けんぷファーt!   作:nick

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ユニークとかいらないくらいチートと前に言ったな…

誰もやらないとは言ってない。




第55話 ナンバー王

ガヤガヤガヤガヤ…

 

正門前にまでやって来ると、道のあちこちから大声から囁きまで大小様々な騒音が聞こえてくる。

 

「賑やかだなぁ」

 

見たところ正門に近づくほど人と屋台の割合が多くなっている。

 

「そりゃ街の玄関ですからね。人の出入りが一番多いのは当然ですよ」

「まぁそうか」

 

人が多けりゃそれに合わせて屋台なんかの店も増えるよな。

 

「どうでもいいけど大通り出たら武器が見えなくなったな」

「そういやそうだな」

 

約3日ぶりの自分の手を見ながらなんとなしに呟く。

 

ステータス開けば装備してるのは確認できるから、紛失したわけじゃないみたいだ。というか紅音気づいてなかったのか。

 

「武器の類いは、街中だと一部の場所でしか表示されないんですよ。さっきの裏口とか」

「へえ、そうなのか」

 

まあ確かに、PKする奴が剣とか持って街歩いてるかもしれないとか思うと心が休まらないしな。

 

それならいっそ見えない方がいいか。

 

 

「あっ!アイス売ってるよ善!ししゃもあるかな?」

「そうだな」

「まてやこら」走り出そうとした玲ちゃんの襟首を掴んで止める。

 

結構重要っぽいこと話してたのに全く気にした様子がない。君らほんとマイペースだね。

 

 

「ふみっ、ナツルくん?」

「これ以上脱線したら話が進まんだろ。あとにしろ」

いい加減休みたいんだよ疲れたから。

 

「袋、手続きはどこでするんだ」

「あ、はい。あっちです」

 

紅音が促し、袋が指差す方向へと向かう。

 

なにごともなければいいけど。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

「身分証の提示を」

 

正門横にある役員詰所?みたいなところに行くと、そこにいたこの街の兵士らしき男にそう言われた。

 

重要度の高い施設の入場ゲートみたいだ。行ったことないけど。

 

 

「あー…悪いが、身分を証明するような物は持ってないんだが…」

「なに?…お前ら今街の大通りからやって来なかったか?」

兵士の方が怪訝な表情をされる。

 

 

ですよねー。いや俺もどうかと思ったんですよ。堂々と大通り突っ切って来ちゃってよかったのかな〜って。

 

普通に考えたらおかしいよねー、そんなのが身分証持ってないって。

 

書類に集中してたみたいだから誤魔化せるかと思ってたけど無理でしたよーあははははー。

 

 

あとで袋叩きだな。

 

 

どうしようか本気で悩んでいると、目の前の兵士さんがハーッとため息をついて、

 

「またか。まったく、隊士の連中はどうやって街に入ってきてるんだ?」

「…また?」

「ああ、その服を見るに、おたくらもサムライ隊士だろ?最近多いんだよな。すでに街の中にいるにもかかわらず身分を証明できるものを持ってない入街申請者」

 

そう言いながらも兵士さんはカウンター下からなにかの用紙を5枚取り出し、こちらに差し出す。

 

「ほら、こいつに必要事項を記入してあっちの建物に持って行きな。そっちのデカイ鳥は…嬢ちゃんが主か?なら従魔手続きも頼む」

「あ、俺は身分証持ってるから」

 

袋が虚空からカードのようなものを取り出し、兵士さんに差し出す。

 

俺が先頭だったからつい対応しちまったけど初めからおまえが対応せえや。

 

「それなら、申請が必要なのはお前さんら四人だな。ああ、あと街に入る際には税金がかかるから、書類を出す時にでも支払ってくれ」

「おいくらほど?」

「一人3000エンだ。高いだなんだと言う奴もいるが、外でモンスターに襲われる危険を考えれば安いもんだろ?」

 

そう言われれば確かに安い。安いんだが…

 

単位が円だと世界観ぶち壊しだな。

ていうか兵士さん、そんなあっさり通していいの?俺ら街中から来たんだよ?不法入所者だよ?捕縛の理由としては十分だよ?

 

「…ん?なんだ、なにか言いたそうだが」

「なにか書くもん貸してくれますか」

「ああ、すまんな。うっかりしてた」

 

都合がいいから口にはしないが仕事は真面目にやった方がいいと思うよ?

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

「すいません、これお願いします」

「はい。入街申請ですね」

 

兵士さんから受け取った用紙に必要事項―――名前・種族・年齢・使用する武器等―――を書き込んで、指定された建物にいる職員に渡す。

 

ちなみに職員は女で、側頭部の両側にダックスフンドのような犬耳が生えていた。

種族を提示する欄があるから変には思ったが、この世界にはケモノ耳っ子…所謂獣人がいるらしい。

 

現代っ子として…男として普通ならテンションが上がるんだろうが、善はアレだし俺は猫派なので特に何事もなく手続きを進めてもらう。

 

むしろ女性陣二人の方が興奮してるようだ。

…いや、玲ちゃんはなんか…そわそわはしてるけど紅音とは様子が違うな、なにか我慢でもしてるみたいだ。

 

ああ、ちなみに袋はというと―――

 

「…はい、登録は無事完了しました。こちらが立入許可証となります」

『>他プレイヤーからパーティ申請が届いています。許可しますか? Yes/No』

 

紐付きで首からぶら下げられるタイプの許可証を受け取ろうと手を伸ばした瞬間、システムウインドウが行く手を阻んだ。

 

しかし慌てず焦らず、冷静に"No"をタップして税金を払いカードを受け取る。

 

『>申請は却下されました』

「ちっ」

 

こんな感じで隙あらばパーティ申請を飛ばしてくる。

 

「いい加減諦めろよ。俺はお前とパーティを組む気はないんだから」

「いやいやいやいや!諦める訳ないじゃないですか!?」

『>他プレイヤーからパーティ申請が届いています。許可しますか? Yes/No』

 

"No"

 

「俺以外の奴とやればいいじゃねえか。なんで一点に絞るんだよ」

「パーティリーダーに受理してもらえれば自動的に他のメンバーともパーティが組まれるからですよ!」

 

なら鳥に送れよ。あいつがこのパーティのリーダーだ。

 

「…あ、そうだ。従魔登録するから鳥に名前つけなきゃ」

 

名前欄に『鳥』って書いたら苦笑いされながら却下されたからな。流石にダメか。

 

真正面から鳥の目を見つめる。

 

名前…名前名前名前……名前か……

 

「チョk「それはやめろ」」

 

紅音に食い気味に却下された。

 

「じゃあココp「それもダメぇぇぇぇ!!」」

『>他プレイヤーからパーティ申請が届いています。許可しますか? Yes/No』

 

今度は袋に被せられた。袋のくせに。

 

返事は"No"、だ。

いい加減うざったいな。着信拒否設定とかオプションにねえかな。

 

 

「…困ったな。他に候補がない」

「ヤバイのしかねえのかてめえは!」

 

僕センスないから。

 

「えっと…あのっ」

 

玲ちゃんがおずおずと手を挙げる。

 

「ルナ…っていうのは、どう…かな?」

「ルナ…ですか?」

「広島カープの野球選手か」

「たしか月って意味だよな」

「うん。この子の羽根、お月さまみたいな色をしてるから」

 

 

無視された!!

 

 

「確かに純粋な黄色というより、黄色と金色の間みたいな羽根してますね」

「月は月でも満月だろ、体型的に」

 

無視っていうかみんな聞いてなかったみたいなリアクション!?泣くぞ流石に!

 

「ナツルくん、どうかな…?」

 

玲ちゃんが自身なさげに眉間に若干皺を作りながら訊ねる。

 

こっちの言葉は聞かないくせに、意見は訊くのね。

 

「…別にいいんじゃねぇの?そもそもパートナーは玲ちゃんだし。鳥もまんざらじゃないみたいだし」

クルルルルッ!

 

上機嫌を体現するかのように両方の翼を頭上に高らかに挙げる。

その様子に職員さんはクスリと微笑みながら、

 

「それでは、そちらのお名前は『ルナ』でよろしいですか?」

「ああ、問題ないっす」

「かしこまりました。……はい、それではこちらが従魔であることを証明する証の首飾りです」

 

そう言って差し出されるのは、紫色で光沢がある丸い石に紐が通ったもの。

 

受け取るとすぐに玲ちゃんに手渡し、ルナに付けてやるよう指示する。いやほら、彼女が主だし。

 

 

「従魔がなにか問題を起こした場合、所有主が罰せられますのでご注意ください」

「はい」

「それとその許可証は冒険者ギルドに持っていけば、すぐにギルドカードとして登録してもらえます。ギルドカードは身分証の代わりになりますし、一部公共施設の割引や街に入る際の税金も免除されますので便利ですよ」

「その情報はありがたいんですが、言っちゃっていいんですか?」

「規則ですから。それにお連れの方もお持ちですし」

「え?」

 

 

オー、1・more。

 

 

振り返れば袋が明後日の方角に顔を背けており、メンバー全員がその後頭部を見ていた。

 

 

総攻撃、チャーンス。

 

 

「皆さんワイナには初めてですよね?初めて来た方には記念メダルをお渡ししているんですよ」

 

不穏な空気を察したのか、ボコスカに入る直前職員の女性に話しかけられた。

 

「お一人様一枚づつ、お受け取りください」

 

『> 幸運のメダル を手に入れました』

 

掌に乗せて差し出された500円玉サイズのメダルを手に取った瞬間、頭の中にシステムメッセージが届いた。

 

モンスターがドロップした素材手に入れた時にも聞いたことあるから驚きはしなかったが、正直邪魔なんだよなこれ。設定で消せないかな。

 

 

「これってなんか使い道あんのか?」

紅音が袋に問いかける。

 

「街の中央広場で使えますよ。早速行きましょう」

 

その前になにか言うべきことはないのかな?

 

「案内しますね、こっちです」

 

気づいているのかいないのか、袋は足早に街の中心部に向けて歩き出す。

 

…いや、あれは確実に気づいてるな。居心地がとても悪そうに挙動が不審だ。

 

まあ今はほっといてやろう…ずた袋にするのは決定事項だからな。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

先ほど来た大通りを、今度は袋を先頭にして逆方向に歩く。

 

やがて善と玲ちゃんに出会った裏路地に差し掛かり、そこを通り過ぎる。

 

 

「…なんか急に同業者が増えたな」

 

路地を境目に、徐々にだが確実に自分達と同じ格好した人間があちこちに見られるようになった。

 

「みんな、お揃いだね!」

「ああ、そうだな」

「君らもね」俺もだけど。

 

なにこれなんなのこれ。俺は仕方なく着てるんだけど、お前らそんなに気に入ったのか。

 

「この辺りは主要な施設が多いんですよ。プレイヤーが密集してるのはそのせいでしょう」

「主要…武器屋とかか?」

「そうです。でもやっぱり、一番の目的はアレでしょうね」

 

そう言って袋が指差す先には、街の中央と思われる広場。

そしてその広場の真ん中で、これでもかと存在感を主張している物体が一つ。

 

 

胴体とも言える本体部分には、500円玉サイズのものを入れられるコイン投入口と摘んで回すタイプのレバー。それと何かを取り出すポケットが付いている。

 

その上に半透明なガラスを4面に貼り合わせて形付けられた"箱"のような頭?が取り付けられている。

 

 

どう見てもガチャポンだった。

 

…ガチャポンだ。

 

「ガチャポンじゃねぇぇかぁぁぁ!!」

「制式名称はカプセルトイだぞ」

紅音さん詳しいっすね。

「俺に当たらないでくださいよ!?」

 

胸倉を掴まれて、そのままつり上げられた袋が抗議の声を上げる。他に誰に当たれってんだ。

 

「なにが悲しゅうて仮想空間(こんなとこ)でソーシャルゲームのマネごとしなきゃならんのだ!課金ガチャか!」

「一回10000エンです」

 

騒いでる最中にオタクっぽい風貌の男が、『10連なら必ず…』とかぶつぶつ呟きながら近くを通った。

しかもそのまま迷わずガチャポンを回し始め―――今十万使いやがったぞアイツ!?

 

「どうなんだアレ」

「…気持ちは分かりますけどね」

 

「うわああああああああ!!」

 

全てのガチャを回し終えてすぐに、男が絶叫してうずくまる。きっとろくなものがなかったんだろう。

 

「あ、幸運のメダル使って回すと必ずレアなスキルが出るみたいなんで心配しないでいいですよ」

「初回入会特典かよ…」

 

ますますもってソーシャルゲームっぽくなってきたな。中世みたいな街中に置いてあるガチャポンって世界観…テイルズでもあったからいっか。

 

「まあ貰えるんならなんでもいっか。早速引いてみようぜ」

「待ちたまえ!」

 

仲間メンバー(+1)に促したところで、背後から男の大声がした。

 

「見たところ君たちは今日この街に来たばかりだな?ならば幸運のメダルを持っているはず。僕は必ずこのゲームを攻略し、みんなを元の世界に戻してみせる!!だからお願いだ、僕を信じてそのメダルを譲ってほしい!」

「誰から引く?」

「聞けぃ!!」

 

だが断る。

 

「集団で引いたからって確率変わんねえんだろ?」

「そういうのは聞いたことないですね」

「…………」

「ハイ!わたし、一番最初に引いてみたいです!」

 

俺だけじゃなく全員がハナから聞こえなかったかのように無視する。

わかるよ、みんなの心が一つになってるの…

 

「無視をするな!いいからメダルを僕に――」

 

 

パァンッ!!

 

 

いきなり肩を掴まれ、強引に背後に引っ張られた。

 

その反動を利用し、後ろに振り返ると同時に引っ張ってきた男に向けてねこだまし。

男の意識の波長に合わせて、脳に音波の強い山をぶつける。

 

 

――ドサッ

 

 

男は白目を向いて倒れた。

 

見よう見まねの思いつきでやってみたんだが、上手くいったな。

そう思いながら気絶した男から金目のものを奪っていく。アイテムから装備品まで。

 

「ナツルさんあんた…鬼ですか」

「悪魔と言われたことならある」

 

頭が青い悪魔ってんで、ブルデビなんてあだ名が確か付けられてた。

沢村のマネして笑いながらスクリューブロー連打しまくったからかな。

 

「武器は取れねぇんだな」

「それ外したらなんにもできないでしょ。ほんと容赦ないっすねあんた」

新米ルーキーにたかる奴に情けなんていらんだろ。

 

「ナツルくーん!」

 

未練がましく装備されている剣を引っ張っていると、玲ちゃんが善とルナを引き連れて近づいてくる。

 

「無事にスキルを手に入れたぞ」

「おー、そうか」

 

 

俺抜きで?

サブリーダーほっぽいてそういうイベント勝手に進めるのってどうかと思うんだけど。心が離れていくのを感じる。

 

 

「どんなスキルを手に入れたんだ?」

「"瞬間回復"ですっ」

「私は"未来視"だ」

 

なんか二人とも凄そうだ。

 

「超レアスキルじゃないですか、どっちも所得方法が謎なんですよ」

「つーか善くん自分で使ったんだ。てっきり玲ちゃんに二回引かせるのかと思ってたんだが」

「初めはそうしようとしたのだが、玲に止められた」

「まあ一人に集中させるのは効率悪いから、二人に一つづつスキル持っててもらった方がいいとは俺も思う」

 

なんでも出来るのは確かに得だが、複数人集まってのパーティプレイの場合ワンマンチームにしかならんからな。

そのなんでも出来る奴一人が倒れたらパーティが瓦解する。

 

俺?俺は戦闘オンリーの一点特化だ。

 

「そういや袋も前にガチャ引いたんだろ?なんてスキル出たんだ?」

「……空間魔法…」

 

チートの代表じゃないですか。

 

「お前…そんなすごいの持ってたら簡単に逃げれただろうに…、なんで今の地位に甘んじてるんだよ」

「使うのかなり難しいんですよ。上手くイメージできないっていうか…アイテムボックス代わりが精一杯です」

 

今まで使ってたのって空間魔法だったのか。

イメージが貧困で助かったな。瞬間移動とか使われてたら最初の襲撃の時点でやられてたぞ。

 

「次は紅音か…」視線を移すと、ちょうど引き終わったらしく戻ってきたところだった。

 

「おかえり。いいスキルは手に入ったか?」

「てめえに報告する義務はねえだろ」

そりゃねーぜセニョリータ。

 

「義務は無くても必要はあるんだよ。土壇場で明かされても対応に困る。きりきり喋れ」

「ちっ、MP攻撃加算だよ」

 

MP攻撃加算?

 

MP使って攻撃力上げるってことか?ドラ○エの理力の杖みたいに?

 

「二番煎じ感が半端ねえ上にお前のステータスだとお粗末にもほどがあるな」

「てめえの頭ほどじゃねえよ!!」

「ぐぉッ!?」

 

また殴られた。

しかも右眼を狙って。地味にHP減ったし。

 

思わず打たれた目を押さえて蹲る。

 

「あっ、紅音ちゃん!ダメだよケンカしちゃっ!」

「ちゃん付けすんな!」

 

追撃を入れようとする紅音を玲ちゃんが慌てて抑える。

 

…なんか新鮮だ。

こうやって暴力受けた時、止めに入ってくれる奴いなかったからな。

 

「…玲ちゃん、離れてくれ。これは喧嘩じゃないよ」

 

押さえる手を離し、2・3度軽く頭を振って立ち上がる。

 

「…そうなの?」

「ああ。そもそもこんなくだらないことで一々喧嘩なんてするわけないだろ?」

 

その言葉に安心したのか、ほっとした様子で笑顔になって紅音から離れる。

 

そう、これは断じて喧嘩ではない。

これは―――

 

 

「決闘、だ」

「ふぇっ!?」「決闘!?」

「面白え、相手になってやるぜナツル」

「やる気満々!?なんで!?」

「俺たちは、戦うことを強いられているんだ」

「意味分かんないですよ!」

 

考えるな、感じるのだ。

 

 

「瀬能、君は引かなくていいのか?」

 

お互いに戦闘態勢に入ろうとした瞬間、善くんがガチャポンを指差し尋ねてきた。

 

……そういや俺だけまだやってなかったな。

 

「メダル持っててもバカが寄ってくるだけだし、さっさと使っちまうか」

「おーおー、回せ回せ。回して思いっきり変なてめえにお似合いのネタスキル引いてみせろ」

 

別にそれでもいいけど。

 

 

 

「(善、善っ、ナイスだよ!)」

「? なにがだ、玲」

「(もうちょっとで警備兵が来るところでしたよ…)」

 

 

 

ガラガラ…ポンっ。

 

 

 

…意外と普通に出てきたな。

いやまあ、駄菓子屋の店先に並んでそうなやつから過度な演出されても困るんだが。

 

ガチャポンの投下口から出てきたのは、カードのようなものが中に入っている丸いカプセル。

 

 

ああ、言い忘れたがこの世界。こういった感じで得られるスキルは全てカード状になっているらしい。

そのカードを使用することで、その使用者のスキル欄に新しくスキルが追加され、使うことができるようになるとか。

 

正直詳しい理屈とかさっぱり分からん。なんでカード使うだけでスキル覚えるんだとか、どうやってスキルカード作られてんだとか。

 

ツッコミどころ満載だが面倒だからいいや。

 

 

「さてなにが出たのやら…」

早速カプセルを開けて中身を確認してみる。

 

野球ボールよりも小さいカプセルからトランプサイズのカードが、折り目も無しに出てくるってのもおかしな話だよな。

まあゲームの世界だしいっか。カードに書かれていたのは…

 

操影術(そうえいじゅつ)?」なにやらキワモノ臭がするスキル名だな。

 

「名前からして影を操るんだろうってのはなんとなく分かるが、どうなんだコレ?」

「超・超レアスキルですよ、ナツルさん運いいんですね」

作者のリアルラックはカスなのにね。(ほっとけや!!)

 

 

「…ただこれ多分、使うの無茶苦茶難しいですよ」

 

そうなん?

 

「他の三人のスキルは、発動すれば長くても数秒で終了します。でもこういう操る系のスキルは、任意で動かせるタイプです。俺の空間魔法みたいに現実で全く使わない…ていうか使えないものを操るわけですから、どうしてもイメージがし辛いんですよね」

 

袋はそう言いながら不甲斐なさそうに苦笑する。

 

説明も理屈もよく分かったんだが、(こいつ)が使いこなせないって言うと、意外と簡単そうって思えるのはなんでだろう。

 

「でもタンスの肥やしにするわけにもいかんだろう。もったいない」

「スキルカードのままなら店で売れますよ。超レアスキルだからきっと高値で買い取ってもらえるはずです」

 

そうなん?(二回目)

 

技術(スキル)を売り買いするってのも、なんか変な話だな」

「テレビ番組とかで技術力を紹介するのもある意味売買ですよ」

 

なんかすげえ納得した。

和風○本家とかそんな感じだよな。

 

「で、どうします?それ売って店で別の買うのもありかと思いますけど」

「んーそうだなぁ…いややっぱり使おう」

 

ウインドウを開いて項目をタップ。次に出てきた『スキルカード"操影術"を使用してスキルを習得します。よろしいですか?』の問いに"Yes"で答える。

 

『スキル"操影術"を覚えました』の文言を確認してウインドウを閉じると、周囲から落胆したような気配がする。

 

あのまま使わずに持ってたら確実にいざこざが起きてたな。

 

売ったところで、大金持ってるって知れたらなにをされたか分からん。

 

 




■わかるよ、みんなの心が一つになってるの…
 ペルソナ4、雪子の総攻撃チャンスのセリフ。

■沢村
 沢村竜平。はじめの一歩のキャラクター。

・クラップスタナー
 暗殺教室。渚君がよく使う猫だましのアレ。

くどいようだがナツルは(この時点では)スキルを持っていないので、これも通常攻撃。たとえ麻痺と気絶の状態異常を起こせても通常攻撃。

・瞬間回復
 対象一体のHPと状態異常を瞬時に回復する。(MP非消費)(クールタイム:使用後1分)

・未来視
 未来の光景を見る事ができる。スキルのレベルに応じて見たい時間を選択可能。(使用時間1秒につきMP1消費)(クールタイムなし)

・空間魔法
 MPを消費して空間を操る。スキルのレベルに応じてできる事が増える。(クールタイムなし)

・MP攻撃加算
 MPを消費して自身の攻撃力にプラスすることができる。消費するMPは任意で設定可能(クールタイムなし)

・操影術
 MPを消費して影を操る。スキルのレベルに応じてできる事が増える。(クールタイムなし)


トロフィー獲得!

(銅):ラッキー!
(銅):神ドロー
(銅):今日は動くぞ
(銅):外道勇者


新年初投稿。お年玉代わりってわけではない。

次回はギルドに行きます。テンプレだと絡まれるんだけど今更感があるな…なんとかひねったネタを使いたい。



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