とても読みづらいところや、誤りがあると思います。
できるだけ、原作のキャラに性格、言葉を近づけました。
「ここが結界・・・ですか?」
「そうだよ。君が魔法少女になって初めての戦闘だね。がんばって」
私は最初、このキュゥベぇから『魔法少女』と聞いてとても楽しそうで、かわいいものだと思っていた。でも現実は案外、非情でした。
こんな恐ろしいものだったなんて・・・
☆
今日から私の新しい学園生活が始まる。
緊張しているせいか、身体が震えガラス越しに見える新しいクラスメイトの視線がとても怖く感じた。
「じゃあ琴美さん、入ってきて~」
担任の早乙女先生の声にさらに心拍数ははね上がる。
「ひゃい!」
思わず変な声出しちゃった・・・恥ずかしい。
皆笑ってるよ・・・。
「それじゃあ自己紹介」
「わ、私、琴美 玲華といいます。よ、よろしくお願いします!」
入学早々ボロボロだよぉ~。
「それじゃあ琴美さんは・・・暁美さんの隣が空いてるからそこに」
早乙女先生の手の先には一つ空席があり、その横の席に私にむかってなのか、先生にむかってなのかわからないがガンを飛ばす、暁美という女の子がいた。それはまるで私にその席に座るな、という警告のようだった。
それでも先生は私をそこに座らせるために無言でその席まで私を押した。仕方ないので私は横の暁美さんの鋭い視線を浴びながらその席に座ることにした。
朝のホームルーム終わりの休み時間。私のところにたくさんの人が来た。
どこ出身とか、何が好きとか色々と質問されて混雑しているなか、最初に感じた眼光と同じものが頬に刺さる。
まだ隣の席の暁美さんは鋭い視線を飛ばしてくる。
何を怒っているのか、聞きたいけど、私には無理な話だ。
机の周りがたくさんの人で混雑してるなか、一人の女の子がこちらに歩いてきた。
トマトのような真っ赤な髪をした女の子、その髪からこの子はどこか違うと私は確信した。
「よぉ!確か琴美だっけ?」
「えっと・・・あなたは」
「あたしは佐倉 杏子。よろしく!」
「よろしくお願いします」
佐倉さんは会ってすぐに私の手を握り、硬い握手をした。その握力は私の手が潰れてしまうのではと思ったくらい・・・。
私たちとそう変わらない体つきなのに、どこからその力が出るのか、私にはわからなかった。
「ん?あぁ、痛かったか?ごめん、ごめん。あまり力加減とかできなくてなー」
佐倉さんは笑いながらそんなことを言う。
だが、それ以上に怖かったのは握手したときに渡された小さく折られた紙だった。
授業が始まり、私は佐倉さんから渡された紙を開いてみた。
『ごめんね。これも作戦の一つだからさ。横のやつに気づかれないためのね。何か変なことされたり、怖かったりしたらあたしに言ってよ。力付くで直してやるからさ』
私はそれを読み終えると佐倉さんを見た。
寝ていた。
そして横からはまだ鋭い視線が私を刺していた。刺さったところから血が出そうなくらいに・・・
授業が一通り終わり、放課後になった。
私が帰ろうとした次の瞬間、
「帰るの?」
と横から声が聞こえた。そこには暁美さんが立っていた。
「帰りますが・・・」
「そう・・・佐倉さんに何を仕込まれたか知らないけど、私はあなたの味方だわ」
暁美さんはそう言うと、私の横を通る。
「それと帰り道、白い見たことない生き物には注意して」
そして教室から消えるように出ていった。
「白い生き物・・・何なんだろう」
「あいつはあんなやつだよ、いつも警告を出して帰るんだ、意味深な」
「・・・」
「まぁ帰ろうぜ、そうだ!どっか寄らねぇか?いい店があるんだ・・・っておい!」
私は何を思ったのか、暁美さんのあとを追いかけようと、教室から飛び出た。ちょっと走れば間に合うはずと思い、私は走った。
そして玄関に着いた。暁美さんの姿はなく、もう帰ったようだった。
そして私が暁美さんを追いかけるように佐倉さんも私を追いかけてきた。私と同じくらいの早さで走っていたはずなのに、体力の差があるのか、佐倉さんは息一つ乱してなかった。
「いきなり走り出すなよ、少し疲れたじゃねぇか」
「暁美さんのあの言葉が気になっちゃって」
「・・・まぁあいつにはどんなに走っても追い付けねぇよ」
「どうして?」
「直にわかるさ、あんたも私たちと同じ運命みたいだし」
「運命?運命って」
私の声と同時に下校時間を告げるチャイムが学校に響き渡る。私の声はチャイムによってかき消された。
「おっと、もう時間か。帰ろうぜ、あいつのことならあとでたっぷり話してやるからさ」
佐倉さんはそう言い、鞄を肩にかけると玄関から靴を取り出した。
「そうだ、一つ寄りたいところがあるんだ。寄っていいか?」
佐倉さんが寄りたかった場所というのは病院だった。たぶんこの町のなかで一番大きな病院だろうと佐倉さんは言っていた。
その中の一室、そこには水色のような髪の色をした女の子が眠っていた。
名前は美樹 さやかというようだ。
「さやかは私たちと同じクラスの一人、そして私の大切な友達だ。今は眠っちまってるけどな」
佐倉さんの話によると、ある事故の後から昏睡状態のようで、もう三ヶ月も経つらしい。
「見せたかったな、新しいクラスメイトの顔を」
「き、きっと起きますよ・・・信じれば」
「信じる、か・・・」
少ししんみりとした空気の中、一人の女の子が入ってくるのがわかった。
女の子といっても、私たちより先輩のようで大人びていた。
「佐倉さんも来てたのね。・・・あなたは」
「お、マミじゃねぇか。あ、こいつは今日転校してきた琴美 玲華だ」
マミと呼ばれた金髪の女の子は、私のことを知ると、一礼して自己紹介した。
「私は巴 マミ。よろしくね、琴美さん」
「よ、よろしくお願いします」
「ところで、美樹さんの様子は?」
「まだ起きないって・・・」
「そう・・・やっぱり傷が深くまで」
マミさんは明るい色をした花の入ったミニバスケットを窓際に飾ると、寝ている美樹さんの頭を撫でた。
「早く起きてみんなで色々と遊びたいな」
「また前みたいにマミさんの作ったケーキ、みんなで食べてさ。」
「ケーキが目的?」
「いや、んなわけじゃ・・・」
「久しぶりに来る?ケーキ、用意してあるから。琴美さんも一緒に」
「あ、ありがとうございます!」
「マミさんのケーキは絶品だからな~」
「それじゃあ、美樹さんに帰りの挨拶をして」
マミさんの挨拶に合わせるように私たちも挨拶をすると病室をあとにした。
どこか美樹さんも笑ってるように見えた。
マミさんの家でケーキや紅茶を貰い、食べたあとの帰り道。
道は暗くなり、家の門限時間を少し越えていて、私は急いでいた。
その途中、遠くの電柱の根本に何か白いものを見つけた。人形かな?
耳と尻尾が長く、耳には金色のリングのようなものが見える。背中には赤い模様があった。人形にしてはどこか動いているような気がした。
次の瞬間、その人形に穴が開き、そこから真っ赤な液体を流しながらそれは動かなくなった。
ピクリとも動かなくなったそれはどうやら生き物だったようだ。
私はそれを見ると、その生き物に近寄り抱き抱えた。どうやら一発の銃弾がそれに撃ち込まれたようだ。
生き物の息はもうなかった。
「見ていたの。」
聞いたことのある声が後ろから聞こえた。
振り返るとそこには中学の制服とは違う、私服とはまたどこか異なるような感じの服を着る暁美さんが立っていた。暁美さんの片手にはこの生き物を殺したと思われる銃が握られていた。
「暁美さん・・・どうして」
「この生き物はあなたにとって有害なもの」
暁美さんは私の腕の中から、力付くで引き抜くとその生き物の首を持ち、私にその死体を見せた。
「この生き物に気をつけて。この生き物の言葉を鵜呑みにしないで」
「暁美さん・・・」
「またそんなことして、楽しい?」
「本当に気持ち悪いことしてるな」
また違う声が私の後ろから聞こえる。その声はマミさんと佐倉さんだった。
「暁美さん、最近何かおかしいわ。まるで魔女に取り憑かれたかのように」
「マミの言う通りだ、何があった!」
暁美さんは二人の質問に、髪をかきあげるとクスリと笑った。
「あなたたちには言ってもわからないこと。聞くだけ無駄だわ」
暁美さんは生き物をごみを捨てるかのように横の電柱下に投げ捨てた。そして追い討ちをするかのように左手に着いた円盤から現れた銃で生き物の頭を撃ち抜いた。
「一つ言うなら、琴美さんを絶対に私たちのような運命に導かないってこと」
暁美さんはそう言うと、一瞬で近くの家の屋根の上に現れ、消えてしまった。
さっきまであったはずの生き物の死体も消えていた。
次の日。
あのあと、佐倉さんとマミさんは昨日のことを何も言わなかった。
暁美さんのこと、白い生き物のこと・・・
でも昨日起こったことは手品やマジックなんて言葉では言い表せないことだと思う。
教室は昨日のような騒ぎはなく、暁美さんの視線も無かった。佐倉さんに昨日のことを聞こうと思ったが、そんな雰囲気ではなかった。
放課後、私は佐倉さんに絶対に聞くことにした。何をしても、力付くで・・・(とても勝てそうには思わないが)
「佐倉さん!」
「うぉ!?ど、どーした?」
佐倉さんは目をそらす。だが、そんなことは関係ない。
「暁美さんがしようとしていたことや、あの生き物のことを教えてください!」
「お、おい。そんな大声で」
「教えてください!私だけ仲間外れにされるのは嫌なんです!」
「それは私が話すわ」
私と佐倉さんの間に入ってきたのは、暁美さんだった。
「暁美さん・・・」
「どうしたの?知りたいのでしょう?」
「・・・はい!」
「それなら着いてきて」
そういうと暁美さんは静かに教室から出ていった。私も追い付こうと走った。
でも暁美さんは歩いているのに、私は追い付けそうにない。まるで瞬間移動でもしてるかのように。
「もう限界?知りたいという意志が足りないわ」
私は息が上がっているのがわかっていても、まだ追いかけた。
次の曲がり角を曲がると、さっきまでとは違うガラス窓に覆われ、そこから景色の見える廊下の真ん中に暁美さんは立っていた。
「諦めなさい。それ以上走っても無意味だわ」
「まだ・・・私は・・・」
暁美さんは髪をかきあげると、ため息をつく。
その一瞬を捕らえ、私は暁美さんに飛び付いた。だが、今度は完全に暁美さんが瞬間移動をしているところを見ることができた。
「それはいったい・・・何の魔法?瞬間移動?それとも時を止めて私から逃げていた・・・とか」
「!」
「図星のようね。さっきから教室の曲がり角ばかり、曲がってくれたからわかった。この学校の教室は壁がガラス張りで、外壁などにしかコンクリートが使われていない。だからガラス越しに暁美さんを見てたの」
「なるほど・・・私の計算外だったってことね。じゃあこれからは自由に使えるのね」
暁美さんは次の瞬間、姿を消してしまった。どこに行ったのか全くわからなくなってしまった。
玄関で待ち伏せしていると、暁美さんよりも先に佐倉さんが階段を下りてきた。
「お、先帰ったのかと思ったら、玄関にいたのか」
「暁美さんが捕まらなくて」
「そりゃそうだよ。アイツは時を止めて逃げれるからな」
「え?佐倉さん、今何て」
「え?・・・あ。」
「やっぱり暁美さんのことや、あの生き物のこと」
「な、何のことかなー」
佐倉さんは目をそらし、私の目を見ない。
「とぼけないでください。前にたっぷり話すって言いましたよね」
「・・・ったく。しょうがない、琴美には」
「僕が話すとするよ」
佐倉さんとは違う男の子のような声が私のなかに響く。
「お、キュゥべぇ。大丈夫か?」
佐倉さんはそう言い、私の後ろに向かって手を振る。
そこには昨日、暁美さんが殺した生き物がこちらをその真っ赤な眼で見ていた。
「僕は死んでも代わりがいるからね。あれくらいの攻撃じゃ全滅したりしないよ。あ、初めまして、琴美 玲華」
キュゥべぇは佐倉さんの体を、木を登るリスのように登ると、肩の上で笑みを作った。
「初め・・・まして」
私が言葉を発した次の瞬間、キュゥべぇはどこからか飛んできた銃弾に当たり、佐倉さんの肩の上から落とされた。どうやら銃弾は窓の外からのようだ。私はおもわず腰が抜けてしまった。
「まさか校内なら殺されないと思って彼女に近づいたけど・・・君にはそんな心はないか」
窓から銃弾の飛んできた方向を見ると、そこには暁美さんが立っていた。
「私の目的はただ一つ。キュゥべぇ、あなたが琴美さんに契約させることを拒むこと。例え学校が壊れても・・・ね」
「君がいる限り、僕は無駄に殺されるみたいだ。でも、彼女が必要なんだ」
キュゥべぇが言葉を放つ度に、暁美さんは銃弾を放った。
「無駄よ。琴美さんには指一本触れさせない」
暁美さんは銃をしまうと、窓から学校の中へ入ってきた。そしてキュゥべぇの死体を掴むと、窓の外の花壇に投げ捨てた。
「キュゥべぇを見たら、何が何でも逃げなさい。契約したら最後、あなたは死ぬことになるわ」
私は暁美さんの言葉と力に脅えて、立つこともできなかった。
ありがとうございました。
次回もお願いします。