CALL OF THE DEAD 2   作:Sgt.T-bridge

1 / 1



1月13日 更新
胡桃のセリフを一部修正。
1月14日 更新
デンプシーが二人いたため修正







soldier meets girls

20xx年 日本

 

「おいおい今度はどこに着いたんだよ」

 

野太い声のアメリカ兵が頭を掻きながら隣にいるドイツ軍の将校に聞いた。

 

「どうやらまた未来に飛ばされてしまったようだな」

 

将校はいつもと同じ答えを返した。

どうやら彼らはまたもや元の世界よりも未来にタイムスリップしてきたようだ。

 

「おぉい、ウォッカが切れちまったじゃあねぇか!」

 

飲んだくれのソ連兵が頬を真っ赤にしながら先程までウォッカが入っていた瓶を覗き込みながら叫ぶ。

 

「先の場所よりも幾分か文明を感じる場所ではあるな」

 

壁やドアを調べながら日本軍の将校が呟く。

 

「少なくともさっきのクソ寒い牢屋みたいな所に比べりゃここは天国だぜ。あとはクソゾンビがいなけりゃあ文句なしだがな」

 

ドアを塞ぐ机とイスで出来たバリケードを見ながらアメリカ兵が言った。

 

「外を見てみるんだ。やはり奴らがいる。」

 

ドイツ軍の将校が窓から外を見て言った。

 

「あぁん?なんだありゃあ?ナチでもなけりゃロシア人でも、日本兵でもないじゃねぇか。」

 

ドイツ軍将校の言葉に従ってアメリカ兵が言った。

 

「何だっていい、とにかく奴らをぶっ倒して金が欲しい。おおお…俺にウォッカを寄越せぇぇぇぇ!!」

 

ソ連兵が窓を開けて叫ぶ

 

そしてそのソ連兵を柔術で投げ飛ばす日本軍将校。

 

「ふむ。しかしここは学校なのか?黒板や勉強机などがある上に、そしてあの文字は…」

 

日本軍将校が何かに気付く。

 

「ここは、日本だ!日本の学校だ!」

 

黒板に書かれた"日直"や"月"、"日"の文字

 

彼ら、アメリカ兵のデンプシー、ドイツ軍将校のリヒトーフェン、ソ連兵のニコライ、日本軍将校のタケオが新たにたどり着いたのは日本の巡ヶ丘市、そしてその街の巡ヶ丘学院高等学校という場所だった。

 

「ほほう、今度は日本か。しかし、未来の日本でこんなにゾンビがいるというのはどういうことなのだろうなぁ…」

 

リヒトーフェンが不思議そうに呟く。

 

「兎に角、何時も通りだ諸君。まずは壊れてしまったテレポーターの修理用の部品と工具探しから始めよう」

 

4人は何時も通り行動を始めた。

 

彼らがいる教室は前のドアはバリケードで固められているが後ろのドアは開いていた。

 

まずはそのドアから出ていく。

 

そして何時もと同じく全員がM1911とナイフだけを構えて移動する。

 

教室から出てすぐの廊下は所々に血がこべりついており、惨劇の生々しさを表していた。

しかしいくつもの修羅場を越えてきた四人にとってはいつもの光景でしかない。

 

「ゾンビはいないのか?」

 

デンプシーが前衛を務め、警戒しながら呟く。

 

「そんなはずはない。外にもいるのだから中にも幾らかはいるはずだ」

 

リヒトーフェンがその後ろに続きデンプシーのつぶやきに答える。

 

「祖国の人間を撃つのは気が引けるが…」

 

タケオが少しうつむきながら呟く

 

「む…いたぞ、奴だ」

 

ニコライが廊下のつきあたりにふらついていたゾンビを見つけ、いつもどおり体に2発頭に1発の計3発の弾丸をゾンビに叩き込む。

ゾンビは大きく怯み、その隙にナイフで止めを刺す。

 

「まずは肩慣らしからだ。」

 

上機嫌になりながらナイフに付いた血を拭う。

 

「この者は随分と若いな…」

 

上機嫌なニコライとは逆にタケオはやるせない気持ちになっていた。

未来とはいえ、ゾンビがいるとはいえ、ここは彼の祖国。そして今屠ったのは若い学生。生存のための致し方ない事とはいえ複雑な心境なのだ。死の沼で決断はしたが、やはり捨てきれない感情もある。

 

「おいタケオ、ブルーになるのは構わんが変な事だけはしないでくれよ」

 

そんなタケオを見てデンプシーが言った。

 

「やれやれ、まーた面倒くさいことになりそうだな」

 

ガバメントを撫でながら少し茶化した口調でリヒトーフェンが呟く。

外は日が暮れかかり、間もなく夜の闇が学校を包もうとしていた。

 

 

 

 

時同じくして学園生活部部室。

 

「さっきの音聞こえた?」

 

ツインテールの少女、恵飛須沢 胡桃が机の上に置いていたシャベルに手を掛ける。

 

「うん聞こえたよー。なんだか花火みたいな音だったねー。花火大会でもしてるのかなー?」

 

その問いかけにその場にはあまり似つかわしくないのんびりとした口調で答えるのは丈槍 由紀。

 

「花火大会、なのかな?」

 

由紀に対して笑顔で返しつつ胡桃の質問には真剣な表情で頷くのは若狭 悠里。

 

彼女たちはこのパンデミックでの生存者だ。もっとも、パンデミックかどうかはわかっていないが。

 

事の始まりは数週間前。何処からともなく奴らが現れ、たちまち彼女達の街はパニック状態になった。

目を黄色に光らせ、異形の容貌と地の底からのような叫び声を上げて迫り来る奴らに多くの人々が喰われ、そして奴等の仲間となった。

学園生活部の三人はそんな中でも辛うじて生き延び、自分たちの学校で失われた日常を送っていた。

 

「少し様子を見てくる。」

 

額に若干の冷汗を浮かべながらシャベルを握り胡桃は部屋から出た。

 

「行ってらっしゃーい!」

 

その胡桃の心中を知ってか知らずかいつものように満面の笑顔と声で送る由紀。

 

「…無事に帰ってきてね」

 

由紀に聞こえないような小さな声で悠里も見送る。

 

 

 

 

「今回もバリケードだらけだな!」

 

迫り来るゾンビをM14で撃ちながらデンプシーが叫ぶ

 

時刻は19時21分。日は完全に落ち、学校全体が闇に包まれている。

その中でけたたましく鳴り響く銃声とゾンビの叫び声、そして兵士たちの怒号

 

「うおおおおおおお!あと100でウォッカが買えるんだああああ!!」

 

「ウォッカ、ウォッカうるさいぞニコライ!早くバリケードをどかさんか!」

 

オリンピアショットガンをリロードするニコライとそれを援護するリヒトーフェン。

 

「すまん…!」

 

渋い顔でゾンビの額にM14を撃つタケオ。

 

彼らは2階の教室から始まり、各部屋をクリアリングし、1階に移動。その後も同じくクリアリングをし、今は2階と3階を繋ぐ階段で戦っていた。

 

「よし、行けるぞ!」

 

ニコライがバリケードを退かし道を作る。

 

ニコライに続きデンプシー、リヒトーフェン、タケオの順番で通り過ぎる。

 

「よし、あらかた片付いたみたいだな」

 

デンプシーがリロードしながら言った。

 

「そのようだな。さて、この階の捜索をしようかね。この学校から早く抜けたいものだ」

 

リヒトーフェンも安心したような口調でリロードをする。

 

四人は少しばかりの安息の時間に気を緩めた。

 

その矢先

 

「ちょ、ちょっと、あんたたち何やってくれてんのさ!!?」

 

突然の大声。しかも女の。

 

反射的に銃を一斉に構えると流石の女も怯え、思わずシャベルを落とし、手を挙げた。

 

「待て、生存者だ」

 

タケオがほかの三人を静止しつつ銃を下ろす。

 

「いきなり銃を向けてすまない。そして君は何者だ?」

 

「な、何者だ、じゃねぇよ。バリケード、どうしてくれんのさ」

 

女、というより少女は少し震えた声で強く聞いた。

 

「バリケード?あぁ、俺がどかした奴か。すまんな、生存者がいるとは思わなかったものでな」

 

珍しく素直に謝るニコライ。

素直に謝られたのが意外だったのか目を丸くする少女。

 

「バリケードは後で我々が直しておこう。それでいいだろう?」

 

「で、お前は何者なんだよお嬢ちゃん」

 

穏やかな口調のタケオと高圧的なデンプシー。

 

「え、えぇっと…その…」

 

口どもる少女。

 

「ふむ。見た感じではこの学校の生徒ではないのかね?さっきから倒してる連中と服が似ておる」

 

リヒトーフェンが顎をなで、凝視しながら言った。

 

「そ、そう。私は恵飛須沢 胡桃。この学校の生徒。貴方達は?自衛隊には見えないけど…」

 

「ジエイタイ?なんだそれは?」

 

聞きなれない単語に眉を顰めるタケオ。1945年の人間であるので当然の反応だ。

 

「あんた日本人でしょ?自衛隊も分かんないの?」

 

少し不審そうに尋ねる胡桃。

 

「軍隊か何かじゃねぇのか?」

 

デンプシーが当てずっぽうに言った。

 

「まぁそんなところね。でも良かった。ちゃんとした人間にようやく会えた。こっちに来てよ、ここで話すのもなんだし」

 

胡桃はそう言うと身を翻して廊下の奥の方へと歩いていった。

 

「おいおい待てよ」

 

「少し待っててくれ。バリケードを直してから行くよ」

 

とデンプシーが追おうとするがタケオに引っ張られそのままバリケードの修復に取り掛かった。

 

 

 

「ねぇねぇりーさん、これなんだと思う?」

 

残された二人は部屋に突然現れた奇妙な箱と壁の絵を調べていた。

 

「こんなものあったっけ…?」

 

その箱は細長い長方形型に蓋の部分に?マークが描かれていた。

そして壁の絵は何やら銃のような形をしている。

 

「銃みたいな落書きと開かない箱。一体なんなのかしら」

 

考え事をしている悠里を他所に由紀は箱を力づくで開けようとしていた。

 

「危ないよ由紀ちゃん!」

 

「うーん!硬いよこのフタ!」

 

顔を真っ赤にして必死で開けようとするが硬すぎて開かない。

ついにあかず、由紀は諦めたようだ。

 

「何か道具でも使えばいいのかな?」

 

「あまり触らない方が良いかもしれませんね」

 

そう話していると胡桃が見慣れない男四人を連れて帰ってきた。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさ…い?」

 

思わず固まる由紀。それもそうだ。見慣れぬ男四人。しかも全身血で汚れ、背中には銃を背負っているのだ。

 

「胡桃、その人達は?」

 

警戒しながら悠里が尋ねる。

 

「なぁに通りすがりのおっさんさ。すまねぇが少しの間いさせてもらうぜ。俺はデンプシーだ、よろしく。」

 

「怖がらせて申し訳ないな。私はタケオ。陸軍の将校だ。よろしく」

 

「俺はニコライだ。ダメ元なんだがウォッカはねぇか?」

 

「私はドクターリヒトーフェン。訳あって今はここにいるが、なぁに直ぐに出ていくさ。安心したまえ。」

 

それぞれ強烈な個性を持った四人。四人に圧倒される学園生活部だが、彼女達はどう接していくのか。

 




最後までお読みくださり、ありがとうございました。そもそもの発送はTwitterなどで見かけためぐねえレズノフ説。ここから着想を得て仕事の合間に書いて今日投稿しました。一応続けるつもりですが亀投稿になります。すいません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。