ViVidかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
ネタの順番に迷ってて気づいたらこんなに間が・・・いつもの事ですがw

天災(?)は忘れた頃にやってくる・・・



第54話「きょうふ(?)のちゅうしょくたいむ」

午前中のすべての競技が終わり、待ちに待った昼食タイムとなった。

今日は、クイントさんとメガーヌさん、プレシアが腕によりをかけて弁当を作ってくれるという事で期待していた……のだけど。

 

「流石にここまでとは思ってなかったなぁ」

 

応援席に戻った俺達の目の前には、大皿に盛りつけられた料理が大量に並べられていた。

バイキングレストランかここは!

 

「私もお弁当作ろうと思うとってたんやけど、クイントさんに私らの分も作るから大丈夫って言われたんや」

「私の所も、プレシアさんから連絡あったの」

 

はやてやなのは達みんなの分も作ったようだけど、何十人分だこりゃ。

そりゃ俺やギンガやスバルは、大人よりもたくさん食べるけど、それにしたって多い。

ってかよく持ってこれたたね。

えっ? こういう時の為にゼスト隊長とレジアス中将がいる? 上司2人を荷物係かい……

スカさん達も何か色々持ってきてたし、ここは宴会場かよ。

 

「楯宮君、ちょっと引いてたね」

 

美人揃いなのを羨ましそうに見ていた楯宮が、クイントさん達がどこからともなく料理の山を並べたのを見て口を大きく開けてたな。

そして、普通が一番だ、普通がね。ってなんか悟りきった顔をして自分の家族の所へと行ってしまった。

ちょっとどころではなく、ドン引きだったなありゃ。

 

「あ、健人君。それになのはちゃん達もお疲れ様。ささっ、沢山食べて午後も頑張ってね」

「ふふっ、ちょっと張り切りすぎちゃったわ。でも、いつもこれくらい食べるから平気でしょ? ギンガやスバルもあなた並によく食べるって聞いているしね」

 

苦笑いを浮かべる俺達をクイントさんやプレシアさんが出迎えてくれた。

 

「量もすごいけど、どれも美味しそう! プレシアさんの料理の腕は知ってましたけど、クイントさんとメガーヌさんも皆さん料理上手ですね」

「喫茶店を営んでいる桃子さん程じゃないわ。料理なんて柄じゃなかったのだけど、娘達だけじゃなく健人が良く食べるからつい張り切っちゃってね」

「ふふっ、そんな事言うとクイントが妬いちゃうわよ?」

「そんなわけないじゃない。まぁ、プレシアの料理もうまいとは言っていたから、私も張り切っちゃったのはあるけど」

 

ママさんズは和気藹々としてる。

うん、プレシアもホントいいお母さんになってるよねー

とても1年前は娘を折檻してたようには見えないぜ、ハハッ。

さて、高町家も八神家もナンバーズも結構ばらけて座ってるけど、どこに座ろうかな。

と、思っていたらギンガが駆け寄ってきた。

 

「ねぇねぇ、お兄ちゃん。私達も料理つくったんだよ」

「ギンガとスバル、それにティアナちゃんの3人で色々作ったのよ。私は皮むきとか味見くらいしか手伝ってないけど、味は保障するわよ」

「おぉ、3人の手料理かぁ。どんなの作ったの?」

 

ナカジマ家でクイントさんの手伝いをしてた事はあるけど、ギンガ達が料理を作った事はなかったな。

さて、何を作ったのかな。と言っても、7歳や6歳じゃおにぎりとかウインナー焼いたのとか簡単な料理かな。

 

「えっとね。麻婆豆腐とパエリアと餃子と豚汁と肉じゃが」

「ピザもいくつか焼いた!」

「魚介類と野菜のスープも作ったよ」

 

思ったより本格的なの沢山作ってきたー!?

しかも、和洋中にピザまでー!?

 

「ここら辺の料理はギンガ達が作ったのよ。頑張るお兄ちゃんの為にってね」

 

クイントさんが言うここら辺とは、大皿10枚程に並べられた料理の数々の山。

プロの料理人顔負けの量と見栄えだ。

しかも、味はクイントさんの保障済みだ。

ここはホテルのビュッフェですか!?

 

「うわぁ、これはまた壮観だねぇ」

「この量を作るのは私でもちょっと無理やなぁ」

 

ギンガ達の手料理の山を見たアリシアとはやても驚きの声をあげている。

 

「みんなお兄ちゃん想いだね♪ 嬉しいでしょ、健人君?」

「もちろん!」

 

なのはの言う通り、これは兄冥利に尽きるってもんだな。

見てるだけでよだれが止まらなくなってきてるので、いただくとしますか。

 

「「「いただきます!」」」

 

こうして、大人数での大昼食会が始まった。

早速ギンガ達が作った料理を食べたのだけど、思っていたより美味しかった。

麻婆豆腐は辛すぎず甘すぎずちょうどいい加減で出来ていて、豚汁と肉じゃがも美味しくクイントさん特製おにぎりが進む進む。

パエリアはティアナが作ったスープと一緒に食べると更に美味しくなる。

 

「ピザもふわふわで美味しいわぁ。今度私もピザ作ってみようかな」

「主はやて、こっちのマルゲリータも美味しいですよ」

「私この餃子が好き! 焼き餃子って言うんだっけ?」

「うん。こっちに蒸した餃子もあるよ、アリシアちゃん」

 

と、みんなが驚きの声を上げる中、凹んでいるのが2人ほどいる。

 

「ま、負けた……ギンガ達にも、負けた……」

 

まず1人目はフェイト。

プレシアやはやてに教わってはいるけど、いまだにフェイトの料理の腕は壊滅的。

俺も何度か食べたけど、見た目は普通、味はひどかった。

それでもフェイトは俺の為にと料理を覚えようとして、作ってくれたので毎回完食している。

プレシアとアリシアは必死で食べるのを止めたが、哀しそうな表情を浮かべるフェイトを見て残すなんて真似は出来ない。

まー……毎回気絶してるんだけどね。

 

「ふふっ、笑ってください。ギンガちゃん達だってあんなにうまく作れるのに、未だに毒物しか作れない私を笑ってください……」

 

そして、もう1人はシャマルだ。

 

「笑えないぞ、シャマル」

「ほら、あれだ。健人の妹って事で納得しろって」

 

アインスとヴィータが慰めているが、ヴィータよそれはどういう意味なのか後でじっくり聞かせてくれ。

そこはせめてクイントさんの娘さんにしてくれ、ティアナもクイントさんとゲンヤさんを両親のように懐いているからヨシとしよう。

他にもメガーヌさんが作った揚げ物や、プレシアが作ったサラダなども堪能した。

と、そこへウーノとクアットロがやってきた。

 

「こんにちは、健人君。言いたい事は分かるわ。何かあっても私やクアットロが止めるから大丈夫よ。手違いはあったけど、ああいう事は二度と起こさないから安心して」

 

クアットロが言ってるのは、さっきの借り物競争のアレだな。

さっきまでドゥーエとセインがウーノに正座で説教食らってたみたいだし。

 

「来てくれたのは嬉しいけど、どこで知ったのさ今日の運動会の事」

 

さっきの借り物競争よりもそっちの方が重要なんだよな。

てか、今日はみんなマスクしてないし。仮名じゃなくて本名で呼び合ってるし。

色々大丈夫なのか?

 

「ドゥーエがティーダ君とオーリスから愚痴を聞かされてたのよ。せっかくだから有休取って応援に行く! ゼスト隊長とレジアス中将が張り切ってるって」

「で、それをドゥーエ姉様から聞いたドクターがならばこっちは全員で応援に行くぞー! って競う合うように張り切っちゃったのよ」

 

おい、地上本部の上層部が2人して、何してんだよ。

で、その2人と言うか、ゲンヤさん達大人の男性陣の姿が見えないな?

とあたりを見渡すと……

 

「ティーダ君、これお弁当作ったの。ウーノ姉様からのお墨付きも貰った自信作よ」

「ありがとう、ドゥーエさん。うわぁ、これキャラ弁って奴だよね? 一度食べて見たかったんだよ」

 

明らかに周りと浮いた空気をかもしだしているティーダとドゥーエの姿があった。

あの2人はいつの間にあんな仲になったんだろ。

ドゥーエは地上本部に通い詰めてるから接点があるから、なのかな。

 

「ねぇ、ウーノ。スカさんやゼスト隊長達は?」

「あー……ドクター達ならあそこにいるわ」

 

ウーノ疲れた顔をして指差した方を見る。

応援席から少し離れた一角にシートが敷かれていて、飲酒席と札が置かれている。

そこに、ゲンヤさんやゼスト隊長、スカさんやレジアス中将がいた。

それ以外にもなのはのお父さんである士郎さんや、他にも応援にきたお父さんらしき人が数人集まって宴会を開いていた。

いや、宴会という割には、なんか雰囲気暗いような?

 

「高町さんの娘さんが羨ましいですな。いまだにお父さんお父さんって懐いてくれて。うちなんて反抗期の娘が多くて」

「ブライトさんの所は娘さんが多くて賑やかでしょう」

「それを言うならゲンヤさんの所の方が賑やかでしょう。あ、それとも最近は健人君がこっちにいて少し寂しいですかな?」

「いやぁ、女房も娘たちも息子に取られてしまいましてね。前はよく風呂も一緒に入っていたんですが、今じゃ健人とばかりはいるようになってしまいましたよ。まぁ、それでも最近は健人がいない分、私とも入る機会はまた増えましたが」

「健人君は私の娘達にもモテますからね。将来が楽しみにですよ、あははははっ」

「ふぅ、オーリスのように口うるさくなってしまわないか心配だがな」

「オーリスの小言は9割以上自業自得だろうが、レジアス」

 

うわぁ~なんか変な話題で盛り上がってる。

てか俺の話題を出さないで欲しいんだけどね。

しかも、ゲンヤさん酔っぱらった勢いで、俺がクイントさんやギンガ達と風呂に入ってる事までバラしてるし!

勿論、ゲンヤさんとも風呂に入るよ? それに、クイントさん達と風呂に入るときは決まって半ば無理やりだからね!?

学校通い始めた4月に初めてナカジマ家に戻った時は、ギンガとスバルが一緒に入るって泣きだしたから。

って、そんな事は置いといて……

 

「何、アレ?」

「え、えっと、最初は普通にそれぞれ応援しながら飲んでいたのだけど、流石にそれはまずいと言う事で飲酒席を作ったのよ」

 

我が子の活躍を肴にして飲んでたら、我が子自慢合戦になって、いつの間にかお父さんの愚痴・自虐大会になって行ったというわけか。

どうしてそうなるかなぁ。

 

「まぁ、男どもは放っておきましょう。ささっ、ドンドン食べちゃって健人君」

「うん!」

 

沢山食べたけど、まだまだ料理は残っているし俺のお腹も満腹じゃない。

 

「次はどれを食べようかな……ん? なんだろこの包み?」

 

いつの間にか俺の隣にちょこんと、可愛らしい包みが4つ置かれていた。

包みの色はそれぞれ赤色、水色、紫色……あれ? この流れって確か半年以上前にもなかったっけ?

 

「どうしたの健人君? いきなり震えだして?」

「料理、まずかったの、かな?」

 

なのはとスバルが心配そうに尋ねてきた。

マズイ。外れていて欲しいけど、俺の予想はなのは達にはともかく、ギンガやスバル達には知られたくない。

 

『緊急連絡! 誰か、俺の横にこの包み置いたの誰でしょうか!?』

『えっ? 何!?』

『いきなりどうしたの健人?』

『あら、念話?』

 

こんな事を大人数に知られたら騒ぎになってしまうのは確実。

なので、美味しく食べている風にしてなのは、フェイト、はやて、アインス、それにクイントさん、ウーノ、クアットロにだけ念話をした。

 

『包みってその4色の包みの事? おかしいわね。私達が持ってきたものじゃないわねそれ』

『私達も持ってきていないわね。他の人のが混ざったのじゃないのかしら?』

『あ、でもこのカードに宛先が書かれていますよウーノ姉様。えっと、健人様、けんちゃん、もう1つ健人様……あっ』

『『『『『あっ……』』』』』

 

包みに挟まれていたカードを読んだクアットロが何かに気付き、続けてクイントさん以外の全員の顔色が変わった。

 

『…………』

『け、健人。落ち着くんだ。まだ決まったわけじゃないぞ!?』

『いや、でもこれはあかんやろ……』

『だ、ダメだよはやて! まだ希望は残っているよ!』

『?? みんなして何をそんなに慌ててるの? このカードがどうかしたの? あら、裏にアルファベットだけ書かれているわね。S、L、D、U? 何かの暗号かしら?』

 

――Ω\ζ°)チーン

 

『『『『『『『健人(君)!?』』』』』』

 

おれはかんがえるのをやめた。

 

ちなみに、中身は手作りらしきケーキやフルーツの詰め合わせでした。

 

 

続く

 




知らなかったのか…? 大魔王からは逃げられない…

しばらく出てこないけどマテリアルズを忘れないでね。的なメッセージを籠めての登場(?)となりました(笑)
スカさん達がもうガバガバすぎて、バレてるのかバレていないのか分からないレベルですが……まぁ、スカさんだし(笑)

フェイトはシャマルほどではないけど、料理が下手設定継続中。
改善するかは未定(笑)

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