銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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第六十五将 第一の臣下

 

 

あの後男鹿が減り込まされたり、火炙り高校の赤星や鯖徒高校の市川が現れたり、その場は1度お開きになったりした。

 

放課後、怪我をした邦枝先輩の神社に集まることになった。

 

 

当然寒いが外で待つ。

 

無駄に殴られたくはない。

 

家の中から叫び声と何かが叩かれる音がした。

しかし、男鹿しかいないはずだがなぜ2発も音がしたのだろう。

 

それはすぐに判明した。

両頬を真っ赤にした男鹿と邦枝先輩、そして烈怒帝瑠で名のあるメンバーが出てきた。

 

石段からは神崎先輩、夏目先輩、姫川先輩が来た。

 

少し遅れて陣野先輩方も来る。

 

そしてこれで全員揃った。

 

東条先輩はいつもの通りバイトだった。

それ以外はやられたと。

 

真田兄弟やキラーマシン阿部がやられたのは分かるがグットナイトが生きているのはびっくりした。

なぜMK5がやられてお前残ってんだ。

この頃はMK5+‪α‬ってやってたじゃねーか。

 

灯油缶を蹴りとばす。

 

蹴り飛ばしたのは神崎先輩だった。

 

「今はそんなことどーでもいいんだよ。今俺たちが潰さなきゃなんねーのは騒霊のなすびだろ」

 

「実力は未知数だが筋は通しそうな火炙りの赤星や鯖徒の市川と違ってあの茄子って男はピエロだ。次の瞬間何をするか分からない危うさがある。後手に回ると取り返しのつかないことになる」

 

「たしかにな……藤や鷹宮はまだ目立った動きをしてねぇ。となると今やばいのは奈須だ」

 

「後は邦枝先輩を狙ったっていう魔女学ですね」

 

「ええ、彼女の狙いも男鹿でしょう。でもまかせて。魔女学のタバコ、鳳城林檎は私たちが引き受ける。烈怒帝瑠の名にかけてね」

 

「じゃ、男どもは茄子喰いか。な?男鹿」

 

「そんなもん…最初(ハナ)っからそのつもりだっつの」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後話し合いで姫川先輩は単独行動を取った。

 

ジャンケンでとりあえずその場で大将を決めるといことでベル坊が大統領に決まった。

 

釈然はしないがとりあえずは纏まったということでその場は別れた。

 

話し合いで大将同士の戦いで男鹿と奈須が戦えるように情報戦を敷き、場を作る作戦になった。

 

騒霊組を全部潰したいところだが、他の目がある以上はそれが最善策となった。

 

 

次の日学校で全員がバラけているのを確認する。

 

神崎先輩は一緒に行動し、奈須が教室で1人で待機しているのを確認する。

 

そして神崎先輩は中に突入した。

 

誰も彼もが男鹿、男鹿、男鹿。

自分なんか眼中に無いと、雑魚扱い。

そしてそれをまぁいいかなんて思うようになっていた。

 

舎弟頭の城山がやられた光景が頭をよぎる。

 

俺一人でも………やってやる。

 

「なすびぃぃっ!!!」

 

部屋に入ると騒霊組幹部と配下が勢揃いしていた。

 

「2名様ごあんなーい♡」

 

扉が閉められる。

 

「どういうことだ?てめーら全員バラけているはずじゃ……」

 

「イッツ騒霊マジィーーーック♡♡」

 

バラを咥えて上裸の奈須は高らかに叫んだ。

 

そんな奈須の胸にはタトゥーのようなものが入っている。

凝ってもいない、簡素なデザインだが悪魔と戦った自分なら理解する。

あれは悪魔との契約の証だと。

 

そう思考している間に神崎先輩は動く。

城山先輩を殴り病院送りにした巨漢にかかと落としを繰り出す。

 

しかし、ものともせず張り手を食らい、地面を転がる。

そして狐面をつけた小柄な男がドロップキックのように踏みつける。

 

教室の床は罅割れる。

足と床の間にある神崎先輩の身体がどれほどのダメージか想像は容易い。

 

「よわっ」

 

そんな奴らの身体には茄子にあった契約紋に数字を追加したものが光り輝いていた。

 

「やれやれダメだっちゃ。大将失格。男鹿っちゃんは仲間の使い方がなってないなり。せっかくあんなスゲー赤ん坊がいるのに」

 

「黙れよ…」

 

先程のダメージでは絶対に立ち上がれない。

しかし、神崎先輩は立ち上がった。

 

血を流し、よろけながらも立ち上がる。

 

「てめぇごときがアイツを語ってんじゃねぇ…」

 

本当は気づいていた。

 

姫川だって気づいている。

 

俺みてーに素直じゃ無いだけだ。

 

「俺らの大将はなぁ……この学校のNo.1なんだよ」

 

鍵がかけられ、締め切られていた扉が蹴破られる。

そこには男鹿が立っていた。

 

「男鹿っちゃーん。またこの引きナリかー?正直ワンパターンにも程が…」

 

「あ?何勘違いしてんだ……まだ負けてねーだろ?ウチの特攻隊長なめんじゃねーぞ」

 

 

ヨロヨロで立ち上がったはずの神崎には力が溢れていた。

 

左肩の後ろ肩甲骨の辺り。

そこには男鹿の蝿王紋に数字の1を追加したようなものが光っていた。

 


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