時間は進んで、大会当日の朝が来た。
展開が雑すぎるとか言われてもぶっちゃけ、紹介状貰って今日まで特筆すべきことが何もなかったからしょうがない。
「さて行きますか」
泊まっている宿の前で、その場にいる面子に話しかける。
ここんところほぼ毎日単独行動してた善くんもきちんといるよ。
「大会での戦闘ではHPがゼロになっても死ぬことは無いらしいから、今回は思いっきり暴れるなり好きにしていい。作戦は個人の判断に任せる」
「はい!ナツルくん、わたしはどうしたらいい?」
…玲ちゃん、今俺自分で考えてっつったよね?聞いてなかったの?
「あ〜…君はアレだ。いい機会だから自分なりに戦闘方法を確立させなさい」
「ええっ!いい機会だから自分でおいなり三千買って来なさい!?そんなに買っていいの!?」
「優勝できたらな」
もうツッコムのも面倒だからそれでいいよ。
しかし適当に返したその一言は、彼女のやる気に火をつけたようで、気合いの入った顔で
これで本当に優勝したらどうしよう…パーティがおいなり破産するかもしれない。
もともと負けるつもりはなかったが、より一層負けられなくなった。俺も気合いを入れ直そう。
「勝つぞ、ヘリオス!」
『ああ。元よりそのつもりだ』
拳を握りしめて相方に話しかけるが、いつも通りのテンションが返ってきた。
うーん超クール!はっきり言ってもの足りない。
なので二人でスクラムを組み、大声でやり直す。
「エクスペンダブルスゥぅーーーファイッ!!」
『…?おー?』
困惑気味な声が返ってきた。
み…満たされない……!死ぬ気を見せろとは言わないが、もう少し乗ってくれたっていいじゃないか。
なんだそのくりっとした目は!怒る気失せるだろうが!
おまけにもふもふ(体の感触)ですべすべ(服の触り心地)で…フニフニしてんだよ!(耳の触感)
肩組んでるだけでだんだんとやる気が削がれていく気がする。人をダメにするソファみたいだ。気のせいかシャンプーのいい香りもするし。
仕方なく密着していたヘリオスから離れる。
どうも普段の調子で強気に出れないな。
性別と敗北を教えられたあの日から、こいつを相手にすると一歩引いてしまう。苦手意識でも芽生えたか?
「おいナツル、なんだ今のエクスペンダブルスって」
「え?何ってチーム名だけど」
突然紅音が声をかけてくる。
「チーム名?そんなのあるのか?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
『そもそもこの数日、ナツルはあまり皆に接触しようとしなかっただろう』
ああ、ヘリオスショックが思いの外強かったから情緒不安定になってたんだっけ。
ひたすら街に出てはネイサンみたいなこと繰り返してたなぁ…我がことながら何考えたのかさっぱりわからん。(スキルの方じゃない)隠密の技術が地味に上がった気がする。
ちなみに現在の俺のステータスはこんな感じ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナツル
LV:12
HP:1593/1593
SP:810/810
ATK:1773(4423)
DEF:1740(3890)
INT:809(2459)
RES:1543(3693)
HIT:1871(4521)
SPD:2095(4745)
称号:落とされし者
怪力無双
電光石火
天衣無縫
一騎当千
サバイバー
ハードアタッカー
耐え忍ぶ者
勝者(勝利数:15)
刈り取る者(奪命数:14)
ウルトラC
ウルトラS
伝説の…
選定者
帰還兵
職業《ジョブ》:モンク
職業《ジョブ》:侍
職業《ジョブ》:忍者
職業《ジョブ》:盗賊シーフ
スキル: 神体:Ⅷ
閃技:Ⅵ
短剣:Ⅳ
仙術:Ⅶ
祈祷:Ⅵ
盗術:Ⅳ
暗殺:Ⅸ
探知:Ⅷ
直感:Ⅷ
料理:Ⅹ(MAX)
調合:Ⅴ
工作:Ⅷ
操影術:Ⅴ
魔力操作:Ⅴ
空体機動:Ⅵ
恐怖耐性:―
翻訳:―
汎用:―
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『隠密』上位、『暗殺』スキルの方も地味に上がってた。メインの体術よりも暗殺の方がレベル高い主人公って正直どうよ。
まあトップが料理なんだけどね。
あとなんちゃってパンクールみたいなことしてたら『立体機動』もレベルが上がり、『空体機動』にスキルアップした。
この『空体機動』、効果は空中を地上と同じように歩く事が出来る。というとんでもスキルだ。
最も二・三歩空を蹴ったら落下するけどね。
称号のウルトラSは気づいたら付いてた。どうでもいいな。
あとは…ステータスには反映されてないけど確かに所有している、ていうので汎用スキルがあるな。
これは確認しなきゃ分からないんだが、誰でも使える(覚えられる)だけあってわりと適当に設定されてるみたいだ。
歩法やら掃除やら…前にスキルカードで覚えた『怪力一掃』も
変わり種としては『もふもふ』なんてのもあったな。いつ取ったんだこれ。
正直使う機会が全く分からん。ヘリオスにでも使えってか?
それでもこの辺はまだマシな方だ。説明されなくても何となく用途が分かるからな。中には意味すら分からんのがある。
汎用スキル:きらめき
…俺にどうしろと?
アイドルにでもなれってか?キラッ☆
自分がどこを目指して進んでいるか本気で分からなくなってきた。
「大会の手続きした時、パーティメンバーで同意が得られているならエントリー出来るみたいだったから、こっちで適当に付けといたんだ」
「そういやなんかメッセージ来てたな。大会に出場するかとかなんとか」
便利だよなー、パーティ組んでたら一人だけ受付けに行けばいいってシステム。でもこれスネ夫とジャイアンみたいな力関係持ってたら割と危険じゃない?強制参加させられたりして。
(※ パーティメンバーの大会参加申し込みは、そのパーティのリーダーしかできない。ナツルはその事を知らない)
「自分で付けたかったか?」
「面倒だから別にいいけどよ…」
肯定の言葉を述べながらも、紅音は明らかな不満の表情を見せる。
そういうの好きだもんなこいつ。でもいざその場で決めろとか言われたら、むちゃくちゃ時間食うだろ。
「ちなみにあたし達のチーム名は?」
「レッドブルズ」
> アカネ は てっけん を くりだした!
> ミス! ナツル は ヒラリ と 身をかわした。
「避けんな!」
「無茶言うなし」躱せるなら躱すでしょ普通。
「なんだレッドブルズって!エナジードリンクか!!」
「咄嗟に思いついた上に、他に候補がなかったんだよ」
ぷんすかと(死語)怒る紅音を警戒しながら説明をする。
「メッセ来たとき何かしらなかったのか?」
「あったらその場で改名してるわ!」
そんなにダメだったかなレッドブルズ。
まぁどんなに撤回を希望しても、もう変更はできないんだけどねっ☆ あと数時間もしないうちに大会始まるし。
「玲さんとルナのコンビ名はなんていうんですか?」
「カスタードホイップ」
「シュークリームか!」
色合いで選んだのは否定しない。
「善くんだけは後から申し込みしたから自分で好きなの付けるだろうって思ってたけど、本人に考えてくれって言われたから俺が付けた」
「チーム名は?」
「ガトーショコラ」
「食い物ばっかじゃねーか!」
> アカネ の こうげき ! しかし ナツル は ヒラリと 身を かわした 。
「そこまで合わせして、なんでナツルさん達だけエクスペンダブルスなんですか」
「ほんとはブルーハワイにしたかったんだけど重複するからダメだって言われてよー」
「なんで被るんだよそんなチーム名!?」
なんでだろうな?世の中分からないことだらけだ。
一体どんなコンビなんだろう、ブルーハワイ。
これが今年最後の投稿になるかもですね。
続きは気長にお待ちください。