ゼロの超越者 作:浜屋良和
展開も終わりも変わらないですが…(´・ω・`)
儀式から数日後―――
―――女子寮 ルプスレギナとナーベラルの部屋―――
「街まで買い物に行くからついてきなさい」
「ここの紅茶、あんまり美味しくないっすねー」
「…そうね」
ルイズからの突然の命令を、当然のように無視して紅茶を片手に雑談に花を咲かせるナーベラル・ガンマとルプスレギナ・ベータ。
部屋にあげられるも、席も用意されずに立たされるルイズ。
…むぅ…メイドの癖に…
「街まで買い物に行くからついてきなさい!」
聞こえていないのかも、と、声を張り上げてもう一度言う。
が、
「あーあー、早くナザリックに帰りたいっすねー」
チラリとルイズを見るルプスレギナ。
「…そうね」
同じくーールプスレギナよりも明らかな敵意を込めてーールイズを見るナーベラル。
そんな二人の抗議の視線にあてられ、背中に嫌な汗が流れるだけに終わる。
「で、ルイズちゃんはどうして私達についてこいと?」
少し遊んで満足したのか、話のきっかけを作る。
「…だって、アナタ達、メイドなんでしょ?」
当たり前の事よね?とばかりに言うルイズ。
「…まぁ、確かにそうっすけど、ルイズちゃんのメイドじゃないっすよ?」
「え?
だって、私の使い魔になったじゃない。」
ピシッ。
二人の持っていたティーカップにヒビが入る。
「ひっ」
「アインズ様の御言葉、まさか忘れたとは言わせないっすよ?」
「『我々の事は使い魔としてではなく、対等の者として扱え』…でしたね」
「ナーベちゃん正解っすー。
…で、ルイズちゃんにもう一度聞くわ。
『誰が、誰の、使い魔になった』んですか?」
二人の急変ぶりに身体の震えが止まらなくなる。
しまった、あの化け物達に隠れていたけど、この二人も化け物である可能性が十分にあったんだ。
あの時、窮地を脱したと思っていたけど、そんな事はなかった。
私はまだ崖の縁に立っていたのだ。
無駄な考えだけが頭に浮かび、なんと言えばいいのか答えが出せない。
結局、
「ご、ご、ごめんなひゃいぃ」
と、涙を流し声を震わしながら、謝ることしか出来なかった。
「もー、気を付けるっすよー?」
すると、いつもの調子に戻ったルプスレギナにヨシヨシと頭を撫でられつつハンカチで涙を拭われる。
ゾッとした。
当たり前だ、座っていたのに、一瞬で目の前に来たのだから。
動きが全く見えなかった。
「…まぁ、
プルプルと震えるルイズを冷たい目で見つつ、思ってもないことを口にする。
かなりの棒読みだが、彼女なりの演技なのだろう。
「おっ、ナーベちゃん乗り気っすねー。」
ルイズの後ろに回り、髪をいじり始めるルプスレギナ。
「アインズ様の命令だもの。」
「人間と仲良く、っすね。
あ、ルイズちゃん私のイスに座っていいっすよ。」
いじられているルイズは、気が気でない。
止めろと言えるはずもなく、されるがままに座る。
「でもどうするっすかねー?
街に向かうにしても場所が分からないっすからね。」
ルイズの髪を編んでいく。
鼻歌交じりでご機嫌そうだが、本性が見えない。
恐い。
「それもそうね、なにか良い案はないかしら?」
コップを置いて、考える振りをするナーベラル。
私から言わせたいのね…
ゴクリ、と息を飲み、ルイズが発言する。
「…それなら、私が案内するわ。
聞いたところ、土地勘ないみたいだし」
「ふぅん…良い案ね、人間。」
そういって、少しの間目を閉じてから席を立つ。
「…アインズ様から許可が出たわ。
セバス様も一緒にならいいそうよ。」
「じゃ、今からお出掛けっすね~。」
そして「お揃いっす。」と告げて離れた。
出掛ける準備を始める二人。
なんだろう、と、弄られていた自分の髪を見ると、ルプスレギナと同じく、綺麗に編み込まれていた。
器用さに感心してる合間に、ナーベラルは平民のような格好に着替え腰に剣をかけローブを羽織り、ルプスレギナはどこから出したのか、聖印を象ったような、身の丈ほどあるデカいなにかを背に担ぐ。
そして、ルプスレギナが座ったままのルイズの両脇を掴んで、ヒョイッ、持ち上げる。
そして、そのまま三人でベランダにでる。
《フライ》
ナーベラルがそう唱えると、空に浮かぶ。
「え?」
…どうして、飛べるの?
「ちゃんと捕まってるっすよ、ルイズちゃん。」
ナーベラルに気を取られている内に、お姫様抱っこに持ちかえられていた。
そして
《フライ》
ナーベラルと同じように、ルプスレギナも浮かぶ。
「あんたたちって、メイジだったの…?」
「んー、厳密に言うと違うんだけど、まぁそんな感じだと思っててくださいっす。」
「そう…」
…メイドと見下していた二人が、魔法を使えるだなんて…
ルプスレギナを掴む手に、力が入る。
「」