ベル覇吐   作:( ∴)〈名前を入れてください

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以外と難産でした。


序章 平穏な一日

夢を見る。

どうしようもなく、震えることも出来ない自分が目の前の男に脅え続ける。

「あぁ…何故だ。」

ぼくじゃない。お前が見つけたいのはぼくなんかじゃないんだ。

「何故俺の体の仲に塵が積っていく…。気持ちが悪い。」

コイツが願うのはただ一つ、ただ一人になる事。コイツの心の中にあるのは徹底的な他人の排除と究極的な自己愛。

そいつが願うのは探しつづけた不快感を消し潰すこと。

 

「なぁ…お前のせいでこうなったんだぜ?」

止めて止めて君が探しているのはぼくなんかじゃない。

ぼくの知っている人はこんな動く事も喋る事も出来ないぼくを認めてくれたんだ。

一緒に生きていく事を許してくれたんだ。

だから違う。ぼくは君なんて知らない。

「違わねぇよ…お前が俺の体に居ることが不快なんだよ。」

「それが不快なんだよ!煩わしいんだよ!掻き毟ってまっ平らにしたいんだよ!」

 

コイツの言葉にただただ脅える。違うのにぼくじゃないのに。

コイツがぼくに言葉を重ねる。これで最後と言わんばかりに。

「なぁ…兄弟。俺はお前の事が邪魔なんだよ。」

嫌だ。嫌だ。ぼくじゃない。人違いだ止めてくれ。

 

………。

どうしてぼくがこんな目に合う?

あの人は僕を認めてくれたんだ。こんなぼくを生きていく事を許してくれたんだ。

なのに…なんだコイツは?何でぼくを殺そうとしてくる。

奴の手が僕に迫る…分かるんだ。ぼくはここで死ぬ。

 

僕は…ただ生きたいだけなのに。ぼくを認めてくれたあの人と一緒に。

意識が無くなるなかコイツの声が聞こえてくる。まるで嘲笑うかの様に。

 

「あぁ…ようやく一人になれた。」

 

「うわああああああっ!!」

「べ…ベル君ッ!?」

思わず体を飛び上がりながら目を覚ます。

すると目の前に見知った風景と見知った顔が見える。

「…神様?」

「どっ…どうしたんだい?何か悪い夢でも見てたのかい?酷くうなされていたよ?」

心配してくる神様の姿を見て安心する。心が落ち着く。

あぁ…良かった。俺は神様と一緒にいるんだ

「いやっ大丈夫だ…嫌な夢を見ていただけなんだ。…だから大丈夫。」

「本当かい…?ならいいんだけど。」

そう大丈夫。あれは夢だ俺はあんな奴なんて知らねえし見たこともねぇ。

 

突如物凄い悪寒に襲われ思わず神様の顔を凝視する。

「どっ…どうしたんだい?そんなに見てきて。」

あぁ…良かったと思い頭を降る。

訳がわからねぇ…神様に三つ目があるように見えるなんて…有るわけがねえのに。

 

何で夢にみたアイツと神様が被って見えちまったのか…。

 

酷い朝の後、神様と食事をとってるとこんな事を言い出した。

「そう言えばベル君に言っておかなくてはいけない事があったんだよ。」

「ん?どうしたんだよ神様?」

「いや今日の夜から神々が集まる夜会があってね。久しぶりに顔を出しておきたいんだ」

そう言われてあの時にいた神を思い出す。

「成る程ね…会いたい奴も居るってことか」

「うん。久しぶりにヘファイストスの顔も見たいしね。」

「あーあの時の。」

「そう言う事。だから僕は今日は帰らないから、それを伝えておこうと思ってね。」

そう笑いながら話す神様を見ながら返事を返す。

「分かった…行ってらっしゃい。」

「うん!行ってくるね!」

 

「ってな訳で今日はどうしようかねぇ…。」

取り合えず俺はやることもなく町をぶらついてた。

「遠征は二日後…ねぇ…。」

俺が目を覚ました時にオーリの奴が言っていた。

「準備なんて殆どねぇしなぁ…。」

さって…どうしたもんかねぇ…。

 

「…ってなもんで暇なんだよ。」

「それで家に来たのか…お前は。」

「まぁそう言うなよ。昨日殴りあった仲じゃねぇか。」

俺は今ベートの居るこのロキファミリアに来ている。

 

辺りを見渡すとやはりこのオラリオ一である由縁だろう。色んな所から活気ある声が聞こえてくる。眷属が俺しかいないうちとは大違いだ。

「いや…俺はお前と違ってやる事が山積みだから。」

「あーそういやお前のファミリアって確か…。」

「怪物祭に急遽参加決定でてんてこ舞いなんだよこのタコ。」

 

そう言う顔には少し疲れが見える。

「大変そうだな。」

「はっ…てめえに心配される程は落ちぶれてねえよ。」

「そういやてんてこ舞いなのにお前等2人って何でオーリの遠征の話受け入れたんだ?普通断るだろ?」

 

そう聞くとベートは苦虫を潰した顔になって嫌そうに答える。

「家の神様からのご要望だよ…。なんでも2人ともlevel6になったんや。この遠征をちょっとでもlevelを上げるための足しにして家のファミリアがlevel7三人とかなったらオモロくないか!?……だとさ。」

「おっ…おう…。」

「引くな…頼むから。」

 

二人で話していると遠くの方から声が聞こえ思わず二人して無言になる

 

「ねぇ?アイズもベート達と一緒に遠征行ってきたら?ロキに頼んだら許してくれそうだし」

「でも…。私まだlevel5だし…ベート達の足を引っ張るかも。」

「そんな事ないって、ねえママ?」

「誰がママだ…まぁティオネが言っている事も一理ある。アイズ、お前は最近調子が芳しくないみたいだからな。ここらで一つlevelアップに向けての足掛かりを掴む事も重要だろう。…なんなら私からあの馬鹿にでも頼んで……。」

「でしょー!?アイズもベートを抜かしたいだろうしね。急に強くなったもんあのツンデレ狼。」

 

女三人揃えば姦しいとは言うもんだな。此方まで聞こえてくる。

…………。

「言われてるぞツンデレ狼。」

「…黙れ、首かっ切るぞ。」

コイツぶっきらぼうすぎてそろそろ誰かが発破かけてやらんと愛しの剣姫ちゃんに愛想つかされるぞ?

……しゃあねぇなぁ。

 

「はっ。そんなんだから愛しの剣姫ちゃんに」

「てめえ!そのネタ引きずりすぎなんだよッ!!」

言うが速いかベートが俺の服を掴む。

「知るかそんな事!さっさと告白の一つでもしやがれこのヘタレ野郎!」

だから今すぐにでも告白しに行けってんだ!

俺の言葉にベートは顔を梅干みたいにして言葉を返す。

 

「大体なぁ!!俺はアイズの事なん……て」

「どうした?ほら言ってみろよ?」

尻窄みになっていくベートを煽りながらベートの見ている方を見る。

「全く…男って奴は…公衆の面前で…デリカシーって奴がないのかしら?」

「全くだな。…アイズ、あんなのに惚れては駄目だぞ。」

「うっ…うん。分かった…?」

……やべえ何か冷めた目でこっちを見てきてるんですけど……。

「何だ…その…すまんベート。」

「……。」

 

するとベートは俺の服を解き放ちながらゆらりと女性陣の方へ行く。

「…何よデリカシーなし甲斐性なしのツンデレ狼。」

「いや…待てデリカシー云々は御前に言われたくは無いぞ…馬鹿アマゾネス。てめえは先ず自分の格好を見直して来やがれ…。」

「何よ…?やる気なの?」

瞬間…辺りが静寂に包まれる。

 

「…勝てるとでも思ってんのか?武器の扱いはまだまだでlevel4のお前が?ハッ!!面白え冗談吐きやがる。なんならお前が3人いたとして俺と戦って俺に勝てる確率はどれ程のものだろうな?なぁ…アイズにリヴェリア?どの程度だと思う?お前らなら分かるだろ?」

そう言いながら残り二人に話しかける。

「全くお前は…もうちょっと普通にアイズに話題をだな…。…まぁ端的に言うなら限りなく0に近いな」

 

リヴェリアの言葉にティオネは顔を悔しそうに変える。

それを見て少し溜飲が下がったのか嬉しそうにベートが頷く。

「そう言う事だ。てめえじゃあ俺には絶対に勝てないからな、好きなだけ吠えてろ。」

「グヌヌ…ベートの癖に生意気な。」

「言ってろ。」

 

そう言い括るとベートはアイズの方を見ながら話始める。

「でだ。アイズ、お前が遠征について来たいってなら俺からもオーリの奴にだな…。」

「いい。」

「あぁ?どう云うこったそれは?お前強くなりたいんだろ?」

「別にベートさんの力を借りなくても強くなります。施しなんて要りません。」

アイズの顔からは見て分かる拒絶。施し等受けぬと言言い切った。

 

「へっ?……ベート…さん?…おっ…おいアイズどうしたんだよ…一体……。」

ベートのに顔が固まる。体の震えを見てとれる。

「行こう…ティオネ。」

「…えっと……ごめんね?ベート。」

そう言うとティオネの手を引きながらその場を後にしていくアイズ。

 

この場を後にする二人、残ったのは石像と化したベートとリヴェリアと俺だけだった。

「ベート…さん……必要ない…必要ない。」

「いや…マジにすまねえな…ベート」

「すまない…ベート、私も少し言い過ぎた」

「……もうほっといてくれ。」

 

こうして俺の一日は幕をおろした。……すまねぇ…ベート…こんな事になるつもりじゃ。

 

 




伏線張りまくりの回(土下座)
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