許して下さい!!なんでもブックスしますブックスッ!!!
人々が飢えを潤す場所、豊饒の女主人その店の隅の一角に皿が大量に積まれている。食べてる者はさぞかし大食漢なのだろう。
「いやーすまねぇな飯奢って貰って。」
「何…気にするな。此方側が其方に会ってみたいとベートに無理言わして連れてきて貰ったからな、言わば此れはその埋め合わせみたいな物だ。」
「いや…どんだけ食ってんだよ、お前…ただ飯だからって馬鹿みたいに食ってんじゃねぇよ。」
「まっ…まぁ…いっぱい食べるのは良いことだからな。」
食事、それは人が生きていく上で必要不可欠な熱量、栄養素を摂取する行為の事である。
しかし取りすぎると、様々な障害を引き起こす場合がある。
皆様はそこのところを留意して食事を取って欲しい、何事も節度が有るものだ。
さてはて、この少年ベル・クラネルは只今至福の時にいる。久しぶりに腹一杯に食事を取り、何時もならヘスティアに
「そんなに食べたらお腹を壊しちゃうよ!!」
と心配されて泣く泣く腹6分目以内に終わらせてしまうのだが今はそんな事を言われる心配はない。腹一杯食べても問題は無いのだ。
それにもう一つご機嫌な理由がある。
「(こーんな綺麗な御姉様と一緒に食事が取れるなんて、男としては嬉しい限りですよ!!)」
近くでベルの大食漢ぶりにドン引きしているこの女性、大層な美人だ。
しかし…ベルがこの御姉様にお近づきになるのは不可能だろう。
ベルが何時もの食事量で済ませておけばこの御姉様もちょっと食い意地の張った男の子として見られるだけで終わりまだ可能性があったが、自分より小さい子供が皿を塔の様に積み重ねるくらい食べている姿をみたらぶっちゃけ気持ち悪い。
実際にドン引きしておりもう修正不可能だろう。
ベルが己の本能のままに食べていると目の前の男から声がかけられる。
「食べながらで良いが少し耳を此方に傾けてくれたまえ。」
「…………………んぁ?」
思わず食べる手を止め男を見る。
「始めましてだな、ベル・クラネル。私の名前はオーリ・ストロンガー。アーリマン・ファミリアに所属している。気軽にオーリと呼んでくれたまえ」
その言葉に続く様に女性も発する。
「そういえばまだ自己紹介をしていなかったな。私はリヴェリアという。ベートと同じロキファミリアに属している、宜しく頼む。」
そう言い微笑みながらベルを見る。少し引いているのは御愛嬌。
「今思ったんだが…」
「どうした?」
「どうして俺を呼んだんだ?」
その言葉に3人から呆れた表情が見える。
「お前…さては話聞いてなかったな…」
「どうやら…そのようだな」
「全く……。」
「えっ…えっちょっとまて何か言ってたのか?」
「言ったぞ…ったくもう一度だけ言ってやるからな…ちゃんと聞いとけよ?」
ベートはそう言って一度に言葉を区切ると。
「要はこの場にいる奴等でダンジョンのマッピングに行こうって事だ。分かったか?」
「はっ……?いや…なんで?」
「それはだな…」
ベルが聞くと少しベートは口ごもる。そしてその質問にオーリが答える。
「其は我等が非常に優れた冒険者であり、この人選ならばこの我が問題ないと判断したからだ。」
「いや…まぁそうだけどよ。なんで俺達だけなんだ?ロキファミリアにでも任せれば良いだろ?」
するとリヴェリアが苦虫を潰した顔で返事をする。
「うちの神ロキが今年の怪物祭にロキファミリアも参加すると言い出してな…。今回は遠征が出来る状態じゃないんだ」
「そりゃ…大変そうだな。」
「全くだよ……。」
「其処で我がアーリマンファミリアに声が……いやこの我に声がかかったわけだ。」
「こいつ…こんな性格だが俺達と同じlevel6で世界最高位の魔術師だからな…。」
「然り。我に出来ぬ事など無い。」
「何故…こんな奴が優秀で…私の弟子が…。」
ベートとリヴェリアがボヤく、どうやら何時も苦労しているみたいだ。
「リヴェリアよ、我がその弟子を鍛えれば優れた冒険者にしてやると何時も言ってるだろう?」
「お断りだ。弟子がお前がお前の様になってしまったら私は舌を噛んで死ぬ。」
「何…それもまた一興よ。」
「うるさい」
「ハッハッハッハッハッ。」
「…ハァ…頭が痛い。」
「まぁ…要するにだ。」
「我の目に止まった者を此度の遠征に参加してもらおうと探していた所、我と同じlevelであり変形刀を使い戦うというお主を目に止まったから一目見てみようと呼んだわけだ。」
「で?俺はお前のお眼鏡に叶ったのか?」
「然り。」
「そりゃ良かった。」
話は終わったとばかりにベルは先程まで食べていたものに手をつけようとすると。
「はい、没収。」
ベートがその前に皿を奪う。
「なっ……ッ!!!」
「お前食べすぎ、もう何人分だ思ってるんだ」
「……さぁ?」
「6人前だぞ!!6人前!!お前の胃袋はどうなってるんだ!!」
「まだいけるぞ」
「バケモンかお前は……。」
ベートと話をしているとオーリが会話に入ってくる。
「ベルよ…一つ聞きたいのだが…お前のその食欲は生来のものか?それとも冒険者になってからか?」
「いんや…村にいたころはそんな事はなかったな…冒険者になってからだな、いくらでも食べれる様になったのは。」
「……そうか。」
「……何だよ…一体?」
「気にすんな、オーリが意味深な言い方をするのは何時もの事だ。」
そう言えば……。
「そう言えばベートとオーリって何処で知り合ったんだ? 違うファミリアだし接点が無さそうだが」
「あー……。」
そう聞くとベートは少し悩みながら答える。
「俺はリヴェリアがオーリとリヴェリアの弟子の件で喧嘩をしている所を仲裁した際に知り合ったんだ。」
「それを思い出させるな……。」
「ハッハッハッハッあれは愉しめたぞ。」
「私は何も楽しくなかったのだが……。」
そう言って項垂れるリヴェリア。まぁその話はまたいづれ語るとしよう。
「まぁ今日の所はここまでとしよう。また明日皆の所に使い魔を送るから詳しい事は明日我がファミリアにて話をしよう。」
そう言いオーリは体を霞の様にしながら消えていった。
「はっ?消えたぞ?」
ベルが目の前の事に驚愕していると。
「あーアイツまた分身を寄越しやがったな」
「だからなんでそんな超高度な魔術をポンポンと使えるんだアイツは……ッ!!!」
その事に慣れているのか二人して呆れながら席を立つ
「じゃあまた明日なベル。」
「また明日会おう。」
そう言って去っていく彼らを見て有ることに気づく。
「アイツ…ッ!!!何が奢りだ…おごる気なんて更々なかったじゃねぇかッ!!!」
そんな事をぼやいていると後ろからオーリの笑い声が聞こえてきた気がした。
「ハッハッハッハッハッ!!此だから止められないのだ!!」
無能の使いっ走りをするのだ。この程度は役得であろう。
しっかし…あやつら妙な事を言う。
「ベル・クラネルを必ず遠征に連れて行けか…。」
まぁ役にたたん無能共を連れて行くよりは遥かにましであろう。それに
「どうせ我に全てを任せたのだ、今更口出しさせるものか。」
猛者でもなく勇者でもなく盲打ちでもなく我を選んだのだ。
させるものかよこの世界は我を基準に回っておるのだ。他なぞ我の装飾品と同じよ。それに此度の遠征は何かがある。我の知らない何かが動いておる。
「精々我を愉しませる事だな。」
無能とてその程度は出来ようよ。
「ただいまー神様今戻ったぜ。」
すると神様がツインテールを跳ねながら此方に向かってくる。
「お帰りなさいベル君!!今日は外で食べないかい?」
「えっ」
「えっ」
「もしかして…もう外で食べてきたのかい?」
項垂れる神様を見て慌てて言葉を続ける。
「いんや」
「じゃあ行こう!!」
一瞬で元気になった神様は俺の手を掴み走り出す。
神様が食事をとっているなか俺が食べないのを疑問に思ったのか聞いてくる。
「食べないかい?」
「今日はいいや、あんま動いてなかったし」
「そっか…じゃあ一口あげるよ。」
そう言うと神様はスプーンに料理を救って渡してくる。
「ありがとよ。」
それを食べながらふと今日の事を思い出す。
「(オーリねぇ…。何か悪い奴じゃないんだけどなぁ。何か悪寒を感じるんだよなぁ…。)」
何故だかは分からない。だけど凄く大切な事の様に感じる。
そうやって考えてると神様が此方をキョトンと見ている。
「どうしたの?美味しくなかった?」
「いんや美味かった。」
「だったら良いんだ!!」
溢れんばかりの笑顔を見ながら会話を続ける。
「(やっぱり可愛いなぁ。)」
本当に貴方を守りたいと心の底から思えるよ。神様。
取り敢えず回収出来る伏線入れまくりました(真顔)
……よし!!(白目)