けんぷファーt!   作:nick

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遅くなりました。

加筆・修正しつつ、自分のスケジュールとかを考えるとこの『t!』の更新は遅くなりそうです。


それでも一ヶ月に一回は必ず投稿したいな


第1話 始まりの朝

ハサミで内臓を切ったあとハラキリトラが元に戻せとうるさかったので、瞬間接着剤で適当に張り付けておいた。机にくっつかないか少し心配だ

 

 

「遅刻確定だな…」

 

 

もう走っても一時間目の授業に間に合うかどうか正直微妙な時間だ。

とりあえず腹が減ったので途中のコンビニでおにぎりを買った。食いながら行こうかと考えながら歩いていると。

 

「きゃっ!」

「うおっ!」

 

曲がり角で誰かとぶつかりかけた。

 

誰だ、個人的には食パンをくわえた美少女を希望する

それとも俺がくわえてた方がよかったか?おにぎりになるけど

 

 

「ご・ごめんなさい。よそ見をしてて……って、ナツルさん?」

「って、誰かと思えば沙倉か」

 

 

沙倉(さくら)(かえで)、中学の頃からの同級生だ。

さわやかな表情に栗色のつややかな髪。若干低めの身長とナイスボディの持ち主だ。

容姿が気になる人は漫画版『けんぷファー』をチェックしよう!

……何を考えてるんだ俺は

 

 

 

「誰かと思えばはひどいですよ~」

 

頬をフグみたいに膨らませ上目づかいで不機嫌そうに睨んでくる沙倉。こういうところは素直にかわいいと思う。

学校でも五本の指に入る美少女というのもうなずけるな

 

 

「ごめん」ふくらんだ左右の頬を両指で押しつぶしながら謝る。

 

 

「いいですよ、私も知っている人でほっとしましたから」

沙倉は照れ隠しするように笑う。

 

 

 

恋人でもない男に頬を触られたというのにいやな顔ひとつしない。こいつの性格のよさはトップクラスだ。校内男子生徒の人気が高い訳だ。

 

ギャルゲーのヒロインみたいな感じで告白してくんないかな

 

 

「一緒に学校まで行きませんか?どうせもう遅刻ですから」

「俺に言ってる?」

「ほかに誰かいるんですか?」

「さっきから足のない半透明の人が…」

そう言って意味深な顔をしながら近くの電柱を指差す。

 

 

 

まあいないんだけどね。

 

 

 

「えぇっ!!」

慌てて電柱から距離を取る沙倉。

 

その必死さにちょっとだけワロス。ホントにちょっとだけよ?ホント

 

おもっきし顔には出たけど

 

 

「冗談だよ、一緒に行こうぜ」

「もお~、やめてくださいよそういう冗談。苦手なの知ってるでしょ?」

「そうだっけ?」

「む~~~、ふんだっ」

 

 

またしても頬をふくらませ、少し怒ったような顔をして拗ねてしまった。しかも今度はそっぽまで向くおまけ付きだ。

 

そのまま一人で歩いていくが、すぐに追いついて隣にならんで歩く。でも彼女はそっぽを向いたまま。

 

 

きっとこういうかわいいところを見たいがために俺はいじわるをするんだろう

 

 

「あっそうだ。わたしがあげたぬいぐるみ、どうですか?」

 

沙倉は急に視線を戻して話しかけてくる。

いきなり話題が変わったな。しかも今の俺にはあまりしてほしくない話題に

 

 

「あぁ…あれか。机の上に飾ってある」

 

いきなり喋ったうえに人を馬鹿にしたからハサミで切った。などと口が裂けても言えんので多少濁す。

つーか帰ったらどうしようかなアレ

 

 

「わたしあのシリーズ大好きなんですよ。たくさんたまっちゃって、でも捨てたくないから里子に出してるんです。かわいいですよね?」

 

同意を求めるな。夜中に目を覚ましてあれを見たら恐怖で眠れなくなったんだぞ

 

 

 

俺の心中(トラウマ?)も知らないで沙倉は臓物アニマルシリーズ(内臓がことごとくはみ出しているというイカレタぬいぐるみ)の魅力について熱く語り続ける。

 

もう俺一人で先に行ってもいいかな?

 

 

流石にこいつ相手にそういう行動に出るわけにもいかず、適当に「ああ」とか「そうなんだ」的に相槌を打っていくと、

 

「大事にされてるみたいでよかった…」

 

心底安心したように無邪気に微笑む彼女。心臓付近がえぐられるように痛い……!

 

 

「ところで…それ、ブレスレットですか?」

 

右腕にはまっている腕輪のことだろう。また唐突に話題が変わったな。しかもこっちもできれば触れてほしくなかった。

 

 

「あぁ、よくはわからんが、たぶん腕輪だろう」

「どこのブランドなんですか?」

「わかんね、ケンプファー?」

 

ドイツのブランド?と言いながら腕輪を注目してくるので,俺もなんとなく眺めることにした。

 

俺にとってこれは腕輪じゃなく手錠だな。しかも相当たちの悪い

 

などと思っていると

 

 

「あら,光ってる」

 

沙倉の言う通りいきなり発光し始めた。それも一定の間隔で点いたり消えたりしている。

 

 

なんだ?もしかして体力が無くなり掛けてんのか?だとしたらやばい、今すぐコインを手に入れなくては

 

 

俺が立方体のブロックを探しに走り出そうとした瞬間

 

いきなり銃口を突き出された。

 

 

「………は?」

どうやら俺は困惑すると「は?」と言うようだ。どうでもいいか

 

 

「なんだあ、女とくっちゃべってるおめえがあたしの敵なのか?」

 

銃の持ち主は女だった。すげぇダミ声。

背丈は俺より少しだけ低く、口調はひどい。肌は白くてスタイルがいい,容姿はまあ「綺麗」と言えるだろう。しかし目つきが鋭くヤクザのようだ。

 

「こんな眠そうな、なよっとしたヤツが敵とはつまんねぇ話だな。男だとは聞いてなかったが、おめえはこれで最後ってこった」

 

女はうんざりとした顔つきで、引き金を引こうとしていた。

 

 

こめかみに銃を突きつけられて、慌てた様子で両手をあげる。(自分のことなのにずいぶんと他人行儀だな)

 

「まっまってくれ、助けてくれっ! 俺には10を頭(かしら)に20の子供が腹を空かして待っているんだ!」

「計算があわねーぞ」女は銃を突き付けたまま眉間にシワをよせる

 

「あーあれだよアレ。6つ子8つ子が何組かいるんだよ」

「…テメエ高校生だろうが、物理的に無理だろ」

「じゃ養子ってことで」

「あのナツルさん…成人もしていないのに養子縁組は無理ですよ…?」

 

心配そうな顔して、恐る恐る沙倉が話し掛けてくる。流石に俺だってそれくらい知っとるわい

 

 

つーか思い付きで言った言葉なのに、なんでこうまで掘り下げられてんだ?100%嘘なんだから適当なところで切り上げてくれよ

 

思わずため息。ああ…さわやかなはずの朝が濁っていく……

 

 

「白昼堂々と路上強盗なんて…日本も物騒になったもんだ」

 

総理は何やってんだよ。

 

 

「馬鹿言うな、こんな美しい強盗がいるか」

「自分で自分を美しいって言うヤツはろくなもんじゃねー」

 

 

実際、銃突きつけているもんな。しかし何で俺こんなに冷静なの?

 

 

「この状況で減らず口たたくたぁいい度胸だ」少々頭にきたのか眉尻がピクピクとしている。

 

「まるっきり悪役の台詞だな」

「死ねっ!」

 

ガキンッ!と撃鉄が落ちるよりも速く体が勝手に動いた。というよりも腕輪に引っ張られた

 

後ろのほうでブロック塀に勢いよくなにかが中る音がしたが、腕輪はお構いなしに激しく明減を繰り返しながら俺を引っ張る。

 

 

「まちやがれっ!」

 

ヤクザな女が猛犬のように追いかけてきた。

腕輪は角を一つ曲がると点滅から常時発光になり、青白い光が身体全体を包みこむ。

 

光が消えた後俺は女になっていたが、ある程度予測していたのでそのまま走った。

 

 

「はっ……ははははっ!」

 

後ろから超愉快そうな馬鹿笑いが聞こえてくる。やっぱついて来たか

 

 

「こりゃあいい!やっぱおめえもケンプファーだったか!」

 

 

ケンプファーのことを知ってるってことはあっちもそうなんだろうが、武器はどう入手したんだろう

 

俺は後ろから聞こえるヤクザの声を無視して次の角を曲がった。

 

 

そしてすぐに壁に背をつけて、同じく角を曲がってきた女を足でこかす。

 

 

「うおぉっ!?」

 

 

運動神経がいいのだろう。たたらを踏んで地面に倒れるのを防いだ。

が、それぐらいの隙があれば十分だ。

 

 

「オラァ!」

 

すかさず俺は相手の上に跨るようにのしかかり、両足をガッチリとフック。最後に両腕を決めるように掴んで捻り上げる!!

 

 

「パロスペシャル!!」

「なっ・何ィ!?」

 

 

フッ…流石俺。全然練習してないのに完璧に決まったな

 

 

思えばこれが初めて親父にかけた関節技だった(どういう流れでやる羽目になったかは覚えていない)

 

 

「セイウチンよ!おまえが再び正義超人として胸を張って歩むためにもこの制裁を受けるのだーーッッ!」

「誰がセイウチンだ!!」

 

ノリがワリーなー。まあいいや

 

 

「ところでなんで俺と戦おうとしたんだ?」

「知らねえのか。ケンプファーの敵はケンプファーなんだよっ!」

 

初耳だよ。あの粗悪品、肝心なことなにも教えてねぇーじゃん。帰ったら覚えとけよ

 

 

仕置きのメニューを考えてたが、ふといやな予感がしたので相手に注意を戻したら銃口がこっちを向いていた。やべぇ

 

 

「死ねッ!」

「生きますっ」

 

 

発砲される前に技をといて距離を取る。

チッ…しくったぜ。早めに腕を折っとくべきだった

 

 

「さっきからふざけやがって…。ぶっ殺してやる!」

「女の子がそういうこと言うもんじゃないよ」

 

 

銃口を向けられてとりあえずガードを固めてみる。

撃たれたら意味ないだろうけど…ほらあれだ、気持ちの問題ってやつだよ

 

自分自身に言い訳をしていると、女はなぜかハッとした顔になって俺を、正確には俺の右腕の腕輪を見ていた。

 

 

「……ちっ」

 

舌打ちされた。すこぶる不愉快

 

「つまんねえの」

 

 

そう言って女が右腕を振ると、拳銃はかき消すようになくなる。どうやったんだ?

 

聞いてみたかったが、女はさっさと身をひるがえしてその場から走り去っていく。

 

 

本当になんで襲われたんだ俺

 

 

「…あの…」

 

後ろから声をかけられたので振り返ると、いつのまにか沙倉が。まだこの辺にいたのか

 

「…………」

 

 

なんて声をかければいいのかわからなかったのでとりあえずにっこり微笑んで

 

「あなたはわたしに会わなかった…いいわね?」

 

返答を待たずに全力ダッシュ。

 

 

 

なに言ってんだ俺は。鷹野かっつーの




原作のメインヒロイン。登場

でも名前は名乗ってない
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