少しながら、クイズも載っているので、楽しんでいただけたら、幸いです。
いつも以上の至らない点が多く見られるかも知れませんが、それでも良ければどうぞ。
「ようこそ!VRワールドへ!」
とある専門学校で開催されている学園祭。
その出し物の一つ、VR体験のブースへやってきた。
今回のメンバーは、歌風さんとツッキーの一年生組。
家で本を読んでいたところ、歌風さんから呼び出されてやって来たのだ。
「何事かと思えば、付き添いか…」
「まぁ良いじゃないですが。先輩って、こうもの、好きでしたよね?」
「まーな。しかも、視覚だけじゃないタイプって、まだ数が少なくてお目に掛かれないしなぁ」
「体感型……VR。研究用の機材を、使って……学生たちが、一から、作った……試作品、らしいです」
補足をすると、VRを室内に投影し、五感全てを利用して、体験できるから体感型。実際に部屋内のものは、連動しているそうだ。
例えば、ドアのロックや、投影されてモノに対する触感など。
詳しくは………よくわからない。こう何て言うか、色々と聞いたが専門っぽい話でよく分からなかったわけだ。
ともかく、それらの試作品を今回、一般公開出来るように調整して、出しているらしい。
公開されていうエリアは『海中』『北極』『サイバー』の三つらしい。
入場の際に受けて説明だと、試作段階のものにつき、いつトラブルが起きるかわからないそうだ。
それでも何度もテストをしてきて、一般公開する分には、問題ない範囲らしい。
「ま、呼び出された事については不満だったが」
「おかげで良い物が観れた、ですか?先輩」
「だな。後は入り口で言ってた、トラブルが起きさえしなければ言う事無し、だな」
「先輩、それ……フラグ…かも」
ツッキーはそう言うと出口付近を指さす。
そこには人だかりが出来ており、何やら騒がしかった。
その場に向かうと、スタッフと思われる人物が、あたふたしながら対応をしていた。
「大変だ~。何者かにシステムをジャックされて、仮想空間に閉じ込められてしまったよ!犯人からは、こんなメッセージが」
渡された紙を見てみると、
『システムは私たちがいただいた!
つまりお前たちは、閉じ込められたと言う事だ!
外へ出たくば、私たちが仕掛けた問題を解くのだ!』
と書いてあった。
……なんだろ、この三文芝居感溢れるセリフは。それに紙の裏には、何かを書き込める様になっている。
もしかして、個々の本質はVRとは別にあるのか?
「大変です先輩!閉じ込められちゃったみたいですよ」
「ゆる、せない……犯人」
「だよね、月乃ちゃん!」
あー、二人とも楽しんでるなぁ……ってか気づいてないのか。
言わぬが花、か……ま、元々二人の付き添いだし、要らん事は言わんでおこう。
「先輩!問題解きに行きますよ!」
「はやく…行きましょう…!」
「はいはい。分かりましたよ、っと」
「まずは、海中ステージです!」
気合十分な二人に付いてやって来たのは、海中ステージ。
その名の通り、辺りは一面、海中を表現したエリアだった。
「張り切ってやって来たのはいいけど、どこに問題があるのか、分かっているのか?」
「そう言えば……」
「知ら、ない…です。でも、先輩……こう言うのは、探せば…見つかる……ものです」
「まー、そーだろうな」
すんなりいけば、早いんだがな……
ま、見守りますか。
「夜海先輩!月乃ちゃん!見つけました!」
歌風さんが指さした先には、四角いウィンドが浮かんでいた。
どうやらあれが、問題で間違いなさそうだ。
「え~っと、
『・走ると15になる海の生き物はなぁに?
舟 波
栄螺 鱒
鱈 若布 □
・□に入る生き物はなぁに?』か……」
…俺でも答えがわかる問題だな。
自分より賢い二人には、簡単すぎる問題だろうな。
「一問目の答えが***で」
「二問目は……***です、ね」
「よし、なら次行くぞ」
「はい!」「はい、です」
「今度は…北極、ステージ…です」
「えっと、
『・シリウス、プロキオン、ポックス、カペラ、アルデバラン、リゲル
これらを繋ぐと現れるものは?』
どうやら今度は、星座に関する問題らしい。
表示されているウィンドの端に小さく、ヒントは見上げた先に、とある。
「シリウスはおおいぬ座、リゲルはオリオン座の事ですね。残るプロキオンは」
「こいぬ…座。それだけなら、冬の……大三角。けど、オリオン…座は、リゲル、じゃなくて…ベテルギウス」
「そもそも、他に三つの星があるから、違うだろ」
「ですね……三つ?追加で三つですか………」
俺が言った言葉に歌風さんは、何か引っ掛かりを感じたようだ。
もしかして、何か思いついてパターンかな?
「もしかして……***ですかね?」
「***?」
「!なる…ほど。たしかに、あり得る…かも」
「ん。なんか知らんが、じゃあ回答は***でいいのか?」
「いえ、おそらく正確に言うと………」
最後にやってきたエリアは、サイバーエリア。
と言っても、自分たちが普段使用しているPCの画面、その内部にいる……って感じだ。
「サイバーって、そう言う意味なのね…で、最後の問題何かな?」
「これ……みたい、です。
『・仲良く航らせよ!
・迷路をCLEARせよ!』
ここに来て…急に、体を……動かす、系?」
「みたいですね」「みたいだな」
結果だけ報告すると、ただ体を動かすだけかと思っていたら、結構頭を使う仕様だった。
と言っても、後輩二人が楽しみながら解いていたので、別に疲れた訳でもない。
全ての問題に挑戦し終えて、出口まで戻ってきた。
するとそこで待ち構えていたスタッフが、笑顔で近づいてきた。
俺はその人に、今までの回答を書き込んだ髪を渡す。
「お疲れさま~!みんな、楽しめた?実は乗っ取られたのは、ウソ☆
本当は脱出ゲームだったんだ♪
解決貢献度に応じて、景品のプレゼントだよ~♪」
景品を受け取り、二人を連れて部屋を出る。
「で、どの辺りで気づいた?」
部屋を出て少し歩いた後、二人に訊ねる。
最初は世界観に入り込んでいるだけ、と思っていたが、そんなはずはない。
「そうですね…私は、割と初めから気付いていましたよ?月乃ちゃんは?」
「私も…おな、じく」
やっぱりか。となると……
「分かっていてわざと、気付いていない演技をしていたのかよ」
そう言うと、後輩二人は笑顔で答えた。
「いつもの…お返し」
「そうですよ。いつも演技している先輩に、おかえしです。それに…」
「楽しんだ、もの勝ち。……先輩の、言っていた事。ね、美音」
「ねっ!月乃ちゃん」
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回の話しに出てきた、クイズの答えを掲載しておきます。
海中
・走ると15になる海の生き物はなぁに?
A.サンゴ
(走る→かける→×→3×5=15)
・□に入る生き物はなぁに?
A.鰹
(某国民的アニメの食卓)
北極
・シリウス、プロキオン、カペラ、アルデバラン、リゲル、これらを繋ぐと現れるものは?
A.冬のダイヤモンド