銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第四十三将 その他の人

 

「ごめんね、寧々。でも、今は一緒にいれないの」

 

これからの悪魔の戦いにみんなを巻き込めない。

 

 

『なんや、つれないやっちゃな。折角来てくれたんやから、笑顔で出迎えんとな』

 

『そうやで、葵ちゃん。気張ってはったやろ。少し気持ちも落ち着いとるし』

 

「う、うるさいっ!勝手に出てこないでね。何度もいってるでしょ。あなた達の事は秘密なんだから」

 

『おーこわ。分かってるがな。せやからちゃんと学校でも黙ってたやろ』

 

『葵ちゃんこそあの悪魔の綺麗な子にバラシそうやったやろ』

 

「ヒルダさんはいいのよ!」

 

 

いさちゃんが取り持ってくれた仲。

これを、有効活用するのよ。

 

 

魔二つでの修行のさなか、いさちゃんに連れられ奥の院にいった。

 

 

 

 

「奥の院…?」

 

「うん、この先は寺のもの以外立ち入り禁止なんだけどね。奥の院の更に奥に小さな祠があるの。悪魔を祓う時に私が必ず力を借りに行くの。そこは天狗の住む天狗塚って呼ばれているわ」

 

 

「凄い……こんな所があったんだ…」

 

「待って、葵ちゃん!!」

 

『諫冬……誰やそれ?儂はお前とアイツ以外の人間の出入りを許した覚えは無いで?』

 

「声?まさかこの中に天狗がいるの?」

 

「うん……でも今日は機嫌が悪いみたい」

 

「大丈夫まかせて!天狗さん!あの…話を聞いてください。この人は私の友達で……」

 

『知らん知らん。そんなんどーでもええ。あのくそばばあまじムカつくわ……諫冬…お前も同じ目に合わしたろうか』

 

「ちょっと待ちなさいよ!アンタが機嫌悪いのといさちゃんは、関係ないでしょ!それに私が勝手言って連れてきてもらったんだから!」

 

『お。なんや儂の声が聞こえるんか。まんざら見込みがない訳やない…か。ほな嬢ちゃん。2、3質問するから答えてみいや』

 

「試そうって言うの?」

 

『そんな、気張らんでもええで。質問は質問や。ズバリ!スリーサイズは!?』

 

「は?」

 

『スリーサイズやスリーサイズ!上から順に早う答えんかい!』

 

「質問の意味がよく分からないんだけど」

 

『意味とかちゃうねん!知りたいねん。スリーサイズ!スリーサイズ!』

 

「いさちゃんこの人何言ってんの??」

 

「天狗さんは力を貸す代わりにちょっとえっちなしつもんをしてくるんです」

 

「答えてるの!?」

 

『諫冬はえー感じに出るとこ出てきとるで』

 

「ただのセクハラ親父じゃない!」

 

『アンタ!!諫冬ちゃんきとるやないの!だったら早う呼びな!』

 

『あん!くそばばあ。今朝のエロ本捨てたのマジ殺すからな!』

 

『エロ本溜め込んどらんで働かんかい!ってあら!新しい子来とるやないの。またアンタ、セクハラ発言したんやないの!ごめんなさいね〜エロ親父がっ!』

 

『痛っ!殴ること無いやろ!!』

 

「え?2人目?」

 

「もう1人の天狗のコマ婆さん。よく人里降りて商店街にいるからあんまり力は貸してくれないの」

 

「力を貸せられるのってセクハラ親父一択なの!?」

 

『ってあら……諫冬ちゃんのお友達ちゃん。名前聞いて無かったわ。なんて言うの?』

 

『そういや、ムカついとったからスリーサイズしか聞いとらんかった』

 

『スリーサイズ聞く前に名前聞かないとアカンやろ!』

 

「まずスリーサイズを聞く必要ないわよ!」

 

 

 

 

「はぁ、葵です。邦枝葵です」

 

『葵!貴方葵ちゃんって!』

 

『あれ、それってタカやんの言ってた…』

 

『アンタ約束してたやろ。約束破ったら殺されるで』

 

『そうやな。完全に祓われるわ。よし、力貸したるわ。こっちも貸しがあるからの』

 

『その間の諫冬ちゃんの相手はおばちゃんがしとくからね〜』

 

御堂の扉が開かれる。

 

小さいミニキャラようなモノが2体出てくる。

鼻の長い姿ではなく巻いた鬣のような髪は狛犬だった。

 

「天狗……?」

 

『あっ!何!?天の狗って書いて天狗やで!狛犬だって天狗やん!』

 

『そうやでーそれに天狗呼びしたしたんは人間が先やで』

 

 

 

 

 

 

 

そんなことがあって力を貸してくれたけど…

 

 

「結局2体とも家にいるのよね」

 

「私も葵ちゃんの家に借りぐらししてるからね」

 

『都会楽しみやわー。お買い物やでー』

 

『烈怒帝瑠の子達、ぬいぐるみとか好きやろか』

 

 

「………」

 

 

 

前途多難だわ。

 

 


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