Vividかと思ったら無印でした……   作:カガヤ

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お待たせしました!
今回で、健人の知られざる能力の一端が明らかに!?(笑)


第8話 「どすこい!」

晴れて(?)犯罪者集団の手伝いと言うアルバイトを管理局公認(?)でやる事になった。

ウーノやチンク達はあれから延々と特撮ヒーロー物のBDを色々見せられた。

途中食事や休憩などで何度も部屋から出てきたけど、その度にウーノ、ドゥーエ、トーレの3人からは睨まれ、段々と殺気も混ざりだしてきた。

チンクとディエチは対照的に面白かっただの、見て良かっただの。

心底疲弊し切った顔をしながらも、笑顔で俺を気遣ってくれた。

あぁ~やっぱりこの2人は天使だな

で、意外にもセインが一番ハマってしまい。こっそりと自分の部屋で毎晩見ているんだとか。

悪の集団ナンバーズはこうしてお笑い集団と化していってる気がするのだが……これでいいのかな?

 

「細かい事は気にしちゃダメですわ♪」

「それあんたらが言っちゃう!?」

「まぁ気にするな、としか言えないのは事実だな」

 

あっけらかんと言ってくるクアットロとため息交じりで同情してくるチンク。

この2人がなぜか俺の世話係になった。ディエチは荷物運びをしてくれている。何気に力持ちだ。

俺にメガネ属性はないが……まぁ、明るくて陽気なお姉さんスタイルをいってるからいいか。

チンクもロリっ子とはいえ、今の俺もあまり変わらないし。

でもチンクもだが、クアットロもスカさんのお手伝いとかはいいのだろうか。

 

「あなたの世話をしつつ観察するのもドクターのお手伝いになりますもの。問題ないですわ」

 

何だろうか、この純粋無垢な笑顔。

クアットロの事はイノセントでしか知らないけど、とんでもなく違和感を感じる。

 

「クアットロの言う通りだ。そこも君が気にする必要はない」

「外回りには私やセインもいるしね」

 

チンクとディエチが俺の側により、小声で話した。

 

「最も私の場合、8割は君の世話だが……残り2割はクアットロの見張りだ」

「監視って事? 穏やかじゃないなぁ」

「いやいや、そういう意味じゃない。君は分からないかもしれないが、クアットロは前とは別人のように変わってしまった」

 

チンクの言いたい事の半分は分かる。

今のクアットロはどう見ても悪者には見えない。。

でも、俺からすればイノセントでのクアットロ、四菜って割とあんな感じだったような??

今もルンルンと鼻歌歌いながらも俺に割り当てられた部屋の掃除をしている。

 

「頭を強く打った衝撃で不具合が起きたのは間違いない。他の機能などにも障害が出ていないか、それを観察するのが私のもう1つの目的だ」

「なるほどなるほど。でもさ、そんな回りくどい事しなくても検査すれば一発で分かるんじゃないの?」

「いくら検査しても異常が見当たらなかった。それに肝心のドクターが今のクアットロを正常と言って、あまり本腰を入れて調べようとしない」

 

がっくりと肩を落とすチンク。

これは俺のせい……ではあるんだろうな。どう考えてもここに来た時の頭突きが原因っぽいし。

思えば、プレシアにも頭突きして性格が丸っきり変わったよな。

俺の頭突きには性格改変の特殊能力でもあるのか?

 

「それは私も気になっていた所だよ、健人君!」

「うわぁ!? スカさん!?」

「っ!?」

 

いつの間にかスカさんが俺達の背後に立っていた。

驚いてビクっとなったチンクが可愛いと思ってしまったのは内緒だ。

 

「君には魔力以外の不思議な力があるのかもしれない。今日はそれを実験で調べようと思う」

「調べるってどうやって? 一応ウーノが俺の事調べたけど?」

「あぁ、その事は聞いている。君にはとても強い魔力を秘めているが制御が出来ていないとも知っている。しかーし、それだけでは留まらない! と私は思っている」

「はぁ……」

 

駄神様との事勘付いてる。ってわけじゃなさそうだけど、スカさんの興味を引いているのは何となく分かる。

 

「安心したまえ、洗脳や人体改造をするわけでもない」

「それじゃあ一体どういう事を調べるつもりですか、ドクター?」

「いい質問だディエチ。ちょっと耳を貸したまえ」

「??」

 

ハテナマークを頭に浮かべながらもスカさんの言葉に耳を傾けるディエチ。

その顔が徐々に驚愕に染まり、困惑へと変わった。

 

「ド、ドクター!? いくらなんでもそれは可哀相ですよ!」

 

か、可哀相!? えっ、それ俺の事だよね? 俺可哀相な目に会うの!?

 

「これが彼女達の為さ、クアットロを見たまえ。あんなに生き生きとしているじゃないか」

「うぅ~それはそうですけど……分かりました。でもこれっきりですよ?」

「それで十分。残りの彼女達はこれから調整すればいいだけの話だ」

 

何やら小声で話してるようだけど、丸聞こえなんだよなー……五感が発達してるせいかな?

 

「では、行こうか。クアットロとチンクは引き続き部屋の手入れを頼むよ。何せ、思春期の男の子が数カ月生活するんだ。エロ本の隠し場所くらい作らないとね」

「は~い♪ お任せ下さい。ちゃんとベットやタンスの裏にスキマは作っておきますよー」

「……思春期とはそういうものなのか」

「おい、お前ら! 思春期の使い方間違え……てはいないけど! 俺まだ9歳だからな!? そんな心遣いいらないからな!?」

 

実際には18歳だけど!

ってか、スカさんは真顔でエロ本とかほざくし、クアットロは慈悲の籠った眼で俺を見てくるし、チンクはなんか納得した顔しているし! 

そもそもエロ本はどっから……って、クアットロ、その手に持っている雑誌が数冊入ってそうな紙袋はなんだ!?

あぁ~もうツッコミ所が多すぎて困る、マジで!

あ、ディエチは無言だけど、顔真っ赤だ。

 

「さてと、実験と言っても難しい事をするわけじゃない。君は何もしなければいい、すぐ終わるさ」

「……そうですか」

 

スカさんに飛びかかろうとした所を、申し訳なさそうな顔をしたディエチに首根っこを掴まれ、猫のように移動させられた。

 

「ご、ごめんね。大丈夫、私も多分チンク姉も君をそんな目で見てないから。ドクターとクアットロの悪ふざけなのは分かってるから」

 

ディエチのフォローになってるのか、なってないのか分からない慰めを聞きつつ、俺達は別フロアへと降り立った。

 

「あ、ドクター、私とトーレへの重要な用件とはなんでしょうか? もうBD観賞会はごめんですよ?」

「命令ならば従いますが、あのようなものに長時間縛られるのは流石に……」

 

エレベーターの前に面倒くさそうな顔をしたドゥーエとトーレがいた。

ただでさえ不機嫌気味なのに、俺の顔を見ると更に不機嫌さが増した。

 

「安心したまえ、今回はすごく短時間で済むよ。ふむ、2人共完璧な位置で立っているのは流石だ。そのまま動かないでくれたまえよ。では、ディエチ」

「はぁ……3人共、ごめんね」

 

スカさんが指を鳴らすと、俺を掴んでいたディエチがボソと呟くように謝った。

 

「何がごめん……ってえええぇぇぇ~~~!?」

 

何をするつもりか聞く前に、ディエチは既に行動を起こしていた。

首根っこを掴んだ手をそのまま、俺の両脇に抱えグルグルと回りだした。

そして、勢いそのままに呆気に取られたドゥーエとトーレに投げつけた。

 

「えっ!?」「なっ!?」

 

2人共驚くだけで反応が遅れた。

驚愕一色に染められたお姉さん2人にロケットキス、なんてロマンな展開にはならず、俺は2人の頭にぶつかった。

 

―ゴンッ!

 

そこで頭に浮かんだのは国民的格闘ゲームで力士キャラが重力も引力も何もかも無視して、ただ地面と平行に相手に向かって飛んでいく技、スーパー頭突き!

なーんて呑気な事を考えながら意識を失った。

 

 

 

「ドクター!! これは一体全体どういう事なんですか!!」

 

次に意識が戻ったのは、女性の怒鳴り声だった。

ボーっとした意識の中、首だけを動かすとスカさんにウーノが詰め寄っていた。

 

「お、落ちつきたまえよウーノ。本来、君にも参加してもらおうと思ったのだが、君の場合は必要ないと判断したんだ。君を信頼してね」

 

こうも狼狽してるスカさんって初めて見たかもしれない。

あ、無言でウーノがグーパンを始めた。痛そうだ。

でも、俺の頭もまだズキズキと痛い。

 

「気が付いたね! 大丈夫?」

 

反対側を向けば、心底安堵した顔のディエチとチンクがいた。

 

「ご、ごめんなさい。ドクターからあなたを2人の頭向けて投げ飛ばすようにって強く頼まれちゃって」

「私からも謝ろう。ドクターの命令とはいえ、訳の分からない実験の為に君を傷付ける事をさせてしまった」

 

2人揃って頭を下げられたけど、朦朧とした意識の中だったので、何に謝っているのか分からない。

そのうち、やっと頭がすっきりとしてきて、俺がディエチにブン投げられた事を思い出した。

 

「そうだ! ドゥーエとトーレは!? っつ~!?」

「大丈夫!? まだ起きない方がいいよ」

 

飛び起きた反動で頭に激痛が走った。

これで何度目だろ、一度目はプレシア、2度目はスカさんとクアットロ……アレ?

そこまで来てふと首を捻った。

プレシアもスカさんもクアットロも、俺が頭突きを噛ました相手は性格が180度どころか18000度くらい変わってしまった。

ならば、さっき頭突きしたあの2人は??

 

「なぁ……ドゥーエとトーレは?」

 

さっきとは全く違ったニュアンスで2人の無事を確認すると、ディエチとチンクは気まずそうに視線を逸らした。

それを見て、自然に溜息が零れる。

 

「健人君が起きたって!?」

「無事か、健人!?」

 

外から騒がしい足音が聞こえたと思ったら、ドアを蹴破る勢いで本人達登場。

あーこれは確認するまでもなく、一目見ただけで変わっちまったと分かるなぁ。

息を切らして……るのはドゥーエだけだけど、割と本気で心配そうな顔をしている2人。

それを見て、ディエチとチンクと俺はさっきよりも深いため息をして、ウーノはスカさんをフルボッコしていた手を止め目を丸くしてフリーズした。

 

「あ、良かった。目が覚めたのね。ごめんなさいねドクターの悪ふざけに付き合わせちゃって、頭は大丈夫?」

「どれどれ? 私達にぶつかってタンコブすら出来ていないとは頑丈だな。ディエチちゃんと謝ったのか? すまない。ディエチはドクターの命令には逆らえないんだ。彼女を責めないでやってくれ」

 

俺の側にかけより、頭部を中心にあちこち触って触診する2人。

さっきまで2人の眼は戦闘機人と言うロボットっぽい目だったが、ViVidでのノーヴェやスバルみたくほんのりと人間味を感じる。

それを見て、一番ショックを受けたのはウーノだ。

自らの手でボロ雑巾にしたスカさんを放り投げ、ドゥーエとトーレにかけよる

 

「あ、あなた達、本当にドゥーエとトーレなの?」

 

真顔で尋ねるウーノにスカさん以外の全員が同じ事を思った。

 

「あははは、何を言っているのウーノ。私は私よ?」

「あぁ、私も私だ。何もおかしな所はないぞ、ウーノ?」

 

眩しい笑顔でそう返す2人に、ウーノの意識は真っ白になり倒れてしまった。

 

「ウ、ウーノ!? ちょっといきなり倒れてどうしたのよ!?」

「大丈夫か!? 早くメディカルポットへ! ディエチ、手伝え! チンクはクアットロを呼んでくるんだ!」

「わ、分かった!」

 

目を丸くして倒れたウーノを抱えて、ドゥーエ達は慌てて出て行ってしまった。

残されたのは俺と……娘達にトドメとばかりに踏みつけられまくり、満身創痍のスカさんのみ。

 

「はっ、はははっ……実験は大成功だよ……健人、くん」

「そのまま笑っていっちまえよ、スカさん」

 

 

続く




はい、ナンバーズどんどん汚染が進んでいます。
もうある種のバイオハザードですねこりゃ(爆)
種明かしと言うか、健人のスーパー頭突きを食らうと、INNOCENTっぽい性格になります。
全員が全員じゃないですけど
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