まいごのまいごのおおかみさん   作:Aデュオ

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32話 Skoll

 

 

 

 ふっふーん。

 今日こそは、今日こそは贈り物をげっとして館の皆へさぷらいずですよ!

 何故かこうやって気張って外出すると、大体何か起こるんですけどね。

 不思議な事もあるものです、全く。

 

 ……おぅ?

 おぅおぅ、またですか。

 何ですかこの遭遇率。

 まさかレミリアさんが何かしてないでしょうね?

 たまに妙な所で能力全開にして『最高にハイってやつよ!』とか叫び出しますからね。

 能力がとんでもない館の皆の中でも、飛びぬけて妙な能力ですからねぇアレ。

 っと、いけませんね、これは。

 

 

 

 

 

 

 八百屋さんトコの曲がり角を曲がりかけたままで止まった体をそっと後退。

 音を立てないように気を付けながら顔を半分だけ出して曲がった先を伺えば、何とまぁ、珍しいお方が人里にいらっしゃる。

 今まで竹林でしか見た事が無かったのに、こんな所で何をしているんでしょうね?

 しかもいつも着ているかっちりしたお洋服じゃなくて、若草色の羽織に大きな組傘ですか。

 背中に流れる綺麗な紫がかった明るい髪も相俟って、物凄く怪しい人になっちゃってますよレイセンさんってば。

 塀を背にして座り込んで、前に何を広げているんでしょうねぇ……って、あ。

 薬ですか、アレ。

 レイセンさんの体についた匂いにしては強いと思ってましたけど、納得です。

 小さな小瓶や紙袋、ザルに乗せられた生薬の数々。

 横に道具入れも置いてあるようですし、症状に応じてその場で調合もするんでしょう。

 レイセンさんの作る薬、本人は『まだまだ』なんて言ってましたけど、効果は確かなんですよね。

 パチュリーさんやメイリンさんに危ないものじゃないか確かめて貰いましたし。

 でも、悲しい事に露店の前は閑散とした有様。

 いやはやいやはや、新参者の悲しい所ですね。

 新参の薬を使うくらいなら、既存の薬師さんの薬でいいじゃないか、といった所でしょうけど……うん。

 何やら下調べでもしたのか、里の薬師さんが揃えてる薬の中でも品揃えが悪い部分を補うような品々。

 競合はしないように気を使ったんですかね?

 ふむ、ふむ。

 なら良いでしょうか。

 ………まだこちらには気づいていませんね?

 んむ、んむんむんむ。

 このスコール、レイセンさんのために一肌脱ぐとしましょう!!

 

「……?」

 

 おっと危ない。

 今見つかってしまったら、折角思いついた悪戯……じゃない、お手伝い計画がおじゃんです。

 ここで隠れるにあたり、もそりと押し入った形になった八百屋さんに一つ、悪戯心を多分に含んだ笑いを見せると、察したのかイイ笑顔で裏口を指さしてくれる店主さん。

 流石、それでこそです。

 日頃私をからかい倒すだけあって、察しが良くて助かります。

 からかうのは程々にして欲しいですけどね!

 まぁ、それは置いておいて。

 店の中へお邪魔して、買い物に来ていたおばちゃん達から何故か応援されながら裏口へ。

 そーっと足音を立てないように抜き足差し足千鳥足、庭を通り、レイセンさんが背を預ける塀の裏まで。

 気配は消していましたし、体をこれでもかとばかりに軽くしていた事もあって、足音はほぼ無し。

 完璧です!

 と、いうわけで。

 そーっと、後ろ脚で立ち上がって塀に前脚をかけ、眼下に見える組傘レイセンさんの様子を再度伺ってみれば、まだ気づいていらっしゃらない模様。

 …………だというのにふと視線を感じたので何事かと八百屋さんの裏口の方へ振り向けば、店主さん自身だけでなく奥さんからお婆ちゃんまで一家総出でニヤリと笑っていらっしゃる光景が。

 とりあえず耳だけ塞いでおくように仕草で伝えると、皆が皆、心得たとばかりにしっかりと耳を塞いで再びニヤリと笑う始末。

 全くもう、家族皆、いい性格をしていらっしゃる!

 

「…………はぁ、やっぱり買ってくれないなぁ」

 

 そんな流石の人里っぷりに恐れおののいていると、悲しげな呟きが壁の向こうから。

 これはいけませんね!

 さてさてさて、それではその悩み、このスコールが解決の一手を!

 まずは知名度、です。

『知名度があれば、客層は保障しないが客自体は来る!!……多分!』って風は吹いていないけれども閑古鳥は鳴いていない桶屋さんが涙目で叫んでましたし、まぁこの方向でいいでしょう。

 すぅ、と大きく胸を膨らませるように限界まで息を吸い込んで、適度に雲がかかる綺麗な青空へ向けて全力で。

 

 

 

 オォ――――――――――――――――――――――――オン!!!!

 

 

 

「ひぃぁあああああああ!?」

 

 大成功、会心の遠吠えでした!!

 これなら人里の隅々まで届いた事でしょう…………あれ?

 レイセンさんったら何で目を回して倒れるんでしょう?

 え、ちょっと、レイセンさん!?

 

「っかあー!? なんっつー大声出すんだよこの大馬鹿野郎!! 耳塞いでたってのに頭がくらっくらしやがる!!」

「耳、ちゃんと塞いでて良かったねぇお義母さん」

「すーちゃん、普段があんなんでもやっぱり凄いんだなぁ」

「そうよね、あれでも立派な大妖獣だって話だし……あれでも」

 

 ちょっと!?

 奥さんもお婆ちゃんも何でそんな微妙な評価なんですか!

 あれでも扱いとかひーどーいー!!

 

「そりゃお前、こんだけ好き放題言われてんのにそんな情けねぇ主張ばっかしてっからだろ?」

「御免なさいねぇ。うちの一家、正直で」

「やぁ、お詫びに婆ァが今朝採ってきたばっかりのトマト食うかい? 井戸で冷やしてたからうんめぇぞぉ」

 

 ……悔しいけど言い返せないという。

 でもトマトに罪はありませんね!

 ええ、一つお呼ばれするとしましょうか!

 冷やしてるっていうのもぐー、ですよぅ?

 

「その前にこの騒動の落とし前つけろよ。こんだけ騒がせておきながらさらっと忘れてトマトに走んな駄犬め」

 

 あ、そうですよね、レイセンさんを……を?

 いつの間にもこたぁん!?

 

「もこたん言うな馬鹿犬ぅ!?」

 

 お? お? あれ、いつの間にか塀の向こうに人垣が。

 あ、お肉屋さんも和菓子屋さんもお久しぶりです。

 えーと…………き、客寄せ成功ですね!

 

「誤魔化すの下手だなオイ。トマト一つで忘れてただろ」

 

 そんな事はないといいなぁっていう主張を!

 

「忘れてたよなぁアレ」

「おばぁのトマトなら仕方ない」

「更にそれに釣られたのがあのスコールだしなぁ。数え役満で飛んでんだろ」

「違ぇねぇ!」

 

 皆、酷くないですか?

 味方、ねぇ、私の味方はいないんですか!?

 そこの甘味処のお姉さ……何で目を逸らすんですかぁぁぁ!?

 あ、皆酷いですよ!? 一斉にそっぽを向かなくたっていいじゃないですか!!

 ってあっつい!?

 

「や、いきなり漫才始めるからそろそろオチを着けてやろうかと思って」

「流石もこたん」

「そこに痺れる憧れるぅ!! もこたーん! 俺だー! 結婚してくれー!!」

「結婚したらもこたんの照れ隠しでハゲそうだな」

「燃えて?」

「そう、燃えて」

 

 あぁ、確かに燃やしそうですよねぇ。

 恥ずかしがってる時とか、もこたんの周りの景色が熱で歪みますから。

 

「便乗して私まで漫才に加えるんじゃない!」

「きゃーもこたんが怒ったわぁ!」

「ねね、もこたん男物の着物とかお洋服着てみない?」

「いいわねそれ、似合いそうよねぇ!」

「オッサンどもだけじゃなくて姉さん方までノってきやがった……!? 慧音ぇ、この人里どうなってんだよぅ……」

 

 いひ。

 

「あ、てめぇまた軽くしやがったな!? 妙な所だけ頭を回しやがってこの馬鹿!!」

 

 いつもやられてばっかりですからね、たまには意趣返しの一つでもできなければ私の威厳って物が!

 

「どのみち無いわよねぇ」

「無ぇよなぁ」

「まだあいつの館の……ほれ、なんつったか……あの赤い髪の悪魔さん」

「こぁちゃんねー」

「そうそう、こぁちゃん。あっちのがまだ威厳があらぁな」

 

 こ、小悪魔さん以下ですって……!?

 そんなはずは!

 

「や、前に冗談で尻を撫でたら物っ凄い冷たい視線が飛んできたからな……思わず背筋に汗が伝ったぞアレ」

「そこで熱くなれよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「流石にそこまでは変態になりきれんわ。てかお前山に行ってたんじゃなかったのか?」

「遠吠えが聞こえたからね、麓から急いで帰ってきたんだ!」

「……お前、どんだけ距離あると思ってんだよ」

「米、食ってるからな!!」

 

 お、おぉぉぉ……あ、アレが噂の!

 ほんとにしゃもじみたいな棍棒を持っていらっしゃる!!

 ……微妙に赤黒いのがまた、生々しくて嫌ですけど。

 まぁ何にせよ、盛り上がってる皆さん。

 とりあえずはアレですアレ……今ここの塀の下で伸びちゃってる方のお薬、効果の程は確かですよ?

 不安ならケイネさんやそこの薬師さんに確かめて貰うとか、そちらでお姉さん方に捕まってたじたじな不死身の毒見もこたんを活用するとかいう手もありますし、冷やかすだけでもどーぞー!

 

「てめぇ!?」

 

 いひひひぃ……お姉さん方の恐ろしさをとくと味わうがいいんですよ、もこたぁん!!

 あ、八百屋さん、このお嬢さんとお荷物ですけど、とりあえず起きるまで預かって貰えます?

 

「あぁ、座敷に転がしておくだけでいいなら構わんぞ?」

「お布団くらいは敷いてあげましょうよ、アナタ」

「あー……そうだな、じゃあ連れてくっから準備たのまぁ」

 

 感謝感謝。

 あ、できれば傘は取らないであげて下さいね。

 

「おう、わかった。まぁお前関係なら悪いやつじゃあねぇだろうし構わんさ」

 

 流石八百屋さん、いい男ですねぇ。

 今度来た時はまた何か買わせて貰いますっ!

 

「ったりめぇだ!」

「ほらすーちゃん、あーん。トマトだよぉ」

「おばぁ、流石。あの八百屋のおばぁなだけあってブレない」

「私、年を取ったらああなりたいわぁ」

「甘味屋、お前が言うな。もうなってんだろ」

「アンタ、奥さんに一週間ご飯抜きにしといてって言っておくわ」

「死ぬわ!?」

 

 やぁ、何やら塀の外が騒がしいですけど……いただきます!

 

「おぅ、食べなぁ?」

 

 んー、瑞々しいし、甘いし、本当にいいトマトですねぇ!

 ひやっこいのがまた、たまらんです!!

 

「だろぉ? すーちゃんはいっつも美味しそうに食べてくれっから、婆ァはこれが楽しみでならんのよぉ」

 

 嬉しい事を言って下さる!

 でも残念ですけど、今日は一個だけですねぇ。

 そろそろ蚊帳の外に押し出そうとしたもこたんがぷっつんしちゃいそうですから。

 

「あぁそりゃいかんなぁ。またおいでぇ」

 

 ええ、ええ。

 それじゃあ、いつものように三十六計逃げるに如かず。

 もこたんがぷっつんしてお姉さん方から逃げ出す前に……逃げるが勝ちですよおおおおおお!!

 

「待てこら、オイィィ!」

「あ、サラシ巻いてる。……ふむふむふむ、あ、結構あるのねー」

「往来で剥こうとするなよぉ!?」

 

 さ、さらばだもこーたん!

 また会おうっ!

 

「どこの怪人だよお前! って本気で逃げに入んじゃねぇ!? どうせ逃げるなら収集つけてけ!!」

 

 きっこえまっせーん!

 あ、お姉さん方、やり過ぎないように注意して下さいね?

 もし危なそうならケイネさんを呼んで来れば一発なので、良ければどうぞー!

 

「はぁい。気を付けて行ってらっしゃいねー」

 

 ご協力感謝ですよ、お姉さん方。

 行ってきまーす!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 という紆余曲折の末に、ようやくここにたどり着きました。

 

「貴女、本当に場を引っ掻き回した上でひっくり返すのが得意よね」

 

 そんな酷い評価を受けるような真似はしてな……いですよ?

 ただちょっと……そう、ちょっともこたんで遊んでただけじゃないですか。

 もこたんなら問題ありません!

 

「途中で微妙に自信を無くすなら最初から否定しないように。で、今日は何をしに?」

 

 何を、と言うなら……こないだ紆余曲折あって果たせなかった目的を果たしに?

 お家を壊してしまったお詫びに宝石っぽい石とかも探してきましたし、上乗せでお願いします!

 

「まぁ、あれは気にしなくたっていいわよ。あの鬼、修理のついでに色々気を利かせてくれて結果的に居住性が良くなったし」

 

 スイカさんが一晩でやってくれたのは知ってますけどね、それでも私にだって責任はありますから。

 というわけでほらほら、頑張って探したんですよこれ!

 こないだのより小さいですけど、赤い透き通ったやつとか、青いのとか、緑のとか。

 あとは……刀鍛冶のお爺さんのお手伝いをする代わりに作って貰った果物ナイフとか……サクヤさんに分けてもらった紅茶の葉、モミジさんから貰った柿……。

 んー……ケイネさんの大福に、アヤさんから貰ったお酒、小物屋さんがお勧めしてくれた櫛と……?

 

「待て」

 

 へ?

 何です、そんなユウカさんがサクヤさんの奇行に驚いたみたいな顔をして。

 妙な物は出してないと思いますけど、何か気になりました?

 

「まさか、その大きな鞄の中身全部が私へのお詫びの品とか言うんじゃないでしょうね?」

 

 そうに決まってるじゃないですか。

『アリスさんにお詫びがしたいんです!』って皆さんに手を合わせてお願いしたらあっさり。

 ユウカさんもアリスさんが好きなお野菜の種とかくれたんですよ!

 後はフランさんとレミリアさん合作のクッキーとか、メイリンさんが彫った中華風?な飾りとか。

 あ、ついでに私の牙も!

 

「ちょっと、まさか抜いたの!?」

 

 いやいやまさか!

 最近何か牙がむずむずするなーって思ってたら、先日ついにポロっと抜け落ちちゃいまして。

 ……色々ありましたけど、その下から新しい牙も生えてきてたので結論としては生え変わりという事になりました。

 

「……生え変わるものだっけ、狼の牙って」

 

 私も初めての経験でしたよ……おかげで抜けた時は慌てちゃって、思わず近くに居たサクヤさんに泣きついちゃいましたもの!

 ……有無を言わせず、両手でがばっと口を開かれて確認されましたけどね。

 そこで新しい牙が生えてるのがわかってお互いにほっと一息ですよ。

 

「あぁ、何かその光景がありありと想像できるわ」

 

 ちなみにその時の『慌てさせるんじゃないの!』何てちょっと涙目になりながら頭をぎゅーっと抱きしめてくれたサクヤさんがもう、可愛いったらなくって!

 思わず抱きしめ返してごろごろしてたら、真上に居たお日様がちょっと傾いてました。

 恐ろしいですね、サクヤさんの時間を好きなようにできる能力!

 

「それ、色々と違うと思うわ」

 

 気にしない気にしない。

 後は机にでも広げながら説明しましょうかね。

 まだまだまだ色々ありますし!

 

「結果的に大した被害が出なかった騒動のお詫び程度に、どれだけ手を広げたのよ貴女……」

 

 や、実は……その、色々と考えてたらあれもこれもと楽しくなっちゃいまして。

 お詫びの品のアテは、幸いにもお散歩の度に色んなところで出来ることをやってましたから色々とありましたし。

 人里の皆さんとか、最近じゃあ私を労働力の一部として見てる節がありますからねぇ。

 暇そうなのを見てとると、やれ『暇なら手伝え!』だとか、酷いと『おいでーおいでーほら新作和菓子よー』とか言って客引きのダシにされたり。

 他には妖怪に出くわしそうな場所に行く時は声をかけられたり、皆さんの農作業とか山仕事の帰りだとかを人里まで送って行ったら『狼便の運賃はいくらだ!?』とか言いながら色々鞄に詰め込まれたり。

 お小遣いとか食べ物とか色々貰えるので別にいいんですけど、こないだなんて何故か蔵を建てる前の地鎮祭にまで呼ばれちゃいまして。

 私、これでも妖怪なんですけどお構いなしですよ。

 レイムさんったら、地鎮祭のお仕事で珍しく真面目に見えてたのに……お祓いが一通り終わった途端に『辺りを全力で軽くしながら、鳴きなさい。それで締めるから』とか言い出してもう何が何やら。

 

「……うわぁ」

 

 ちょっと、何ですかその微妙な目は!?

 わ、私だってできるならもうちょっとすたいりっしゅに行動したいんです!

 でもこうなっちゃうんですから仕方ないじゃないですかぁ!

 

「あぁはいはい、そうねー大変ねー」

 

 むぅ、何でそんな呆れたみたいに言うんですか!

 ……あ、答えてくれなくて結構です。

 何かこれ以上この事で喋ると墓穴を掘りそうなのでやめましょう!

 

「自覚してそれな辺り、救いが無いわね」

 

 聞こえなーい聞こえなーい!

 さ、さぁさぁアリスさん、とりあえずこの鞄の中身全てお納め下さりませっ!

 というかお納め下さらないなら思う存分モフらせますよ?

 うるふはっぐ持成しの心を込めて、いっちゃいますよ!?

 

「何でお詫びの品とか言いながら果てしなく微妙な脅しをかけてくるのよ!?」

 

 だってこれ、アリスさんに渡すって皆さんに公言しながら頂いた品々ですもの。

 渡せないなんていう結果になるくらいなら、いっそ……!

 

「ええいやめい! 口元だけ引き締めて纏わりついてくるんじゃない!! 目が笑ってるのよ!?」

 

 ほぉらほら、受け取りなさい?

 受け取ってくれないならもっとモフらせますよぉ!

 だからそんな細腕で抵抗なんておやめなさいな。

 私を力づくで引き離したいならスイカさんやユウカさんくらいの力がないと!

 

「わかったわよ、受け取る、受け取るから離して!!」

 

 やほーい!

 じゃあこれ以降は私がモフらせたいからモフらせるって事で。

 

「話が違っ……ひゃあああ!?」

 

 おっと失礼、真っ白な首筋が見えたのでつい?

 ……はっ!

 ぺ、ペロッ……! これは楽しんでる味ですね!

 

「棒読みで何勝手な事を言ってるのよ!?」

 

 や、何か人の肌を舐めたらこう言わないといけない気がして?

 何でしたっけ……何か冒険をする漫画で見たような。

 

「何でもいいから離しなさい!」

 

 だが断る!!

 アリスさん、素直になりましょう?

 口では嫌がってますけど、ちょっと楽しそうですよ?

 

「そ、そんな事ないわよ」

 

 んふー?

 目を、逸らしましたね?

 いいんですかぁ……それじゃあ認めてるって言ってるのと同じですよぉ?

 

「…………」

 

 沈黙は肯定と取ります!

 ひゃっほーい!

 

「きゃああああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

「あら、どうしたの幽香」

「アリスが弄られてる気配がするわ」

「あぁ……今日スコールがアリスの家にお詫びに行くって気合を込めてたから」

「…………惜しい事をしたわ」

「あら、目の前に私が居るのに……他の女の事を考えるのはよして頂戴な」

「おや、中々言うじゃないかね咲夜君?」

「幽香様の前ですもの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁパチェ、幽香と咲夜、何でまたあの恰好なのよ?」

「気に入ったらしいわよ」

「……似合ってるとは思うけど、違和感が奮戦してるわ」

「まぁいいじゃない、見てて面白いし」

 

 

 

 

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