感想の返信は23時って言ってたのに早目に上げちゃうぜ。
そして終われば修学旅行だー
部屋の中に1人の女性が現れた。
「迎えに来たわよ」
金髪侍女服のその女性はヒルダさんの妹ヨルダさんだ。
「全く、焔王坊っちゃまの命令じゃなければこんな事しないわよ。有り難く思いなさい」
「ありがとな」
間髪入れずに返した感謝にヨルダさんは驚く。
しかし、直ぐに平静を取り戻し次元転送のゲートを開く。
ゲートを潜り抜けるとそこは広い闘技場の様な場所だった。
観客席とも呼べる場所には屈強な男や美麗な女性がこちらを見ている。
少し怪我をしているがそれでも覇気がある。
その視線は疑惑、観察、嘲笑、困惑……殺気も含まれている。
そして観客席の中央の席に玉座がある。
玉座には焔王が座り、こちらを眺めていた。
「来たか……よくぞ、恐れず参った古市」
「こちらから申し出た約束だからな。そちらこそ願い叶えてもらい感謝する」
「変なことをいうな、古市。まだ余は願いを叶えていない。というより、既にそなたの中では叶えられる先が見えておるのか?」
「無論。勝機が無い勝負など滅多に俺はやらない。そして条件は一つクリアしている。あの条件をクリアしたんだ。これでクリア出来なきゃ信じた意味が無い」
「確かにのう…」
「焔王様!」
俺と焔王の会話に1人の柱将が割り込んできた。
本来なら不敬だが、言い分はある。
「なぜ、我らベヘモット34柱師団全軍394名をこの演習場に集めたのでしょう。不敬とは思いますが理由を話して頂けないでしょうか!?」
「ふむ……そうじゃな。そなたの疑問は分かる。しかし、まずは余興じゃ。その後に話そう」
焔王は一息つき、命令をくだす。
「柱将未満の各団員よ!演習場に降りよ!!そしてそこにいる人間を倒せ!!決して手を抜かず全力を尽くせ!」
その命令に団員は困惑する。
たった一人の人間。
しかも、契約者でも無いただの人間を倒せというのだ。
団員は確かに柱将に比べると弱い。
それでもベヘモットの配下。
戦闘集団の名は伊達では無いのだ。
それを考えるとたかが人間に、しかも柱将、柱爵を抜き、考えても300人以上を1人の人間には余りにも多すぎる。
しかし、命令。
しかも、自分たちが付き従う王の命令だを
聞かない訳にもいかない。
団員は武器をとり、演習場に降りていく。
「言い忘れておったが降りた瞬間に始まりじゃからな」
焔王の声が通る。
「え?」
その瞬間に降りた団員200人が吹き飛ばされる。
ここで幸運だったのは降りたのが200人だったという事。
演習場は広いとしても300人降りるには時間がかかる。
その為に起きたタイムラグ。
不幸なのは次はきちんと知った上でやられることだ。
200人がやられた事で尻込みする団員。
あの時は油断していたと心の中で言い訳する。
何か卑怯な真似をしたのだ。
そう思い気を引き締め、次々と団員は降り立つ。
降り立った瞬間に意識が飛ぶ。
そしてあっという間に団員は全滅した。
そんな死屍累々な状況の中で尚も悠然と立ちはだかる者が1人。
その者は銀髪の人間だった。