ベル覇吐   作:( ∴)〈名前を入れてください

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さーて…更にオリジナルストーリーは加速するぞぉ…。


序章 アイズの願い

ダンジョンで魔物の断末魔が鳴り響く。

「ふっ…!」

「ガァッ…。」

少女が黄金の如き輝きを持つ金髪を翻しながら剣で魔物を切り裂く。

 

その金髪も少女の優れた容姿も合わさりまるで西洋人形の様だと彼女を見たものは口を揃えて言うだろう。

名をアイズ・ヴァレンシュタイン。この迷宮と冒険者の町オラリオで名高いlevel5の第一級の冒険者である。

 

だが今の彼女の容姿は普段の彼女の姿を知るものに不安感を与えるものとなっていた。

何時もなら黄金の輝きに等しき金髪も少しくすんで見え、彼女の顔からは疲労による疲れが見てとれた。

彼女の知る者が今この場所に居るならばもう迷宮にいるのを無理矢理にでも止めて、彼女のホームに連れていくだろう。

 

だが今この場にその様な事を言ってくれるものはいない。

何故なら彼女は今一人で迷宮に入っているのだから。

なんと言う無謀、蛮勇としか呼べず呆れ返るしかできない。

 

彼女はlevel5であり、第一級の冒険者。これ表す所、彼女の適性levelのダンジョンの階層は普通よりずっと深い。

level5適性の階層は一人ではなく全体で攻略するものと相場が決まっている。

一人で行くなど自殺行為にしか過ぎない。

 

だが彼女は更にダンジョンの奥へと進む。その歩みに不退転の意思を乗せて。

何故彼女はこの様な蛮行をしているのか、何時もの彼女からは信じられない様な事を。

 

………。

「もっと…強く…強くならなきゃ…皆に置いていかれるッ!!」

ダンジョンをかけながら魔物を切り伏せる。

もう何体切り伏せたか何て覚えていない。

だけど…もっともっと戦わないと強くなれない。

 

強くならないと皆に置いていかれる。それが何よりも怖い。

もう昔みたいな事になんて…。

「私が皆を守る…。」

あの時の様な事にならない為に。

 

………。

私は生まれた時は今とは別のファミリアにいた。…幼き頃の事はよく覚えている、忘れることも出来ない。

…全てを失ったあの時を。

 

私は幼き頃、血の繋がった家族でファミリアに所属していた。

ファミリアで同じ眷属だったお父さんとお母さんが結ばれて私は生まれた。

 

父親は迷宮に行っていない日は私をうんと構ってくれた。

「いやーアイズは可愛いなぁ…。お前はお母さんにだな。将来は美人さんになるぞ?」

ほんと?

「あぁ…本当だとも。」

「よーし今日は何したい?何でもいいぞ?」

えっとねー… じゃあ…何時ものお話をして!

「アイズは本当にあの話が好きだな。」

お父さんは私を脚の上に乗せてお話をしてくれた。

時々だけど帰ってきた時のお父さんの話を聞くだけでそれだけで私は満足だった。

 

お母さんは何時も美味しいごはんを作ってくれた。

「アイズーごはんよー。」

お母さんー今日のごはんなにー?

「さぁなんでしょうか?」

むー…教えてよー!!

ちょっぴりお茶目なお母さんに何時もからかわれていたけど、そんなお母さんが大好きだった。

 

そして同じファミリアに所属している冒険者さん達。

「よぉ!嬢ちゃん相変わらずお母さんに似て可愛いなぁ!」

「いーたーいー!」

「ガッハッハッハッ!すまんすまん!」

ぐわしぐわしと乱暴に頭を撫でてくるおじちゃんや

「女の子の髪の毛を粗末に扱うな!!」

「アダダダ!すまねぇ!許してくれ!」

「全く…ごめんな?馬鹿ばっかで?」

それを止めて頭を軽く撫でてくれるお姉さん達。

 

皆、皆大切な人達だった。…そして

「おや…久しぶりだね。アイズ。」

「はい!お久しぶりです!神様!」

「うんうん。子供は元気が一番!お菓子をあげよう。」

「ありがとうございます!」

何時もお菓子をくれた神様。

 

私は…ずっとこの人達と生きて皆みたいな冒険者になるんだって思ってた。

あんなことが起こるまでは。

 

変化は急に来た。私が何時通りにに起きたら何だか騒がしい。

「お父さん?お母さん?」

私が見に行くとお父さんとお母さんの怒声が響く。

「来るなっ!!」

「駄目ッ!?来ちゃ駄目!早くここから逃げなさい!」

幼い私はその言葉の真意に気づず。見に行く

 

「なに…これ。」

そこは地獄だったいや地獄なんて生温いもんじゃない…あれはべんぼう…この世の酷い所を全て煮詰めた蠱毒。

「殺せ!殺せ!全て殺せ!」

「我に刃向かう者に死を!」

「滅人滅相…生かして帰すな!」

急に人が変わった皆。

お互いに切り合い殴り会う。心の底から笑みを浮かべて死んでいく皆。

 

急な事に体が頭が受け付けない。ただ呆然とする。この理解できない状態に。

「死ね!」

すると目の前から私に剣を振りかぶる人が現れる。

駄目。逃げなきゃと思うも体が動かない。

「あっ…。」

目の前で血に濡れた剣が煌めきながら近づいてくる。

「(助けて!お父さん!お母さん!)」

思わず目を閉じる。

 

すると体が宙を浮きその場を離れていく。まるで誰かに抱えられているみたいに。

「大丈夫か!?怪我はないな!?」

「お父…さん?」

「すまん!今は言っている場合ではないんだ!」

私を抱えているのはお父さんだった。お父さんは身体を真っ赤にして私を抱えながら走っていく。

 

近くにいるのはお父さんだけ。…いない…お母さんが…お母さんがいない!!

「お父さん!お母さん!お母さんが!!」

「…っすまない!許してくれ…アイズ。」

「嫌だ!!お母さん!!お母さんは!?」

私が暴れると、落とさないように身体をしっかり支えてくる。

ポタリと私の顔に滴が当たる。

「すまないっ…すまない!!」

「あっ…。」

その時分かった。お母さんはもういないんだって…皆に…皆に…。

 

思わずお父さんの体にしがみつく。

急に体が震え始める。そっか…私達だけなんだ…皆

「…お父さん」

「……なんで?何でなの?」

「…分からない、本当にいきなりだった。食事中、急に神様が消えていったと思ったら皆の体が輝きはじめて、輝きが黒くなっていった奴から狂い始めた。」

 

そう言うとお父さんは私の身体をぎゅっと抱きしめ更に走る早さをあげていく。

「だが狂い始めた奴からこんな事をいい始めた。」

「我の体は我だけのものだ…塵は喰らいあって消えていけ。…何が塵だ…訳が分からねえ。」

「取り合えず…お父さんの知り合いがいるファミリアに行こう…。」

 

 

走る。ただ走る。

「(急げっ…!!早く彼奴に会わねぇと!!)」

少しずつ感じる不快感を胸に押し込め走り続ける。

可笑しい、俺の娘の筈なのに…この世で何よりも大切な筈なのに

「(何でっ…不快に感じるんだよッ!?)」

 

必死にしがみ付く娘が害虫にしか見えなくなる。母親に似て可愛い顔が蛆虫をみている様な不快感になる。

愛おしいのに世界で誰よりも大切なのに…なのにそんな娘が

「(急げ急げ急げ急げッ!?)」

早く…早く。この子を手放さなくては…。

 

暫くの無言の中お父さんはただひたすらに走る。すると向こうの方から声が聞こえる。

「…こっちだ!はようこい!」

「(ドワーフ?)」

声の主は大きな斧を持ったドワーフ

「…お父さん。」

「大丈夫だ。…すまない。」

瞬間私の身体が大きく飛翔しドワーフの元に向かう。

「…おっと。」

ドワーフが私の身体を優しく受け止める。

「…おい!一体何をしているのかわかって……お前…それは。」

「すまない…許してくれ…愛しているよ。アイズ。」

「お父さん…。」

お父さんの方を見ると体が黒くなっていく。

そして体の全てが黒くなると、また体が元の色に戻る。

 

そして

「あぁ…気持ち悪い。我の体は我のだけのものだ。…塵が我の視界にはいりおって。気持ちが悪いぞ、消えてなくなれ。」

あの時の皆の様な事を言い始め剣を抜いた。

 

ドワーフが私を下ろしながら話しかける。

「娘っ子…。いいか…よく聞け。ここから真っ直ぐ行った場所に大きな邸がある。其処に入れ。誰の紹介か言われたらガレスと言え、出来るな?」

「えっ…。どっ…どういう。」

私が動けずにいると怒声が響く。

「行けぇ!!」

その声に怯え私は言われた様に走り続ける。

真っ直ぐにただ真っ直ぐに走る。

そうして走っていった場所にエルフの女性と小人族の男の人がいた。

彼らは私を見ると驚いてこちらに近づいてくる

「どうした!?何があった!?」

「落ち着けリヴェリア!…お嬢ちゃんどうしたんだい?何か解る事はあるかい?」

 

えっとえっと…。

「ガレスがこっちいけって…お父さんが…お父さんが黒くなって…お父さんが死んじゃう!!」

私がそう言うと男の人が顔色を代えて言葉を発す。

「リヴェリアはこの子を頼む!僕はガレスの元に行くッ!」

「分かった!」

 

エルフのお姉さんは此方を見ると私を抱きしめ言葉を発す

「よく頑張った。…おやすみ。」

その声を聞くと体が言うことを聞かない。

…眠い。……体が……。

そうして私の意識は真っ暗になっていった。

 

 

……。

「阿呆が…。何故お前が…。お前には娘がおるやろうが……。あんなに自慢してたやろうが…。」

儂は既に事切れた親友の顔を見ながら言葉を発す。

「…馬鹿野郎がっ!!」

お前は其れで良かったんか?あと少し我慢出来ればロキから恩恵を受けれた…そうすれば。

「お前はまだ娘さんと共に生きれた…ッ!」

嬉しそうに死にやがって、そんなに狂って死ぬのがええんか?

 

「…糞がッ!」

ちくしょう…救われねぇ。

「…ガレス。」

後ろから我らが団長様の声が聞こえる。

「どうした?」

「…彼は?」

「……あの娘っ子の父親だ。…あと少しで狂いやがった…この馬鹿野郎は。」

「そうか…。」

 

この団長様はきっと心を痛めてるんだろう。

昔からだ。悪を許さず弱者を守る。二つ名の勇者通りの男だ。

だけど…すまねぇな…。

「一人にしてくれ。」

「…分かった。」

 

団長様が遠くに行くのを感じる。

…なぁ友よ。

「お前は間に合わなかったが決してお前の行動は無駄なんかじゃあなかった。」

何故ならばお前はまもりたいものを護ったんだ。

「誇れ。お前の守りたかったもんは儂が守ったる。男の誓いや、受け取ってくれ。」

なぁ…お前…格好良かったぞ。

「埋めちゃらなぁ…あかんなぁ…お前の嫁さんも捜して…一緒に。」

 

だから…後は全部儂に任せて眠れ。友よ

 




やっぱ( ∴)って駄目だわ(再確認)
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