起きたらホテルの一室で目を覚ました。
窓からは青く綺麗な空と海が見える。
多分修学旅行で沖縄に来たのだろう。
しかし、俺は怪我したから多分行けないと思っていた。
やっぱりベヘモット34柱師団全員と本当に1人で戦うのは無茶だったな。
その後寝て起きたらこれだ。
とりあえずもう一回寝るか。
起きたら隣で男鹿がブリッジしていた。
「おはよう、古市」
「……色々言いたいが……何があった?」
「なんか早乙女のヤローが沖縄に行きたいって言うから、お前も行きたいかなーってアランドロンに連れてこさせた」
「それは、まあ…ありがとう?お前は何してんの?」
「考え事だよ。あの野郎……他人とは思えね」
「あの野郎?」
「珍高とかいう高校が一緒にこのホテルにいてそこの番長が他人とは思えねー感じがすんだよ」
廊下に出て、夜飯を買いに行く。
そして奢ってもらおうとする男鹿がついてくる。
「よう、また会ったな」
「また、てめーか」
「こいつが?」
そこには金髪の男子高校生がいた。
背には女の子の赤ん坊を背負っている。
確かに男鹿に似ているな。
でも、火炙高校のあいつに比べればまだ普通かな。
「そっちは知らねーな。哀場猪蔵だ。それでだ葵の部屋はどこだ?口説きに行くんだよ」
「勝手にいけよ」
「ついでに協力してくれよ」
「はあ?なんで俺が?」
「あにじゃ」
「お?……大変だとんぬら。ウチのちぃがテメーの坊主に恋をしたぞ」
「なんなんだテメーらっ!?多感か!!」
その後、女子部屋に特攻した。
山賊のように女子部屋を荒らす。
何故だろう……酷く見慣れた光景だ。
よくやられているからだろう。
「えーとね、ちぃはねぇ。占いの本が好きなのー。ちぃとあにじゃはおとめ座だからここー恋愛運も95点なの。お姉ちゃんは何座?」
「私?私はおうし座よ」
「さそり座」
クイーンはおうし座、オータムはさそり座。
寧々さんは答えずに哀場の胸ぐらを掴んでいる。
「おうし座はおとめ座と相性抜群だって!!よかったねあにじゃー」
「男鹿もおとめ座だから相性バツグンじゃん。よかったじゃん。あと俺はさそり座」
「さそり座はねーさそり座と相性が良いのー」
あからさまにクイーンが嬉しそうな顔をする。
「ベル坊は何座だろうなー」
「先生もっ!!おとめ座だぜっ!!早乙女だけに!」
入口を勢いよく開けて早乙女先生が来た。
そして帰って行った。
どんだけ夜に恋愛トークするのに憧れてんだよ。
「ウチらはアンタたちと揉めたくないのよ」
「ま、分かるぜ。揉めたくないのはな。でも尚更俺たちだけでも仲良くしといた方がいーんじゃねーの?」
「そういうことなら確かに。1度ご飯に付き合うくらい……丁度明日は自由行動だし……ただし、二人っきりじゃないわよ。番長同士仲良くならお……男鹿も一緒なんだからねっ!」
精一杯の勇気を振り絞り、男鹿を誘うクイーン。
ラブコメ番長と鈍感番長とのラブラブダブルデート開始である。