5
「宮ちゃーん!早く帰ろう!」
愛保は一年生の教室に飛び込んだ。
1-A。
宮月あかねのクラスだ。
この学校のクラスは成績で分けられている。
A組から順番にA、B、C、D、Eと続くのだが、その中でもA組は成績優秀な生徒が集まるクラスである。
A組の中でもあかねは特に優秀な方で、定期テストの順位も学年で5位以内の常連だ。
ちなみに、星塚愛保は2-D。
最近やっと成績の悪さに危機感を覚え始めたという。
「……すみません。今、帰る準備をしますので、少しだけお待ちいただいてもいいですか。星塚先輩。」
愛保が来るまで勉強をしていたあかねが席を立ち、かばんにペンケースやらノートやらをしまっている。
普段は後輩であるということを忘れさせるような説教をしたり、毒舌だったりするのだが、学校では一応先輩として接するようにしているらしい。
「宮ちゃん、今近くに誰もいないから大丈夫だよ。それに、宮ちゃんのその口調、何か裏がありそうで不気味…」
「一体なんのことですか?……とりあえず帰りましょうか。星塚先輩。」
用意を終えて、口元に笑みを浮かべて近づいてくるあかねに、愛保はゾッとするような何かを感じた。
6
とある研究室で、若い女が自身の研究に没頭していた。
「日中は学校、朝と放課後は一人、部屋にこもって研究だなんてすごいわね。…でも『一万年に一人の逸材』と言われているあなたが、なんでこんな研究所にいるのか、ずっと気になっていたのだけれど」
研究者の一人、高校三年生の奥原春乃は声をかける。
「ここの研究所は自由に研究ができますし、設備も整っていてすごく環境が良いんですよ。それに、その言葉。そのままそっくり先輩にお返ししますね。……ところで先輩は今、何の研究をなさっているのですか?」
先輩研究者に、女は質問する。
「あたし?あたしは……まあ、いつも通りといったところかしらね。『AIM拡散力場』について。あなたは?」
奥原はAIM拡散力場関連の研究に数多く携わってきた、一部では有名な研究者だ。
「わたし……もいつも通りなのですが『超能力者の能力』についてですね」
奥原の表情が固まった。
「……さすが元『暗闇の五月計画』被験者ね。でも、その研究はあまり公にはできないものだし、他に知れると少し厄介なことになるかもしれないから気をつけなさい」
先輩からの助言に、女は微笑む。
「はい、肝に銘じておきます」
軽く頭を下げる女を横目に見て、研究室の扉を開ける寸前で奥原は動きを止めた。
「これからも期待してるわ。頑張ってね、御神さん」
それだけ言うと、奥原は部屋から出て行った。
双葉第七研究所付属高等学校二年、御神聖良の研究の完成は目前に迫っていた。
はい、お疲れ様でした!
本日二度目の投稿になります。
…といっても一つ目はこの作品ではありませんが。
これからも頑張って投稿していきますので、応援してくださるととても嬉しいです!
次回の投稿でお会いしましょう!!