銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第四十四将 1週間の準備

 

石矢魔新校舎の建設完了。

 

そこは既に焔王の為の学校、悪魔野学園となっていた。

 

1週間の準備の後にベル坊の契約者男鹿辰巳とその配下対、焔王とその配下ベヘモット394柱師団との戦いを。

 

そして男鹿はジャヴァウォックに敗れ、ヒルダさんを奪われていた。

 

 

俺は保健室で寝ていた。

 

傍にはあの教師、早乙女禅十郎がいた。

 

ドラゴンから落とされた男鹿はベル坊の咄嗟の電撃により、落下のダメージをほとんど無くした。

 

しかし衝撃は凄まじく、気絶していたのだ。

 

それを運んだのが早乙女禅十郎って言ってた。

 

 

そして学校で鉢合わせた古市がいた。

 

 

「何やってんだよ、男鹿。強くなったんじゃなかったのかよ?」

 

震えながら、男鹿の傷の手当をしているラミア。

ジャヴァウォックの一撃により、足の骨を折られていた。

 

「お前こそなに普通に授業受けてんだよ。石矢魔が乗っ取られてんのに…情けねーな」

 

「知らなかったんだからしょうが無いだろ…やられて帰ってきたお前がそう言っても説得力ねーよ」

 

「アホか、あんなの負けに入んねーよ。それに気づいたらここにいたんだボケが」

 

「なお悪いわ、アホ」

 

「アホっつった方がアホだ、アホッ」

 

俺と古市はバカにしあった。

 

 

そんな中ラミアの目から涙が零れた。

 

「私の……私のせいだ…私が捕まったらよかったのに……なんで私じゃないのよ……ヒルダ姉様が死んじゃったらどうしよう。……私…ふえぇぇん!!」

 

そんなラミアをベル坊はやさしく撫でる。

 

そして自分に任せろと言わんばかりにグッと親指を立てる。

 

「ちっ…いつもなら真っ先に泣き出すやつが…」

 

「…だな」

 

俺たちは立ち上がる。

 

「こいつの言う通りだ、ラミア。

 

俺たちがなんとかする」

 

「泣くな!!」

 

 

「〜〜〜…………うん…」

 

保健室を出ようとすると邦枝がいた。

 

「人数は多い方がいいでしょう?」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

 

その後俺は早乙女から無茶なしごきを受けた。

 

他のメンツもゲロ吐いたりして地獄みたいな光景だった。

 

そして気づいたら変な世界にいた。

 

 

「静粛にっ!!!」

 

ハンマーが叩かれる。

 

裁判長には古市がいた。

 

「それではこれより、《第2回男鹿ボロ負け裁判》を執り行う!被告、ヘタレうんこビチクソ弱虫は前へ!!」

 

俺はLOOSERと書かれたタスキをかけられ、被告人てして立たされる。

 

「また、これか。進歩のねー野郎だ」

 

「黙れっカスッ!!!進歩がないのはお前だ!死ね!」

 

法廷がザワつく。

 

「二度目だよ?二度目ですよ!仏の顔だってな…二度見して見りゃ思ったより笑ってない事があんだよ」

 

「いや、意味わかんねーよ」

 

「お前……あの悪魔達になんていったか覚えてるのか?その上でこれなのか?」

 

確かにあの一言で全部を敵に回して、ヒルダも攫われちまった。

あれは確かに……

 

()()()()()()()()()()()っつったんだよ!!!」

 

「言ってねーよ!!!恥ずかしい台詞捏造してんじゃねーよ!!」

 

「ふん馬鹿が、言ったかどうかは問題じゃない。お前の気持ちの問題だ」

 

「ここ法廷だよね!?」

 

「裁判場!よろしいでしょうか?」

 

「クイーン」

「法廷のクイーンだ」

「彼女が来たら無罪もありえるぞ」

 

「確かに被告人はプライスレスとは言ってません」

 

「それひっぱるの!?」

 

「しかし、彼はこう言いました。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……そんな彼の気持ちは確かに()()()()()()!!!」

 

「何言ってんの!?」

 

「いけねぇ……法の目にも涙ってやつか…」

 

「お前ら全員死ねよ!」

 

くっそ……相変わらず自分の夢とはいえ訳が分からねぇ……

さっさと目覚めろ!俺!!

 

でも終わんねーんだよ!

 

このあとウルトラ検察官とかふざけたのが……

 

 

なんで知ってんだ?

 

っていうかこれ一回見たぞ?

んで、首切り島に行って、斑鳩酔天とかいうおっかねー人に暗黒舞踏ならうってなって……

 

酔っ払った邦枝と酔天を相手にしながら、とりあえず寝て………

 

「起きたら何一つ覚えてない」

 

気づいたらそこは法廷ではなくなった。

そして古市以外の人がいなくなった。

 

「でも、ただ寝てるなんて時間が勿体ないって思わないか?」

 

古市が話しかけてくる。

よくも俺の夢でこんな頭良さそうに話してくるな……

 

なら、法廷の時もそうしてくれよ。

 

「実戦形式でやりあおうじゃないか」

 

 

「お前と喧嘩しても意味ないだろ…俺より弱ぇー癖に」

 

「それも少し違うんだけど……まあ、今回はやる気の問題だからね。やるのは彼とだ」

 

 

スポットライトが照らされ、白髪の男が現れる。

 

腕に白と金の装飾がついた手甲をつけている。

 

 

「俺の代理人ってことで戦ってくれよ。あの時は学校に行ってたんじゃなくて、彼の存在を感じたから契約しに行っていたんだ。フルヘルメットもやさしいよな。4人以外にもいるなんて……まあ、元からいただけかもしれないけどな…」

 

古市の言ってる事がよく分からない。

 

「俺は学校の方で鍛えてるから……男鹿も頑張れよ」

 

そう言って古市の姿は消える。

 

「とりあえず目覚めるにはお前を倒せってことだよな。とりあえずボコらせて…っ!」

 

殴りかかると吹っ飛ばされる。

 

「我は主様の代理人……そしてこれはお前だけでなく、我の慣らしでもあるのだ……」

 

拳を主体に殴ってくる。

夢のせいかベル坊の力が使いづらい。

 

「我を倒す、か。応援しているぞ、私を数日で倒すのを。起きれば何も覚えていないとしても精神の奥底に記憶されるのだ。せいぜい頑張るといい…」

 

「はっ!直ぐに黙らせてやる!!」

 

 

そしてこれから三日間の夢の中の戦いが幕を開けた。

 

 

 


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