするからな。とにかく考えておいてくれ。受けてくれるなら、儂か担任に言ってくれ。話は、以上だ」
それだけ言うと、前田先生は出て行ってしまった。
しかし前日に話していた事が、まさか自分に来るとは。
さて、どうしたものか……
「要は、この間話していた通り、お声がかかった訳だ」
現在放課後、昼休憩に在ったことを輔に話している所だった。
「で、どうするわけ?」
「面倒」
「言い切ったな」
本当に面倒だと思っている以上、仕方ないだろう。
しかし、どうするべきなのだろう。
「迷わずやってみれば良いと思うが、まあ土日の間にじっくり考える事だな」
確かに、こればかりは自分でしっかり考える必要があるだろう。
「そうだな、まぁしっかり考えてみるよ」
「そうしとけ。でも、迷ったならやってみるのも、一つだと思うぞ」
迷ったらやった方が良いか。
なぜ、迷っているのだろう、断れば済むものを。
やはり、先生から直接言われたから、断りづらいだけなのだろうか。
それとも、優柔不断なだけだろうか。
とにかく、輔の言うとおり、考えてみるのが一番だろう。
「先生、生徒会の件で話があります」
休み明けの放課後に、担任へ声をかけた。休みの間に考えた結果を言うためだ。
「ん、それでどうするの?」
「はい、受ける事にします」
考えた末、受ける事にした。
今のままでも十分満足しているが、もっと面白い事があるかも知れないので、受ける事にした。
「分かったよ。それじゃあこの書類に名前書いてくれる?」
「その前に一ついいですか?」
何やら重要そうな紙に名前を書く前に、此方も大切な事を言っておこう。
要は、決意表明と言うやつだ。
「何かな?」
「自分は、副会長とか大変そうな役割は、しないですよ」
「それについては大丈夫だよ。他の先生たちの間でも古詠君には、生徒会内でもサポートの役割に位置する所を、って考えていたから」
まさか言うまでもなく、配置が決まっていたとは。
「と言う事で、名前書いてね」
「分かりました。そう言えば、選挙ってどうするんですか?」
よく考えてみると、選挙については全く考えていなかった。
「大丈夫。今回は人数居なくて、役員枠ピッタリ。という事で信任投票だけだから、それらしいこと言っとけばどうにかなるよ」
教師がそんな事言って良いのか、と考えてしまうがまぁ今は置いておこう。
そんな事より、選挙の準備を始めねば……。
その後は結果的に、先生の言う通りになった。
どうやらどの生徒も再選挙をするのは嫌らしく、すんなりと決まってしまったのだ。
そんなわけで、晴れて?生徒会役委員となった。
振り分けられていた役職は、庶務というどうにも雑用が多そうなものだった。
その後、顔合わせやどの委員会の補佐になるかなどの話し合いが合ったのだか、それはまた別の話。
因みに、初めに生徒会になる様に言ってきた国語の前田先生は、離任して行った。
あれだけサポートすると言っていたのに、まさか離任して行くとは思わなかった。
そんな過去に在ったことを思い出していると、目的の人物を売店前で見つけた。
「暁先生」
「おう、古詠か、どした?」
この先生は仕事をしているのか心配になるくらい、いつも自由気ままに暮らしている気がする。
「寮の使用許可を貰いたいのですが」
「そんな事か。んで、生徒会と委員会どっちだ?」
「委員会の方です。上の人が泊まりたいが為に、仕事を溜めたんで」
「そう言う事か。まぁ、お嬢さまに振り回されているって所か」
いくら何でも、生徒の事をお嬢さまって言うのは、どうなのだろう。
何にせよ余計な事を考えるのはやめておこう。こんな人だが、生徒からの人気はとても高いのだ。
「それに、丁度いい時に来たな、これからそっちに行くとこだったんだ」
「丁度いいって、いったい何のことですか」
とてつもなく、嫌な予感しかしない。これは絶対、面倒な事だ。
「いやなに、丁度図書委員に急ぎの仕事が入ったから、泊りで片付けて貰うつもりだったんだ」
「ちなみに内容は……」
「ポスター制作だ。詳しい事は、寮に準備して在るからそれを見てくれ」
「マジですか…」
如何やら元々泊まる事は、決定だったらしい。次々に話が進んでいく。
「マジだ。まぁという訳で、ポスター制作の方も頼むぞ。それじゃあこれ、差し入れと鍵な」
と言うと、購買で買ったと思われるパン二つと、鍵を渡してきた。
受け取って鍵についているタグを見て疑問が浮かんだ。
タグには、マスターキー書いてあった。
普通は生徒に渡さず寮の管理人である暁先生が、持っておくはずなのに。
「それと俺は今回用事があって、留守にするから、その間の戸締りよろしくな」
疑問に思っていると、その事が顔に出ていたのだろう。その事に答えると、どこかに行ってしまった。
しかし、生徒に留守を任せるってどうなのだろう。
「それで、先生は何処か行ったと」
「ま、そう言う事だな。あと仕事も増えたからな」
司書室に帰り、寮に移動する準備を終えた鷺ノ宮にさっきのやり取りを話した。
だが、特に気にする様子もなかった。
「じゃあとにかく、移動して作業しよっか」
言うや否や、道具を持って寮に移動した。
その後の寮でのひと悶着あったのだが、その出来事はまた別の話。
初めて書いた物を殆ど修正せずにそのまま投稿したので、かなりぐだぐだな気がしますね。
次回の更新は、普段通りに戻って十一日更新になります。
リクエストの受付をしています。その際は、活動報告のリクエストへ送ってください。
今後も気長に待っていただけると助かります。