読者を混乱させてしまう事をここに謝罪します。
では、続きをどうぞ。
男鹿と東条先輩がケンカを初めて数分。
俺はたこ焼きが2箱目に突入していた。
三木の奴に負けたとはいえ、東条と戦って必殺技を模索する。
ケンカで友情が育まれるアイツらはケンカで新たな何かを掴もうとしている。
俺はそれを眺めて東条先輩が作ったたこ焼きを食す。
つーかこれ、うまっ!
勝敗は男鹿の勝利。
といってもベル坊が判定したに過ぎないけどな。
さて、終わったことだし俺も帰るか。
明日のためにお弁当とレモンの蜂蜜漬けを作らなきゃな。
「遅いっ!!ったく、あと30分で試合開始だってのに古市君しか来てないなんて」
俺は不用意に怒りを買う事を避けるためにちゃんと30分前に到着していた。
ユニフォームも配られたので既に来ている。
「男鹿は今学校に向かってるみたいですね。かなりギリギリになりますけど、この時間なら間に合いますね」
連絡を知らない男鹿に俺は代わりに連絡していた。
メイドカフェには行かない。
カズ君の出し物を見に行こうかと思ったが今行ってもどうせ他の生徒に煙たがられるだけだ。
「あ、男鹿おはよう」
「古市か……完成したぜ、俺の必殺技が」
「そりゃよかったな」
どうせ、
男鹿が入ってきてから次々に退学組が入ってくる。
そろそろか。
「それではこれより聖石舞祭、石矢魔対聖石矢魔部長連のエキシビションマッチを開催します!!!両チーム整列!!!」
完全にアウェーな中の戦いだ。
数にものをいわせて、だいぶ強気だが、運動神経は良い不良を簡単に倒せるものかな?
なんて、解析役に回るしかやることないんだよな。
数も6人だから1人余るし、俺は応援しますかね。
その後は城山先輩が乱入してきたり、男鹿と東条先輩がボールを蹴ったり掴んだり隠したり飛び越えたり破裂させたりして失点になり、六騎聖がリードしている。
とりあえず姫川先輩がタイムをとり、こちらの陣地に戻ってくる。
「これ飲み物とレモンの蜂蜜漬けです」
俺が家で作ってきたお茶とレモンの蜂蜜漬けを食べながらバレーメンバーは悪巧みをする。
要約するとベル坊をつかった反則行為だ。
六騎聖側がベル坊の存在を許可した為にできた穴だか問題はアリアリだろ。
勝つために黙認するが。
こうしてベル坊を使った頭脳プレイという皮を被った汚い行動が六騎聖に牙を向いた。
親子時間差から始まり、ベル坊ブロック、ベル坊の癇癪雷を使った金縛りで点数は逆転して行った。
俺はそれを眺めて思った。
バレーじゃねぇ……
ラスト1セットになったがこのまま終わってしまうと誰もが思った事だろう。
思わないのは俺と敵大将、六騎聖最強の男…出馬要だ。
出馬要が放ったサーブにより、邦枝先輩は弾き飛ばされる。
そのブロックした腕は赤く腫れ上がる。
「あかんわーもう。あかんあかん。1セット目は普通のバレーしとこ思ってたのに……君らのせいやで?」
ここで出馬要が扱う、出馬八神流の話をしよう。
発祥は戦国時代の古武術と言われるが八極拳を取り込む事で独自の進化を遂げた流派である。
発勁を用い、一撃の威力を極限まで高めた技の数々が存在する。
決してそれをバレーボールに使うものでは断じて無い。
その重い一撃がボールに乗っかり、唯一石矢魔の中でレシーバーの邦枝先輩に向かう。
しかし、またもや弾かれコート外へ。
石矢魔が取るかと思われた1セット目はこの怒涛のサーブにより逆転負けした。
「あーあーすげぇ赤くなっちゃってるね……大丈夫?」
「ええ……」
「あのクソ眼鏡、なんつーサーブ打ちやがる」
邦枝先輩の手は赤く腫れ上がり、このまま2セット目続けるのは絶望的といえるだろう。
「………古市」
「ん?何だ、男鹿?」
「眼鏡のやつ、かなりサーブやったけど出来るか?」
「そうだな……うん、できる。そんじゃ反撃と行きますかね」
俺はベンチから立ち上がり、コートに向かう。
俺たち退学組は7人。
邦枝先輩がやられたら出るのは俺だ。
元々出馬八神流は知ってるし、それを活かすくらい俺にも出来る。
そして第二セットが始まる。
「おおーっと石矢魔チーム、選手を代えて来ましたね!!邦枝選手に代わり入ってきたのは古市選手!!不良の間で智将と名高い彼はどんなプレーを見せてくれるのでしょうか?」
「男鹿……古市の奴は強いのか?」
姫川が男鹿に質問する。
「確にケンカしているのはみないよね」
夏目が賛同する。
「……古市はケンカが好きじゃなくて殴ったりすんのは得意じゃねぇ。けど……スポーツは得意だった。それも人の真似をするプレーが」
俺はサーブするべくボールを上に投げ、構えをとる。
「あの構えは!」
「馬鹿な!猿真似だ!!これは一朝一夕で出来る技じゃ無い!!!」
六騎聖の人が驚いているが驚くのはこのボール受けてからにしてほしいね。
俺は
そのボールは三木に向かって飛んでいき、三木を弾き飛ばした。
「うわっ!」
「普通なら猿真似って言いたくなるやけどな。君もウチの門下生やったかな?」
出馬先輩は技の完成度を見て、そう質問する。
その質問に対して俺は皮肉の意味を込めて、返す。
「いやぁ、全く。…でもウチみたいなトーシロの不良にちょこっと見ただけで真似できる簡単な武術ちゅーことやろ?それで……この程度か?」
エセ関西弁だが、煽るには丁度いいだろう。
さて、少しでも得点をとりますか。