まいごのまいごのおおかみさん   作:Aデュオ

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46話 Skoll

 

 

 

 もふもふっと小さな手がモフみの弾力ちぇっく。

 

「ん……」

 

 さらに別方向からも、もふもふ、もふーっ! っとさらにちぇっく。

 

「んふー」

 

 もっふんとちぇっく終了後の毛並へ飛び込んでごそごそぎゅー。

 

「ふぁー……」

 

 そしてモフみに身を任せ、脱力。

 

「久々のスコールクッションだわ……何か妙な実況が聞こえて来るけど……」

 

 いやはや、余りにも可愛らしいものでついつい。

 最近は人狼化やら鍛冶やら人化やらで、狼のままパチュリーさんとゆっくりーなんてのも無かったですからねぇ。

 一通り人の体でできる遊びもこなした感がありますから、こっちでだらだらしましょ。

 やっぱり人の体はあれですよ……面白いんですけど、何か疲れます。

 

「気苦労かしらね。やっぱり長年連れ添った狼の体が馴染む?」

 

『馴染む、実に馴染むぞォ!』なーんて叫びたくなる程度には?

 人狼型はまだいいんですよ、何だかんだで自前ですし、大きさもそんなに変わりませんから。

 でも人型は皆さんのくれた材料から何かこう、もにょっと写し取っただけですからねぇ。

 一部盛大に私の自己主張が入ってるとは言え、違和感がそれなりにありますもの。

 アリスさんのお人形さん状態と言うか何と言うか……いや何か違いますけど、何て言えば良いんでしょうね?

 こう、普段やってるように無意識で体を動かせなくて、『こうしよう』と思って、それに体がついてくる、みたいな?

 

「言わんとする事は分ったわ」

 

 まぁ化け続けていればその内慣れるんでしょうけど……全員分慣れるまで化けるなんて無理ですもの。

 小さな違和感くらい気にするなと言われてしまえばそれまででしょうけど、そういう体の違和感ってふとした瞬間に結構なもどかしさが襲来するんですよ。

 掴んだと思った物を掴めてなくて落としたり、走ろうと思って踏み出した足が空を切ったりとか。

 もうその場で寝っ転がって全力でじたばたしたくなる位のもどかしさ!

 

「思わぬ副産物だったんだし、化けられただけ御の字でしょ」

 

 そう言われたら何も言い返せませんけど。

 斧が近くにないとうまく化ける事もできませんし、私に人化は合ってなかったんですねぇ。

 悪戯に使えるだけまだマシですか。

 

「私の姿で悪戯をするなら覚悟するように」

 

 ふぁっ!?

 

「例の毛生え薬をそっと仕込んで立派な毛玉にしてあげるわ」

 

 いやあああああやーめーてぇ!?

 毛刈りの恐怖はもういやぁ!!

 

「…………そんなに嫌がる程の事だったの、アレ?」

 

 あの時のアリスさんは目が口ほどに物を言っていましたよ。

『収・穫・祭! やったわ材料が転がり込んできた!!』って。

 まぁ嬉しそうに刈って下さる事。

 必要以上に刈られそうでもう戦々恐々でしたねアレは!

 

「でもその結果、コートやら何やらが生まれたわけだし。私達は助かったわ」

 

 でもパチュリーさんったらあんまり外に出ないじゃないですか。

 コートの出番無いでしょう?

 試着の時と、こないだアリスさんちに送り狼した時に着た位じゃないですか?

 

「失礼な。それ以外にも…………着た…………かしら?」

 

 …………着てないんですね?

 

「…………着てないわね」

 

 よし、じゃあ着ましょうか。

 

「はぁ?」

 

 丁度おあつらえ向きに人里に用事もありますし、たまには私とお出かけなんてどうです?

 というかふと思い返せば私とパチュリーさんが二人でお出かけって珍しくありませんか?

 

「アリスの家へ行ったのを除けば……まぁ、言われてみればそうかもしれないわね。基本、外に用なんて無いもの」

 

 引き籠りここに極まれり。

 決めました、パチュリーさんを連れて行きましょう。

 

「よくぞ言ってくださいましたスコールさん。ではこちらが件のコートです。ごゆっくり」

「ッ!?――――小悪魔、いつからそれを持って出待ちしてたのかしら?」

「スコールさんはですね、図書館に来る前に私と取引をしたんですよ。そのすぐ後からですね」

「!?」

 

 あ、ばらしちゃうんですねソレ。

 

「と、取引?」

「ええ、パチュリー様を外に出せたなら製作済みのもふもふスコールぬいぐるみを贈答用に好きなだけ差し上げましょう、と」

 

 何かあれ紅魔館の外でも一部で大人気らしいですよ?

 具体的に言うなら妖怪の山の一部と人里の一部と太陽の畑の一部。

 

「最後のは一部じゃなくて一人でしょうが」

「いやはや製作者としては照れますね。椛さんったら達筆な筆文字なのに物凄く可愛らしい内容のお礼の手紙と、モフってる写真までくれましたし」

 

 アキュウさんはアキュウさんで縁側で日向ぼっこしながらひたすらモフって蕩けてたりするもんですから、使用人さん達も釣られちゃったみたいで。

 こないだ悪戯ついでに遊びに行ったら、女中さんたちに『何とかお願いできませんか』なんて言われちゃいまして。

 それならいっその事、どうせ既に大量に生産されてるんですから貰っちゃっていいですよねー、そもそも私の姿のぬいぐるみですしーという交渉が行われました。

 というわけで行きましょうかパチュリーさん。

 

「……ちなみにどこに行くつもり?」

 

 人里でお買い物と、アリスさんちでだらだらしてモフらせて遊ぶくらいですかね。

 お望みとあらば遠乗りでもいいですけど……パチュリーさんの体力がひたすらに心配ですし。

 背中でぐったりされるのはちょっと……ねぇ?

 

「失礼な。そこまでひ弱じゃないわ」

「ひ弱でしょう」

「なっ!?」

「じゃあパチュリー様、この図書館をまるっと一周、魔法なしの全力で走れます?」

「…………」

 

 えっ?

 …………えっ!?

 この図書館、確かに広さはおかしな事になってますけど……えー……?

 

「それ程ですよ、パチュリー様は。魔法使いの体ですから、最低限の体力までは落ちませんけどね」

「それでいいじゃない。あくせく走り回るなんて魔法使いの領分じゃないわ」

「そんなだから酔っ払ったアリスさんに剥かれて着せ替え人形にされるんですよ」

「やめなさい。その話題はやめなさい」

「剥かれた後に『腰とか手足が細い割に、思ったより……うん、出てる所は出てるのね?』なんて細さと一部の豊満さに驚かれるのは流石ですが……ええ、敢えて申し上げるならばBとH」

「やめなさいって言ってるでしょう!?」

「ちなみに写真もあります。剥かれたパチュリー様が丸くなって真っ赤に染まったお顔を必死に隠してるお写真」

「!?」

 

 ほう……そちらのお写真と、酔っ払ったサクヤさんに襲われかけてるアリスさんのお写真を交換しません?

 流石のアリスさんですよ?

 真っ赤になって狼狽えてるのにそれがまた可愛らしくって!

 

「ほぅ……中々やるじゃないですかスコールさん。というかお互いのアルバム見せあいっこしましょうか!」

 

 いいですねぇそれ!

 お互い気に入ったお写真があったら焼き増しして交換しちゃいます?

 

「咲夜! 咲夜はどこ!? 裏取引が行われてるわよ!!」

「なら私も秘蔵の写真を出しましょうか。幽香がアリスの病気にやられてミニスカメイド服を着た時の」

「!?」

「残念ながらブルータスは鉄板ですわ、パチュリー様」

 

 え? え……?

 何ですかそれ? もっと詳しく!

 私見てないですよ!?

 

「貴女が人里に遊びに行ってた時だったもの」

「その後、幽香さんに押し付けられたメイド服をこっそり試着してみて、驚異の胸囲差に落ち込んでた咲夜さんの写真もありますよ?」

「ッ!?」

「壁に耳あり障子に目あり、そしてバルコニーにコアクマー。いつでもニコニコ這いよるシャッター、小悪魔です」

 

 相変わらずさらりと凄い事を言ってのけますね、小悪魔さんったら。

 というか『何やってるのよこいつら』みたいな顔してますけどね、私知ってるんですよ、パチュリーさん?

 

「何よ?」

 

 幽香さんがお試ししてた記憶からの念写が思いの外上手くいったからって、自分の覚えてる光景を片っ端から写真にしてたのを。

 

「ッ!?」

 

 驚かれるのも無理はありませんがね、本当に偶然だったんですよ?

 パチュリーさんのお部屋のばるこにーを紅魔館の屋根に跳び上がる時の足場にした時、ちらっと見えちゃいまして。

 面白そうだったのでそーっと戻って見てたらまぁ案の定!

 迫ってきてる時のアリスさんの表情とか、ユカリさんがスッパになった時の惨状とか。

 酔ったモミジさんが私の尻尾にじゃれついてとろけてる姿とか。

 更に言うならチェンさんがふにゃふにゃ笑いながら私に抱き付いてる所とか、ランさんがでれっでれになりながらそれを見て盃を傾けてる所だとか……!

 あれ欲しいんですが! でーすーがー!!

 特にランさんのとかモミジさんのは同じイヌ科一同としては是非に!!

 

「これは興味深いですね、咲夜さ……ん? あれ?」

 

 これはあれですね、皆がにっこり笑顔になれる提案ってやつです。

 あげて良し、もらって良し、みなに良しの三方良し!

 私のもふもふアルバムに更なるいろどりが!

 あとアリスさんのいじられアルバムにもさらなるおかしみが!!

 

「そうだね、微笑ましい写真だけならそれでいいと思うよ?」

「そうですわね。でも、裸を撮られた写真があるというのは流石に見過ごせませんわ」

「あっ……」

 

 そうですねぇ……流石にスッパユカリさんはどうかと思いますけど、あれはあれで愉快な写真だと思うんですが。

 一升瓶さえ抱えてなければ、あれそのまま絵にしていいくらいの美人さんっぷりでしたよ? ……あと握りしめてたスルメも抜きで。

 裸婦画って言うんでしたっけ。メイリンさん辺りに色々と記憶補正をして描いて貰えば凄く良い感じになりそうな。

 

「まぁスキマさんは確かに美人だし、絵になるのはわかるけどね」

「あら、ありがとう」

「…………」

 

 何です、小悪魔さん? そんな必死な表情で首を振って……後ろ?

 ……そういえば私、今誰と話してました?

 

「随分と楽しそうだったね、スコール?」

「ご機嫌麗しゅう、狼さん?」

 

 あはぁん。

 ご、ごきげんうるわしゅー、おふたりさま。

 フランさんったらどうしちゃったんです、そんな呆れた顔しながら掌をにぎにぎしちゃって!

 ユカリさんもそんなすなっぷを効かせた扇の素振りをして何をするおつもりで?

 

「ていっ」

「はぁい」

 

 お髭は、おひげはやめてください!

 抜ける抜けるまーたーぬーけーるー!!

 って足場がっ!?

 いーやー落ちる落ちる抜ける抜ける!

 

「こちら、ネガでございます」

「小悪魔は素敵に手の平返しを始めないように。潔いと言えばそうだけどさぁ」

「皆同罪ですわ。あの烏天狗みたいに無差別にバラまかないだけ情状酌量の余地はありますけれど」

「余地はある、ってだけだね」

「そうですわね、妹様」

 

 恐ろしい金髪こんびが誕生しちゃってるわけですが。

 サクヤさん! こっちは銀髪こんびで対抗を!!

 

 

 

 あれ?

 

 

 

「言うまでも無く、咲夜なら逃げたよ。いつもみたいに」

「私がスキマを開いた瞬間、でしょうね。察知された瞬間に逃走確定なんて骨が折れますわ」

「今度また貰った差し入れで何か作らせるよ。当然、いつも以上に腕によりをかけて作るように、って」

「あら、それは嬉しいですわね」

 

 ちょっとーお二人さーん?

 何か和やかな雰囲気になってますけれどね、とりあえずこのおひげを掴む手とスキマからの解放をお願いしたいのですが。

 宙ぶらりんな下半身ってすっごい不安になるんですよ?

 そして抜けたらまた植えればいいんでしょ? くらいに思われてそうな大事な大事なおひげの今後とか。

 いや、ユカリさんに撫でられて満更でもないお顔のフランさんのご様子は眼福ですが、それはそれ、これはこれ!

 って小悪魔さん何でこっちに向けて十字をきってるんですか!?

 あなたはむしろ種族的にきられる側でしょう!!

 

「……何だろうね。紫さんに頭を撫でられるの、前は怖くて仕方がなかったんだけど……うん、今はそうでもないね」

「あら、それは光栄ですわ」

「スキマが開かれる時の感覚は相変わらず苦手だけど、それを抜きにしたら良いお姉さんだもの。……ちょっと胡散臭いけど」

 

 って、フランさんが、ユカリさんにデレた……!?

 

「いや、だって紫さん、私が苦手だって言ってからはなるべく私の前でスキマを開かないようにしてくれてるんだよ?」

「…………」

「それがわかってて、なおかつ悪意も感じないんだから、こっちだって信頼を返すべきだよ」

「…………っ!」

「それに何だかんだであの幽香さんや神綺さんが気のおけない友人って態度で接してるんだもん。これで悪い人だったら、もうお手上げだね」

 

 ええ、お手上げですね。

 そのお手上げでようやく解放された私のおひげに私は諸手をあげての喜びを表現したい所です。

 で、表現するためにスキマからの解放もお願いしたいんですけど…………けど。

 ユカリさーん?

 

「あぁもう、何でこの館はこうも私の琴線に触れてくれるんでしょうね!」

「きゃぁ!?」

 

 あ、そちらに思考が落ちてましたか、そうですか。

 なら思わず抱きしめちゃうのも仕方がない事です。

 ――――そう、フランさんならね!

 

「皆が口を揃えて言う『可愛さが溢れすぎてつらい』って言葉の意味。――――ようやく私にもわかる日がきたわ」

「ええと、どうもありがとう、って言えばいいのかな?」

「ええ、ええ、それで良いの。それが良いのよ!」

「わぷっ」

 

 あー、これ、もしかしなくても私がまたやらかしちゃいましたかね?

 確かに落ちたくない一心で思わず色々と軽くしちゃいましたけど。

 でも戸惑いながら愛でられるフランさんが可愛いのでもーまんたい?

 ひゃっほい!

 

 

 

 

 

 あっ。

 

 

 

 

 

 ――――――――いやあぁぁぁぁぁおーちーるぅぅぅぅぅぅ!?

 

 

 

 

 

「……えーと、紫さん」

「…………何で、こうもネタに全力で挑むかのように斜め上に走り抜けていくのかしらね、あの子」

「スコールだからね、仕方ないよ。……危険はないよね?」

「当たり前でしょう。この程度であの子にそんな真似をしたら幻想郷の洒落にならない面々が荒れますわ。あれはスキマの中でただひたすら落ち続けるだけの、何てことはない状態ですのでご心配なく」

「じゃあ日頃のはっちゃけっぷりにちょっとお灸も必要だろうし、そっと見なかった事にしようかな」

「それで良いと思いますわ。あの子は少しばかり愉快犯の気がありますもの」

「ん、じゃあ私は何も見てないって事で」

「ええ、ええ。暫くそのままで、頃合いを見てこちらへ」

「後でそっと様子を確認したら『もう諦めて落ちながら寝てましたー』何て事になってないといいけど」

「まさかそんな――――いや、あの子ならあり得るのかしら?」

「じゃあ寝てるに咲夜特製マフィン一個」

「賭けを提示して、即座にそちらを取るのは酷いですわね。なら、私は起きてる方に藍の尻尾枕一回分」

「今ここに、絶対に負けられない勝負が始まったね。スコールならきっと寝てる。寝てなかったとしても――――寝かせるよ」

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁスコール」

 

 ほいほい、何でしょう藍さん。

 

「落ち続けて逃げられないお前に言うのも何だがね」

 

 ふむふむ?

 まぁランさんがそっと話相手になってくれるのでそう悪い状況でもないんですけれど、もしかしてそれがバレちゃいました?

 

「いや、そういう事じゃあない。どうにも私達は賭けの対象になったらしくてな?」

 

 んんんん?

 

「この落ち続けている現状で、お前が諦めの境地に達してのんきに居眠りをしていたらフランの勝ち。起きていたら紫様の勝ちらしい」

 

 いや、この状況で居眠りは流石に…………いや、ランさんが居なかったならば、してた可能性もゼロではありませんね。微レ存というやつです。

 

「また外の本から妙な知識を覚えたな。お前、その『微』が指してる微粒子が何かもわかってないだろう?」

 

 要はスイカさんの能力でしょう?

 物はちっちゃな粒の集まりで、その集まり方と種類によって、大きさとか重さとか硬さとかが決まる、と。

 

「ざっくりとは言え、合ってる、だと……!? お前本当にスコールか? 実はスロールだとかフコールとかその辺りのパチモンじゃないだろうな?」

 

 酷い!!!

 いやまぁ、ほら、私の場合は能力でお試しができましたからね?

 外から流れてきたっていう教科書? に書いてあって、試しにやってみようと思ったらできちゃった、と。

 でも能力でそれをやったらまぁ疲れる事。

 日本庭園風を目指して作成中のお庭に敷き詰めるための砂を作るのに重宝しましたけど、言ってみればそれくらいにしか役に立たなかったんですよね。

 

「…………いやいや、平和的で大いに結構。良いじゃないか、日本庭園」

(どのレベルの教科書が流れ着いたのかは分からないが、専門書でなくて良かったと思うべきか。崩壊まで事細かに理解していたら洒落にならん)

 

 それはそうと、フランさんのためには居眠りが必要と。

 ふむふむ、ふむ。

 では、おやすみなさい。

 

「いやおい、本気で寝る気かお前」

 

 冷静に考えたら、ランさんがのんびりと一緒に落ちてくれてる時点で危ない所じゃないのはわかりましたし?

 落ち続けてるっていう感覚以外に別に寝るに困る状態じゃないですからねぇ。

 ええ、ええ、フランさんの勝利のためなら全力で寝てやりますとも!

 

「…………良い夢を見られるといいな」

 

 なら目指すは空を飛べるようになった夢ですね。

 今の状況なら見れる気がしますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――平和ねぇ」

「うん?」

「いえ、何でもありませんわ」

「そういう所が胡散臭いって言われるんだよ」

「うぐっ!?」

「……でもね、この美味しい羊羹に免じて聞かなかった事にしようと思うんだ」

「外の世界で有名な虎のマークの羊羹ですからね。アソートだと色々と食べ比べもできて楽しいでしょう?」

「うん、咲夜の作る変わり種羊羹とはまた違った趣があるしね……まぁいいや。スコールは元気だった?」

「――――さらっとカマをかけるなんて悪い子ですこと!」

「や、くすぐるのは反則だよ!? こっちは羊羹食べてる所なんだから!」

「ふふん、私の膝の上に素直に座ったのがいけないのよ?」

「咲夜! 咲夜ぁ!」

「はい、しっかりばっちり撮影済みでございます」

「!?」

「焼き増しは?」

「無論、スイーツと共に」

「パーフェクトよ咲夜」

「感謝の極み」

「咲夜、まさか裏切るの!?」

「妹様の可愛さ故。あえて言いましょう。眼福であると!」

 

 

 

 

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