「男鹿……帰っていきなり、俺の部屋の煎餅を食うな……せめて、説明しろ」
「ちょっと、アンタ!!私の分も残しなさいよ!」
「今俺は1匹の飢えた狼なのさ……そうだ、古市」
「駅前までいって、ケーキ買ってこいよ」
「いきなり帰ってきて何言ってんの!?」
「いや、修行中なんかお前が腹立たしかったから………それにアランドロンいないから片道6時間の船旅で腹減ってよ……モー腹減っちゃって減っちゃって…」
「古市、アンタカップ麺くらい作ってきなさいよ」
「お前ら山賊か何かか!?」
「何言ってんだ?忠告しにきてやったんじゃねーか」
「忠告って……お前まさか…」
「ああ、今から俺悪魔野学園潰してくるわ」
そう言って男鹿は俺の煎餅を完食した。
男鹿は少し雰囲気が変わった。
精神的に大人になった………と思う。
喧嘩して勝っていればいいとかそんなおちゃらけた中坊みたいな考えがなくなった。
すると壁から転移ゲートが開く。
そこから服と髪型がヒルダさんの人がでてきた。
それはヒルダさんの妹のヨルダさんだった。
ヨルダさんはゲートを通り、そのまま男鹿に倒れ込んだ。
「ヨルダ!どうしてヒルダ姉様の格好を…?何があったの!!」
「男鹿………辰巳……………ヒルダを助けて……」
「とりあえずベットに寝かせとく。お前は俺に任せて、行ってこい」
男鹿の代わりヨルダさんを抱き上げ、ベッドに寝かせる。
「任せた」
男鹿はそれだけ言い残して出ていった。
「まあ、俺も少ししたら追いかけるんだけどな。とりあえず濡れタオルとか色々持ってくるからラミアは拭ってやってくれ。俺廊下出てるから」
「で、でも罠の可能性も…」
「焔王はゲームがしたいんだし、夜に誘き寄せることは無いだろう。元から男鹿は行くんだ。やる気が出るのはいい事だ。それに……」
「それに?」
「姉が妹を助けるのに理由なんていらないだろ?」
「え?えっええぇぇぇぇぇ!!!!ヒルダ姉様とヨルダが姉妹!?」
「なんだ?気づいてなかったのか。名前も昼と夜でこんなに顔も似てるのに……後で聞いてみろよ。男鹿が連れて帰ってくるんだから」
「う、うん」
「じゃあ、俺は荷物持ってくるわ」
部屋をでる。
『主様』
「
『時空の歪み……ですか』
「俺の行いがどれだけ影響を及ぼしているか分からない。せめて殺六縁起が出てくるまでは表立つ予定は無い」
『では、我ら仲間の捜索に移ります。エメラ、ライトが残留となります』
「任せた」
さて、下から医療道具もろもろ持ってくるか。
人間界のが効くかは知らんが。