まいごのまいごのおおかみさん   作:Aデュオ

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27話 Skoll

 

 

 

 私の毛を引っ張り続けるレミリアさんやフランさんを何とか落ち着かせて、ようやくお話ができると皆の方へ視線を向けると。

 ええ、予想はしていましたけどね、終わってました。

 と言うよりも終わった上で微笑ましそうに観察されてました。

 何ですか皆さん、その即席な割りにやたら出来のいいお茶会の席は。

 ユウカさん製らしき蔓でできた机や椅子に、サクヤさんが用意したであろうてぃーせっとの数々。

 その上、近くにはもこたんが起こしてるに違いない空中で燃え続ける灯火。

 完全に冬の屋外おくつろぎこーすじゃないですか!

 

「結局ろくな事を聞きだせなかったからね、この黒幕関係者からは」

 

 ほう、アリスさんが匙を投げるなんて、よっぽどだったんですか?

 何か面倒くさそうな顔をしてますけど……。

 

「半人半霊なんて特殊な種族のせいで、魔法の加減が難しかったのよ。直接的な体への行使だけなら何とでもなるんだけど、霊……というか、魂の方と掛け合わせとなると厄介だわ」

「パチュリーの所まで引きずっていくって話もあったけれど、パチュリーが『そういった系統ならアリスの方が詳しいわ』って断言したからね」

 

 やれやれ、とばかりに揃って溜息をこぼすアリスさんとユウカさん。

 どっちも見た目だけなら美人さんなのに、印象がこうまで違うのは何ででしょうねぇ……。

 ユウカさんは物憂げな美人、アリスさんはいつもやらかす残念美人。

 

「後で覚えてなさい。また刈ってあげるわ……」

 

 前言撤回、大変麗しいお姿で御座いました。

 美人は溜息一つでも魅せますね!

 

「別に意見をころっと変えるのはかまわないけど、その『これで如何ですか?……だめ?』って目はやめてくれない?」

「そこがスコールらしくて可愛らしいじゃない」

 

 照れますね!

 

「ま、そういうわけで……なんとか聞き出せたのは黒幕の居場所程度で、それ以外は喋らせても要領を得ない単語の羅列がほとんどなのよ」

「単語として出てきたのは姫、庭、爺覚えてろ、暴食、赤字……で、一番ひっかかった単語が『死』っていうね」

 

 またそれは物騒な。

 あれじゃないですか? もこたん一人に突っ込んでもらって『異変終了一件落着!きゃーもこたんかっこいー』で済ませちゃうのが一番早い……ってほぁたぁ!?

 

「働け」

 

 いきなり特大炎弾とか、もこたん物騒すぎやしませんかっ!

 は、働きたくないでござる!

 

「まぁそこの焼き鳥人間と毛皮は置いとくとして、何かこう、嫌な予感がするのよねぇ」

「って霊夢がずっと首を捻ってるものだから、皆でお茶会兼会議をしてたのよ」

 

 なるほど。

 ってさらりと毛皮扱いされて私は悲しいわけですが……!

 あ、サクヤさんお茶ありがとうございます。

 キンキンに冷えてるのがまたいいですねぇ!

 

「……あれ、嫌がらせかと思ったらあいつの好みかよ」

「スコールはオールシーズンでよく冷やした緑茶が大好物ですわ」

「まぁスコールだしなぁ」

 

 もこたんは妙な納得の仕方をしないでください!

 

「貴女が言うな」

「実感が篭ってるわね、アリス。似たもの同士仲良くしなさいよ?」

「………えっ?」

「えっ?」

 

 ……素で驚いてるアリスさんとユウカさんは置いておくとして。

 結局どうするんです?

 レイムさんがここまで言うなら絶対何かありますよ?

 

「一応いくつか案は出てるけど……どれも一長一短なんだよ」

 

 もこたん……ちなみにもこたん特攻以外だとどんな案が?

 

「第一案はあれだ、捻りも何も無いけど、皆で行って仲良く解決しましょう案」

「まぁそれが現状だったから、まずは第一案って形ね」

 

 納得の第一案。

 もこたんが仲良くって言うと凄い違和感ですよね。

 仲良く(一緒に燃えようぜハッハー!)的な。

 

「今回は流す。自分で言ってて若干歯が浮く気分だったからな」

 

 へへぇ、ありがとうございますだお代官さまぁ。

 

「平伏すんな。てかお前がやると犬がただだらけてるようにしか見えん」

 

 酷い!

 あと犬じゃなくて狼ですぅ。

 そこらのわんころと一緒にしないで頂きたい!

 

「黙れ駄犬」

 

 …………。

 

「…………」

 

 ユウカさん、もこたんが酷いです!

 

「自業自得よ、全く。さ、いつまでも脱線させてないで話を進めましょう? 妹紅の炎があるって言ってもやっぱりここは冷えるわ」

「…………」

「………………」

 

 ………………?

 

「何してるのよ妹紅、次よ」

「私か!?」

「貴女が始めたんだから貴女が続けるべき流れでしょうに」

 

 そうですよもこたん。

 皆の期待を一身に背負って、さあ言うのです!

 ぺろっと言っておしまいなさい!

 

「……もう突っ込まないぞ。わかった、次な、次。第二案」

「わーわーどんどんぱふぱふー」

「はいどーも吸血鬼妹。あれだ、冬眠とかいうふざけた事をぬかしてるらしい隙間妖怪叩き起こして解決させる」

 

 ……若干不穏になりましたね。

 は、発案は?

 

「咲夜」

「恐縮ですわ」

 

 ちなみに冬眠っていうのは……?

 

「先日紅魔館へ遊びにいらした藍様より聞き及びまして」

 

 納得。

 ランさんに今から連絡がつけられれば可能な手かもしれませんけど……現状でランさんが動く気配は無さそうですし、こちらの脈は無いかもしれませんねぇ。

 まぁやるだけやっておこうって案ですか?

 

「その通りですわ。上手くいけば一番被害も後腐れもない方法ではありますので、一応案として」

「ま、そういうこった。じゃあ次、第三案な?」

 

 何か急にいきいきしてきましたねもこたん……?

 

「黒幕拠点付近まで言って、有無を言わさず遠距離から叩き潰す。まぁこれをやるなら妖怪連中が中心になるわな」

「私が砲撃、妹紅は爆撃、文は風で補佐、レミリアはお得意の槍投げ、フランは能力全開で破壊そのものを叩き込むって形ね」

 

 場所ごと消炭にするとか怖い……ちなみに発案は?

 

「もこたん」

「ついに風見のまでもこたん言い出した……慧音ぇ……私はもうだめかもしれないよ」

 

 やっぱり安心のもこたん印。

 ほら、もこたん次の案!

 次の案の内容によってはもこたんももしかしたら常識人扱いになるかもしれないですよ!!

 

「しれっと流しやがった、この元凶。……てめぇ覚えてろよ? 絶対に刈ってやる」

「手伝うわ」

「おう、頼りにさせてもらうよ」

 

 ……何か妙な二人が手を組んでるんですが。

 ユウカさんへーるーぷー!

 

「全く……妹紅もアリスも後になさい。……ね?」

「お、おう」

「………」

 

 ……流石。

 最後の『ね?』で二人とも一発ですよ。

 アリスさんなんて青くなってますし。

 流石、流石ですよユウカさん、素敵ですねぇ。

 

「ありがとう。ほら、最後の案よ妹紅」

「あー……うん、人質取って黒幕を誘き寄せて叩こうぜ案」

 

 外道……!

 きっと発案はまたまたもこたん!

 

「残念、博麗の巫女だ」

「だって効率いいじゃない。動き回らなくていいし、罠も張れるし」

 

 鬼巫女様じゃあ、鬼巫女様がおるぅ……。

 鬼はあの馬鹿みたいに強いねじれた角の酔っ払いさんだけで十分ですよ!!

 

「……捩れた角の……酔っ払い鬼? それ、比喩じゃなくて本物の鬼?」

「鬼たちは今は地底に居るはずだけど、まさか行ったの!?」

 

 いやいや、それこそまさか。

 レイムさんもアヤさんもいきなりそんな怖い顔しないでくださいよ。

 居るじゃないですか、地上にも。

 

「……は?」

 

 アヤさんったら何でそんな不思議そうな顔をするんです?

 ほら、色んな所にうすーくなって居るじゃないですか。

 初めて見つけたのは……あれです、もこたんちを潰しちゃう少し前ですね。

 

「あ、あぁ!? お前まさか、酒あげれば家が建つんじゃないかって言ってたの、その鬼か!?」

 

 いえーす!

 色々あって一緒に飲んだ時に意気投合しまして。何か凄く上機嫌に『お前用の小屋でも建ててやろうか? 得意なんだよこう見えても!』って言ってましたからねぇ。

 …………そういえば、その後にお酒選ぶのに夢中になってもこたんちの事伝えてませんね。

 て、てへぺろ?

 

「……鬼製の家ってのも何だかなぁ。頑丈そうではあるけど」

 

 まぁ、駄目で元々の域を出ない試みでしたから、伝えてなかったのが致命的な失敗というわけでもないんですけどね。

 

「……ちょっとスコール、今もその鬼、居るの?」

 

 んー……居ますねぇ。

 でもどうしたんですかアヤさん、若干顔色が悪いですよ……お?

 おお、出てきてくれるみたいですよ?

 

「ぅえっ!?」

 

 おうふ、アヤさんが素で慌ててるのって凄く珍しい気が。

 そういう顔も中々どうして、お可愛らしいじゃあないですか!

 

「ばらすなよぅ、面白くなりそうだったのに」

「お、鬼ィィィィィ!?」

「よう、私としてはそうでもないけど……久しぶりだな、天狗」

「い、いえいえいえいえいえご機嫌麗しゅう!?」

「や、そんなに慌てなくたってとって食ったりしないってば。大体、私らが地底に引きこもった時点で手下じゃなくなったんだから」

「は、はあ……」

 

 ぬらりと出てきたスイカさんと、それを見てこの上なく慌てるアヤさん。

 いやぁ、アヤさんってばいつもみたいな裏が無さそうで本当に可愛らしい。

 スイカさんも相変わらずけらりけらりと気持ちのいい笑い方ですねぇ。

 眼福眼福。

 でもスイカさん、いいんですか?

 前の時は実体も薄いままだったのに、今回はそんなまともに戻ってしまって。

 

「や、そりゃあれだ、お前さんがばらすからじゃないか。もう隠れてたって意味はないし、今の幻想郷じゃあこの場が一番面白い」

「……花妖怪、天狗、吸血鬼、妖狼、魔法使い、人間、不死の蓬莱人……ついでに半人半霊。確かにどれだけ混ざってるんだか」

「私ら鬼が幅をきかせてた時代じゃあ考えられない組み合わせさぁ。大体、人間が混ざってるのに食いもしないんだからどうなってんだか」

「食べる奴は変わらず人間を食べてるわよ。知ってて言ってるでしょう?」

「ご名答。伊達に幻想郷全域に散らばってたわけじゃないさ」

 

 ……レイムさん、鬼を前にしても普段通りですか。

 流石鬼巫女、お仲間なんですね……!

 

「アリス、妹紅、後で手伝うわよ」

「歓迎するわ」

「派手に行こうか」

 

 何でそっちの方向に行くんですかぁ!?

 大体そこまで毛皮を狙われる事をした覚えはありませんよ!

 

「だって暖かそうなんだもの。さっきアリスに聞いたら物凄く頑丈で品質極上って太鼓判も押されたし……ねぇ、よこしなさいよ」

「私は売って煙草代やら酒代にでもするかなぁ」

「ストック」

 

 物欲まみれぇ……。

 スイカさん! ここは鬼の力でぎゃふんと!

 

「や、私も若干欲しいんだけど。肌触りも良いし、見栄えも申し分ないし」

「スコールが毛を提供するなら、私が何か誂えるわよ?」

「ほう、いいのかい魔法使い? ……アリスだっけか」

「覚えていただけて恐悦至極。まぁぶっちゃけた話、趣味よ趣味。それに折角のスコールの毛を無駄にするのは勿体無いわ」

「本音は?」

「余った素材で人形の髪でも作ってみようかなって」

 

 わ、私の意思そっちのけで取引が……!?

 

「いや、ほら、いいじゃない……一晩で生えるんだし」

 

 私に何の得もないです!

 あの毛玉姿、散々皆に笑われたんですよ!?

 もうあんな姿になんてなるのはいーやー!

 

「ほう、得があればいいんだな? 何が欲しい?」

 

 な、何事ですか?

 スイカさんってばいきなり真顔になっちゃって……。

 

「そりゃ久々に出来た『欲しい物』だからねぇ……真面目にもなるさ。で、お前さんは何か欲しい物はないのかい? 毛をくれるってんなら用意してやるよ」

「あら、無理やり剥ぎ取りでもするのかと思ってたら、意外に真面目なのね」

「たった一回きり、酒を酌み交わしただけだがね……まぁ……その、何だ、気に入った奴から無理やりってのは趣味じゃないさ」

 

 スイカさん……!

 

「でも言ってることは結局『お前の毛ぇよこせよ、なぁ?』って事だろ?」

「もこたん、それはばらしちゃいけない」

「鬼にまでもこたん言われたぁ!?」

 

 私の感動を返して下さい!

 もうっ!

 

「おう、いい肉球パンチだ。もっとやってもいいんだぞぅ」

「あ、私も触りたい」

 

 抗議の一撃もさらりと流された……!

 ユウカさんに教えられた通り、精一杯の抵抗だったのに……。

 あとアリスさん、どさくさにまぎれて触るのはやめましょう?

 くすぐったいですよ?

 

「おお、ふにふに……! 思ってたよりもずっと柔らかいわね」

「能力で軽くなってるから、そこらの犬なんかより状態が良いのかもしれないわね」

 

 ってユウカさんまで参戦なさいますか。

 ちょ、くすぐったい!!

 

「ふにふに……」

「ふにふにね……」

 

 …………どうしてこうなった。

 何でお二人揃って私の前足を占領なさるのか。

 

「おいおい、話がずれてるぞ。結局何が欲しいんだい? 物じゃ駄目かね?」

 

 えっ……えーと……えー?

 さ、サクヤさん?

 

「貴女の欲しがる物を聞いてるのだから、私が答えられるわけないじゃない」

 

 レミリアさんやフランさんも背中で頷いてる気配がっ!

 でも、前に人里でも聞かれましたけど、特に欲しい物って思い浮かばないんですよね。

 

「んー……自分で言うのも何だけど、これでも結構色々と溜め込んでるんだよ? それこそ金銀財宝やら私と勝負した奴らの持ち物やら」

 

 スイカさんと勝負って、何ですかその命知らずどころじゃない方々。

 でも何かこう、ピンと来ないというか……?

 そしてスイカさん、話しながらお酒をどんどこあおるのはやめましょ……あ。

 

「おん?」

 

 そういえば前に飲んだ時、その瓢箪ってお酒がいくらでも出てきてましたよね?

 それって何個もあるんですか?

 

「あぁ、あるっちゃあるけど……こんなのでいいのかい?」

 

 え……そんなに簡単に作れる物なんですか?

 

「材料さえあればね。それに無かったら無かったで、やりようはいくらでもあるさ」

 

 おお……おぉぉ…………!!

 じゃ、じゃあそれがいいです!

 

「おし、決まりだな。『約束』だぞ?」

 

 ええ、大切な『約束』ですね。

 心得ていますとも。

 ちなみに、スイカさんって毛で何を作りたいんです?

 

「腰巻だね。肩にかける外套ってのも考えたんだけど、何かしっくり来なくてなぁ」

 

 なるほど。

 じゃあまた後日、毛刈りと作成をしましょうか。

 準備ができたらまた呼びます!

 

「おう、頼むよ。私の方もお前に合う一等良いやつを用意してやるさ!」

 

 わっほーい!

 

「わっほーい!」

 

 …………ユウカさん、アリスさん。

 スイカさんとはいたっちくらいさせて下さい。

 特にアリスさんはまだ簡単に振りほどけるからいいですけど、ユウカさん!

 どれだけ力込めて私の前足をほーるどしてるんですかっ!?

 

「ふにふに………!」

 

 だめだ聞いてません!

 結局最後は締まらないんですよねぇ……いっつも。

 

「でもそれがちょっと嬉しかったりするんだろう?」

 

 ええ、それはもう。

 大事な大事な日常ですからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って良い話で済まそうとしてるけど、あんたら気づいてる?」

「あん?」

 

 へ?

 ど、どうしたんですかレイムさん、そんな呆れた顔をして……。

 

「どんだけ話脱線させてんのよ。結局どうするの、異変」

「あ。あー……うん、心配しなくてもいいさ。私が今から紫を叩き起こして終わらせるから」

「…………はぁ?」

「この異変はな、咲かない桜の木を咲かせてみたいってぇ奇特な亡霊のお姫様が起こしたものでさぁ……そのお姫様、紫の大親友なんだよ」

「………」

「ま、そう長くはかからないさ。今からちょいと紫を叩き起こすわ」

 

 …………?

 あぁ、お得意の分裂ですか。

 便利ですよねぇ、その能力。

 羨ましいっ!

 

「お前さんの能力も、他から見れば十分に羨ましがられる類のものだろうに。あの夜みたいな使い方をすれば、それこそ有名な大妖とも正面から張り合えるだろう?」

 

 あんな物騒な使い方はご免こうむりますぅ。

 大体あれ物凄く疲れるんですからね!

 あんな事をするくらいなら出会い頭に尻尾巻いて逃げます!!

 

「堂々と逃げるなよ」

「いや、だってスコールだし」

 

 もこたんめ!

 間違ってませんけど、ちょっともやっとする言い方はやめて頂きたい!

 

「…………おし」

「あん?」

「話、ついたぞ。紫が何とかするってさ」

「は!?」

「や、あいつの家の近くにもいくらか私を配置してたからね。布団で丸まってた紫を文字通り叩き起こしてみた」

「…………ごくろーさん」

「床ぶち抜いて地面にめり込んでる珍しい姿も見れたし、なんてこたぁないさ」

 

 何でしょう、誰も傷つかずに終わってめでたしめでたしのはずなのに、この徒労感。

 やー、嬉しいんですけどねぇ。

 思わず反応しちゃったもこたんと同じく、やりきれない感が出ちゃいます。

 

「おう、じゃあそんなもやもやを吹き飛ばすための雪見酒と行こうじゃないか。長かった冬も終わるとわかればまた惜しい」

「悪くないかもなぁ、それも。騒いで忘れちまおう」

 

 ふむ。

 ふむふむふむ。

 もこたん超乗り気。

 ちなみに他の皆さんはどうです?

 

「手間が減ってタダ酒が飲めるなら別に文句なんてないわよ」

 

 さらりとタカりに来ましたね、レイムさん。

 ぶれない、流石、ぶれないです……。

 

「私達も異議なし」

「日本の鬼って初めて会うし、お話を聞いてみたい!」

「と、いう事ですので紅魔館も参加という事で。場所は如何なさいますか?」

 

 うちか神社かのどちらかですかね、この人数だと。

 

「神社で妖怪が宴会やんな」

 

 ちょっとだけ韻を踏みましたねレイムさんってば。

 しかしそうなると、うちで?

 

「かまわないよ。咲夜、ホールの準備をお願いね……あぁ、畳敷きの方がいいかしら?」

「畳の方がいいね。酔いつぶしてもそのまま転がしておけるし」

「なら、スコールの部屋にしましょうか。……最近、ホールよりもスコールの部屋の方が使用率高いわね」

「パーティではなく宴会となると、そちらの方が楽ですからね。では、先に戻って準備を」

「頼むわ」

 

 スイカさん、転がしておくって……酔い潰す気満々ですね。

 ……ちなみにさっきからずっと端っこに居るアヤさん、参加は?

 

「し、ししししますとも、ええ、させていただきますとも!」

 

 あぁ、回復してませんでしたか……。

 なら折角ですし、モミジさんも呼んでは如何です?

 

「……どういう意図で?」

 

 モミジさんならきっと凄く自然な緩衝材になってくれるかと?

 それにあの世代なら、聞いた話からすればスイカさんと直接の面識もないでしょうし、そこまで極端にかしこまらないかなぁって。

 まぁその上で、あのモミジさんならってお話ですが。

 

「……聞いてみましょう。確か今日は非番だったはずです」

 

 ではアヤさんは参加、モミジさんは参加予定と言う事で。

 アリスさんは巻き込むとして、ユウカさんも参加しますよね。

 さっきからずっと肉球さわりっぱなしでお話聞いてない振りしてますけど、気づいてますからね?

 異変解決の話が出た辺りから素に戻ってるって。

 

「こら、ばらすんじゃないの。折角話を円滑に進めようと黙ってたのに」

 

 まぁ、ちょっとした話題から一気に脱線するのが常ですからねぇ。

 

「そういう事。あぁ、宴会は当然参加するわよ」

 

 なら全員参加という事で!

 ささ、それじゃあ帰るとしましょうか!

 もこたんひーたーをお願いします!

 

「お前に灯すのか?」

 

 !?

 

「冗談だよ、冗談。ほれ、帰るぞ」

 

 ……冗談の目じゃなかったわけですが。

 こっちも冗談で『どんとこい!』なんて返してたら、多分本当にやってましたね、あの目は。

 こわやこわや。

 やぁ、でも楽しみですねぇ、宴会。

 しかも今回はまた新しい顔、スイカさんも加えての宴会です。

 あぁすばらしきかな幻想郷の日々よ。

 おっさっけーおっさけー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばあの黒幕関係者は?」

「アリスの担当だろ?」

「えっ」

 

 

 

 強行毛刈り組の会話なんてキコエナーイキコエナーイ。

 哀れ、忘れられておいてけぼりの黒幕関係者さん……!

 

 

 

 

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