生徒会の会議   作:東條九音

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至らない点や誤字脱字が多いですが、それでも良ければどうぞ。


第3.5話:Extra~バレンタインデー~

「なあ、夜海。今日は何の日か知ってるか?」

 

ホームルーム前、先日発売されたばかりの新刊を読んでいると、輔がいつになく上機嫌に聞いてくる。

まだ、一日が始まったばかりだと言うのに、何でこいつはテンションが高いんだ……

 

「知らん、興味ない。今新刊読む方が大切だ」

 

「何だよ、ノリが悪いな」

 

そりゃ悪くもなる。

出たばかりの新刊を読むのを、邪魔されたんだから。

そもそも、今日が何の日だと言われても、思い当たるものは無い。

 

「まあ、そう言うだろうとは思っていたけど」

 

「分かってたなら、聞くな。で、何の日なわけ?」

 

仕方なく、読んでいた本にしおりを挟み、話を聞く体制を整える。

輔は待ってましたと、言わんばかりに語り始めた。

 

「今日は二月十四日、バレンタインデーだよ!」

 

「おー、過度な期待を抱く、亡者たちの災厄の日。兼、主夫輔の独壇場」

 

「お前の中のバレンタインのイメージって、そう言うのなのか……」

 

違ったっけ?

周りの男子たちから、狂気じみた気迫を感じたからてっきり、そう言う事かと。

 

それと主夫輔は間違って無いはず。

そう言う特別な事がある時、決まって(料理)教室を開いているし。

 

「それよりもだ、知ってるかよ」

 

「うん、もちろん知らない」

 

「芸能科の赤穂さん、本命渡すらしい」

 

「誰それ?ってか、何で知ってるの?」

 

「教えたってどうせ覚えないだろ?取り敢えず、美女だよ」

 

なんかむかつくな。まぁ、言う通り覚えないだろうけど。

 

「何で知って居るかと言われたら、昨日開いたチョコ作り教室で聞いたからだな」

 

「……俺が言うのもアレだが、守秘義務って無いの?」

 

「今回だけだよ。だって、あの芸能科の生徒が本命だぜ?探るっきゃないだろ?」

 

芸能科か……

確か、メディア関係や芸術関係の志望生徒の集まりだったな。

 

別に不思議はない気もするけどな~

まだ社会に出て活躍している訳じゃないだろうし、スキャンダルとは関係ないだろうし?

渡すぐらい自由じゃないか?

 

すると輔がチッチッと指を振りながら、考えを見透かしたように言う。

 

「お前の考えも間違っていない。けどな、重要なのは美女が誰にチョコを渡すかだ」

 

「ふ~ん、で?結局何を話したいわけ?」

 

俺からしたらどうでも良くて眠くなってきた。

 

「放課後渡しに行くらしいから、覗きに行かね?」

 

長い前置きだったな。

それならそう言えばいいのに。

それに、答えは決まっている。

 

「うん、行かねえ」

 

「よし、それじゃあ放課後、体育館裏に……って行かねえの⁉」

 

「あいにく、忙しい身でな。放課後は生徒会の仕事がある」

 

「あ~~。なら仕方ないか。一人で行って来るわ」

 

「ん、そうしとけ。……そう言えば、どれだけ貰ったん?」

 

残り数分でホームルームが始まるため、話を切り上げる。

がその時、ふと気になったので聞いてみた。

 

「義理が十個、施策の評価を含めると、四、五十はいってると思う」

 

「なるほど、本命はナシっと」

 

「うッ…、言うな…言わないで」

 

「ま、義理でも貰えるだけマシじゃん?……貰えない奴もいるし」

 

「……なんかゴメン」

 

本命ナシと言われた時、オーバーリアクションをしていた輔は、申し訳なさそうに俺に謝る。

けど、謝るなら他の人にしてほしい。

意味が少し違うかもしれないが、一応は毎年貰っているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤穂さん、話って何かな?」

 

「じ、実は更識君に、わ、渡したいものが…」

 

放課後、生徒会室に向かう途中の中庭で、チョコを渡す場面に出くわしてしまった。

渡しているのはどうやら、例の赤穂さんのようだ。

 

輔の話だと、体育館裏のはず。

これはあえて、輔にウソを教えたんだろうな。

邪魔されないようにするために。

 

 

そもそも何で俺が中庭に居たのかと言うと、生徒会室に行く前に散歩しようと思って、ここに来た。

しばらく中庭を歩き回って、そろそろ生徒会室に行こうと思った所で、現在の状況に陥った。

 

気配を殺して立ち去りたいところだが、場所が悪い。

二人の居る位置、それは生徒会室のある校舎側の扉付近にいる。

つまり、迂闊に動かない方が現状得策なのだ。

 

「渡す…もの?」

 

「え、えっと……そ、その」

 

そんなテンプレなやり取りは良いから、早く済ませて!

そんな思いが通じたのか、赤穂さんが行動を起こす。

 

「こ、これ‼う、受け取って‼」

 

「え、ちょ、赤穂さん⁉」

 

そう言って袋を更識に押し付け、走り去っていった赤穂さん。

 

「これって一体?あっ、ヤバ。部活遅れる!」

 

袋を押し付けられ、茫然としていた様だが、部活に遅れそうなことを思い出したらしい。

更識も急いでこの場を立ち去って行った。

 

「ふぅ、やっと動ける。それじゃあ俺も、生徒会室に行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!遅かったね、ミー君」

 

「あぁ、ちょっと道に迷ってな」

 

生徒会室には俺と、引きこもりの赤城以外の役員は揃っていた。

 

「そうなの?まあいいや。それよりミー君、バレンタインデーだよ!」

 

「はい、はい。今年は何?」

 

席に着きつつ尋ねると、柑條は自信満々に言う。

 

「今年はミー君の他にもいたから、みんなで食べれるように、チョコレートケーキにしてみました!」

 

そう言って柑條は机にケーキを出す。

 

そう、一応貰っているとは柑條からだ。

毎年柑條がなにを思ってか、チョコを用意しているのだ。

 

「お上手ですね、会長」

 

「おいし、そう…」

 

「そうね、とてもおいしそう」

 

「柑ちゃん~、早く食べよ~」

 

「そんな事ないよ?だってチョコケーキは、初めて作ったからね」

 

そう言いつつ、ケーキを六等分して皆の前に置く。

その傍ら、雪姫さんがコーヒーを用意する。

 

「準備できたね?それじゃあ」

 

「「「「「「いただきます!」」」」」」

 

 




~後日談~

夜海:「よう、輔。昨日はどうだった?」

輔:「おう。それがな、現れなかったんだよ」

夜海:(……だろうな。中庭に居たんだから……)

輔:「下校時間ギリギリまで粘ったんだけどな~」

夜海:「……ストーカー?」

輔:「違うわ!まぁけど、少しやり過ぎた感はあるな…」

夜海:「ま、真実は闇の中って事で」

輔:「そうだな~。本人たちのためにも、それがいいか」
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