同時に原作でいう1巻部分が終了。いやー長かった。
「東田、女子部に潜り込む方法を教えてくれ」
「ちょっ、なんだいきなり」
交渉ごとで一番大切なことは先にペースを握ることだ。こちらの方が優位に立つために、早い段階で主導権を握る。
まず相手を混乱させるなどして、向こうに不利な状況を作るのがいいだろう。時間がないならなおさらだ
「この前言ってただろ、ほら非合法部活動の…」
「声が大きいって!」
東田は少し声を潜めながら怒鳴った。矛盾してるよね。
「ついでに生徒会長のことについても聞きたい」
「お前なんでそう次から次へと…」
時間がないんだよ。遅くなるほどこっちが不利になる。
「会長のこともそうだが、潜入も…今日は他の予約が……」
「お前好みの性格のきっつい美少女を紹介してやる」
「なんとかやってみよう」
即答だった。
馬鹿は嫌いじゃない、扱いやすいから
それにするのは紹介だけだし
☆ ★ ☆
その後、東田が連絡して女子部側の潜入口を開けてもらった。
詳しい説明は省くが一つ言えるのは、東田の評価が今日付けで少しウザい知り合いからとてつもなくウザくてキモい変態にかわった。
紅音は図書室から女子部に戻ったが、俺は狭くてジメジメするトンネルを移動中だ。
…これで行けなかったら東田は殺そう。そう決意し、泥がついた手をはたきながら進む。ケンプファー状態になれりゃこんな苦労しなくてすんだんだがな
そうこうしているうちにトンネルが終わり、壁から光が漏れてるのが見えた。
チッ…嘘じゃなかったか
とにかく、いつまでもこんなとこにいたくないので、女子部側の縦穴から地上へ出た。
「どうも〜わたしが女子部側の委員、西乃ますみでーす」
思わず縦穴の中に戻った。悪い夢なら覚めてくれ……!
☆ ★ ☆
少し遅れて紅音と合流。彼女はやはり俺と似たようなリアクションをした。
「(なんでますみがここにいるんだ)」
「(女子部側の委員だとよ)」
「(たちの悪いジョークだな。どうする?)」
そうだな…女相手に手荒なまねする訳にも……
「ここは男子禁制の花園かひゅっ!」
とりあえず前を歩いていたますみを、首筋に手刀をいれて気絶させた。
「てめぇ…鬼か」紅音が多少顔を引きつらせて
鬼?いいえ悪魔です。嘘だけど。
「時間がねぇんだ。部外者は引っ込んでもらった方がいいだろうが」
「まぁそうだが…」
煮え切らねえ態度だなぁ。なんで?
「さっさと行こうぜ、授業が終わると面倒だ」
「わかってるよ」
俺たちは気絶したますみをほっといて、佐倉がいると思われる三階の教室へと向かった。
途中俺の身体が光に包まれケンプファーに変身した。もっと早くなれてたらトンネルを潜る必要もなかったのに
……そういえばいまだに自分の武器を知らない。このまま雫と戦うのはかなりやばいんじゃなかろうか
「おいナツル。着いたぞ」
考えごとしてる間に着いたらしい。一人なら通りすぎてた。
俺は注意して部屋の戸を開ける。
しかしそこには何もなかった。
「?おかしいな」
移動したっつーか始めから何もなかったみたいな…
「東田ってやつ、ガセつかませたんじゃねーだろな」
そうだったら東田はやっぱり殺そう
「あのー…」
声がした方を見ると女子生徒が一人、覗き込んでいた。
「ちょうどいい。少し聞きたいんだが」
「へっ?いや…今は授業中…」
「ここは生徒会が借りてる教室じゃねぇのか」
紅音が言葉を無視して詰め寄った。その勢いに女子生徒は
「い…いえ、生徒会が借りたのは四階…」
それを聞いて俺たちは即座に走りだす。
もう結構時間を使っちまってるから辺りを気にしている余裕はない
四階に着いた。構造はほぼ同じで廊下の奥に部屋があろ。
俺たちはそこまでダッシュで近づく。部屋の前まで来て、戸を開けようとしたが鍵がかかっているのかびくともしない。
「オラッ!」
俺は迷わず後ろ回し蹴りを放った。鍵はドアごと外れたが、中の状況を考えてなかった
部屋の中には両手を縄で縛られ椅子に座らされた佐倉がいた。その手前には外れたドアが。
ぱっと見外傷はなさそうだな…とりあえず縄を解こう
しかし不意に殺気がして真横に飛びのいた。
するとさっきまで俺がいた場所に猛スピードで鎖付きの短剣が飛来する。
「いい反応するわね。ケンプファーとしては行儀がなってないけど」
振り返るとそこに雫が立っていた。誘拐とかする奴に行儀とか言われたぁない
「楓の解放は決着がついた後と言ったつもりだけど」
「俺も誘いに乗るなんて言ってないぜ」
この部屋には出口は一つだ。どうやって出よう
「あのクソアマをぶっ殺してでりゃいい」
聞くんじゃなかった。コイツに策を考えろってのが間違いか
「勝負の日時と場所を決めてなかったよな」雫に悟られないように紅音に合図を出す。コイツ気付くか?
「時間も場所も―――」
俺にできるのは覚悟を決めることぐらいだ。
「今ここだ」
「くたばれ!!」
紅音の銃声をゴングに戦闘が始まった。
☆ ★ ☆
結論から言うと、紅音の不意打ちに近い攻撃はかわされた。
しかも反撃までされるというオマケ付き
今俺たちは追撃から逃げるため必死こいて走ってる。
……俺の日常ってこんなんだったっけ?もっとこう…
「ナツル!ボサッとすんなっ!!」紅音が怒鳴りながら後ろに向かって発砲する。現実逃避することも許されんのか、俺は。
とはいえはっきり言って旗色は悪い。こっちは直線しか飛ばない武器に素手の初心者、あっちは見えなくても自由に攻撃出来るんだもんな…
「おい、一旦教室に入るぞ」
多少危険だが開けた場所にいた方がいい。
俺がそう言うと紅音は少し考えて
「…よし。一階の大教室に行くぞ、あそこなら改装中でなにもねえはずだ」信じるぞその言葉
俺たちは大教室に向かうことにした。雫もそこで決着をつけるようだ。攻撃がない。
「よし、ここだ」女子部の間取りはわからんが紅音がそう言うんだからそうなんだろう。
こんどは鍵はかかってなかったようでアッサリと開いた。しかし中は真っ暗だ。
「電気がつかねぇ…配線が切れてんのか?」
その言葉に嫌な予感がして、俺は窓に近付いた。
窓は板で釘打ちされていた。
「オラッ!」後ろ跳び回し蹴りで板を破壊する。こんなんばっかだ
教室内に光が差しこんだ。
「なんだこりゃ」
紅音がうめくように声を出す。教室内はロッカーが数多く置いてあり段ボールなどの物が散乱していて、まるで倉庫のようだ。
「女子部は改装中でここは倉庫代わりに使われているの」
最悪に近い感じで雫がやって来た。
「今の私には絶好の舞台ね」薄く微笑みを浮かべる。クソッ、少し見惚れちまった。
「てめぇ追いこみやがったな!!」
「勝手に逃げこんだのはそっち」
確かにそうだ。それに、自分に有利な状況を作るのは基本中の基本。しかし…
「俺は戦闘経験ほぼ零だぜ?もう少し加減してくれてもいーじゃんか」
「とてもそうは見えないけど?」
多少喧嘩なれしてるだけだよ。あと武道の心得を知ってるだけ
命のやり取りなんかしたことねぇつーの
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!」
紅音が発砲した。しかし雫はヒラリと身をかわす。
「人が話している時に…、本当に行儀が悪いわね」それ俺にも言ってんの?
「ざけんな!」
「語彙も少ない」
紅音はそれからも撃ち続けたが、障害物が多くてかすることすらできない。
対する雫は的確に紅音を狙ってきた(もちろん俺も)そして短剣が紅音を切り上げた!
「紅音!」俺は思わず叫んだ。普通そうだろ?
「クソッタレ!」身体を反らしながら紅音が悪態をつく。紙一重でかわしたらしい
胸元の制服が破れてブラが見えていた。白か…
「どこ見てやがる!ぶち殺されてえのか!?」
「生きたいです」
視線に気付いた紅音に怒鳴られた、だけでなく撃たれた。
孤立無援とはこのことだ。違うか?
「ボサッとしてねえでてめぇも攻撃しやがれ!」
「そう言われても」
武器の使い方がわからない。
寧ろ出し方がわからない。
「根性だ!精神集中さして気合いで出せ!!」むちゃくちゃすぎんだろ…
「戦闘中におしゃべりなんて、ずいぶん余裕ね」
雫が紅音に向かい
さっきはなんとかかわしてはいたが、あんなのが二度もできるとは思えない
案の定、短剣が迫ってきていてもすぐに避ける気配がない。マズイ!
俺が紅音に向かい襲い掛かっていく短剣に手を向けたら
その手から炎が出た。
「!!」
炎は短剣に当たり軌道を大きく変えた。
「ナツルおめぇ…!
そうなのか?なんか手から火が出るって変な感じ。何を燃料にしてんの?
「こりゃいい!あのいけ好かねえクソアマを割れたスイカみてえにしてやれ!!」紅音はとても嬉しそうだ。割れたスイカって…
「
あらお優しい…お言葉に甘えて、遠慮なくさっきの用量で炎を撃つ。
しかし雫は
「話しにならないわね」言葉でも一刀両断。俺、ショック
「メイルストロームパワー!!」今度はさっきより強く発射。が、かわされる。
やはり俺に
「ナツルさんは時々おかしなことを言い出すわね」と目を細めながら雫に言われた。
言うことがおかしいじゃねえ思考が変なんだ。…ヤベッへこんできた。
近くで役立たずとか叫んでる狂犬はほっといて、何か使えそうな物はないかと辺りを見回す。
……ダメだ。使えそうなものがない。
「よそ見をするなんて、余裕そうね」
「ナツル!」
紅音の声がして視線を戻すと、短剣が目前にまで迫ってきていた。
…これで二度目か、成長しないな…
ガッ――――――ッ!!!
「なっ…!?」「ああっ?」
「柳生新陰流・無刀取り!」
もう少しで顔面に直撃していたソレを、空中で片手キャッチ。
さらに―――
「ベルリンの赤い雨ぇぇ!!」
炎を纏わせた右の手刀を、鎖目掛けて思い切り振り落とす。
ガギャァンッ!!
物凄い音がした。
それに確かな手ごたえを感じた。が、鎖に目立った外傷はない。破壊までは無理だったか
「残念無念…」
「あなた、時々信じられないことをするわねっ…!」
雫が手元の鎖を引っ張って短剣を戻そうとするが、そうは問屋がおろさない。負けじとこちらからも引っ張って回収を阻止する。
なんか綱引きやってる気分だ。
「でかしたナツル!!ていうかそんなのできるんならはじめからやりやがれ!」
「下手に失敗したら警戒されるだろ」
ぶっちゃけやるの初めてだし。真っ直ぐ飛ばしてくれたから出来たんだよね
「くらえクソアマ!」
「…!!」
紅音の乱射にあわせて、雫が横に跳ぶ。
もう片方の短剣で弾丸が当たるのは回避してはいるが、その顔にさっきまでの余裕はない。
それに、持っている二つの武器が鎖で繋がれてるせいか、どことなく動きづらそうだ。
「ナツル、てめえも加勢しろ!」
「そう申されましても」今キミが有利なのは俺が身体をはって抑えてるからなんだよ?分かってるそこんとこ?
「知るか!今がチャンスなんだぞ!!」
それは分かるけど…
鎖を切断できりゃ、(片方だけど)短剣も封じられて俺も自由に動くことができるんだけど、この鎖はとても切ることは―――
できるかもしれない。
ジャ、キン!
「なっ…えっ!?」
突然、腕にかかる負担がなくなり、雫がバランスを崩した。
「うわ、ホントにできた…」
驚きと、軽い呆れの混じった瞳で自分の手元を見つめる。
その視線の先には短剣と、鋭利な刃物を使用したかのような切断面をした鎖の残骸と、鋭く伸びた紅いナイフのような焰。
―――
ただ出現させるのではなく、頭の中のイメージを炎として具現化させる。
「もらった!!」
しかし雫はなんと、物凄いバランス感覚でもって転倒をまぬがれ、逆に持っている武器で攻撃に移ろうとしてきた。
そうはさせん!
――――ガッ!!
「っ!!」
振りかぶった武器の、ちょうど鎖と連結している部分に、俺が投げた短剣がすっぽりとはまる。
短剣はそのままの勢いで飛んでいき、所持者の手を離れてがっつりと壁に突き刺さった。
「そんな…!?」
「
そうこうしてるうちに紅音が雫に接近。勢いと怒りをこめて押し倒し、銃口を額の中心に向けた。
「きゃっ!!」
「くたばれクソアマ!」
銃声が辺りに響いた。
しかし、弾丸は雫に当たらなかった。
「てめぇ…なにしやがる!」
俺が
「勝手にしてんじゃねーよ」
「…助けてくれるの?」今だ床に仰向けになっている雫が口を開く。
「あんたは生かしておいた方が色々都合がよさそうだからな」
「それだけ?」
他にも理由はあるが…なんかしゃくだから言わない。
「ふざけんな!あたしはこいつを殺さなきゃ気がすまね!」
「紅音、少し黙れ。とりあえず沙倉を解放してくれ」
まだなんか言いたげな狂犬女を黙殺して雫の発言を待った。
「…分かったわ、楓を解放する。その上でもう手だしはしない」
その言葉を聞いて、俺は紅音に退くよう指示する。
「ナツルてめえ!自分が何言ってんのかわかってんのか!?」
「分かってるよ」
「いいや分かってねえ!今回は勝てたが、次また勝てる保証はねえんだぞ!?だから今ここで「紅音!」…!?」
雫の上から退かない彼女を鋭く睨みつける。
「頼む。言うことを聞いてくれ」
「………ちっ!」
明らかに納得のいってない態度だが、紅音は銃を引き、場所を移動する。
雫はすぐに立ち上がり、出口に向かい歩く。
が、途中。不意に立ち止まり、
「ナツルさん、あなた私があのまま撃たれていたらどうなっていたと思った?」
おかしな質問だ
「死んでたんじゃねえの」実際壁に穴空ける威力あんだし
「何も知らないのね」
俺の返答に雫はそう言って口の端を曲げた。
「それはそれで幸せなことだと思うわ」
「どーゆー意味だ」
質問には答えず、雫はそのまま出て行った。なんなんだ。
と、
いきなり横から拳が飛んできた。
しかし身体が反射的にカウンターをとり、殴り返す。
「ぐはっ!?」
殴ってきた相手―――紅音だ―――は後ろにあった机の群れに吹っ飛んでいく。
いきなり何してんのお前?
「なにしやがる!!」
「こっちの台詞だ」
このやり取り何度目だ?これからも続くんだろうな…
「いい子ぶって雫を逃がしやがって…寝首かかれてもしらねえぞ」
「そんときゃそんときだ」
俺は今だ倒れてる紅音に手を差しだして
「殺されそうだから殺す、それが当たり前だと思ってほしくないんだよ、
紅音はぽかんとした顔をしたが、やがて。
「おめえのその考え、甘いと思うぞ」
でも、と俺の手を取りながら、
「とりあえず、これからもよろしく頼むぜ、相棒」可愛いらしい笑顔を見せてくれた。
どうやら彼女の中で評価が上がったらしい。よかった…のかな?
その後は騒ぎが大きくなる前に俺は男子部に戻った。なんだかんだ言って結構騒いだからな
まあ女子部のことはあとで紅音に聞けばいいだろう。とにかく疲れた。今日はもう学校サボっちまおうかな
あ、今夜の晩飯何にしよう
☆ ★ ☆
某所にて。
一人の少女が歩いていた。
「そっか。ナツル今一人ぼっちなんだ…」
そう言うと少女は拳を軽く握ってガッツポーズを取り、
「しょうがない、あたしがなぐさめてやろう!」
うおおーーー!と元気いっぱいに叫ぶ彼女―――
作中ででてきた技、
今はもう完結してるし、技の方も出番がぜんぜん無く解説も大ざっぱなんですが、多分レーザーメスみたいな感じなんじゃないんですかねぇ?
気になる方はググるなりなんなりしてみてください。ぶっちゃけこれ調べてたから投稿が遅れたみたいなもんです