…………第15幕…………
「松永の最期」
松永は凍獄に婆裟羅技の存在とあるものを渡しに延暦寺跡に来ていた
凍獄『……松永か…』
久秀『兄にある事を伝えに参った』
凍獄『もしや…婆裟羅技の事か?』
久秀『いやはや…知っていたか…』
凍獄『既に修得済みだ…用はそれだけでは無いだろう?』
久秀『……これを預けにな…』
松永は凍獄に巻物を渡す
凍獄『これは?』
久秀『幻太郎が戦う勇気を取り戻した時…皆でみるといい…』
凍獄『?……わかった…これからどうする気だ?』
久秀『……群れを離れた魚の行き着く先はわからぬ』
松永はそう言い残して
その場を去った
次に松永は東大寺へやって来ていた
信長は境内のど真ん中に居座り
右には秀吉
左には光秀が座っていた
信長『松永……余は奴を斬れと言ったはずぞ…?』
久秀『私は兄の命令を聞く恩はない……』
信長『…いずれ天下を取る余に…牙を向けるか…』
久秀『いやはや天下を狙うとは…兄も大胆よのぅ…幻太郎は兄に殺されはせぬ…さて兄からは何を奪おう…何…絶望と恐怖位は残る…』
すると近くにいた秀吉と光秀が構えるも
信長が抑える
信長『ふははは!恐怖で日の本を支配しようとしている余に恐怖を残す?ふははは!……余が相手をしよう…恩を知らぬ飼い犬がぁ…貴様にやる褒美など無いわぁ!』
信長は銃で松永を撃つが
全て刀で受け流される
久秀『こんなものでは私は倒せぬぞ!』
松永は信長に斬りかかるが信長に受け止められてしまう
信長『貧弱ぅ……!』
信長はそのまま刀で
松永を振り払う
久秀『いやはや……さすがは第六天魔王…』
信長『ただの魔王が天魔王にかなう筈無し!』
信長は再び松永を撃つ
しかし松永はその弾丸を全て受け流す
久秀『同じ技を二度使うとは!』
だが松永の前に信長の姿は無く
信長はいつの間にか松永の後ろに立っていた
久秀『(なっ!後ろ!?)』
松永が気づいた時にはすでに遅く
松永は信長に斬られてしまう
久秀『ぐぁ!』
信長は倒れこんだ松永に銃を突きつける
信長『余は第六天魔王織田信長ぁ…余が開けるは地獄の蓋よ…!』
信長はそのまま松永を狙い撃つ
そして信長は先ほどいた
玉座に戻ろうとしたとき
倒した筈の松永が立ち上がった
松永『私は…がはっ!…自分が死ぬとき…肉片を…ぐふっ!…遺さぬようにしているのでな……!』
松永は刀を地面に刺した瞬間
大爆発が起こった
しかし信長は間一髪のところで
秀吉に助けられていた
秀吉『信長様…お怪我は?』
信長『……心配ない』
一方その一部始終を偶然見ていた
政宗の忍は
幻太郎に報告していた
幻太郎『松永が!?すぐ行く!』
幻太郎は馬を駈り
爆発の起こった東大寺に向かう
幻太郎が到着すると
その光景は
燃える東大寺と
禍々しいオーラを放つ
信長の姿があった
幻太郎『……信長!』
信長『……小僧か…』
幻太郎『てめぇ!松永をどうした!』
信長『ふん!恩を知らぬ飼い犬の処分したまでよ!』
幻太郎『!信長ぁ!ぜってぇ許さねぇ!行くぞ!無幻!』
無幻『まっ!待て!幻太郎!』
幻太郎『うぉぉぉぉ!』
幻太郎は無幻の忠告を聞かず
信長に斬りかかろうとするが信長に睨まれてしまう
信長『たわけがぁ!』
幻太郎『!(なんだ?身体が動かねぇ!)』
信長『……怒りに任せているようでは…余には勝てんぞ…』
信長の目は邪眼と呼ばれ
この眼で数々の武将を消し、滅ぼした
この眼の力は相手を恐怖で動けなくする事である
通称“天魔王の眼”
そして信長はその場を去る
幻太郎『…!ま!待て……!(な…なんだ?意識が…)』
極度の緊張が解けたのか幻太郎はそのまま意識を失ってしまう
数日後
幻太郎は目を覚ますが
魂が抜けたように
悲しみにくれていた
その事を知った八人は
米沢城に集まっていた
佐助『幻太郎、大丈夫かな?俺様ちょっと心配なってきた』
信猛『あぁ……大丈夫か?あいつ』
凍獄『使いに出した妖怪の報告によると……松永殿が東大寺にて焼死したようだ…』
虎『え!マジ!?だから幻太郎……あんなに……』
輝元『…いつかは人は死ぬ……それは遅かれ早かれやってきます……』
長風『我が友があんなにも落胆してしまうとは……』
すると政宗が突っ込みを入れる
政宗『つーかなんでてめぇらがここに集まってんだよ!』
佐助『まぁまぁ、いいじゃないの~政宗の旦那』
政宗『よくねぇよ!……幻太郎があの調子だ…一人にさせておいてくれ……Yousee?』
佐助『……わかったよ…でもちょくちょく様子…見に来るから』
政宗『OK……』
海以外は自分たちの持ち場に戻った
政宗『……あんたは戻らねぇのか?』
海『幻太郎の好敵手ですから…』
政宗『俺と真田幸村みてぇなもんか…確かにこんな事幸村との間にもこんな事あったな……』
海『まさか…』
政宗『武田の親父が死んだとき…あいつはすげぇショックだったらしい…』
海『兄上が?』
政宗『おれぁそんとき少し話を聞いて次は叱咤激励で奴をたたき起こした』
海『!!』
海はそのまま幻太郎の部屋へ向かう
政宗『…まぁ……あんたは女だし……っていねぇし』
一方幻太郎の部屋では
海『……入るわよ?』
幻太郎『……あぁ』
海『少しだけ話を聞く』
幻太郎『……話せば長くなる…』
海『…話してみて』
幻太郎の過去……
それは数年前
幻太郎と政宗は
輝宗と共に暮らしていた
幻太郎と政宗は
輝宗の修行の下
刀の技術を磨いた
幻太郎は一本の刀で
政宗は二刀流を鍛え上げたその翌年
政宗は輝宗から伊達家の家督を継ぎ
輝宗の六刀流を扱う修行を受けていた
その年輝宗は畠山氏に誘拐されてしまう
政宗と幻太郎はそれを追い河川敷に追い詰める
もちろん政宗は輝宗を返してほしいと懇願したが
拒否されてしまう
その時輝宗は政宗に言い放った
輝宗『ワシごとこやつを撃て!』
と
これは政宗にとっても
幻太郎にとっても、究極の選択を迫られているのだ
その時、政宗は父を撃った
輝宗の死は二人にとって
もう二度と犠牲者を出さない為の決意となった
幻太郎『……俺はまた…守れなかった……もう…戦えねぇ……っっ!』
そう言った瞬間
幻太郎は海からの平手打ちを食らう
幻太郎『!!』
海は幻太郎の胸ぐらをつかむ
海『お前は!それでも私のライバルか!お前はそれでも伊達政宗の弟か!』
幻太郎『!!』
海『お前は第六天魔王である織田信長を倒して天下泰平にしたいのだろ!』
幻太郎『っ…!』
海『貴様がそれでは松永もたいしたことないな』
海はその場を立ち去ろうとしたそのとき
幻太郎が海の腕をつかむ
幻太郎『待てよ……俺の事は何を言われようが構わねぇ……けどよ…松永のおっちゃんをバカにすんじゃねぇよ!』
幻太郎の眼は
闇に呑まれた眼から
真っ直ぐな眼に戻っていた
海『ふん!あんた……いい眼に戻ったわね!いざ!尋常に勝負!』
幻太郎『上等だ!』
幻太郎と海は中庭に出て
木刀を持ち勝負する