IS ぎきょーだいになりましょう   作:ネコ削ぎ

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「ふっふっふ。舐めてもらっちゃあ困るのよ!!」

「わたくしが伊達にイギリスの代表候補生やっていないことを知りなさい!!」

 地獄の様な空気が周囲を支配していた。笑うに笑えない雰囲気と素直に歓声を上げられない空気感を前にして、ボクはおろか箒ですら顔を背けて口を噤んだ。この空間を共有することの辛さに、背を向けて逃げ出したくなった。息も気配も殺して周囲を盗み見れば、数人の生徒が逃げ出そうと足をうずうずさせていた。気持ちが分かるだけに一緒に逃げ出したくなる。

 原因は鈴とオルコットにあることは誰が見ても明白だ。2人は勝利の余韻に浸ることで忙しいのか気がつかず、ボク等みたいに観戦していた人間だけが理解して、恐怖している状況だ。まぁ、馬鹿飛車なオルコットが気がつかないのはしょうがないとして、鈴が気がつかないのは痛々しい。どうやってこの空気を伝えることができるか。空気感染してくれればすぐにでも気がつきそうだけど。

「教師なのに〜……教師なのに〜」

 地べたに体育座りをして塞ぎ込んでしまっているのは今回の被害者だ。本来なら教師の強さと威厳という2枚看板を見事に掲げてアピールするはずだったのに、悲しいことに敗北して看板にヘドロをぶつけられてしまった悲しい被害者。最近の教師の質の低下には憤りを感じてしまいます、なんてコメンテーターみたいな冗談も言えないくらいに落ちに落ち込んでいる山田先生。

 情けないくらいの登場シーンを拭い去って華々しい活躍を見せてくれると思ったら鈴とオルコットにボコボコにされて活躍恵まれずに終了。やられ役の量産機みたいな扱いだ。扱ってはいないけど。

「今年の代表候補生はアタリ年だな。それに比べて山田真耶先生は死んでしまうとは情けない」

「死んでませんよ!! 絶対にまだ死んでませんよ!!」

「負けたんだ。軽々しく死ねよ。負けて死ね」

「すっごい口汚いんですけど。織斑先生、私が何かしたんですか!?」

「胸に手を当てて考えてみろ。そして心臓を圧迫して死ね。死ねバーカ!!」

「幼児退行!?」

 千冬姉さんがクールの表情を崩さずに罵り、罵られた山田先生は特殊な性癖をバネに復活を果たしていた。さすが童顔似合わず胸に圧倒的な凶器を仕込んでいるだけある。

 1組ではお馴染みのやりとりも2組の生徒たちには新鮮に映るみたいで、鈴以外は困惑している。教師による教師虐めの実態を目の当たりにして、戦慄する彼女たちは教員を目指そうなんて変な気を起こすことはなくなる。訂正しないと千冬姉さんが変な気起こしたと勘違いされそうだ。なので、前言撤回を申し立てる所存である。

「さて、負け犬教師など放っておこうや。これからISを使って授業を行う。こちらで決めた班に分かれろ」

 足にしがみ付いて必死に抗議する山田先生を、千冬姉さんは空気の様に無視して授業を開始した。

 授業内容としてはISを使ってちょっとした歩行訓練を行うというもの。歩行訓練とは名ばかりで、実際は地面を高速ホバー移動する訓練だった。目指すは1列に並んでジェットストリームアタックの再現と、踏み台になったり輸送機に激突だ。

 専用機持ちたちが1つの班に配属されてコーチを務めなきゃいけない決まりみたいで、頼られるよりも頼りたいボクとしては、目の前でかかってこいと言わんばかりの顔をした女子を相手にするのは御免こうむる。

 しかし、決して手詰まりの状況じゃない。何故ならボクの班には箒と相川さんがいてくれるから。

「オッケー。織斑くん教えてたもれ~」

「どこ触っても構わんぞ。何なら胸揉んでくれてもかまわんしな」

 底が抜けそうな明るさで近寄ってくる相川さんと、痴女に目覚めかけている箒。2月に痴女コレートとか渡されたらちょこっと困る。オヤジギャグですが、それがどうしました。

「ええと、とりあえずISを着込んでホバー移動すればいいんじゃないかな」

 授業に真面目さが必要なことは中学時代にある程度学んだ。だけど、その真面目さを発揮することの大変さを理解しているがために、ボクははっきりと物を言えずに曖昧な内容で指示を出してみる。指示というよりは提案に近いのが何とも情けない。

 他の班はどういう舵取りをしているのか気になって視線を走らせる。

 鈴が頭目を務める班は鈴が強きな態度で指示を飛ばして多少喧嘩腰に見えた。気のせいか、教える側も教えられる側も手が出ている気がしないでもない。疲れているのかもしれない。

 オルコットの班はどこからかホワイトボードを引っ張て来て理論からの説明から入っていた。そもそもISとは、から始まる説明は午前中の時間を全て使っても終わることのないお経じみたつまらない内容に違いない。心なしか、説明を受けている生徒の目が死んだ魚の目をしている。生臭い魚の目をしている。

 そして、姿だけを言えば一番の色物であるボーデヴィッヒは意外にも真面目にレクチャーをしていた。冷たい態度だが、指示は的確で時折補助を入れて上手く展開していた。1番真面な授業風景がそこに見えてしまうものだから思わず見惚れそうになる。

 三者三様のやり方を受けて、ボクはボクなりに説明をすればよいかと授業に精を出すことにした。

 結果、箒と相川さんの補助を受けてどうにか授業の形を保つことができたのだった。

 

 

 

 

 

 

 昼休み。屋上で昼食を取っている。見上げれば青い空がある。その先には成層圏があって、越えていけば宇宙があって、いずれは宇宙で生活するなんて夢物語が現実となって、地球から最も遠い生活圏で宣戦布告があると思うとゾッとする。分かり合える人類の登場にもゾッとしてしまう。人間なんて分かり合いたいばかりじゃないのだから、プライベートもプライバシーも筒抜けなんてストレス空間だ。

「ええと、本当に僕が同席してもよかったの?」

 コテンと首を傾げる金髪貴公子な3組の転入生。女子曰く、守りたくなるような男子とのこと。ボクが言えることじゃないけど華奢な見た目に人当りの良さそうな顔。それで対応は貴公子らしいとのこと。いちいち手袋投げて決闘宣言するあの貴公子らしい対応と考えていいんだろうか。

 頬杖つきながら貴公子然としたシャルル・デュノアを見やると、その隣にいる篠ノ之も視界に映り込む不思議。さらに隣にいるオルコットも映り込む不思議。不思議がいっぱいで世界の混沌さを垣間見た気分になってしまう。プチクトゥルー神話的な感じだ。クトゥルー神話がどのような内容なんて分からないけど。大人はついこんなことを知っていると言いたくなるものなのさ。子供が知的ぶっているようにしか見えない恥ずかしさに顔を覆いたくなる。外に発信してないからいいけど。

「いやぁ、男子同士なんだから仲良くしようぜ」

 ボクがここにいなきゃいけない原因を作った篠ノ之が暑苦しいフレンドリー対応をしている。俺が親友と言ったら親友です、と思っているのかもしれない。ボクとしてはそっとしておいてくれると非情に助かる。なにせ、デュノアがチラチラとこっちを見てくるのが心地悪いのだ。篠ノ之と顔がほぼほぼ同じなだけに興味の視線を向けてくるのがつまらなくなる。興醒めだ。篠ノ之に誘われたことで興醒めだ。まず興味なかったけど興醒めだ。

「色々不便あるだろうけど、まぁ協力してやっていこう」

「ありがとう。一夏って優しいね」

 こうして考えてみると、名前が同じなのは色々不便だと思う。一夏って呼ばれて思わず反応してしまいそうになった。

 吐きだしそうになる不純物混じりの溜息。ボクの両隣を占拠している箒と鈴もつまらなそうに目の前のやりとりを眺めている。篠ノ之はオルコットの見た目だけサンドイッチの暗殺兵器を前にしてデュノアと会話することで先送り先送りしている。

「うーん。興味ないわね」

 両腕を組んでふんぞり返るようにデュノアを眺める鈴が呟く。どうやらデュノアを品定めしていたみたいだ。商品価値を見定めた結果は、眼鏡に適うものじゃなかったらしく、何故かボクの頭を撫で始める。ボクの頭頂部には変な成分でも出ているんじゃなかろうか。撫でられる分には問題ないから気にしないでおくが。

「……ッチ!!」

 何故かあからさまに舌打ちする箒。そしてボクの頭を撫で始める。その流れが分からない。

 昼休みであり昼食時であるから、ボクとしてご飯を食べたいところだけど、鈴と箒に頭を撫でられるままになっているために食事にありつけず。すぐ目の前に弁当箱が3つもあるというのに。あっちに並べられているオルコット自家製サンドイッチは要らないから。お腹減ってても要らないから。食べなきゃ死ぬ時でも要らないから。篠ノ之の、どうぞお食べになってくれ、という悪意の込められた視線に顔を背ける。幾らなんでも要らなすぎる。

「織斑。先に食べていいぜ」

 野郎、口に出して促しやがった。絶対に要らないのに。オルコットがこっちを睨みつけているのに何故気がつかない。それから、恨めしく篠ノ之のことを見ていることに何故気がつかない。

 しかし、篠ノ之のキラーパスは箒と鈴がばっさりとシャットダウンしてくれた。具体的に言うとついに待望の弁当箱の蓋を開けてくれた。今日の弁当持参者は鈴だ。箒は料理がからっきしなので弁当を持ってくることは絶対にない。一夏の料理が食べたいと思っているために料理の腕を一切磨かなかった、と清々しいこと言っていたので間違いない。言われた時はかなり嬉しくて張り切って弁当を作ってしまったのも間違いない。幸せそうな顔してから揚げを頬張る箒に癒された瞬間だった。

 鈴の用意した弁当は、よくある弁当だった。家庭的なメニューを詰め込んだ至ってシンプルな弁当。まさしく弁当という感じだ。変に凝った雰囲気は一切なく、日常の1コマを切り取って持ってきた内容だ。

「今日も自信作だからね」

 えへんと誇らし気に胸を張る鈴。箒が身体の一部分を見てクスクスと馬鹿にした笑みを浮かべれば、その顔面に鈴のパワフルな張り手が打ち込まれた。

 向かいに座るデュノアが「うわぁ〜、痛そう」と顔を真っ青にしていたけど、鈴がその程度の風に吹かれて悪びれることはない。

「馬鹿は放っておいて食べるわよ」

 鈴の好意によって作られた弁当を受け取っていざ実食、と思えば隣から卵焼きが運搬されてきてボクの口に放り込まれる。いと美味し。

「今日は甘めに作ってみたのよ。けっこう上手くいったと思わない?」

 甘い卵焼きは初めて食べたが上手い。鈴が軽快な箸使いで箒用の弁当か卵焼きを強奪して食べるほどに美味しい。元々鈴が作った弁当だから強奪には当てはまらないかもしれないけど。

「キサマぁ!! 卵焼きを食べるとは!!」

 顔面に張り手を受けてなお元気盛んな箒が自分の弁当と鈴の無慈悲な所業に絶叫する。大げさと言いたくなるけど食べ物の恨みは恐ろしいものであることを思い出した。食べ物を粗末にすると飢餓の呪いをかけられてしまうという例のアレだ。食べ物の恨みって主体は食べ物だったっけ。

「うっさいわね。ぶざまに寝てんのが悪いんでしょ。というか相変わらず防御力低すぎ」

「残念なことに一夏限定で発動するワンオフ・アビリティーだ」

「いつからセカンド・シフトしたのよ」

「……10年くらい前だな.あ、一夏。卵焼きを所望する」

「真面目に答えんな!!」

「はい。あ~ん」

「一夏も構わないの。こういうのはつけ上がるから」

「美味い。やはり一夏の卵焼きは格別だ」

「アタシのだっつうの!!」

 3人でわいわいがやがやとするのが楽しい。向かい合う篠ノ之がサンドイッチを食べて奇声をあげているが楽しいものは楽しい。

 

 

 

 午後の授業は滞りなく終了した。終了してくれないと困るから、滞りなくて何よりだったりする。

 放課後にもなると生徒たちは我先に教室から出ていってしまう。ドタドタと慌ただしく出ていくので、財布を忘れて更に慌ただしくならないか心配してみる。もちろん要らない心配であることは確かだ。諭吉さんの詰まった財布なんかが落ちていないかな。

 学年別トーナメントだ。IS学園恒例の暴力的な行事に魅せられた生徒たちが、血肉に飢えた獣のように凶器を振り回して血で血を洗う闘争に向けて準備しているということだ。ほぼ全部嘘だ。学年別トーナメントがあるので、向上心豊かな生徒たちが自己研鑽に努めているというのが半分くらい真実だ。もう残りの真実は、優勝した人が織斑一夏、篠ノ之一夏、シャルル・デュノアの誰かと付き合う権利を得ることができるという非合法的な人身売買するためだ。当事者の許可がないブラックなトーナメントと化している行事の中で、生徒たちの腹の中も大変ブラックなチョコレートみたくなっている。

 そんな中にあって、ボクは生徒たちの背中を見送る立場に徹している。つまり積極的な態度を持っていないということ。ISの練習なんて週に1回か2回くらいすれば良いのでは、と甘ったれている次第だ。真面目さんがいっぱいの中で不真面目な身分でいることが申し訳ない気もするけど、人は向き不向きがある。此度のことは不向きなことだと思えば仕方がないの一言で終わり。

 練習をしないでいると放課後が暇になる。やることがない。することを探すとなると千冬姉さんのために夕食を作ることくらいだ。頼まれたら1も2もなく喜んで実行するけど、今日は特に音沙汰ないので保留。

 目下問題なのは暇すぎて死にそうとか非現実的な未来予想のことではない。目の前に差し迫っている1つの危機についてだ。目を逸らしたくなる現実を前にして目を逸らせないが人間だ。ボクはそれを身を以て知った。どうすればいいのかも分からずに、ただ目を逸らしたら襲われると警鐘を鳴らしているだけで精一杯。

「……おい」

 ボーデヴィッヒがゆらりゆらりと近寄ってくる。手入れの行き届いていない銀髪が揺らめいている。眼帯の覆われていない真っ赤な眼球が真っ直ぐ睨みつけてくる。冷淡、冷血、冷静の冷たすぎる風がビュウビュウと吹き荒れている錯覚に、身体の芯から寒くなってブルっと震えてしまいそうになる。

「……何でございましょうか」

 刺激したくないので丁寧な言葉で対応してみる。と言っても丁寧な言葉遣いなんて分かりはしないので丁寧と思われる言葉で挑む。いざ、尋常に勝負は勘弁してください。

 暫く無言。見つめ合う男女。文章だけを見れば何か始まりそうな雰囲気だけど、映像を差し込んでもみても不思議と何か始まりそうな雰囲気だ。問題はその雰囲気は刃傷沙汰が漂っているということくらいか。

 背中が汗ばんできた。気持ち悪い。こんな時にこそ片頭痛の助けがいる。普段は全く要らないけど。要らないんだけど、今日この時この瞬間にのみ必要だ。

 後退りしたいのをグッと堪える。着席したままの格好で後退るにはどうすればいいのかも分からないことだし。

 沈黙の続く空間で、先に動きだしたのはボーデヴィッヒの方だった。IS学園が誇る清掃の行き届いた清潔な床に膝と両手をつけて頭を下げてくる。俗に言う土下座だ。日本の謝罪方法だ。一瞬、背中のキャノン砲か、大型ミサイルで攻撃するために射撃体勢に入ったのかと思ったのはボクだけの秘密だ。

「申し訳なかった!!」

 土下座の体勢で堂々たる謝罪を見せるボーデヴィッヒ。ピタリと頭を下げるのに合わせて長い銀髪が床にふぁさっと広がっている。さっきまで生徒たちが踏み荒らした床に、だ。別に他意はない。

 今考えなければいけないことは、ボーデヴィッヒの突然の謝罪に対するリアクションだ。頭が全然追いつけていないところで最善の応対をしなければ相手を不快にさせて要らぬ反感を買ってしまうことだろう。弾曰く、無理ゲーだ。

「ええと……何に対しての謝罪でしょうかー……なんて思ったりして」

 声が震えながらも言葉を投げかけてみる。サクッと終わらせればいいのに会話引き延ばしてどうするんだか。自分を叱りつけたくなった。

「朝、突然オマエを殴ってしまって本当に申し訳ない」

「あ……ええ!? ええと、そのーですね。別におかまいなくぞんじあげあげでごぜーますよ!?」

「……そうか。後半何を言っているか分からなかったが、謝罪を受け取ってもらえたと判断しよう」

 パニックで舌も回らないボクを尻目にすくっと立ち上がったボーデヴィッヒ。床に思い切り叩きつけたのか額が赤くなっていた。冷静な表情をしているせいで不覚にも笑いそうになってしまったが、それは命を投げ捨てる魔法の儀式になると思うので必死に我慢する。

「しかし、オマエの様な奴が織斑教官の守りたいモノだと言う。信じられんな」

 ジロジロと視線が這い回って来る。視姦されている気がしてならない。千冬姉さん、不肖ながらボクは穢されてしまったのかもしれません。いやん、バカヤローが。

「超信じてよ」

「ふん。教官は守るモノがあることが強さに繋がるとおっしゃっていたが、足を引っ張るだけにしか感じられない。尚更信じられないな」

「ううぅ……足を引っ張ってる自覚はあるけど、そこまでストレートに言われると傷つかずにいられないかな」

 鼻で笑われ顔を背けられてしまう。ボーデヴィッヒと千冬姉さんの関係について察することはできないけど、分かることはボクを快く思っていないということだ。関係ガクガクのギクシャク状態だ。

 ボーデヴィッヒの見下すような態度に頭が痛くなってくる。脳がボーデヴィッヒへの対応に耐え切れずオーバーヒートしてしまいそうだ。

「うぅ……ぐぅうう!?」

 嫌になって頭が痛くなったと思っていたら片頭痛がやってきた。頭の内側を鈍痛がゆっくりとやってくる。長く重い痛みがガガガアがががあががガガガが痛いたいたいああああい。

「……どうした!? おい、織斑一夏!!」

 ごろんと椅子から転げ落ちた。頭を抱えて蹲っても痛いのが全く収まってくれない。頭蓋骨を突き破ってしまいそうな鈍痛に頭を抑え込んで耐えても痛い痛い痛い痛い。

「くそ!? どうしたというのだ。しっかりしろ!! 何か……薬か何か持っているか」

 温かい何かが身体を這い回る。

「これか。薬だな。顔上げろ。口開け」

 鈍痛が激痛に変わる最中で、ボクの口内に何かが入れられ、続けざまに水が流し込まれた。それが薬だと分かった瞬間に、痛みに耐えきれずボクは意識を手放した。

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