銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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十将 友人が修羅場を作り出しました

 

「女王?」

 

「ああ、なんか噂でさ石矢魔の女王がかえってくるって。すんげー美人らしーぞ。なんでも、うちの女子全員連れて遠征にいってたとか…」

 

「ふーん、女王ねー」

 

登校のときに聞いた噂を男鹿に聞かせる。

これで記憶の奥底に植え付けられたろ。

 

そして放課後、俺達は飲み物を買いに来た。

 

「女王見に行こーぜ」

 

「は?」

 

「「は?」じゃねーよ。」

 

「お…おう。え?何が?」

 

「だからっ!女王見に行こーぜって言ったろ。話聞けよ!」

 

「あ…ああ」

 

「そして何でそんなテンション低いんだ」

 

「逆にお前は何故そんなテンション高いんだ」

 

「この学校共学のはずなのに女王が全員引き連れて行ったから男子校状態だったからな。だがこれからは違うぜ。なぁ!男鹿!」

 

「ウゼェ…」

 

「てゆーか男鹿も興味あると思ったんだけど…」

 

「はあ!?ねえよ。そんなもん…」

 

「…赤ん坊って父親より母親に懐くっていうから」

 

「行くぞ、古市!!光よりも早く、女王のとこへ!」

 

「ぐえっ、襟を引っ張るな!首がしまるだろ!」

 

「ようやくベル坊をあずけられるぜ」

 

「あずける前に襟から手を離せ、女王に会う前に俺が死ぬ!」

 

 

 

俺は男鹿と廊下を走り、女王もとい邦枝のとこへ向かう。

 

ガッシャーン

 

ガラスの割る音…近いな。

 

廊下の先に薄らと人影がみえる。

特攻服にみえる、あれか。

面白い場面がやっと見れる。

 

着いた瞬間邦枝が男鹿に木刀を突きつける。

 

これが邦枝葵か…

綺麗な黒髪とヘソが出てるのがいいな。

 

 

ん?あれって…

 

「オータム!!!」

 

「古市どーした?ついに壊れたか?」

 

俺の叫びで3人反応した。

1人は単純に俺の頭を心配した、男鹿。

1人は俺の叫びに驚いた邦枝。

そして、

 

「ネーヴェ?」

 

邦枝の側近のひとり谷村千秋ことオータムだった。

まさかの原作キャラに驚きが隠せない。

マジか…でもなっちゃったもんは仕方ないしな。

腹決めるか。

 

「何、千秋。知り合い?」

 

「古市知り合いか?」

 

奇跡的に同じ答えをいう。

 

「「ゲーム仲間」」

 

「この前話した絡まれてる時助けてくれた人」

 

「へえ、そうなの。千秋を助けてくれてありがとね」

 

「どういたしまして」

 

ここで、周りの不良共が話し出す。

邦枝ビビってるとか何とか。

そしたら邦枝が木刀を振り、

 

「赤ん坊を下ろしなさい。それじゃ本気で戦えないでしょ?」

 

やっぱ心月流はとんでもねーな。

 

「男鹿、良かったらベル坊預かるよ。そしたらしっかり見極めなよ」

 

 

「いや、いい。来いよこのまま相手してやる」

 

「やっぱりクズ野郎ね。赤ん坊を盾にする気?それとも…私のこと、ナメてんのかしら」

 

邦枝が踏み込み、男鹿を突こうとするがシャツが切り裂かれるだけで肉体には当たっていない。

やっぱり目で追えるところを見るとまだ、遅いんだな。

 

さらに邦枝が追撃をかける。

『心月流抜刀術弐式【百華乱れ桜】』

 

校舎を破壊するがまだ一撃の間に隙間があり過ぎる。

校舎を見てもそれが良くわかる。

そこらへんのボンクラには聞くだろうが……

 

「こえーヒルダかよ」

 

男鹿には通用しない。

 

ここからは聞こえないが男鹿とベル坊が喋っている。

まあ、大体予想できるが。

近づき邦枝の肩を掴む。

 

この、誰もが男鹿に邦枝がやられると思った瞬間、

 

 

「こいつの母親になって下さい」

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

はい、修羅場確定しました。

 

 

 


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