ベル覇吐   作:( ∴)〈名前を入れてください

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…うーんなんかしっくり来ない…。なんでやろ?
…皆様なんでも良いので問題点があれば教えてください。(白目)
あっあとお気に入り登録30件突破しました。皆様こんな不甲斐ない駄文をありがとうございます。これからも頑張っていきますので良ければまた読んでください。(土下座)


序章 追憶 御祓

彼の赤い目が僕を案じる様に見抜く。

その姿、その立ち振舞い、彼の全てが僕にとって大切で僕にとって無くては為らないものだと感じる。…つまりこの少年こそがヘファイストスが言っていた、ずっと一緒にいたいと思える人なんだと。

 

まるで全てが決まっていた様に感じる。彼と僕が出会うのは運命だったんだって。

思わずただ茫然と彼を見ていると彼から言葉をかけられる。

 

「……おーい大丈夫か?嬢ちゃん。」

「うっ…うん…大丈夫。」

彼の言葉で現実に戻され返事を返すと面白そうな顔をしながら彼は言葉を続ける。

 

「いやぁ…可笑しな事もあるもんだ。」

「何が?」

「俺は今日初めてここに来たんだがよ。嬢ちゃんはここで生活してんだろ?」

「…まっ…まぁ一応そうかも?」

「なのにどうしても嬢ちゃんと初めてあった気がしねえんだわ。」

笑いながら言葉を続ける彼の姿に

 

「ここで会ったのも何かの縁、俺の名前はベル・クラネル、親しい者からはベルって呼ばれてんだ。」

「よろしく。」

笑顔で此方に笑いかけてくる彼の姿に

「…僕は、ヘスティア。」

「なんだ嬢ちゃん、顔真っ赤にして…もしかして俺に惚れたか?」

「……へっ?」

「ハッハッハッハッハッ!冗談だよ冗談。」

そんな彼に僕は目を離せなくなった。

 

少し彼との会話を楽しんでると、遠くが騒がしく感じる。

「……えらい向こうが騒がしいが何かあったのか?」

「…多分。」

「……何か危なそうだから大通りまで送っていってやるよ。」

「えっ…大丈夫だから……って!!」

そういうと彼は僕を抱き抱え走り始める。

 

その瞬間、辺りの空気の流れが変わる。まるでこの辺り一帯が隔離されたかの様に。

「…耳を手でふさいで目をしっかり閉じておけ。」

「えっ?何が?」

辺り一帯に破壊音が鳴り響く。

そして目の前の建物を粉砕してきながら、向こうの方から大きな巨体を持った化け物が姿を表した。

 

「グモォォォォォッ!!」

目の前に現れた怪物、それは頭がまるで牛の様な姿をした巨人。

その姿に僕は戦慄する。それは確かに昔本で見た姿と一致している、その名は

「ミノタウロス…ッ!!」

曰く迷宮に住む牛の頭を持ち巨大な体を持った怪物、その巨体はありとあらゆるものを捩じ伏せ、粉砕する存在。

「逃げるんだッ!!!勝てる訳が無いっ!!」

 

冒険者であったのならば話は別だったのかもしれない。だけど彼は今日初めてこの場所に来たと言った。……つまり彼はまだ冒険者じゃない。今彼とミノタウロスの間には圧倒的な壁が存在する。

そう彼に言うも彼は苦笑しながら言葉を発す。

 

「……いんや、ここで逃げたら男が廃る!!男ならこんな逆境笑って乗り越えなきゃなぁ!!」

そう言うと彼はミノタウロスから遠く離れた所に僕を下ろしていく。

駄目だ!!行かないでくれ!!

「死んじゃうかもしれないんだよ!?怖くないの!?」

「怖いもんか。…俺は勝つし死なねぇ。…見ときな!!これが益荒男よ!!」

そう言いながら彼はミノタウロスに向かって行く。

 

嘘だ。彼は嘘をついている…本当は怖がっているんだ。あの巨体と対峙する事を考えて恐怖している。

「何で…逃げないんだよ。なんで立ち向かうんだよ。」

茫然とただ彼を見つめる。只々ずっと。

 

 

化け物に向かって走りながらさっきの嬢ちゃんの顔を思い出す。泣きそうになりながら俺を止めようとするあの顔を。

「あの嬢ちゃんには悪い事したな……。」

思わず苦笑する。逃げる…か。

「逃げれたら苦労はしないんだがな…。」

走っていて分かった事がある。走れど走れど大通りに出れなかった。まるでそこからは壁の様になっていて、この空間に閉じ込められ、この場所は俺と化け物の戦場なのだと。

 

「……まぁやるしかないか。」

化け物が目の前に見えてくる。…見とけよ、嬢ちゃん。これが男って奴だ。

 

「おい!!そこのデカブツ!!さっきからでかい顔して暴れやがって。てめぇのせいでこちとら迷惑してんだよ!!」

目の前の化け物に向かって啖呵を切る。

そうだ…こっちだ…こっちを見な……。

 

すると化け物は此方を見つけるとうなり声をあげながら近づいてくる。

「グモォォォォォッ!!!」

「てめぇはそれしか言えねぇのか!?この牛頭が!!」

化け物がその巨体をフルに使い、此方に突進を仕掛けてくる。

 

そして、その突進が当たる瞬間。

「当たらねえんだよ!!」

天高く空中に飛び上がり、剣をそのまま化け物の頭目掛けて突き刺す。

「グモォォォォォッ!!!」

化け物は声を荒げながら頭を左右にふる。

「ちょっ止めろ!!止まれ!!」

剣にしがみついて落ちない様に踏ん張るも、剣が化け物の頭からスルリと抜けてそのまま天に放り投げられる。

 

「ちっ……んにゃろ!!」

天に投げられた瞬間、ベルは自らが持っていた剣を化物の頭の角目掛けてふる。

すると先程までただの大剣だったのがその刃を分解し小さな刃の集まりとなり、まるで蛇の様にしなりながら化物の頭の角に組み付いた。

そしてそのまま化け物の頭にふたたび組つくと、剣を元の状態にして頭に向かってふたたび剣をふるう。

「もらったぁ!!」

 

しかしその剣を振り切る事は出来なかった。

「グモォォォォォッ!!!」

ミノタウロスは自らの手を自分の頭にいる不届き者目掛けてはね除ける様にふり抜く。

ベルはそれを見た瞬間に飛び退こうとするも

「ガッ……ガァッ!!」

降りきられた手にあたり凄まじい衝撃とともに地面に激突した。

 

砂煙が辺りを包む。

その姿を見ながらヘスティアは後悔の念に包まれた。

「僕が…僕がッ!!!あの時彼を止めていればこんな事にはッ!!!」

さっき彼の姿を只々見つめていたツケがもうこんな所で来た。あの時止めていれば、一緒に逃げれてさえいれば。

「こんな事にはならなかったッ!!!」

涙を溜め、歪んだ視界で前を見る。するとミノタウロスが此方に向かって突撃してくるのが分かる。

 

「ゴメン。」

誰に向かって謝ったのかは分からない、ヘファイストスなのかもしれないしさっきの彼になのかもしれない。

こんな不甲斐ない身を許してほしいと思い目を閉じる。これから来る衝撃に身を震わせながら。

 

 

「なんやそれで終わりかい。」

思わずそんな言葉を発す。つまらん、こんなオチかと。よくある話過ぎてつまらん。

「ガキは勇者になれず、チビッ子もここで終わり。」

「威勢よく啖呵吐いた割には……おっ?」

ふとガキのいた所を見ると面白い事になってるのが分かる。

「そうじゃそうじゃ!!その意気や!!なんやまだまだ面白くなってきたやんか!!」

さあて…どうなるか。

 

目を閉じていずれ来る衝撃に身を震わせているも来るはずの衝撃が来ない。

「(どうして?)」

恐る恐る目を開けると

 

「どうしたデカブツ?…まだ俺は死んじゃあいねぇぞ?」

目の前に生きも絶え絶えな姿でミノタウロスの突進を剣で受け止めている彼の姿があった。

「……あっ。」

思わず声を出す。……良かった。生きてた。

「…言っただろう嬢ちゃん。」

「…えっ?」

見ると彼の体が高速で再生しているように見える。傷口が閉じていき、体中から煙を発す。まるで莫大なエネルギーが彼の体の中で蠢いているかの様に。

 

「グモォォォォォ…。」

殆ど死に体だった彼がミノタウロスと拮抗している。…さっきまでその巨体に振り回されていただけだったのに。

「ちゃんと見とけってな!!」

ミノタウロスの巨体を向こうへ飛ばす。

「纏めてテメェから受けた傷、そのままテメェに返してやるぜ!!」

「…すまねぇな…じいさん。約束破るわ。」

 

そう言うと彼は剣を正面に構えまるで祈る様に言葉を発す。

 

「伊邪那美命言 愛我那勢命 爲如此者 汝國之人草 一日絞殺千頭 」

「爾伊邪那岐命詔 愛我那迩妹命 汝爲然者 吾一日立千五百産屋 」

「是以一日必千人死 一日必千五百人生也 」

 

その言葉を聞いている僕は、まるでその言葉が彼の何かに対する真摯な祈りの様に感じた。

すると向こうから怒り狂ったミノタウロスが頭を低くして突進してくるのが分かる……

でもさっきみたいな恐怖は感じない。彼が僕の前に立っている、それだけで安心を覚えるんだ。

 

「禊祓」

彼が剣を振り上げる…そしてミノタウロスが目の前まできた瞬間。

 

「黄泉返り」

その言葉と共に剣を降り下ろす。そして光が辺り一帯を包みこんだ。

 

 

 

「カーカッカッカッカッカッ!!やりおったわあのガキ!!これはええ!!面白いもん見せてもらったわ。」

ぶっ倒れているガキとチビッ子を担ぎながら結界を解く。

すると先程まであった破壊跡は綺麗さっぱり消えて元の普通な姿に戻った。

 

「まぁ…面白いもんを見せてもらったさかいに、礼の一つばせにゃな。」

「取り合えず…。ファミリアにもってくか。」

そういいながら二人を担ぎヘファイストス・ファミリアへと足を進める。

 

彼は盲打ち、彼は自分の行動に理由を持たない。

ただこうなったほうが良いと直感的に判断をする。

だが彼の行動の結果は全て彼の良い方に行く

…彼が敵なのか、それとも味方なのか等考えても無駄だ。

何故なら彼にも分からないから。ただ1つ言える事はある…それは

「考えない様に見えて結果ピタリと嵌まる。これが一流よ。」

彼の行った行動は最終的に彼の為になるという事だけだ。

 




ヘスティアの過去話もいよいよ終わりに近づいて来ました。
……終わったら四つ巴の殴り愛宇宙か…。
さあて…KKK久しぶりにやるとするか。
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