私は人の自意識の在り処を知りたいと思ったことがある
私が見るに人の意識は空間と物質が接している部分にあるように見える
何故ならばその人の趣味嗜好などの生活を支えている家財を入れ替えると
それまでのその人の思考は不安定になり他の物品をそろえて以前に近い環境をそろえようとし
それが出来なければ自身の趣味嗜好を激変してでも安定しようとするからだ
今までの思考を持っていた自分はどこへ行ったのだろうか?
まるでそれまでの自分はそこで亡くなったのだからさっさと諦めてそれまでの自分を他人として
新しい自分を生もうとしているようではないか
その様に今を生きる人にとっては重要じゃないことを考えていたとき
私は黄金に輝くものと邂逅したのだ、一目見た瞬間に理解できた
この者の意識は物質よりも空間・力場といった物に比重を置いているに違いない
そう思ったとき私は問わずにはいられなかった
「あなたは"
それはそうだろうその者を人に例えれば私達は量子の一つのような物
こうして私達の認識できる形になり更にその個に問いかけると言う行為は非常に高度で複雑、難解を極める物だろう
だからこそ私は先ずモールス信号で自らの存在を主張することにした
言葉は出すわけにはいかない相手がこちらの言語をどのように解釈・翻訳しているのか
音は人間の出力するもので空間に対して比較的大き目の影響を与える
もしこれが威嚇などの反応だと認識されたときは不味い
故に一定の安定した反応を繰り返すことでこちらが相手を認識出来ていると言うことを伝えるのだ
どのようにして信号を送るべきか、相手は一応こちらを固体として確認できているようなので
逃げて隠れ一定の距離または時間で姿を晒すという方法でいいかもしれない
出来るだけゆっくりとそして相手がしっかり差を認識できるように
とにかく相手にこちらも認識できたことを伝えることが出来れば強引にでも
こちらの性質を調べようとすることはなくなるだろう
すばらしい!やったぞ!私は彼らの性質と形質を間借りすることに成功した!
自己の補完を物質から切り離すことも出来るのでこちらで言う転生もどきも出来る!
一つの肉体に依存しない自我を持つことが出来たのだ!
向うからすれば私はまだ水泡のような存在だろうがこちらでは実質不老不死のようなもの
世界中の人類が大変なことになっているようだが私としてはちゃんと対話したのか疑問に思うところだ
不味い、非常に不味い・・・
まさかあんな者を人類が生み出しているとは思っても見なかった
私が思っていたよりも人類と言うのは物質への依存度が高かったようだ
星の資源などの問題が在るから人類のあり方への革命の一つとして
彼らと手を結ぼうとする物だと思っていたのだが予想以上に少ない
いや、もしや資源などの問題に意識を割かれているから彼らのあり方を
自らの救済足りえる事に気づく事が無いのか?
待て、焦るな
彼の者は私の想像以上に気が長い時間の感覚が違うだけかもしれないが
彼らはこちらの反応をよく観察している
私は宙ぶらりんな状態で独立しているような物だが彼らも探査する手段が整えば
こちらと十分に意思疎通の可能な端末をこちらに寄越す筈だ
それまでに人類は無力で居てくれるだろうか?
下手に退けることが出来るようになれば人が病原菌を駆除するように
彼らとの徹底抗戦になりかねない、それはあまり良くないのだが・・・