銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第六十将 クリスマス回だそうですよ、その4

2回戦目は案の定ジェスチャークイズ。

 

山村藤崎ペアは自爆し、特に描写することは無い。

 

谷村さんが頑張って演技してるのを心のフォルダに保存したくらいだ。

たぶん、お題も原作と同じことだったろう。

 

 

あとは別にモブを倒していったことぐらいだ。

 

なんてったって参加ペア16組のうち、

 

男鹿ヒルダペア

神崎花澤ペア

夏目樫野ペア

姫川大森ペア

東条七海ペア

出馬邦枝ペア

早乙女先生斑鳩ペア

そして古市谷村ペア

 

8組が石矢魔ペアだ。

 

そして勝ちあがるのも石矢魔だ。

 

 

既にこの祭りは石矢魔ベストカップル状態だ。

 

 

 

 

 

しかし、次からは原作に無い事だ。

 

何故そうなってしまったかは知らないが出馬邦枝ペアVS姫川大森ペアの戦いだ。

 

烈怒帝瑠の三代目四代目の戦いだけでなく、姫川先輩も何かしらやり返したい気持ちはあっただろう。

 

この勝負……原作のように一瞬では終わらないだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わりました。

 

やはり、邦枝先輩は強いね。

 

姫川先輩が早く乗らないからこっちがどうたらって文句を言っていた。

しかし、審議をしない審議おじさんの手によって拒否された。

 

 

そのまま大森さんは観戦に移行。

姫川先輩は帰ろうとしている。

 

そんな姫川先輩に話しかける。

 

「姫川先輩、お願いがあるんすけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

夏目樫野ペアも東条七海ペアに敗れた。

 

特に夏目先輩が勝ちを意識していないのが勝敗を分けたな。

夏目先輩自体もまるで乙女ゲームのように会場に観戦でいる女の子たちをキャーキャー言わせていたが性格の悪い教師こと佐土原先輩と審議のおじさんにより点数が低くなったな。

 

女性の教師からは満点だったんだが…

 

 

「行きますよ」

 

「出番か…じゃあ、パー澤さん腹痛治ったんですね」

 

パー澤は謎の腹痛(完全に炭酸水一気飲み)により保健室に運ばれていたので試合がズレていた。

 

ようやく、試合だな。

 

 

 

 

『さあ!お待たせしました。古市谷村ペア対神崎花澤ペアです!』

 

「「「「「わあぁああぁぁぁああっ」」」」」

 

 

『おぉーっと溢れんばかりの歓声!ぶっちゃけこのペアはどうなるか不思議でしょうがありません!神崎花澤ペアはあたふた具合が最高に面白く、古市谷村ペアはどんな事をやらかすのだろうと期待が高まっています』

 

「むちゃくちゃ言ってんな…」

 

『古市谷村ペアは相手の自爆によりなりを潜めていましたが、銀の叡智古市貴之は聖石矢魔では一番知られる石矢魔生徒です。学校のファンクラブでは既に50名のファンを超えているそうです!』

 

ファンクラブあんの!?

 

俺はモブ市やぞ。

 

 

 

 

ーー観戦席ーー

 

「ファンクラブなんてあるの?」

 

大森は隣にいた樫野に聞いた。

 

「ありますよ。私会員ナンバー1番です」

 

そういって生徒手帳の中から小綺麗なカードを取り出す。

 

「貴之さん暇な時にこっちに来て部活体験していくんです。本人は部活荒らしって言ってますけど、その功績により今ウチの学校部活が活発化してるんです。それに六騎聖がいない部活も功績を上げるようになって……女子だけでなく、男性もファンクラブ入ってますよ」

 

「へ、へぇ〜…」

 

「写真部が写真集を、お料理研がレシピ帳を運動部が特訓メニュー表をそれぞれ作ってます。聖石矢魔の極秘書類として出回ってますよ。写真集は買いました」

 

「………それはどうなの?」

 

「写真集いります?」

 

「……………………………いる…」

 

 

 

 

 

 

ーーステージーー

 

なんか二人仲良くなってる。

よかったー

諫冬ちゃん、あんまり友達いないって言ってたから。

(真実は近づき難い+六騎聖の名によるもの)

 

『今度の種目はズバリ!料理対決です!各ペアそれぞれ力を合わせて料理を作ってもらいます。ただし、作る品目はクジ引き、調理工程は1人ずつです!ぜひ、頑張ってください』

 

「フフっ、おもしれーっす。ウチの女子力舐めんなよ」

 

「………」

 

「…?神崎先輩どうしたんすか?そんなザリガニみたいな目して…もしかして料理下手っすか!しょうが無いっすね…ウチがリードして……」

 

「俺は姫川に習って反則をする。失敗したら負けだ」

 

「え?」

 

「おい、解説。料理が決まったら動いていいか?」

 

『あ、はい大丈夫ですよ!ではルーレットスタート!!』

 

ルーレットは周りだし、ストップを押す。

 

料理は神崎花澤ペアがグラタン、古市谷村ペアはオムライスとなった。

 

 

「1つも食材を残さねぇ!!」

 

そして料理が決まるとカートを持って神崎先輩は走り出す。

そして食材をカートに詰め始める。

 

『おぉーっとなんという!これはまさか……食材の独占だぁー!!!神崎選手、古市谷村ペアに料理をさせない気だー!!!なんという卑怯な手!美食會か!!料理勝負を根底から覆すド汚ねぇ手を使ってきたぁーっ!』

 

 

古市……てめぇが料理上手なのはよく知ってる。

届けられる弁当、届けられるプリン。

プリンなんかアレがあれば二葉簡単に言うことを聞くようになる。

そんなお前は酢飯だけでもおいしいオムライスを作る可能性がある。

 

ならば、勝つためにはこれしかねぇ…

 

悪く思うなよ……俺は二葉におもちゃを買う為に金を使いたくねーんだ……!?何だ?笑ってる…?

 

何故笑っていられるんだ!?

 

食材はねえ。

料理を、出すには食材がねえと。

 

「審判さん、手持ちの食材って使用ありですか?」

 

『ありです!というか食材が無いのでそれくらいしないと何も無いので!!』

 

「じゃあ、姫川先輩お願いします」

 

「いいだろう」

 

体育館の扉が開かれるそこには校庭に置かれた大量の食材。

 

まるで、そこが食材の宝庫のような光景だった。

 

「姫川てめぇーー!!!」

 

「かわいい後輩の頼みだ。聞かねぇ訳にはいかねえだろ」

 

そんな姫川先輩の瞳には豪華な食事の数々が写っていた。

 

「魂胆なんかお見通しだ!こらっー!!」

 

「それにお前が悔しがる顔がみたい」

 

「スプーン曲げのスプーンみたいな性根しやがって…」

 

『これはまさかの展開!!美食會のごとく食材の独占を測った神崎選手!しかし、IGOのように食材の保護を行っていた古市選手が1歩先に行ったぁー!!これはお料理研全員を降した古市選手の圧勝かー!?後は谷村選手の腕前がかかっております!!』

 

「オムライスはよく弟達に作ってるから大丈夫だよね?」

 

「問題ありません。貴方が置いてったレシピも覚えてます」

 

「オムライスのレシピ!?」

「まだ、お料理研に無いぞ!!」

「試合が終わったらください!」

「いや、1口食べさせて!!」

 

『観客席のお料理研が大変騒いでおります!これは終わったかー!?』

 

「くそやるしかねぇ!!いけぇーヨーグルッチ!!!」

 

「何やってんすか!?」

 

 

 

『そんなこんなで実食です。審査するのはもちろんこの人聖石矢魔の新しい顔!新条アレックス新会長です!!』

 

「よかったわ今年で会長止めて。半分罰ゲームやったわ」

 

「でも、半分は確実にご褒美ですよ」

 

「諫冬ちゃん的にはご褒美かもしれんけど…」

 

「貴之さん、1回三ツ星レストラン総料理長を倒してますし…」

 

「……マジで?」

 

 

『本来なら古市谷村ペアからですが先に神崎花澤ペアからです!もう見た目的にご褒美は後に残しましょう!』

 

「見た目は普通ですね……しかし、ヨーグルッチの甘さがなんとも吐き気を誘う……ゲロマズdeath!!」

 

『あまりの不味さに新会長吐き出したっー!!無理もありませんここまで甘ったるい匂いがします!何度も咳き込んでいます!大丈夫でしょうか!?』

 

「これは寧々が出てたら危うく泥仕合になるところだったわね」

 

「そんなやばいのか?」

 

「世界が……終わるわ。最悪死人がでる」

 

「」

 

 

『さて、地獄を乗り越え、次はご褒美タイム!古市谷村ペアのオムライスです!』

 

 

「見た目も美しいながら、スプーンがふんわりとした感触を伝えてくる。トマトの味がしっかりしている中、卵自体の味も損ねていない。他にも美味しさを伝えたいですがそれを伝える言葉をうまく表現できない……ですので一言だけ言わせてもらいます」

 

そういって新会長新条アレックスはスプーンでオムライスを頬張っていく。

 

そして、完食しこう言った。

 

「Excellent!!」

 

その目には涙が流れていた。

 

 

 


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