ベル覇吐   作:( ∴)〈名前を入れてください

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(´∴)〈暫く俺とはお別れだな。


幸せな夢 上

 

始まりはほんの些細な事だったんだ。何時も通りダンジョンに潜ろうとした、ただそれだけだった筈だ。

 

「聞いていますか?ベル君、君は何時も何時も私の言うことを聞かない…貴方も一流の冒険者なのだから皆の手本となるようにですね……だいたい貴方は初めてダンジョンに入った時もそうでした。私の注意を聞かずに

 

どれだけ怒られてるだろうか、正座した足は悲鳴をあげ始めている。

腰に手を当て私怒ってますとポーズを取り此方を見つめながら話してくる姿は整った容姿を相まって非常に似合っている

むしろ可愛い、お節介焼きのお姉さんって感じだ。だが今そんな事を口に出せば間違いなく大変な事に……ここは謝るしか無い

 

「すまねぇな…エイナさん、何時も迷惑かけちまってよ」

 

「全く貴方は少しは反省をすべきです。いつあなたがのたれ死ぬか賭けをしている不届き者まで出るほどなのですよ?」

 

何時も一人で潜っていたがそんな賭けの対象になってるなんて始めて知ったな

なんというか俺って実は有名人なのか?

 

「取り合えずちゃんとチームを組んでダンジョンには入ってください。分かりましたね?」

 

「はーい……」

 

「…少し待ちなさい」

 

よろよろと立ち上がりながら取り合えずの返事をしてこの場所を後にしようと動き始めると後ろからガシッと腕を捕まれた感覚を感じ後ろを振り返る。

 

「貴方はこう言っても聞かない事が多いです。と言うか聞きやしません。という訳で今日は貴方がチームを組むまで一緒にいさせてもらいます。良いですね?」

 

そう言って俺の腕を逃さんと体でギッチリと捕まってくる

 

「えっ…大丈夫、大丈夫だから取り合えず離れて下さいお願いしますエイナ様」

 

「駄目です今日という今日は遠慮しません。今日こそベル君にちゃんとした冒険者としての心構えを付けて上げます!」

 

更に絡めた腕に力を込め俺の腕はミシミシと悲鳴をあげ始める。

その細腕の何処からそんな力があるんだ

俺が動けずにいると早く進めと言わんばかりに身体を密着させてグイグイと足を進める。

 

「エッ…エイナ様?貴女様のお仕事はどうするおつもりで?」

 

「安心してください。貴方の調教…教育をすると言えば皆が快く送り出してくれましたよ?」

 

そう言いながら微笑んでくる姿は非常に可愛らしいのだが…いかんせん目が…目が笑って無いから少々恐ろしい。

というかもしや今日はこのまま?そろそろ腕が嫌な色に変わり始めそうなのに?

 

待ってくれそれは良くない…非常に良くないですエイナ様、そんなに身体を密着しないでくれ頼む。俺は神様一筋だが立派な一人の男なんだ。……こう色々とイキリ起つと言うか

 

「すまない…エイナ様、俺は神様ひとすじなんだ。だから貴女の思いを受け止める訳には……」

 

「ふんっ!!」

 

「あべぇっ!?」

 

折れる、折れる!!腕が凄い力で押さえつけられて大変な事になっちゃう、待ってお願いなんでもするから止めてくれ!

俺の腕は繊細に使ってもらわないと色々と支障が出るんですけど!?

 

「行きますよ。ウサギさん?」

 

「だっ誰か…助けてくれ。誰か……」

 

ずるずると引きずられながらも回りの職員や冒険者に助けをもとめるもサッと顔を逸らされて自分のしていた事に戻り始める。

 

こんな筈では……俺はただダンジョンに行こうとしていた筈なのに。

まぁ…何時もの事か

 

 

「 人皆七竅有りて以って視聴食息す」

 

そうかそうかお前が欲しいのは日常なのか…成程成程、ならば好きに夢を見よ

お前は救われて良いのだ…救われて救われてくれよ。

 

ーーーーーー

 

「どうしたアイズ、そんな暗い顔して何かあったのか?」

 

「あっ…ベート」

 

俺が夜眠れずに食堂に水でも取りに行けばアイズがポツンと座って此方を見つめてくる。何かあったのか?

 

「どうした?何か嫌なことがあるんなら俺に話してみろ、ちったぁマシになるかもしれねぇぞ?」

 

「ううん…違うの、嫌なことじゃ無いの……でも胸がキリキリして何だかいっぱいいっぱいになって溺れそうな感覚に陥っちゃうの」

 

「なんだそりゃ……」

 

俺がそう言いながら隣に座ると顔を赤くしながらそう返してくる。

 

「最近……何時も目で追っちゃうの、どんな時も何時も目で追っちゃうの…こんな事今までなかったのに……分からないのこれはなに?」

 

「何時もベートを見ちゃうの、ねぇベート?何でなの?」

 

「あっ……?お前…そりゃ…って、え?」

 

アイズの言葉に思わず声を詰まらせてしまう。……マジかよ、これ夢じゃないんだよな?

思わず自分の頬をつねるが鈍く来る痛みがこれを現実だと教えてくる。

 

「駄目……そんな事しないで」

 

「アッ…アイズ?」

 

「ベートの苦しい顔を見たら私も苦しくなるの……お願い、やめて?」

 

瞳を潤ませて俺を見つめてくるアイズに俺の理性は限界に達し始める。

駄目だ…耐えろ…耐えるんだ。

 

「ベート…ねぇ私……貴方を見ると心臓がバクバクするの。考えるだけでドキドキするの」

 

「これって病気なのかな?」

 

そう言いながら見つめてくる目を見た瞬間俺の身体は既に動いていた。

 

「……アイズッ!!」

 

「きゃっ!」

 

ガタンと大きな音を立てながら長椅子にアイズを押し倒す。

お互いの呼吸音が心拍音が聞こえるくらい近付きアイズを見詰める。

いいんだよな?これでいいんだよな?

 

「……うん、いいよ。ベートなら」

 

「アイズ……」

 

そうして俺達は……。

 

 

「此れ独り有ること無し」

 

そうだ、好きに夢を見よ。そこは桃源郷、お前達の楽園なり、何故苦しみながら生きなければならない?必要ないだろう?

 

ーーーーー

 

辺り一面の花で溢れ帰っている場所、私はそこでお母様と一緒にピクニックに出掛けた。何時もは忙しくて一緒にいられないお母様が今日は一緒に居てくれる。

こんなに嬉しい日はない

 

「お母様見て!花飾り!!」

 

「あら…綺麗な髪飾りね。よく作られているわ。」

 

「お母様の為に作ったの、はいどうぞ!」

 

「ありがとう…リヴェリア。とっても嬉しいわ」

 

私がそう言うとお母様は此方に向けくる

私が頭に花で作った冠を乗せるとお母様は私の頭を撫でてくる。

 

「えへへ…あのねお母様!昨日魔術を2個同時に詠唱出来るようになったんだ!見てて!!」

 

そう言いなが水と風の魔術を同時に放つ

空中に水を放ちそれを風で操り色んな形を作っていく。

ウサギにオオカミ、お菓子に果物、色んな形を作っていく。

 

「凄いじゃない!良くできているわリヴェリア、貴女は私の誇りよ!!」

 

「うん!いーっぱい頑張ったの!!」

 

「そっかそっか、よく頑張ったわね」

 

「うん!」

 

私をぎゅーって抱き締めながらお母様は私を褒めてくれる。

お母様!大好き!!

 

「よーし、じゃあちょっとだけお母様の凄い所見せてあげるわ。」

 

「今日だけの私達だけのお家よ」

 

そう言うと私達の周りを大きな魔方陣が幾重にも重なって広がり始める。

そしてそこから大きな大きな木が現れて風が木の中を空洞にしていく。

土が切った木を接着していき椅子や机を作っていく。

暫くすると大きな大きな木のおうちが出来た。

 

「さぁ、行きましょうリヴェリア」

 

「はい!」

 

そう言って私達はそのおうちの中に入っていく。

今日はいっぱいお母様と遊ぶんだ!!

 

 

「太極より両儀に別れ四象に広がれ万仙の陣」

 

愛い、愛い……なんと愛いのだおまえたちは…救われてくれよ。

俺はおまえたちがただ救われてほしい、それだけが俺の願いだ。

苦界で生きなくても良いではないか…ここは理想郷……お前達が救われる唯一無二の場所なのだから

 




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