ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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令和更新第一号です!


第51話「名前を決めよう!」

前回の模擬戦で必要なデータが揃い、これではやての新しいユニゾンデバイス造りがスタートできる。

はやてのリンカーコアをコピーしてリインフォースの生体データを元に作るので、はやてだけではなくシグナム達ともユニゾンが可能になるのだそうだ。

本来、ユニゾンデバイス造りには時間とお金がかかるのだが、協力を申し出てきた団体が2つあった。

1つは聖王協会。ViVidではヴィヴィオを崇めるロリコ……こほん、聖王を崇める教会で、管理局ともタメを張れるほどのすごい宗教団体。

そして、もう1つは意外、と言うかなんというか……ドクター・ブライドこと、スカさんだ。

スカさんは、マテリアルズ事件の時にユニゾンデバイスから変異したリインフォースに興味を持ち、個人的に何度か八神家を訪れていた。

毎回、なぜか俺が仲介人という形で無理やり同行させられていたけど。

で、そこで新しいユニゾンデバイスを作るという話を聞き、スカさんが資金と技術提供の申し出をしたのだ。

俺やはやては兎も角、シグナム達は勿論裏があるんじゃないかと疑った。

技術提供は、スカさん達が潰した組織の1つが古代ベルカの研究をしていて、その研究成果を手に入れた。

が、分野が違うとかそういう理由で、スカさん達には無用の長物だったのでぜひ有効活用してほしいそうだ。

資金提供については、代わりにナンバーズ達の訓練に付き合って欲しいという事だった。

流石に管理局への断りなく独断では決めれないので、リンディ艦長に相談したらすんなりOKが出た。

 

「使えるものはなんでも使うのが管理局よ」

 

と、リンディ艦長はなぜかドヤ顔で言ってたが、緩いにもほどがあると思う。

もうスカさん達は、管理局公認の何でも屋さんになってきてるな。

そんなわけで、はやて主体で当初の予定では2年ほどかかるはずが、スカさんからの資金・技術提供、更にはクアットロが助手として付いてくれるおかげでなんと半年で完成する見込みがたった。

 

「いやぁ~こんなにうまく物事が進むと気持ちええなぁ」

「うん。早く妹に会いたいな」

 

はやてとリインフォースは、半年先が待ちきれない様子だ。

 

「ふふっ、リインフォースは、もう名前まで沢山考えてるのよね?」

「シャマル!? なっ、なななぜそれを!?」

「ふっふっふっ、ここ最近夜遅くまで考えこんでたの私らが知らないはずないやろ~?♪」

 

リインフォースは、顔を真っ赤にして座布団を頭にかぶってしまった。

普段、シグナムやシャマルと一緒に大人の雰囲気をかもしだしているが、たまにこういう可愛い所がある。

ところで、リインフォースの姉妹騎が生まれると決まってから、もう1つ決まった事がある。

それは姉妹騎には、リインフォース+αで名前を付けて、更に今いるリインフォースにも名前を追加して付けるという事だ。

これは、新しく生み出されるユニゾンデバイスはリインフォースの妹に当たるので、自分と同じはやてから授かったリインフォースの名を与えて欲しいとリインフォース(姉)が言ったのだ。

はやては喜んで賛成して、リインフォース姉妹には、それぞれ新しい名前が追加されることになった。

 

で、前置きはここまでにして、今日俺が八神家に呼ばれたのは、リインフォース(妹)の名前を一緒に考えて欲しいとの事、だったのだけど、さっきから放置されてる。

別に八神家の家族漫才は面白いからいいんだけどね。

 

「なぁ、リインフォースが沢山名前考えたのなら、その中の一つでいいんじゃないのか?」

「えっ? あ、あぁ~! ごめんな健人さん! すっかりこっちばっかり話してもうたわ。で、確かにリインフォースが考えてくれた名前は素敵なのばかりやったよ」

「まだ言ってないのに、私の考えたのは既に把握済みですか!?」

 

リインフォースの叫びはスルーされた。

 

「この中から選ぶにしても、他にもっといい名前がないかを考えるにしても、健人さんの意見が聞きたかったんよ」

「要するにはやては健人に名付け親になってくれって事だ」

「ヴィータ? 何言うてんのや!? そ、そそんな大げさなもんやないで?」

 

ヴィータがあっけらかんと言うと、はやての顔が少し赤くなった。

 

「なるほど。確かに、私も健人にも考えて欲しいとは思っていたところだ。」

「そうですねぇ。健人君のおかげでドクターとの縁ができて、こうして早く生まれる事になったんですし」

「私からもお願いしよう。健人、一緒に考えてくれないか?」

 

その様子を見たリインフォース達はなるほどと頷きあった。

いや、そっちで勝手に納得しないでくれませんかねぇ。

しかも、なんかプレッシャーかけられてる?

そもそも、新しいリインフォースって俺存在は知ってるし!

えっと、名前は……ViVidに出て来るちっこいリインフォースの名前、なんだっけ?

赤髪のアギトと一緒に出てきたり、ミウラの応援してたのは知ってるけど、名前呼ばれるシーンあったっけ?

ViVidを思い出せ、えっと……えーっと。

 

『ほんま健人君ってすごいんやなぁ。私の世界にいないのが勿体ないなぁ』

 

アレ? なんでジークリンデ・エレミアが出て来るんだ? しかもなぜ俺の名前呼んだ??

んー……ま、いっか。

それより、俺が介入してプレシアやアリシア、リインフォースまでもが生存していて、原作が崩壊しまくってるのに原作通りの名前になるのかな。

 

「じゃあ、とりあえず姉フォースが考えた名前はどんなのがあるんだ?」

「おう。これがそうだぞ。って姉フォースはやめろよ……」

 

そう言ってヴィータがやけに可愛いタイトルのノートを10冊もテーブルの上に置いた。

 

「なぜこれがここにあるんだ!? ヴィータ、私の部屋から持ち出したのか!?」

「あーそれは私。部屋の掃除をしていたらノートが置いてあって……その、タイトルに興味が湧いてつい、ごめんなさい」

「そ、そうなのか。出しっぱなしにした私が、悪いな」

 

そりゃ、まぁ 【妹ノート】とか【妹の妹の為の妹による】とかわけわからんタイトルが書かれてたら気にはなるよな。

俺ならさっき思わず厨二病かよ! ってツッコミたくなったし。

リインフォース、妹ができてうれしすぎておかしくなってるのかな。

 

「あまりリインフォースをいじるな、シャマル。妹ができてうれしいのはお前も俺達も一緒だろう?」

「そうね、ザフィーラ。ごめんなさい、リインフォース」

 

流石は八神家のお父さん兼長男兼ペットなザフィーラ。

必要以上に喋らない分、威厳があるなぁ……しっぽがさっきからパタパタしていなければ。

これ以上は、話が脱線しちゃうからいい加減に名前、考えますか。

リインフォースは床に妹の字を書きながら更に沈み込んでしまった。

いや、そこは、のの字じゃなくて?

 

「どれどれ? リインフォース・セカンド、ダブル、2号、Z、アストレイ、S、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、完成度高けーなオイ……って最後のなんだこれ!?」

「すまない。所々自分でもなぜ書いたか分からない箇所がある。見なかったことにしてくれ」

 

ハイテンションになりすぎてホントに壊れたらしい。

リインフォースの記憶にはないが、ノートにははっきりと書かれた名前がチラホラ見られた。

他のノートを読んでいたはやて達も同じくそういう類の名前を見かけては、リインフォースに生暖かく憐みの籠った視線を向けていた。

リインフォースは穴があったら入りたいと沈み込んでしまった。

それにしても……セカンド、2号か。

ないなーとは思いつつも、どこか響きがひっかかるんだよな。

 

「おっ、これはどうだ? リインフォース・マキシマム!」

「それは物々しすぎるだろ、ヴィータ。こっちのリインフォーム・真の方が強そうだ」

「それこそ物々しすぎるわよ、シグナム。リインフォース・チャーム、これなら女の子らしくてかわいいでしょ」

「リインフォース・ザ・妹」

「ザフィーラ、ボソッと小声で言うてもしっかり聞こえたで?」

 

お前ら、新しい家族の名前で遊ぶなよ。

 

「ふっ、笑ってくれ健人。妹にまともな名前の1つも浮かばないバカな姉を……」

「おーい、リインフォース―? かえってこーい」

 

おいおい、ナハトヴァールだった時よりも闇が深くなってるぞ。

 

「リインフォース、そんな所で沈んでないでこっち来て一緒に考えよ? ほら、このコスモスって素敵な名前を沢山考えとるやないか、他にもたくさんあるんやし。まだ時間もあるんやし、焦らず、ね?」

「主はやて……」

 

あー美しき主従関係。

って俺は、リインフォース・どすこい、なんて名前を見つけて吹き出しそうになってたのを必死にこらえてるんだけどな。

あ、シグナム達もツボにハマる名前があったらしく、笑いを堪えて若干苦しそうだ。

 

「リインフォース・おかわり、か」

「「「「`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!!?」」」」

 

ザフィーラ~~!? このタイミングでなぜそれを口に出したー!?

 

「う、うわぁーーーーーん!!!-=三ヾ(ヾ(ヾ(ヾ(ヾ(ヾ(*T□T)ツ」

「「「「「あっ」」」」」

 

リインフォース、逃げちゃった……

 

「……ザフィーラ?」

「す、すみません。つい目に留まってしまって口に出してしまったのだが、馬鹿にはしていなかったぞ。なぜか気になってしまった」

 

ザフィーラにしては珍しくすごく焦った口ぶりだ。

まぁ、犬ならおかわりは気になるよな、うん。

てか、リインフォースよ。どすこいといい、なんでこんな名前思いついたんだよ……

 

 

すぐにシグナム達がリインフォースを探しに行ったのだが、見つからなかった。

それからしばらくしてリインフォースは、なぜかなのはと一緒に帰ってきた。

さっきまでとはまた違った羞恥心で顔を赤くしてるリインフォースに、まずは土下座で謝る俺達。

 

「「「「リインフォース、ごめんなさい!」」」」

「み、みんな、主はやてまで止めてくれ。謝るのは私の方だ。すまない。取り乱してしまった……」

「にゃ、にゃはははっ。お邪魔しまーす」

 

何でもがむしゃらに走りまくっていたら、いつの間にか翠屋の前まで行ってしまっていたらしい。

で、様子がおかしいリインフォースを見つけたなのはが、家族と一緒に話を聞いて連れてきたというわけだ。

 

「そっかぁ。ごめんね、なのはちゃん。主の私がしっかり考えなあかんのに、リインフォースに負担かけすぎやなぁ」

「ううん。私は大丈夫だし、何もしてないよ。リインフォースさんの話を聞いたのは、お母さんやお父さんだったし」

「謝らないでください、主はやて。悪いのは、まともな名前がうかなばいわた 「はい、ストップです、リインフォースさん」 高町?」

 

またもや自虐モードに落ちそうになったリインフォースの口をなのはが防いだ。

 

「お母さんが言ってたじゃないですか。リインフォースさんは、名前が沢山浮かんでくるのは生まれてくる妹さんの事をとても大事に想っていてしっかりと考えている証拠だから、大丈夫だ。って」

「あぁ、そうだったな」

 

流石は高町家のお母さん、言葉の重みが違うねぇ。

きっとなのは達が生まれて名前を考えてた時の話とか色々聞いたのだろうなぁ。

 

「主はやて。私がこれだと思う名前が一つあるのですが、言ってもいいでしょうか? この名前がいいかを選ぶのは勿論主はやてですが、どうしても頭から離れない名前がありまして」

「ほー奇遇やな。私もあのノートの中で気になるのがあったんよ。ほんなら、2人一緒に言うてみよか」

「はい。では……」

「せーの……」

「「リインフォース・アインスとリインフォース・ツヴァイ!」」

 

アインス、そして、ツヴァイ。

あーそうだそうだ思い出した! リインフォース・ツヴァイだ!

 

確か、ドイツ語での1と2だっけ。

安直と言えば安直だけどな。

 

「へへっ、良かったわぁ。リインフォースもこの名前にしようと思うてたんやな」

「はい、私も嬉しいです、主はやて。安直かと思いましたが、私の力と主はやてから授けられた名前を引きつぐのなら……」

「せやな。私も同じ理由や。2人共、姉妹なんやし私の家族や。せやったら、この名前が一番心に響いた。みんなはどうや?」

 

はやてがアインスとツヴァイと言う名前が良いかとシグナム達に聞くが、みんな2人に同意見のようだ。

勿論、俺も大賛成。原作通りって言うのもあるけど、姉妹の2人が続いた名前って言うのはしっくりくる。

 

「リインフォース・アインスさん、ツヴァイちゃん。うん、すごく似合ってて素敵な名前だと思う!」

「ありがとう、なのはちゃん。あ、せや。今日、良かったら夕食一緒にどうやろ? 私が腕によりをかけて料理を振舞うよ。もちろん、健人さ、君もや」

 

時計を見ると、もうすぐ夕食の支度をする時間になっていた。

今日は、休みだけどテスタロッサ家もナカジマ家も用事があってそれぞれいないから夕食はどこかで食べようと思ったしちょうどいいや。

てかはやて、今俺をさん付けで呼ぼうとしてたな。

別になのはの前だからってさん付けでもいいんだけど、何か拘りがあるらしい。

 

「お邪魔でないなら、ご馳走になろうかな。はやての手料理、久々だし。楽しみだよ」

 

そう言ったらなのははチラチラこちらを見て何か考え込み、はやては一瞬だけだが含み笑いを浮かべた。

 

「やった♪ なのはちゃんは、どないや? 家族の人心配するかもしれへんけど……せっかくやし、ね?」

「えっと……じゃあ、お母さんに聞いて良かったら、ご馳走になろう、かな?」

「よっしゃ! せやったら今日は奮発するで! ささっ、そうと決まったら買い出しや。リインフォース、荷物持ちお願い出来る?」

「はい。お供いたします」

「なら俺も手伝うよ。荷物持ちくらいは俺も出来るし」

「そんなん気を遣わんでええのに。でも、ありがとう。どうせならなのはちゃんも一緒にどうや?」

「うん! 料理は私も手伝うよ」

 

こうして、楽しい買い出しの後ににぎやかな夕食となり、はやてとなのはの手料理をたらふく堪能した。

シャマルも何か作ろうとしていたようだけど、シグナム達に止められて軽く凹んでいたが……

 

 

続く

 




はい、というわけでリインフォースⅡは原作よりも早く完成となります!
スカさんは技術提供しつつ、ノリノリで魔改造する気だったのを
トーレとディエチが止めて、クアットロがスカさん用監視の為にアドバイザー兼助手となるという裏話w

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