書いてて思ったこと・・・なんだこれ
ヒーローショーに突然現れた奇人戦隊ナンバーズ(誤字にあらず)
ステージとは客席を挟んだ反対側にある、高台の上に立つ8人。
俺はもちろんだが、クイントさんにゲンヤさん、ティーダまで固まっている。
まぁ、スカさん達は、本局地上問わず管理局じゃ有名人になってるしな。
それにしても、この前マテリアルズの事があったばかりなのに、わずか数日でもう再会かよ。
あの後、念のためじっくりと俺の身体とシェルブリットを検査してもらって何も出なかったけど、どっかに発信機付けられてるんじゃないだろうな。
<本当はこっそり付ける予定だったが、ウーノとクアットロがぶん殴って止めてたぞ>
『あ、やっぱりか』
で、そんな俺達とは対照的に、ギンガ達はナンバーズの登場に目をキラキラさせている。
特に以前助けてもらって、憧れの対象になっているスバルは興奮して手をパタパタ振り回して……って、あぁ~あ、一応スバルを人質に取っていたショッカー戦闘員さんがぶっ飛ばされたし。
どうすんだよ、これ。
『……さぁ、みんなのヒーロー、ナンバーズが助けに来ましたよ! みんなでナンバーズを応援しよう!』
ナレーションの人、見なかった事にするようだ。それがいいネ。
――ガンバレー!ナンバーズー!
――キャーイクサーン!
――パンパースー!
――チンクーオレダーケッコンシテクレー!
結構人気があるようで、老若男女問わず客席から声が上がった。
一部の声援に関しては聞かなかったことにしよう。
「フハハハッ! また会ったなショッカーの諸君! 幼い子を人質に取るとは、相変わらず下劣な輩め!」
スカさんノリノリすぎ。言い回しもなんか悪役っぽい気もする。
ウーノ達も顔こそ出してるが全身黒いコートを着込んでて、まるでどっかのⅪ機関だ。
それと、人質になってる幼い子は、戦闘員1名ダウンさせて、興奮しながらそばにいる幹部っぽい人の背中バシバシたたいてるからね?
幹部さんもなんか気持ちよさそうな表情浮かべてるし!?
「黙れ! ナンバーズ! 今日こそ決着をつけてやる!」
おぉ、ショッカーのボス役の人、いい声してる(ドモン・カ〇シュっぽい声)
これ、ますますどっちが悪役かわかんねぇ。
「行くぞ、ナンバーズの諸君! チェンジだ!」
「「「了解! チェンジ・ナンバーズ!」」」
スカさんの号令とともに、ウーノ達は一斉にコートを放り投げた。
――~~♪
プ〇キュアっぽいBGMが流れて、ウーノ達にスポットライトが当てられた。
ここ、オープンステージなのに意味あるのかな。
と、思ったらどうやらあのライトは、当てた先を暗くする効果があるようだ。
ウーノ達はそれぞれ黒い●の中に隠れてしまった。
◎ラえもんにこんなライトあったなー。
「チェンジ・ナンバーファースト!」
ライトが消えると同時に、いつの間にか変身したウーノが現れた。
と言っても、たぶんあれコートの下に着込んでたんだろうな。
ウーノの服装は、前に銀行強盗の時に見たビッチリスーツとも、マテリアルズ事件での黒いラバースーツとも違う。
白地に肩から先と、スカートが青紫色をしたスーツ。
どう見ても戦闘用には見えないけど、これがStsでの正装だったのかな。
アジトにいたときはただの白衣だったしな。
まぁ、前までのボディラインがばっちりでるビッチリスーツよりはましか。
「チェンジ・ナンバーセカンド!」
続いて現れたドゥーエ。
彼女の服装は見た目はウーノと同じだけど、白地と青紫の部分が真逆になっている。
だからなんで戦闘用に見えない服にしてるんだよ。
今までのラバースーツとかの方がよっぽど戦闘服っぽかったぞ。
あ、それともこれがヒーローショーだからそういう系(?)のにしてるのか?
「チェンジ・ナンバースサード!」
トーレは……なんでタンクトップだけなんだ!?
ズボンもタンクトップも真っ黒にして、両手には黒いグローブをつけている。
いや、前の2人よりは戦闘用に見えるけどさ。
トーレの胸のでかさが更に強調されとるがな……イテテテッ!?
な、なんだ!? 太腿思いっきり抓られたぞ!?
横にいるのは、今はギンガだけだし……ゾワッ!
「?? どうしたの兄さん?」
「イエ、ナンデモアリマセン」
コワイヨーコワイヨー
「チェンジ・ナンバーフォー!」
さて、気を取り直してクアットロ。
眼鏡はそのままで三つ編みで、左手には楯のようなもの持ってて、右手にホチキス、衣装は青を基本とした和服で頭になぜか狐耳って色々盛りすぎ!
これは、あれだ突っ込んだら負けだ。
なんかクアットロからつっこめつっこめって熱い視線を感じる気がするけど、気のせいだ!
てか、クアットロ、お前はそういうキャラじゃないと信じてたのに……orz
「ちぇんじ・なんばーふぁいぶ」
とってもやる気のない声と共に姿を見せたのは、チンク。
萌黄色のワンピース・スカート、腰から後ろに突き出た薄緑色のマントに、深緑色のスパッツを穿き、ブーツカバーのようなショートブーツ。
うん、どこからどうみてもキュア◎ーチです、ありがとうございます。
あ、目からハイライトが消えてる。
「チェンジ・ナンバーシックス!」
セインは……うん、好きにティロってなさい。
マミられないようになー
「ちょっと、今なんか雑な扱い受けたぞー!」
はいはい。ショーの真っ最中に客へリアクション取ってはいけませんよー
「いくぞ、リリカルショッカー!」
「こぉい! ナンバァーーズ!」
トーレの掛け声と共に一斉にステージ上のショッカーに向けて飛び掛かるナンバーズ。
あれ? 1人足りないぞ?
高台には、なぜか冷や汗かいてチラチラ下を向いているスカさん。
あ、今気づいたけど、スカさん衣装が殺生〇からブライト〇長に変わってる!
あんたも衣装変わるんかい!
「い、いたたたっ……」
そして、高台の下には頭にタンコブを作ったディエチの姿が。
あー落ちたのか。
「大丈夫かいディエチ?」
「あ、はいドク……司令。すみません。足を滑らせてしまって」
「いや、いきなり暗くなるのはやはり危険だったな。さて、続けられそうかい?」
「はい、もちろん! 行ってきます!」
――ネェチャンガンバレヨー!
――キャーディエチサーン!
微笑ましいやり取りに、観客からも声援があがり、ちょっと照れ臭そうにしながらもステージにあがっていくディエチ。
それからナンバーズとリリカルショッカーの戦闘が本格的に始まった。
ヒーローショーだから大したことないなーと思っていたのだが……
「はぁ!」
「やるね、セカンド姉ちゃん!」
ドゥーエの鉤爪をショッカー幹部の1人が手に持ったショッカーマークが入った旗で応戦している。
てか旗を武器にするって、どっかの聖女様じゃあるまいし。
「ヘヴィバレル!」
「灼熱! バルカンパーンチ!」
こっちではディエチの撃ったいくつもの砲撃を、バルカンのように打ち出された拳で幹部が迎撃している。
爆発がすごい事になってるけど、結界のおかげで客席には爆風も熱も来ないのは流石というか技術の無駄遣いというか。
「ランブルデトネイター」
「ローズサイクロン!」
チンクが放った数十本のナイフと、幹部が放った薔薇っぽいナイフが激突している。
あんたらどっからそんなに武器持ってたんだってくらい放ってるな。
「へっへー、おーにさんこちら!」
「この! こっちか! そっちか!」
他の幹部たちとの戦闘は、こっちまで伝わるほどの緊張感なのに、セインの所は違った。
あちこちの地面から出てきて舌を出したり、指を立てたりして挑発するセイン。
対して、幹部は鎖付きのハンマーを何度も投げつけているけど、当たらない。
まるでもぐらたたきみたいだ。
あーそんなに激しくしたらステージが……壊れてない、だと?
「ふはははっ、私が提供した技術で作られたこのステージ。そう簡単に壊れると思わないことだ!」
「あんたの提供かよ!」
通りでこのパーク所々悪趣味だと思ったら、スカさんが入れ知恵したんかい!
「最初はただの小遣い稼ぎだったのに、段々とドクターが熱入れちゃって」
「結構技術提供料貰ったから、ついでにヒーローショーも手伝うことになったのよ」
「あーなるほど、ってクアットロにウーノ!?」
いつの間にか隣の椅子にクアットロとウーノが座っていた。
「そこだ、いっけー!」
で、クアットロの膝の上にはスバルがちょこんと座ってステージを観戦していた。
「……何してるんですか、2人とも」
「私達は人質救出係よ」
「もう役目は果たしたから、出番はないのよ」
そう言って、ウーノはステージに目がいったままのスバルを俺の膝の上に移動させた。
「だからって……」
「まぁまぁ、細かい事は後にして健人君。ショーも大詰めみたいだよ」
ティーダの言うように、ステージ上ではショッカー幹部が全て倒されて、残っているのはトーレが対峙しているボスのみだ。
「ふっ、残ったのはお前だけのようだな。どうする、リリカルショッカー!」
「まだだ! まだこの俺が立っている! 先に散ったみんなのためにも負けるわけにはいかない!」
だから、どっちが悪役なのかわかんないっての。
「その意気やよし! 最後の勝負だ、デモン!」
あ、デモンっていうのねショッカーのボスって。
「ならば、行くぞ! 俺のこの拳が真っ青に光る! 勝利を砕けと、煌めき吠える! 必殺! デモンナックル!」
勝利くだいちゃだめでしょ!
「来い! インパルスブレード!」
――ドォーーン!
デモンの拳とトーレのブレードが激突し、大爆発が起こり煙で包まれた。
防御結界のおかげでこちらには伝わってきてないが、ステージ全体が大きく揺れているようだ。
やがて、煙が晴れると、まだ2人はどちらも立っていた。
しかし、デモンの身体がぐらりと揺れた。
「倒れるときは、前のめり、だ」
――バタッ
『勝者、ナンバーズ!』
――ワァーー!
デモンが倒れ、リリカルショッカーはこれで全滅し、ナレーションのお姉さんが高らかにナンバーズの勝利を告げた。
客席からは割れんばかりの拍手と歓声がいつまでも続いた。
スバルとギンガ、それにティアナまでも他のみんなと一緒に立ち上がって、感動したのか3人とも涙を流して力の限り拍手していた。
そんな3人を苦笑いで見つつ、拍手を送る大人組。
あ、俺も拍手したよ? 思っていたよりは面白かったからね?
けどさ……
「なんだこれ」
続く
正直、最初はショーはあっさり終わってナンバーズとクイント達との会話がメインになるはずが、いつの間にかこうなりました。
どうしてこうなった(・・?