銀色の契約者   作:飛翔するシカバネ

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八将 友人の公園デビュー

ボーーーーーーーーーーーーーーっ

 

男鹿はベンチに座っていた。

 

 

「男鹿、はいこれゴリゴリ君。ソーダとコーラ、どっちがいい」

 

「コーラ」

 

俺は男鹿にコーラを渡して男鹿の横に座る。

 

「…また、やっちまったな」

 

「あぁ、やっちまった」

 

「ケンカしねーとかさ、マジで無理じゃね?」

 

「すまん」

 

「あやまんなよ、先に。お前はコロッケ買ってくれたじゃねぇか」

 

「男鹿のせいとはいえ俺も油断したからな。一応謝らねーと」

 

(ーーーいや…)

 

「と、いうより今回はヒルダさんにハメられたな」

 

「…………あぁ、あの女狐。結局捕まったふりかよ」

 

まあ、疲れたわ。

マジで。

 

「ーったく、今思い出してもムカつくぜ。あの乳女。人が折角助けにやってきたのに礼の一つも無しかよ。古市は俺にコロッケ10個買ってくれたのによー。なぁ、ベル坊……ベル坊?」

 

 

「ダ(要求)」

 

ベル坊が公園にいる親子のたかいたかいを要求している。

そして男鹿はベル坊を天高く投げ飛ばした。

 

しかし、投げ飛ばした時点で13m。

男鹿即死まであと、2m。

男鹿はベル坊のお陰で距離を正確な翻訳に図れるようになった。

 

「まて、こらぁあ!!!」

 

男鹿は、天高く飛んでいったベル坊を追っかけていった。

 

ゴリゴリ君コーラは地面に投げ捨てた形になった。

まあ、友人の命には変えられないか。

 

俺はゴリゴリ君を食べる。

 

「あ、当たった」

 

後で店にもらいに行こう。

 

「ーーーしっかし、この先どーなんのかねー」

 

男鹿も飛んでいったことだし、

 

「ゲーセンでも行くか」

 

 

 

 

 

 

ゲーセンに行くと女の子が絡まれてた。

 

っていうかオータムだ。

 

「なにやってんすか」

 

「ぁあ?!てめぇには関係ないだろ!」

 

「いや、そういうの放っておけないタチなんで。で、どうしたんすか」

 

「この女がよ俺をゲームでハメやがってよ、一種のカツアゲをしてくんだよ。だからその分の代金よこせっていってんだよ」

 

ただのゲームが弱い馬鹿じゃん」

 

「なんだと!てめー!!」

 

あ、声に出てた。

 

「ちょっと待って下さいよ。ここで話すのも何ですからちょっと奥で話しませんか?」

 

そういって俺は店の奥を指さす。

すると、馬鹿はニヤリと笑い。

 

「おー、いいぜ。向こうで話そうぜ、ゆっくりな」

 

オータムはここで待つことになった。

俺はお金を渡してゲームでもしといてもらう事にした。

 

-5分後-

 

俺は奥から出てきた。

 

「早かったですね」

 

「いや、案外話せばわかる人たちでさ。早めに話を終わらせてくれたよ。ただあと、ゲームは1回だけにしてくれってさ」

 

「じゃあ、一戦。あのゲームでお願いします、ネーヴェ」

 

「リベンジかな。オータム」

 

ネームで呼び合うのはなんか悪ノリだ。

 

Redy FIGHT!!!

 

 

熱戦だった。

こんなにもやり込むのはいくらかかるか分からない。

しかし、そう簡単に勝ちは譲れない。

 

「また、負けました」

 

「流石に危なかったよ」

 

「同情はやめて下さい」

 

「同情してないよ。ぶっちゃけギリギリだったよ。俺もゲームは一番だと自信あったんだけどな」

 

「あなたもなかなか上手いですよ。私に勝つのですから」

 

「……そっちもなかなかの自信家だね」

 

「当然です。ではもう一度」

 

「いや、1回だけだったからね。俺は帰るよ。まだ、明るいし俺が送る程でも無いでしょ」

 

「そうでしたね。私はトイレに行ってから帰ります」

 

「寄り道しないで帰りなよ。じゃあ、またゲームしような」

 

そういって俺はゲーセンから出て家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

不思議な人ですね。

また、名前を聞くの忘れてました。

でもオータムとネーヴェでいいですかね。

必要は無かったのですが少しめんどくさかったので絡まれたときは助かりました。

 

私も家に帰らないと…?

 

そういえば奥の部屋と言っていましたが奥の部屋は今行ったトイレしかありませんね。

 

女子トイレと男子トイレの二つ。

それ以外に外に出る手段はありません。

男子トイレにずっといるのでしょうか。

 

流石にあの状況で話し合うだけには見えませんでした。

ゲームをして忘れてましたけど。

ネーヴェが力自慢には見えないのですが。

 

私は男子トイレのドアを開けると

 

「だめよ、中を見ちゃ。お嬢ちゃんは家に帰りなさい」

 

女の人の声がして目の前が真っ白に光り、思わず目を瞑り、そして目を開けると目の前には私の家の扉がありました。

 

「あれ?私はいつのまに」

 

『ゲームをしにいってあの人とゲームをやってトイレにいって普通に帰ってきたのよ』

 

「そうでしたっけ?」

 

『そうよ』

 

「そうでしたね」

 

私は誰と喋っているのか。

その場で振り向いても誰もいませんでした。

 

「千秋姉ちゃん扉の前でなにやってるの」

 

「あ…いえ、ただいま」

 

「おかえり、姉ちゃん」

 

 

不思議なこともあるんですね。

 

 

 

 

 

 

 

「ラピス、護衛お疲れ様」

 

『主様、危なかったですよ。あの子男子トイレ覗こうとしてました。主様のやったことバレるところでした』

 

「え?じゃああれ使ったの?」

 

『だめでしたか?』

 

「いや、矛盾が特に出来てなさそうだから別にいいよ。聞かれてもしらばっくれるから気にしなくていいよ」

 

『主様の為ですから』

 

「ホント、いい子だよラピスは。帰りに和菓子買っていこうか」

 

『はい』

 

 

 

さて、帰るか

 

 

 

 


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