明けましておめでとうございます。
今年もnickの作品をよろしくお願います。
再び控え室。
先程紅音を華麗に瞬殺(ついでにストレス発散)して、ザマミロ&スカッと爽やかな気分でヘリオスと二人で次の試合の出番を待っている。
ピコーン♪
メッセージが来たらしく、いきなりシステムウインドウが開いた。
ゲーム設定らしく離れてる相手にメールを送る事ができるんだが…問答無用でいきなりウインドウ表示されるから俺は携帯の方がいいな。びっくりするから。
やられた事ないから分からないけど、戦闘中とかに届いたらどうなるんだ?
で、肝心のメールの内容だけど…
送信:アカネ
本文:ナツルコロス
「またか…」
三回戦が終わってから、全く同じ本文のメールが同じ人物から何通も来ている。
嫌がらせにしてもワンパターンすぎてひどい。せめてもう少しひねれ。
『アカネからのメッセージが届いたのか?』
「おう。暇だよなあいつも」
確認したらメッセージは23通だった。その全てが『ナツルコロス』。
紅音ちゃんの愛が重すぎてツラい。
『出鼻に必殺スキルは不味かったのではないか?』
必殺スキル?ライトニングプラズマか?あれってスキルなのかな。
「どんなに接戦繰り広げても、どうせ文句は来ただろう。あいつは自分が一番の女ジャイアンだからな」
そして勝ったらそのことを延々と自慢してくるんだ。そういう奴だあの赤毛は。
『ジャイ…?よく分からないが、ナツルはアカネの事をよく理解しているのだな』
「あ?あー、そう…なのかな?」
理解してるって言うけど、かなり分かりやすいだろアレ。
気にくわない事があれば噛み付いて、人が苦しんでたりすると大声で笑う。
狂犬みたいな女だ。(※
『……』
「? どうした?」
『いや…何だろうな。何故か…胸の辺りが
「嫉妬か?」
神妙な顔(
いくら俺が猫好きだからって人外は…でもこいつ雌なんだよなぁ。
完全にNoと言えない俺は変なんだろうか。
『嫉妬?何だそれは?』
「そこからかよ…」
嫉妬の感情を覚えたことは無いだろうとは思ってたけど、まさか意味さえ知らないとは思わなかった。
めんどくせー…茶化すんじゃなかった。
『ナツル、嫉妬とは何だ?』
「あーアレだよアレ、妬み」
『妬み?』
俺の顔を覗き込むように近づいてきて、矢継ぎ早に質問してくる。
本当に面倒臭いことになった。どうしよう。
「(ガチャ)エクスペンダブルスのナツル選手。もうすぐ出番なので入場してください」
ナイス!大会運営の人間が扉を開けて声をかけてきた。
これ幸いとドアへ向かう。…当然だがヘリオスもついてきた。
『ナツル、妬みとは何だ?』
「あーもーうるせえな、憎ましいほど羨むことだよ」
意味的にはそれで合ってたはずだ。多分。
好奇心旺盛なのは猫らしいっちゃらしいんだが、しつこく絡むのはやめてほしいなあ。
☆ ★ ☆
『満を持しての4回戦、準決勝の始まりだ!今回は一体どんな戦いが繰り広げられるのだ!?』
今回で4度目の
もっとバリエーション豊かに森林ステージとか用意できないのかよ、格ゲーみたいに。無理か。
まぁそんなことはどうでもいい。次の対戦相手は…え?
「マジか…」
その姿を見て、思わず本音が溢れた。
いや、トーナメント方式なんだし、可能性が無いとは思ってなかったけどさ。人数少ないみたいだからむしろ当たる確率の方が高いワケで。
謎な言い訳を自分の中でしながらリング中央に足を進めて、”そいつ”と数mの距離で対峙する。
『無慈悲に疾る青の閃光・エクスペンダブルス!縦横無尽に駆け回る漆黒のの旋風・ガトーショコラ!両方ともここまで速攻で対戦者を沈めてきた猛者だ!!これは一足先に、今大会のスピード・キングが決まりそうだぜ!?』
「次は誰かと思えば君か、瀬能」
「善くん…」
トゲ付きの首輪と黒いマントがトレードマーク。
そしてそのマントの下には俺とお揃いのサムライ隊士服の善く――てこいつ、隊士服着てねぇ!?なんか別な服着てやがる!
俺なんか呪いで他の装備に変えられないのに、裏切りだ!絶望した!!
「瀬能は何故いきなり私を睨んでくるのだ?」
『さあ?』
よくよく思い出してみれば、さっき紅音も隊士服じゃなかった気がする。
絶望した!
『それよりも、そこにいるのが善の仲魔か?』
ヘリオスが善くんの隣に…浮いている、マシュマロみたいな塊にこれまたマシュマロのような手・足・頭部と思われる塊がついたおかしな物体?に注目する。
なんかジ◯リに出てくるもののけのコダマを彷彿とさせるな。アレよりメタボちっくだけど。
「ああ、ポルターガイストという悪魔だ」
「一週間街の外に通いつめてスカウトしたのがそれかよ。お前さんのことだから役立たずってのはないだろうけど、もう少し愛嬌ある奴はいなかったのか?」
目と口がただの黒い穴の存在とかちょっと怖いんですけど。
名前も名前だし。…取り憑かれてるってことはないよね?
「私は気にしないが」
「…君がいいならいいけどさ」
人のことどうこう言えないが、センスゼロだなこいつ。
『時間無制限、一本勝負!レーーッツ…ファイッ!』
おっと、無駄話してる間に試合が始まっちゃったみたいだな。
さて…困ったな、どうしよう。
前の試合ではノリで俺が勝ったが、味方同士で当たった場合にどうするかまっったく考えてなかった。
どうしたもんかな…どうせなら決勝で当たればよかったのに。そうすれば悩む必要もなかった。
「瀬能」
いっそジャンケンで決めようかと考えていていたら、善くんが声をかけてきた。
その両手にはそれぞれ一丁ずつボーガンが握られている。
「なにさ」
「この試合、本気でやってくれないか」
「は?」
「頼む」
いつも通りの無表情。だがしかし、その瞳にはいつも以上の熱意―――あるいは、決意が浮かんでいた。
「…いいぜ。なら遠慮なく本気でい『スターダストレボリューション』!!」
会話の最中に必殺のツープラトンを放つ。
卑怯?汚い?姑息?ルールに従って試合を行っているし、本気で来いと言ったのは向こう。
ならばこれくらい、小細工のうちにも入らないだろう。
勝てばよかろうとえらい人も言ったしな(※人じゃない)
「フハハハハ!なりゆきだがしょうがねえ、このまま俺たちが責任持って優勝をなにぃ!?」
今まで、放てば必ず敵を切り裂き葬ってきた十数個の光の弾丸。
その光弾は一つとして善くんの身体に触れることなく、その周囲の地面を破壊して役目を終え消滅する。
「完全に躱された!?」
『と言うより、技が善を避けたように見えたぞ』
ヘリオスの言う通り、弧を描くような独特な軌道をする
ミスったか?いや、感触はいつもと変わらなかった。じゃあ一体…?
分からん。善くんが何かしたとは思うけど、ここから見てた限りなにかしらのスキルを使った形跡はなかった。
もう一発撃つか?けどなんか、また外れそうな気がする。
「…奇妙な感覚だな」
あれこれ悩んでいると目の前の人物が静かに口を開く。
「あ?」
「私にとって戦闘とはただの手段。私と玲に害なすものを排除する、ただそれだけだ」
「…機械的だな」
「だから分からなかった。真田が何度も
ヤダもー俺ってば大人気。スーパースターも楽じゃないね!
「皆
「高揚感ぐらい誰にでもあるんじゃないか?普通」
「ふっ…そうだな」
なんだその含みのある言い方、すげー気になるんですけど。
実は人じゃないとか?まさかね。
「しかし私は今まで一度もこのような『感情』を感じたことは無い。瀬能、やはり君には他人を変える力があるようだ。荒野を森林に変えるような不思議な力が」
「だからそんな不気味なもんねぇっつってんだろが!」
なんだ荒野を森林にって!三虎か!
「教えてくれ瀬能、この感情がどこまで高まるのかを。そしてどこまで行くのか、どこへ辿り着くのかを!」
「俺が知るか!そんなに行きたきゃどこにでも好きなとこに逝ってこいや!」
――ライトニングプラズマ!!
再びヘリオスとの協力技。しかし先程とは比べ物にならない速度と、無数の光線が拳から放たれる。
それらは縦横無尽にリング上を暴れ回り―――しかし一つとして目的地にたどり着くことはなかった。
「……!」
まただ。また攻撃が当たらない。
いや、技を放っている最中だからこそよく分かる。
確実に当たる
明らかに普通じゃない。奴の周りだけ無風状態だ!
「グぶぉぁッ!!」
『っ、ナツル!』
俺の近くを駆け抜ける光線のうちの数発が突然曲がり、脇腹や頬など身体の側面部分に強打がめり込む。
線状とはいえ俺の拳打。しかも相当に力を込めた攻撃に、堪えきれず吹っ飛び、蹴られたボールのように地面を転がる。
「私自身の弱点を補うためにスカウトしたのだが、彼は予想以上に優秀な能力を持っているな」
善くんが向ける視線の先には、空中に浮かぶ白い塊。
・ポルターガイスト(Poltergeist)
ドイツ語で poltern(騒々しい音を立てる)+ Geist(霊)の合成語で、「騒がしい霊」という意味
そこにいる誰一人として手を触れていないのにもかかわらず、物体の移動、物をたたく音の発生、発光、発火などが繰り返し起こるとされる、通常では説明のつかない現象。所謂、心霊現象の一種
「続きを始めよう、瀬能」
「ぐっ…!」
密着している地面に手をついて無理矢理上体を起こす。
試合開始時の場所から一歩も動いていない、いつもと同じ無表情ながら、その瞳に闘志を宿す少年。
その少年に付き従う白い悪魔。
薄々そうじゃないかとは思っていたが、認めなきゃいけないみたいだ。
俺は、
「表情ない奴との相性 最っ悪だなっ…!」
〜〜〜〜
善
Lv:25
HP:336/336(468/468)
MP:91/91(191/191)
打撃:耐性
貫通:耐性
斬撃:耐性
火炎:―
氷結:―
電撃:(耐性)
衝撃:―
破魔:(弱点)
呪殺:(無効)
力:364(564)
魔:58(158)
技:213(313)
速:417(519)
運:67(267)
称号:落とされし者
守護者
スナイパー
運命を越えて
帰還兵
職業《ジョブ》:
スキル: 魔弓:Ⅷ
護身:Ⅳ
魔法付与:Ⅳ
直感:Ⅴ
索敵:Ⅳ
暗殺:Ⅴ
使役:Ⅱ
未来視:Ⅱ
翻訳:―
汎用:―
装備: クロスボス ×2
足軽具足・土竜(電撃耐性、速 +2)
手づくりの首輪(全てのステータス +100)
仲魔:ポルターガイスト(悪霊類)
HP:496/496
MP:540/540
力:50
魔:250
技:50
速:50
運:60
スキル: 呪術
破魔弱点
呪殺無効
呪術
・念動力や金縛り等の、悪霊系のモンスターのみが使える固有スキル。
破魔弱点
・破魔属性の攻撃に弱くなる、モンスター固有のスキル。テイムされていると主人も弱くなる。
呪殺無効
・呪殺攻撃が効かなくなる、モンスター固有のスキル。テイムされていると主人も効かなくなる。
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新年1発目の投稿はナツルくん大ダメージの巻。
現実では三郷雫。VRではヘリオス。
無表情なキャラに翻弄される。そんな主人公。